【話題沸騰 奇跡のコラボ!】「作家×画家」の組み合わせが楽しい! 出版社オススメ絵本をご紹介
皆さんは絵本を買うとき、どんなところを見て選んでいますか?
対象年齢? 絵? 好きな作家さんかどうか? メディアで紹介された話題作? ロングセラー? ……人によって、絵本を選ぶポイントはいろいろありますよね。
その中のひとつに、「コラボで選ぶ」という方法があります。絵本には、「文」と「絵」を別の作家さんがかいているものも実は多いんです。(有名な作品では『おしいれのぼうけん』(作:ふるたたるひ、絵:たばたせいいち)や『はじめてのおつかい』(作:筒井頼子、絵:林明子)も絵と文は別の方が担当しています)
作・絵が別の作品には、組み合わせによる面白さや化学反応が生まれます。
「同じ作家さんの文なのに、絵が違うと雰囲気も変わるね」「この2人のコンビの絵本をもっと見たい!」そうやって絵本を選ぶ絵本好きも多くいらっしゃると思います。 今回は出版社さんプッシュする今イチオシの絵本を、「作と絵のコラボ」という視点で紹介します。
詩人・最果タヒと、イラストレーター・及川賢治(100%ORANGE)の初タッグ絵本。
最果タヒさん、及川賢治さんはどんな人?
最果タヒさんは、2006 年に現代詩手帖賞を受賞しデビューし、2007年に第一詩集『グッドモーニング』で中原中也賞を受賞しました。最近では、詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』の映画化や、NHK「ノーナレ」をはじめとしたテレビ番組での特集、2019年には横浜美術館で「最果タヒ 詩の展示」が開催されるなど、詩集にとどまらず、様々なジャンルに活躍の場を広げる、今最も注目を集める詩人の一人です。
絵を描かれた及川賢治さんは、「100%ORANGE」としてデビュー以来、イラスト、挿絵、漫画など、幅広い分野で活躍を続けるイラストレーター。
絵本は『まる さんかく ぞう』や日本絵本賞大賞を受賞した『よしおくんがぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし』など、文も絵も自身で手掛けた作品もありますが、『かがみとチコリ』(文:角野栄子)や『まちがいまちに ようこそ』(作:斉藤 倫 うきまる)など、絵のみを担当した作品も多くあります。
『ここは』は、最果タヒさんがはじめて絵本の文を担当した作品ということと共に、及川賢治さんとのタッグも話題となり、発売前から注目を集めています。
自分の居場所を見つめ直す、きっかけとなる一冊。
『ここは』は、お母さんの膝の上に座る「ぼく」の一人称でおはなしが進んでいきます。
お母さんの膝の上である「ここ」は、「まちのまんなかでもあります」。そして、「公園の近く」でもあり、「空の下」でもあり、「やまのふもと」でもある……。
ページをめくるごとに、「ここ」についての新しい情報が追加され、「ここ」を取り巻く世界の広さ、見え方の面白さを読者に気づかせてくれます。それと同時に、「ここ」が、ぼくにとって、たしかで絶対的に安全な場所だということ、「ここ」の心地良さを、私たちは感じることができます。
読み終わった後、自分にとっての「ここ」がどんな所なのか、絵本の中の男の子のように、「ここは……」とつぶやきたくなる作品です。
全国の子どもの本専門店から応援のメッセージ!
こころが迷子になりそうなとき、ふと立ち止まって、 自分自身の「ここ」を確かめるひとときをくれる絵本。
ここは、「あめのおとのはしっこでもあるね。」
そう、絵本をひらいて、記憶の中の雨音を思い出してもいいですね。
親子の愛の絵本でもあり、平和の絵本でもあり、自立の絵本でもあり、科学への目も向けられるような作品です。
(クレヨンハウス(東京) 馬場里菜さん)
とてもよかったです!
谷川俊太郎と和田誠の名コンビを彷彿とさせますね。
タヒさんの言葉も及川さんの絵もぐ―っとそしてぐわーっと 近づいたり離れたりして、とても面白い。
赤ちゃんから大人までたくさんの人に届けたいです!
(メリーゴーランドKYOTO(京都) 鈴木潤さん)
もしぼくがこの本を小さい頃に読んでいたら、きっと哲学者か科学者か、絵本屋になっていたと思います。
最果さんと100%ORANGEさんがブッ立てた四次元讃歌絵本。
すごくなくてもスゲーし、えらくなくてもエレーんだよ! カレー食って寝よ!
