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小学生の冬休みの読書におすすめの本、学年別セレクト!

冬休みには、冬が舞台になった楽しいお話や、普段なかなか読めない長いお話、冬に読むとよりワクワクする冒険物語に挑戦してみませんか?

冬休みは夏休みよりもちょっと短いけれど、年末やお正月に家の中で過ごす時間や、移動の時の電車や車の中などの時間をうまく使うと、集中して読書を楽しむことができますよ。気に入ったシリーズがあったら続けて読んでみるのもおすすめです。

 

今回は、対象学年別に、冬休みにおすすめの本をロングセラーから話題の新刊まで幅広くご紹介。合わせて、お正月の行事や十二支の由来など日本の文化について学べる本などを集めてみました。冬休みの読書の参考にしてみて下さいね。

 

※対象年齢は目安になりますので、前後の対象学年の作品もおすすめです。

小学1年生の冬休みの読書におすすめの本

十二支の動物のことやお節料理についての知識がつく楽しいお話

年の神様は、十二の動物たちを集めて、お節料理の準備を命じました。ひつじは下ごしらえ、さるは料理番、そして来年が干支のとりたちは…。日本のお正月えほんの定番です。『じゅげむ』(クレヨンハウス刊)の作家、川端誠さんが描いた、十二支とお節にまつわる物語。

ものだってお休みが欲しい! 冬休みもこのシリーズで笑っちゃおう!

子どもたちの身近にあるさまざまなものが、突然“おやすみがほしい”と言い出す「わがままおやすみ」シリーズ。今回、冬休みが欲しいと言い出したのは…?

今日は家族でスキー旅行へ行く日。けんいちが戸締りを点検していると、いつもの場所にストーブがない。おかしいな、と思っていると、こたつがどうもあやしい…。そこでこたつぶとんをめくってみると、中にいたのは、探していたストーブ!「ちょっと、さむいやないの。ふとんおろして」とふりむいたその顔には、目も口も鼻もついていて、さらにみじかい手足まで生えていた!ストーブは、今日から冬休みだと言い出し、けんいち一家がスキー旅行に行っている間こたつで留守番しているといいます。しかしどうにも心配なけんいち一家は、ストーブも一緒にスキーに連れて行くことに。

ストーブが動く?しゃべる?えっ、スキーにまで連れて行っちゃうの?

(続きはこちら>>>)

冬もめいたんていのネートと一緒にナゾを解こう!

ロザモンドからネートへのたんじょうびプレゼントがきえた!でも、どんなプレゼントかわからないままみつけられるの!?日本での最初の刊行から30年をへて、いまなお人気のぼくはめいたんていシリーズ。新装版第6弾です!

「のはらおばさん」と子どもたちが、今回は雪の野原を探検!

白いのはらのこどもたち 新装版

野原の好きな「のはらおばさん」が、子どもたちを連れて野原を歩くお楽しみ会「のはらクラブ」。今回は白い野原、つまり雪の野原を散歩する、冬にぴったりなおはなしです。

おばさんとのんちゃんは、のはらクラブの他のメンバーたちを誘わずに2人で出かけました。雪の上を歩く昔ながらの道具「かんじき」が2つしかなかったのです。最初に出会ったのは、不思議な足跡。おばさんは早速、名推理でキツネとタヌキの足跡だと解説! こんな風に「これはなんだろう?」「あれはなにかな?」なんて、自然観察をしながらのお散歩が続きます。雪のかまくらでのこたつ体験や俳句作り、牛舎のサイロの仕組みなど、大人も知らないエピソードがいっぱいで、ワクワクしながら読み進めていくと……。


不思議なことに、おばさんとのんちゃんは、雪の野原で次々とのはらクラブのメンバーたちと出会うのです。
そうしてみんなで一緒にワイワイおしゃべりしながら歩いて行くのですが、なんだかみんなの様子がちょっと変。
かんじきも履かず、軽装で寒さもへっちゃら。そして、「おやつ」という言葉が出た途端に……!?

