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人気絵本作家によって生まれかわったのは、世界で親しまれるあの昔話!『トムがてぶくろおとしたら』

よく手袋を落としてしまう子どもにぴったりの冬のおはなし

寒い冬。外へお出かけするときは、マフラーをまいて手袋をして……あたたかくして出かけたいですよね。でも子どもはよく落とし物をするものです。

ほら、道に小さい手袋がかたっぽ落ちているのを見たことはありませんか。

落とした子はがっかりしているだろうな。

かたっぽの手袋、だれが拾うかな。

もしかして、だれかが使うかな?

ねずみや小鳥が自分の家にしちゃうんじゃない?

 

……なんて、想像をはじめたら楽しくなってきます。

ラチョフの絵で有名な『てぶくろ』(福音館書店)でもおなじみ、ウクライナで生まれたといわれ、世界中で親しまれる昔話が、アメリカの人気絵本作家、エイルズワース&マクリントックによって楽しい冬の物語に生まれ変わりました!

ウクライナ民話「てぶくろ」が、かわいいおはなしに!

トムがてぶくろおとしたら

福本友美子とマクリントックのタッグで、ウクライナ民話「てぶくろ」がかわいいお話に!
  「ぶる、ぶる、ぶるるっ!!」
  「いれておくれよ」
寒い冬のある日、トムがおとした てぶくろに、 こごえた動物たちが つぎつぎと!

世界中で親しまれているウクライナの昔話が、アメリカの絵本作家の手で楽しい絵本に

あるところに遊ぶのが大好きな、トムという男の子がいました。春は木にのぼり、夏はちょうちょうを追いかけ、秋は落ち葉の山にもぐりこんで大騒ぎ。

もちろん冬には一面まっしろな雪の中で遊ぶんです。あっちで遊び、こっちで遊び……。

それというのもおばあちゃんが毎年冬になると、かわいい孫のトムのために、耳まですっぽりかくれる毛糸の帽子や、首にぐるぐる巻けるマフラー、小さい手にもぴったりのあったかい手袋を編んでくれるから。

でも、遊びに夢中になったトムは手袋をかたっぽ落としてしまいます。

「あれれ、どうしよう!」

おばあちゃんはあした探しにいこうとトムを慰め、ホットココアをいれてくれます。

 

ちょうどその頃、1ぴきのリスが雪の上に落ちている手袋を見つけて……?

リスが手袋の中でぬくぬく、ぽかぽか、いい気持ちでいるところにウサギがやってきます。

「あしがこおりみたいにつめたいの」「おねがい! いれておくれよ」

次にはキツネ、そしてとうとうクマも……。

「ぶる、ぶる、ぶるるっ!! いれておくれよ」

いろいろな動物が登場するユーモラスな展開は、読み聞かせに最適

リス、ウサギ、キツネの3びきで、もうトムの手袋はぎゅうぎゅう詰め……のはずだけど、クマも入れるのでしょうか?

いろいろな動物が次々やってきて、「いれておくれよ」「もう まんいん!」「あっちへいけ!」「おねがい!」「じゃあ いいよ」「おはいり!」と言い合う場面がくりかえし登場します。

動物たちが、小さな手袋に体をぎゅうぎゅうねじこむ姿がとってもおかしいので、ぜひ絵本を見てみてくださいね。

 

トムの小さな手にぴったりだったはずの、赤い手袋がふくらんでふくらんで……!?

動物たちがなんとか入り込み「ぬくぬく ぽかぽか いいきもち!」になるくりかえしが、ユーモラスで心地よく読み聞かせにもぴったり。

 

とうとう最後はとんでもないことになりますが……、それは読んでのお楽しみ!

バーバラ・マクリントックのファンは必見!

絵を描いたのはバーバラ・マクリントック。『ないしょのおともだち』『ふたりはバレリーナ』(ほるぷ出版)など、日本でもファンが多い絵本作家で、ニューヨークタイムズ紙の絵本賞を5度受賞するなど世界で高い評価を得ています。

バーバラ・マクリントックの絵は、クラシックな建物や内装が愛らしいことが特徴のひとつ。この本の中でも、暖炉やストーブがあるあたたかそうな部屋にそれが生かされています。

読んだら、きっとトムのおばあちゃんのココアを飲みたくなっちゃうかも。

そんなときは裏表紙に「ホットココアのつくり方」が載っているので、つくってみましょう!

 

寒い冬だからこそ、親子で『トムがてぶくろおとしたら』を読んで笑ったり、ホットココアを一緒につくったり……。「ぬくぬく ぽかぽか いいきもち!」で眠たくなっちゃうような、あったかーい時間をすごしてくださいね!

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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