(てんしん書房(東京) 中藤智幹さん)
小さい頃、地図を見たり、宇宙のから見える地球映像を見て自分がその中に存在することがとても不思議でした。
一度、台風の目に入ったことがあり、気象図と自分が繋がったようで嬉しかったことを思い出します。
『ここは』を読んで、子どもの時に感じた、不思議が蘇ってきました。
自分は世界の中心であり、端っこでもある。 いろいろな角度から、自分を見ると面白い。 そして、「今、ここに在る、世界に繋がっている」ことを大切にしたいですね。
大人も子どもも大切なメッセージを受け取れる絵本です。
(えほんの店 コッコ・サン(高知) 森本智香さん)
河出書房新社のオウンドメディア「Web河出」にて、最果タヒさんと、及川賢治さんの刊行記念エッセイが掲載されています。
大人気絵詞(えことば)作家・内田麟太郎と、気鋭の絵本作家・北村裕花がお届けするユーモア絵本
内田麟太郎さん、北村裕花さんはどんな人?
内田麟太郎さんといえば、降矢ななさんとの「おれたちともだち」シリーズや、西村繁男さんとタッグを組んだ『がたごとがたごと』『おばけでんしゃ』『むしむしでんしゃ』、山本孝さんが絵を担当した「えほんのマーチ・行事絵本」シリーズなど……。誰もが一度は読んだことのある絵本の文をたくさん書かれています。元看板職人という経歴を持ち、自らを「絵詞(えことば)作家」と称する内田麟太郎さん。絵本だけでなく、詩や児童文学も多く手掛ける、キャリア30年を超すベテランです。
北村裕花さんは、2011年に『おにぎりにんじゃ』(講談社)で第33回講談社絵本新人賞佳作を受賞。翌年、『かけっこ かけっこ』で絵本作家としてのキャリアをスタートさせました。デビュー9年とフレッシュながら、中川ひろたかさんやかさいまりさん、サトシンさんなどベテラン作家さんの作品の絵を担当し、その実力は折り紙付き。『ねこです』や『こどもかいぎ』など、作絵共に北村さん自身が手掛ける絵本も多く、これからますます注目を浴びる絵本作家のひとりです。
内田麟太郎さんと北村裕花さんがタッグを組むのは、『たまたまたまご』が初めての作品です。
思いっきり笑いたい人にオススメ!
ある日、ゴリラが道で見つけた、とんでもなくでっかい「たまご」。
ゴリラは何のたまごなのか、首をかしげながら考えます。ワニさんのたまご?……ではない。ダチョウのたまご……も、違う? じゃあ、ゾウさんのたまご……?
ワニさんも、ダチョウも、ゾウさんもやってきて、みんなでなんのたまごなのか、話しているうちに、想像がどんどん膨らんでいきます。
すると、「ぴき、ぴき、ぴき」とたまごにひびが入って、中から何かが生まれようとしています。
たまごから生まれたのは、恐竜でしょうか、それとも……?
内田麟太郎さんの軽快な言い回しが読んでいてとても心地よく、どんどんおはなしの中に引き込まれていく作品です。北村裕花さんの勢いのある筆使いも、ありえない出来事をとてもリアルに表現していて、「本当にゾウがたまごを温めるとこんな姿かも……」「たまごから●●●が出てきたら、こんな表情になっちゃうよね」と思わず納得してしまう現実味があります。内田麟太郎さん独特のひょうひょうとしたユーモア世界にピッタリ。新たなコンビの誕生を感じさせる、肩の力を抜いて楽しむ一冊です。
絵本ナビユーザーの声をご紹介します。
特にそれぞれの動物たちの目に注目してほしいです。
内田麟太郎さんらしいナンセンス感がたまりませんでした。
まずゴリラ、そしてワニ、ダチョウ、ゾウが登場します。
ワニとダチョウは卵を産む生き物ですが、ゾウは産みませんよね。
そのあたりのところも、物語の登場する動物たちのやり取りが面白いです。
北村裕花さんの描く、動物たちの表情がとてもいいです。
特にそれぞれの動物の目に注目してほしいですね。
ちゃんと動物たちの特徴のある目のままいろんな表現をしてくれているんです。
見返しの部分に描かれているだまし絵みたいな模様も、物語を引きたててくれている気がしました。
テキストは短いのですが、このナンセンス感がわからないと楽しくないので、小学校低学年以上のお子さんたちにお薦めします。
(てんぐざるさん)
ビックリたまご
どでかいたまごの中には何がいるのでしょう。
ハラハラどきどきナンセンス絵本ですが、展開に引き込まれてしまいました。
そしてまさかの正体に口はあんぐり、常識を越えた絵本でした。
でもたまごって、何かの赤ちゃんが入っているんですよね?
(ヒラP21さん)
今回は作と絵のタッグの面白さに注目して、絵本を紹介しました。
あまり作家に注目していなかったという方も、これからは、作と絵のタッグに注目してみてはいかがでしょうか? 今までとは一味違った発見、絵本の楽しみ方を見つけることができるかもしれません。
ぜひ、あなたのお気に入りの絵本のコンビを見つけてみてください。
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