ラストでびっくりしたら、もう一度読み返してみてください。あちこちに、ヒントが隠されていたことに気づきますよ。

『まあちゃんのまほう』など、軽妙なファンタジー世界が魅力のたかどのほうこさん。今作でも、知らない間に、たかどのほうこワールドに迷い込みます。読み物ですが、絵もたっぷり。絵が多彩な解説となって、物語をわかりやすくナビゲートしてくれます。

(中村康子  子どもの本コーディネーター)

登場キャラが全部紙!の楽しいお話。ビーゴが初めて体験した冒険とは……!?(2023年の新刊より)

紙の子ビーゴのぼうけん

ある日、紙の子ビーゴは、おまもりを外して初めて空を飛びます。たこのたあ子と一緒に、風のふくまま気のむくまま、冒険の旅へ!

小学2年生の冬休みの読書におすすめの本

物語を楽しみながら、お正月の行事がよく分かる一冊

毎月読みたい、季節にぴったりの童話たち──シリーズ「おはなし12か月」

現代を代表する一流童話作家の書きおろし。
物語の楽しさを味わいながら、日本の豊かな季節感にふれることができます。
上質なイラストもたっぷり。低学年から、ひとりで読めます。
巻末の「まめちしき」で、行事の背景についての知識が高まります。

青い鳥文庫『黒魔女さんが通る!!』で大人気の石崎洋司がおくる、年の初めにまきおこる、不思議で縁起のいいおはなし。
お正月の行事が、よくわかります。

コートを縫ってほしいと注文に来た小さな女の子の正体は!?優しい気持ちになれるお話。

優しい気持ちになれる本
天から福の神修業中の小さな神さまフクミミちゃんが舞いおります。

近くにデパートが開店したせいで、ほとんどお客の来ない洋服屋さんに、ある日不思議な女の子が来て、お兄ちゃんのコートを注文します。女の子の言う通りの型紙を取って作りますが、出来上がったコートを受け取った女の子の正体は?最後にはお客さんも増えた洋服屋さん。心温まる物語です。

洋服に興味を示しはじめた娘に図書館で借りました。でも、3ちょっと早すぎたようで、内容をいまいち理解できていないようです。小学校低学年ぐらいが対象の本でしょうか。
洋服屋のコウさんの、すごいお人好しぶりに、大人の私はびっくりしながら読みました。でも、コウさんのような優しい気持ちを見習いたいと思います。
(いちがつにがつさん 30代・ママ・その他 女の子3歳、男の子0歳)

笑っちゃうけど、勉強になります!

国語の時間、「ふ・ゆ・や・す・み」の文字を、一文字ずつ頭につけて文章をつくる、ことば遊びの勉強をした。冬休みに「詩」をつくる宿題をだすから、そのための練習だって。北森先生、また文集をつくるみたい。

冬休みに入って、ずっと考えていたけど、ひとつも「詩」できんかった。ほんまは今日ひとつできたけど、母ちゃんが激怒して、ボツや。けっこうおもしろいと思ったけど……。次の日、「詩」の材料がおちてるかもしれないからって、母ちゃんと一緒に買い物に行くことになった。ぼくは、商店街で見たまま感じたままを書いてみたけど、家族のみんなは、どれもいまいちだって。

ついに冬休みも今日で終わり。のんびり一日かけて考えようと思ってたら、朝からファンヒーターがこわれてしまった。父ちゃんとふたりで電気屋に行く途中、ついに、いい「詩」を思いついた!

素直でユーモラスな詩が笑いを誘う、愉快な幼年童話。詩をつくる楽しさが伝わります。

少し長めの冒険物語にも挑戦してみよう!ふたごのペンギンのハラハラドキドキの冒険!

小学生の頃読んで
子供なら、非常に自分と重ねあわせやすいのではないでしょうか。実際自分がペンギンになって南極で生活しているかのような疑似体験が出来そうなお話です。
また易しい言葉で書かれていながら、南極でのペンギンの生態が細かな所をしっかり支えており、ペンギンが岩の上で固まって同じような動きをしているのをテレビで見かけたりするのはこういうことをやっている時なのかなぁなど想像の膨らむ、彼らを身近に感じられる内容でした。かなり下調べされていると思います。

