本の中に、また本が……?! 不思議感覚の絵本の世界を旅しよう!
本を開けば、美しい風景の中や、見たこともない場所にだって、ひとっ飛び。ここに居ながら別世界を旅できてしまうのが、読書の最高に面白いところ。
この絵本も、あなたを「とびきりのリゾート地」に連れて行ってくれます。
でもこの本には、ある特別なしかけが。
……あれ? どこに行ってたの? ……
読み終わったら不思議な感覚に包まれる、ユニークな絵本の登場です!
えほんのなかに、え?! ほんがある?
主人公のトムくんが楽しみにしていた海水浴なのに、パパとママは遊んでくれない。ちょっと冒険と一人でおさんぽ。夕方になり帰り道がわからなくなってしまったトムくんの足元に、誰かが忘れていった本が一冊。トムくんがその本をひらいてみると……?
本に綴じこまれた3つの別世界!
なんて いい おてんき!
そらは あおく すんで
おでかけびより。
おはなしは、海沿いを走るトムくん家族のドライブの場面からはじまります。
青い空、海にはヨットが浮かび、なんて気持ちのいい景色でしょう。
トムくんは このひを とっても
たのしみに していました。
だって パパと ママと いっしょに
すごせるんだもの。
だけど、せっかくビーチに来たのに、パパとママはのんびりお昼寝。たいくつしたトムくんは、ひとりで探検に出かけます。
日も暮れはじめた頃、気づけばトムくんは迷子になっていました。足元を見ると、誰かが忘れていった本が一冊……。
ここで読者は驚かされます。
トムくんがおはなしの中で見つけた本が、実際に本の中に綴じこまれているんですから。(子どもたちの驚く顔が目に浮かびます。)
本を開いてみると……?
なんて いい おてんき!
そらは あおく すんで
おでかけびより。
おや? このはじまり、聞いたことがあるような……。
そう。この「綴じられた本」は、全部のページに、もとの本と全く同じ言葉が書かれているのです。
主人公は、トムくん。家族とおでかけ中です。
目の前に広がるのは、見渡す限り真っ白な雪山。
トムくん家族は、休暇でスキー場へ来ているのです。
トムくんは、スキー場を探検して、迷子になります。
足元には、誰かが忘れていった本が一冊……。
え!? 本の中の本の中に、また本が!
海にいたはずのトムくん、いったいどこへ行ってしまうのでしょう?!
パパとママのところへちゃんと帰れるのでしょうか。
おはなしの続きは、実際に本を手に取って確かめてみてください!
本の中の本の中の本。
どれも主人公トムくんの、同じ言葉で書かれた違う場所での物語です。
同じ文章でも、描かれる絵でこれだけ違う物語が見られるなんて、絵本ならではの面白さですよね。
フランス生まれのこの絵本は、おしゃれなグラフィックもみどころ。
落ち着いた色合いのレトロなテイストが、不思議な世界を盛り上げています。
さて、トムくんは、海で本を読んでいただけ? それとも本の中に入り込んで冒険してきたの?
ちょっと待って。あなたが手にしているこの本も、もしかしたら、トムくんが拾うはずの本だったりして……。
トムくんはどんな旅をしたのか、本の存在、面白さについて。
読み終わったら、親子で話したくなること間違いなし。
子どもたちに、きっと新しい読書体験をくれる一冊です。
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