選択肢は多い方がいいに決まっている。 2018年8月16日
「あ、今日の予定なんにもない。」
そんなこと、滅多になくなったけれど、そういう一日がふと訪れると、とてつもなく嬉しく幸せな気持ちになる。
だって、どんなふうに過ごしても、どんなふうに使っても誰にも文句を言われない。意味があったって、なくたっていい。私が決める、私だけの気ままな一日。
だけど、そういうのって大人の勝手な楽しみ方かもしれません。ある程度色々な経験をしているから、一日あればどんなことが出来るのか、どんな楽しみ方があるのか、行きたい場所に行く方法だって知っていて、知っているけど、それらを無視して敢えて何もしない選択を取る…という所に喜びを見出していたりするのです。
子どもたちはどうだろう。
子どもたちは自由が一番。だけど、何も予定が入っていないからって自由ってわけじゃない。やっぱり、どんな選択肢があるのか知った上で選んだ方がいいのだろうな…と、この絵本を見ていると思うのです。
きょうがはじまる
「さあ、おきる じかん!
きょうは なにを しようかな。」
こんな風に始まる日は楽しいに決まってる。
だって、なんだって自由に選べるんだから。
まずは着る服を選ばなきゃ。
セーター、ドレス、きもの、オーバーオール、水着、しましまタイツ、パジャマ(!?)、それとも…羽根?
髪型はどうする?
おかっぱ、みつあみ、まじめ風、ハードモヒカン、それとも…伸ばしっぱなし?
準備が整ったら、今度は朝ごはん。
朝ごはんだって自由だよ。何をたべようかな。
ああ、楽しい。
さて、これからどこに行こう? どうやって行こう?
どんな一日にしよう!
朝の目覚めから、夜眠りにつくまで。
自分で選んで、考えて、好きなように過ごす一日。
毎日おとずれる、わたしの新しい一日が、
こんなにも色んな可能性を秘めているなんて。
絵本の中には、たくさんの選択肢が、素敵な絵と言葉で散りばめられていて、子どもたちの想像する世界をどんどん広げてくれます。カナダ在住の注目の絵本作家ジュリー・モースタッドが、子どもたちの探求心もオシャレ心も突いてくれます。だから、着た事のない服にだって、やったことのない遊びにだって挑戦できちゃうのです。みんながみんな、自分だけの違う一日を過ごせるのです。
「今日が終われば…また明日!」
明日が待ち遠しい、そんな気持ちの子どもたちが増えますように。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
自分で自分の一日を組み立てることが出来る。
選択肢を想像することが出来る。
それってすごくクリエイティヴなことだし、人生を楽しむ上で大事な作業。
何もすることがなくて(本当は勉強してほしいけど)、ゴロンと転がっている息子を見ながら「予定を入れてあげられなくて、なんか…ゴメン」、ふと考えてしまった一日でした。
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磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
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