また同作者の、映画にもなった『北極のミーシカミーシカ』は 北極での白くまの双子の成長物語です。
どちらかというとこのペンギンの方が読みやすく感じたのですが、ムーシカミーシカも相当に有名で、子供の頃読んだ記憶も甦る名作です。何十年も再読を願っていたタイトルでした。
(てぃんくてぃんくさん 40代・せんせい 女の子12歳)

くるみの森からお届けする、りすねえさんとなかまたちの物語。2冊目のお話です(2023年の新刊よりおすすめ)

りすねえさんとゆきの日の手紙

ゆきの日。りすねえさんがゆきあそびをしていると、ゆうびんやさんのこじかのくりたが、手紙をとどけにきました。三つ子のいもうとたちからの手紙です。まいにちのようにとどく手紙に、すこしあきてきた りすねえさんでしたが――。
ユーモラスでイラストもたっぷりの読み物3編に、漫画も収録の、読み応えある幼年童話。

合わせておすすめ。

小学3年生の冬休みの読書におすすめの本

日本の伝統行事について季節を通して丁寧に紹介してくれる絵本

正月から七五三、お彼岸など、日本の伝統行事について季節を通して丁寧に紹介してくれる絵本です。

こちらは「秋と冬の巻」。9月から2月までを順番に追っていきます。
例えば1月はお正月。お正月・元旦などの言葉の意味から始まって、家族で過ごす元旦の様子が描かれています。
正月飾り、鏡餅、そして豪華なお節料理!行事を盛り立ててくれるお祝いの小道具たちについては、
それはそれは細かく美しい絵で説明してくれるのです。特にお料理の絵には思わずつばを飲みこんでしまうほど。
初詣やかるた、羽子板などの新年を迎える楽しみ方や、書き初めや七福神の説明があり、
七草粥や鏡開きまで続きます。1月の気象や旬の草花や食べ物もちゃんと載っていますよ。
ひと月ごとにカレンダーのページがあるのもポイント。子どもたちにもわかりやすくていいですよね。(続きはこちら>>>)

テンポ良く進むお話で、「七福神」に詳しくなれます

ここにございました七人の神様。
「七福神」というユニットを組みまして、毎日毎日、寝る間もおしんで働いておられます。
そんな七福神さんの年に一度のお楽しみが、七人集まっての慰安旅行。
今年の行先は笑いの街、大阪!
いったいどんな旅になるのでしょう?

上方落語作家の著者が描く、一泊二日、神さまたちの観光珍道中!
七人とその他ゆかいな登場人物たちによる関西弁の軽妙な掛け合いは、落語かコントを見ているようです。

この作品のみどころは、なんといってもキャラクター!
典型的な大阪のおばちゃんとして描かれる「弁天さま」や、いっつもみんなに忘れられちゃう、影が薄くてネガティブな「寿老人さま」など、今までのイメージをぶちこわす七福神像には、抱腹絶倒まちがいなし!(続きはこちら>>>)

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ヒキガエルのウォートンの冬の大冒険!

新版ヒキガエルとんだ大冒険(1) 火曜日のごちそうはヒキガエル

一匹のヒキガエルが、ある冬の日に恐ろしいミミズクにつかまって、誕生日に食べられる!?

長い間、小学校国語の教科書にも取り上げられているこちらのお話。大人の方にはあっと懐かしく感じられた方も多いのではないでしょうか?1982年に日本で初めて刊行された後、2008年に訳を新たに装丁も大きく変わり、さらに読みやすく手にとりやすくなりました。

土の中で暮らしているヒキガエルのきょうだい、ウォートンとモートン。ある日ウォートンはモートンが作った美味しい砂糖菓子をおばさんに届けるため、寒い雪道をスキーで出かけます。しかし途中で足をケガして、たちの悪いミミズクにつかまってしまうのでした。ミミズクは6日後の自分の誕生日の特別なごちそうとして、ウォートンを食べるといいます。けれどもウォートンとミミズクは毎晩、お茶を飲んでたくさんおしゃべりをするように。もしかしたらミミズクの気が変わるかも?と淡い期待を持つウォートンとともに読者である私たちもウォートンがどうか食べられませんように、と祈らずにはいられません。そうするうちにもミミズクは、カレンダーの日付を1日1日「×」で消していき、誕生日はどんどん近づいて…。果たしてウォートンは食べられてしまうのでしょうか?

