幼児期に魚を好きになろう! 読み終わったら魚が食べたくなる絵本『さかなちゃん』
魚をあまり食べない、という子どもが増えているようです。魚は骨があって食べにくかったり、食卓に並ぶのも手間がかかる魚料理よりお肉のほうが多かったり……、ということもあるかもしれません。でも、健康のためにも日本の食文化のためにも、子どもたちに肉と同じように魚も好きになってほしいですよね。体や脳の成長に必要な栄養を多く含んでいる魚を、幼児期に好きになってくれたら……。
小さな子どもたちに、食としての魚の魅力を、楽しく伝えてくれる絵本があります。堅苦しいことは抜き! 魚っておいしい、いろんな魚がいていろんな食べ方があって、面白い! という、シンプルな楽しさいっぱいの一冊です。
「さかなちゃん」に教わって、魚に詳しくなっちゃおう。
さかなちゃんは魚が大好きな女の子。本当は「ささき かな」という名前だけれど、ささきの「さ」の字に名前の「かな」を足して、「さかなちゃん」と呼ばれているくらい。朝食にも魚は欠かせません。ごはんには脂がのった焼き魚、パンのときだって、やっぱり魚!
さかなちゃんは、「さかなくいおう けっていせん」に参加します。
魚が大好きな「さかなくい」たちが集まって、魚の知識や食べ方を競うのです。
さかなちゃんの1番の「さかなくい」友達、イギリスからやってきたエミリーも一緒です。
材料に魚が使われている加工食品、わかるかな?
お寿司を見て、何の魚かわかるかな?
そして最後は、骨があって食べにくい「あじのひらき」をきれいに食べる対決が待っています。
手ごわそうな「さかなくい」たちの中から勝ち抜いて、さかなちゃんは「さかなくいおう」になれるのでしょうか?
『さかなちゃん』って、どんな絵本?
・身近な種類の美味しい魚たちが登場!
あじ、さば、さんま、かつお、マグロ、かんぱち……。子どもたちがよく耳にする身近な種類のお魚がたくさん登場します。
絵は、平田景さん。ユーモアたっぷりの楽しい絵ですが、お魚の絵はぐっとリアル! 回転寿司や焼き魚の絵は、新鮮で脂がのって、とってもおいしそう。見ているだけでおなかがすいてきちゃうんです。
・おはなしを通して魚の知識に触れられる
おおらかでのびのび楽しいおはなしは、平田昌広さん。いつのまにか「さかなくいおう けっていせん」の戦いに引き込まれて、さかなちゃんを応援してしまいます。
おはなしを通して、小さい子にもわかりやすい魚の知識を教えてもらえるのがポイント。さかなちゃんの姿を見ていると、魚の種類を知っていることや、魚をきれいに食べられることがとても素敵に見えて、不思議と自分も真似したくなってくるんです。
本書のほかにも、『ひものでございっ!』(文化出版局)や『だんごうおです。』(徳間書店)など、魚の絵本を手がけている平田昌広さん・平田景さんご夫婦は、魚への愛情たっぷりの作家さん。
「子どもたちに魚に興味を持ってもらいたい」という思いが詰まった「魚絵本」です。
平田昌広さん・平田景さん「さかなえほんスペシャル」LIVEイベントにお邪魔しました!
神保町ブックハウスカフェで行われた、絵本LIVEイベントに伺いました。
平田昌広さん・景さんの新刊、『さかなちゃん』(少年写真新聞社)と『かいていとっきゅう しんかいせん』(交通新聞社)の発売記念のライブ。たくさんの子どもたちとファンの方が集まっていました。
絵本の制作についてのトークや、景さんが絵を描きながらのクイズもあり、大人も子どももワイワイ盛り上がりました。
『さかなちゃん』は、実はもともと郷土料理の絵本として企画がスタートしたのだそう。けれども、もともと平田さんの絵本『どんどんめんめん』(えほんの杜)のファンだった担当編集者さんの、「やはり平田さんらしい勢いがある面白い絵本を描いていただきたい!」「読み終わったら魚が大好きになっているような楽しい絵本にしたい!」という熱い思いを受けて、今のおはなしが完成したのだそうです。
平田さんのトークや読み聞かせで大笑い、魚の話にも興味津々の子どもたちの様子を見て、参加した大人も嬉しい気持ちになったイベントでした。これからこの絵本に出会う子どもたちも、魚が好きな子はもっと好きになったり、苦手な子も食べてみたくなったりすると良いですよね。
声に出して読んで楽しい、親子の読み聞かせにぴったりの絵本。ぜひ手に取ってみてくださいね。
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