(続きはコチラ>>>
 

山と町とをこっそりつないでいる「まちの動物病院」の秘密とは!?

やまの動物病院

山のふもとにある小さな町。その町のはずれの一番山に近いところに立つ「まちの動物病院」。先生の名前は、まちのよしお。「よしよし」というのが口ぐせです。まちの先生は、ねこのとらまるとくらしています。
ゆうやけ時刻になると、先生はドアの外にかけているふだを裏返します。
「まちの動物病院 きょうのしんさつはおわりました」
先生は、じぶんととらまるのごはんを作って、食べて、お風呂に入り、ベッドで本を読み始めるとまぶたがだんだん閉じていきます。そうなると、ここからはとらまるの出番です。
バリバリとつめをといで気合いを入れると、裏口にある「ねことびら」のふだをひっくりかえすのです。
「やまの動物病院 どうぞ」

絵本の創作作品や翻訳作品でも人気のなかがわちひろさんによるカラーの挿絵がたっぷり入った楽しい絵童話。ユーモアたっぷりの楽しいお話と、とらまるの気持ちが伝わってくる所作や表情に魅力がいっぱい。患者の動物たちもかわいらしく愉快に登場します。またシンプルながらも目に飛び込んでくる和の色彩が美しく、大人の読者も心を掴まれてしまいそうです。

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

第二巻も発売されました!(2023年12月刊)

可愛くてゆかいなパンダのお話はいかが?

パンダのポンポンは世界でいちばん料理が上手なコックさん。でも、もしかしたら作るより食べるほうが好き? そんな食いしんぼうのポンポンを主人公に、ユニークな動物たちが次つぎに登場します。そして、レストラン・きら星亭は、今日も大にぎわい! おいしい料理をめぐって展開する連作童話集。

すっかり身近な存在になった「マスク」。その「マスク」に特別な力があったら!? (2023年の新刊より)

AIマスクはいかがですか?

あなたのなやみを解決する、高性能のマスクはいかが? ふしぎなピエロが売る「AIマスク」を手に入れた4人の小学生の運命は…? 4つのオムニバス・ストーリー。

小学4年生の冬休みの読書におすすめの本

年の初めに縁起の良いお話はいかが? フクミミちゃんに元気をもらえます!

福の神さまになるため、フクミミちゃんはさえないおべんとうやさんを繁盛させようと大ハリキリです。トラブルにつぐトラブルにもフクミミちゃんはへこたれません。

レイモンド・ブリッグズの絵本『スノーマン』が物語に。少年とスノーマンの夢のような一夜の冒険(2022年の新刊より)

スノーマン

ジェームズは、お父さん、お母さん、牧羊犬のバーディと一緒にいなかの農家で暮らす男の子。毎年クリスマスにはおばあちゃんがやってきて、大好きな『スノーマン』の絵本を読んでくれます。クリスマスイブが明日に迫った日、いつものように絵本を読んでもらったジェームズは、ベッドの中で『スノーマン』のお話のことを考え、雪が降って『スノーマン』のお話のようにならないかなあ、と考えます。

1978年に発表されて以来、世界中で愛されているレイモンド・ブリッグズの絵本『スノーマン』が、絵本の雰囲気そのままに、『スノーマン』の世界に憧れる男の子の物語としても誕生しました。お話をつけたのは、イギリスを代表する児童文学作家マイケル・モーパーゴ。さらに、アニメ『スノーマン』を担当したロビン・ショーによるたくさんのイラストが満載の豪華な一冊です。

子ども時代に『スノーマン』のお話と出会ったならば、想像の世界が心の中に作られて、大人になっても「スノーマン」と耳にするだけで、きっとその場所のことを思い出せるはず。そんな貴重な場所が作られることを願って、ぜひ小学生に届けたいお話です。

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

賢くて親切で友達思いのシャーロットと、素直なウィルバーの温かな友情物語

シャーロットのおくりもの

子ブタとシャーロットのかけがえのない友情を描いた児童文学の最高傑作!

(はじめて読んだ時、シャーロットというのがクモだという事に驚きましたが、このクモが、クリスマスに食べられてしまうという子ブタのウィルバーを全力で助けます。とっても賢くて親切で友達思いのシャーロットとかわいくて素直なウィルバーの温かな友情物語。原書は1952年にアメリカで刊行されており、長く読み継がれているファンタジーの古典です。)

冬眠からひとりだけ目を覚ましてしまったムーミンが見た、冬の景色とは?

講談社青い鳥文庫 ムーミン谷の冬(新装版)

まっ白な雪にうもれたムーミン谷。みんなといっしょに冬眠にはいったムーミントロールは、どうしたわけかひとり、目をさましてしまいます。外に出ると、そこは白一色の世界! 「これがきっと、雪というものなんだ。」きれいなしっぽをもつ子リス。水あび小屋に住むおしゃまさんや、はい虫の女の子――。はじめて知る冬の世界は、おどろきと出会いがいっぱい!

トーベ・ヤンソンがえがく極北の自然に生きつづける生命への感動がここに!
「泣いちゃいそうだよ」シリーズの小林深雪先生の巻末エッセイ付き。

昔ながらの日本文化が言葉の勉強にも!美しい挿絵にも注目です

江戸時代の習慣や、町の人々の暮らしが自然と目に浮かぶようなお話が4つ収録されています。着ていたものや、すんでいた長屋の様子など、図説コラムもはいって、読み応えたっぷり! もちろんあやかしたちの活躍ぶりも天下一品です。

ぬいぐるみのお医者さんの元で起きる不思議で温かな物語(2022年の新刊より)

りりかさんのぬいぐるみ診療所 わたしのねこちゃん

りりかさんは、ぬいぐるみのお医者さんです。
りりかさんは小さな頃に、ぬいぐるみのからだが思っていたほど丈夫ではなく、かわいがればかわいがるほど、やぶけたり、ほつれたり、汚れてしまうことに気づいてしまったことから、ぬいぐるみの診療所を開きました。
ぬいぐるみ診療所は、美しい高原の森の中。いちばん近い町からもだいぶ離れた山の中にあるにも関わらず、りりかさんのもとへやってくる患者さんはあとをたちません……。

お話を描かれたのは、「はりねずみのルーチカ」シリーズのかんのゆうこさんと北見葉胡さん。お話と挿絵の世界観がぴったり合って、美しくて温かな挿絵とともに、ぬいぐるみと持ち主それぞれの優しさと温かさ、切なさ、悲しみなどの様々な感情と、不思議で幻想的な魔法の世界が立ち現れます。「りりかさんのぬいぐるみ診療所」2巻目となる本書には、患者さんにはりねずみの「ルーチカ」が登場する嬉しいサプライズも!

「ぼくたちぬいぐるみは、こどもたちの家族や友達になれるという、本当に幸せな役目を担うために生まれてくるんだ」
ぬいぐるみが好きな子どもたちから、ぬいぐるみが好きだった(ずーっと好きな)大人の方に。大切なぬいぐるみへの思いとともに宝物のような本となることでしょう。

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

猛吹雪で動かなくなってしまった列車。このピンチ、どう乗り切る!?クロアチアの国民的児童文学作家が描いた名作!(2022年の新刊より)

岩波少年文庫 吹雪の中の列車

バラバラだった4年生のクラスに結成された〈子ども同盟〉。特別車両で念願の日帰り旅行にでかけますが、猛吹雪にあい、帰りの列車が動けなくなってしまいます。みんなで助け合おうと呼びかけるリューバンと、反発するペーロのみぞは深まるばかり。子どもたちはピンチを乗りきれるのでしょうか? クロアチア児童文学の名作。

冬休みに挑戦したいNO1作品といえば、やはりこれ!

カラー版 ナルニア国物語 1 ライオンと魔女

疎開先の古い屋敷で、ある日,4人のきょうだいが大きな衣装だんすの中に入ると、そこは雪のつもる別世界ナルニア国へつづいていました。永遠の冬に閉ざされていたナルニアで、子どもたちは正義のライオン、アスランとともに白い魔女の軍と戦います。長い間親しまれてきた挿し絵に画家自身が彩色をほどこしたフルカラー版。

(人間の世界とはまったく異なる空想上の国ナルニア。その誕生から滅亡までを、子どもたちの冒険を通して空想力豊かに描かれた「ナルニア国ものがたり」。その最初のお話です。子どもの頃に読んだ心に残る一冊として、たくさんの著名な方がこのシリーズを挙げています。心も体もまるごとお話に入り込める小学生時代にぜひ出会ってほしい名作です)。

小学5年生の冬休みの読書におすすめの本

子どもから大人まで、初めて読む『古事記』の決定版!!

『古事記』の上巻におさめられた神話が、富安陽子さんの息のかよった文章で生き生きとよみがえりました。全ページ、山村浩二さんによる挿し絵入りで、迫力のあるイメージが広がります。子どもから大人まで、初めて読む『古事記』の決定版です。

『雪の女王』を含む14話。アーディゾーニによる美しい挿絵とともに

アンデルセンのおはなし

時をこえて愛されるアンデルセンの珠玉の14編の物語を、『ムギと王さま』などで知られる画家エドワード・アーディゾーニによる繊細で美しいさし絵と、作家の江國香織さんによる清新な訳文でお届けします。

しっかりしたスズの兵隊/皇帝の新しい服/小さな人魚/空を飛ぶかばん/シャツの衿/お姫さまと豆/大クラウスと小クラウス/さすらう白鳥たち/みにくいアヒルの子/火口箱/おやゆび姫/雪の女王/かがり針/さよなきどり 以上14編収録。

年初めに落語のお話はいかが?

それは、あの日あの道端で、べろんべろんの爺さんとの出会いが全ての始まりだった。舞台は大阪、時は……。押しに弱い少年忠志が、落語を武器に、時空を越えて大活躍!

探検家を目指すための学校「私立探検家学園」に転校した小学5年生・松田コロンの冒険を描くシリーズが開幕しました(2022年、2023年の新刊より)

私立探検家学園(1) はじまりの島で

わたしは、松田コロン。小学5年生。この春、家から離れた山奥の、ちょっと普通じゃない学校に転校した。名前は「私立探検家学園」。探検家を目指すための学校みたい。学園には色んな国から子どもたちが集まってきている。授業はわたしが知ってるふつうの国語、算数,理科、社会とはかなりちがう。そし迎えたはじめての「実習」。わたしたちに告げられたのは驚きのミッションだった。おもしろいこと全部入り。心躍るシリーズ開幕!

おとぎ話の登場人物を養成する<善と悪の学校>をめぐる長編ファンタジー、第一巻!(2023年の新刊より)

スクール・フォー・グッド・アンド・イービル 1

村に嫌気がさしている美少女のソフィと、村で孤立しソフィしか友達がいないアガサが、正体のわからない「校長」にさらわれて、それぞれ「悪の学校(悪者養成所)」と「善の学校(プリンス・プリンセス・ヒーローなどの養成所)」に入れられる。おとぎ話のプリンセスになりたいソフィは、自分が悪の学校に入れられたことに我慢ができない。一方、善の学校に入れられたアガサは、どうにかして村に帰りたいと願うものの、たった一人の友達と離れたくない。お互い環境になじめずトラブルつづきのなか、ソフィが善の学校の男の子(アーサー王の息子)に恋をして、さまざまな事件を巻き起こす。

小学6年生の冬休みの読書におすすめの本

季語を知ると、見慣れた風景が新鮮に見えてくる!

俳句はさまざまな学年の国語の教科書に採用され、子ども達の俳句づくりも盛んです。日本の言語文化に欠かせない季語を集めた歳時記を子ども向けに楽しく面白く、ふんだんな絵で紹介する本です。季語は全部で600語以上に。

編集者コメント
季節ごとに「たのしいこと」「しょくぶつ」「おいしいもの」「おてんき」「くらし」「どうぶつ」「おもしろいことば」に分かれて季語を紹介しています。例句は400近くあり、その中には子ども達の句もたっぷり。子ども達がページを次々にめくってくれるように絵にも工夫がしてあります。絵のバトンを見つけてね。

「長い冬休み」になったのはなぜ? 冬ならではの世界を味わえる冒険物語の名作。

冒険心にあふれた子どもたちのお話
イギリスの児童文学作家、アーサー・ランサムの12巻からなる
ランサム・サーガと呼ばれているシリーズの第4巻、とても長くなってしまった冬の休暇のお話です。
活発で、冒険心にあふれた子どもたちの様子が生き生きと描かれています。 
舞台はカンブリア湖水地方。
ディクソン農場に冬休みの最後の一週間を過ごしにやってきたカラムきょうだいが、ナンシーの率いる探検隊と出会います。
自分たちで作ったイグルーにD姉弟を招き、二人にモールスや手旗信号を教え、さらに、自分たちの信号も作ります。
スケートに橇、毎日の冒険が終わりかけた頃、ナンシーがおたふくかぜになり、彼らは更に、潜伏期間の一か月を、学校に行かないで過ごすことになりました。
この巻で、手に汗握ってどきどきしたのは、岩場で動けなくなって衰弱した羊の救出劇でした。
そのあとの、ディクソンのおじさんとの関わりもとてもあたたかいものです。
(ラムネ色さん 60代・じいじ・ばあば )

年明けに読みたい!決してあきらめないアサギの強さに力をもらえる物語

自分の人生に役立てる
ブログで紹介されていたので図書館で借りてきました
舞台は太古の時代で、村では12歳になると男子は男屋へ、女子は女屋へ。男子は戦士になるための、女子は結婚のための準備を始める。ところが、アサギは「戦士になりたい」という夢を抱いている
ある時、戦士であるハヤから弓の手ほどきをうけることになる
ハヤの師匠であったサカは「戦士に必要なのはモノノミカタ」だと聞かされるアサギ
そしてある時アサギにも不思議な「声」が聞こえる
読み進めていくうちにどんどん物語に引き込まれてしまう、躍動感あふれる文章が情景を想像させてくれました
アサギと同じ気持ちになって時には悔しくて仕方がなかったり、狩りが楽しくなったり、見つからないかとドキドキしたり・・・・
ラストは様々な思いが折り重なることで、読者自身が自分の人生に役立てていくことが出来るのではないでしょうか
小学校高学年にお勧めですが、ぜひ大人にも読んでもらいたい長編ファンタジーです
(風の秋桜さん 40代・その他の方・埼玉県)

1人の少年と図書館との素晴らしい出会いの奇跡

希望の図書館

一九四六年、アメリカ。「黒人は、図書館に入れない」とラングストンの母親は言っていた。しかし、新しく越してきたシカゴの町で、ラングストンは、だれもが自由に入れる図書館を見つける。そこで、自分と同じ名前の詩人が書いた本と出会い、母親の「秘密」にふれることになる…。読書の喜びを通じて、小さな自信と生きる勇気を手に入れていく少年の物語。

少女を変えた不思議な少年とブラックバードとの出会いが起こす希望の物語(2023年の新刊より)

ブラックバードの歌

フルートを生きがいにしていた少女アニーは、音楽学校に入学するための準備をしていたが、母親の起こした事故で手にけがを負ってしまう。リハビリをすれば、元通りフルートも吹けるはずと医者には言われているが、なかなかそんな気にもなれず、母親とも普通に接することができなくなっていた。沈んだ日々が続いていたある日のこと、アニーは、引っ越した先の空き地で、大空へと舞い上がるような軽やかな音楽を耳にする。そこにいたのは、ヤブに頭を突っ込んだ男の子と、つがいのブラックバードだった…。
さわやかな希望と再生の物語。

いかがでしたか?

児童書には、小学生だけでなく、大人が読んでもぐっとくる魅力的な作品がたくさんあります。冬休みは親子で一緒に同じ本を楽しんでみるのもいかがでしょう。どうぞ、本とともに楽しい冬休みを!

秋山朋恵(あきやま ともえ) 

絵本ナビ 副編集長・児童書主担当

書店の本部児童書仕入れ担当を経て、私立和光小学校の図書室で8年間勤務。現在は絵本ナビ児童書主担当として、ロングセラーから新刊までさまざまな切り口で児童書を紹介。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、まず本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線で本を選ぶことを1番大切にしている。編著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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