大晦日だから読みたくなる絵本11選
年越しにゆったりした気持ちで年末をかみしめる絵本
ゆく年くる年、2017年がゆっくりと足音をたてながら去っていくのがわかります。
大晦日に遅くまでテレビを見ている人、コタツを囲んで家族団らんのひと時。みなさん、どのように年越しを過ごしているのでしょう。なぜだか少しだけ時間がゆったりと流れる12月31日の深夜。こんな時により一層年末のこの瞬間をかみしめたい。大晦日に読みたくなる絵本をご紹介します。
大晦日といえば年越しそば。深夜に食べたくなる絵本
大晦日に食べるものと言えば、年越しそばが定番なのですが、深夜だからこそ美味しく感じる、思わず音をたてて食べたくなるそば、ラーメン、うどんの絵本をご紹介します。
評判のラーメン屋とんちんけんに、いつもやってくる不思議なお客の正体をめぐるお話。1981年の名作を新装改訂して復刊しました。
屋台のそば屋に立ち寄った男、そば屋をおだてるだけおだてて、そばをたいらげ、さて、お勘定となり…。わざわざ「いくらだい?」と聞き、小銭しかないからと、1枚ずつ出しながら「いま何時だい?」と聞き、そばの支払いをごまかそうとしますが…。
★ひとこと秘話
絵本にはしづらい噺として、一度はお蔵入りしたことも。…というのも場面は夜のみ。
しかし川端さん、見事に、夜の闇を描きわけています!行灯と提灯をともした屋台のそば屋が真っ暗闇に照らしだされ、闇の濃さや通りの気配で、午前零時と夜十時の違いが、表現されています。
しんしんと待ちわびる夜の時間をあじわう絵本
いつもより少し長く感じる夜の時間。賑やかな音に囲まれながら、気持ちだけはなぜかしんとしている大晦日の夜。心の中に雪が静かにつもりはじめました。こんな絵本はいかが?
「堅雪かんこ、しみ雪しんこ」雪がすっかり凍った夜、四郎とかん子が小さな雪沓をはいて、歌いながら歩いていくと、森の中から子狐の紺三郎が出てきて、歌に入ってきます。二人は、紺三郎と友達になり、狐小学校の幻燈会に招待されました。月のきれいな晩、森の木の枝に白い敷布がかけられ、いよいよ幻燈会が始まります・・・。色彩を多く使わない黒と白の幻想的な世界がなんとも美しい1冊。
【著者プロフィール】 方緒 良 熊本県生まれ。1980年くらいからイラストの仕事を始める。独特のモノクローム作風で、単行本の表紙イラスト、挿絵などで活躍。児童書挿絵に「星の砦(芝田勝茂・文)」(理論社)、「【ホラーセレクション】サイコ(赤木かん子・編)」(ポプラ社)などがある。この「雪わたり」でけんぶち絵本の里 びばからす賞受賞。趣味は船などの模型を作ること。
北風が山をふきぬけ、風がひゅーるひゅーると歌いながらダンスを踊るうちに…白い影がふわりとたなびくと、ほうら、ゆきおんなが生まれるんだよ。
冷たいひとみは青く輝き、唇は雪にさくさざんかみたいに赤い。
ある夜、ゆきおんなは人間の家を見つける。そして音もなく近づいて…。
冬の厳しい寒さ、やがて訪れる春。美しい山の風景とともに、ゆきおんなの恐ろしさやはかなさが描かれます。
まちに冬がきた。野山にも冬がきた。
山のむこうのずーつと、ずーつとむこうにある秘密の国、「かげぼうしの国」にも冬がきた。
マッチ売りの少女と「かげばうしの国」のみはり番がくりひろげる、ふしぎな、ふしぎなお話。
お部屋の中はぬくぬく温かい幸せを感じる絵本
外は、真っ暗。キュッとするほど寒くてブルブル震えます。でも、お家の中はなんて温かいんでしょう。幸せを感じます。そんなひと時を感じる絵本といえば...。
あるひ山の中でまよってしまったぼく。雪もふってきて寒くて、とっても疲れて歩いていました。
すると、一本の大きな木にドアがついています。ぼくは休ませてもらおうとドアをあけると、そこには、だんろをかこむ動物たちがいました。火をながめてるうちに、「ぼく」はなんだかゆったりとした気持ちになり、また、外に出て行く元気がわいてくるのでした・・・。
自然の中で生活している画家・鈴木まもるが、実体験をもとに、あたたかな場所、そのままの姿を受け入れてくれる仲間のたいせつさ、そして、なにか根源的なゆるやかな時間を伝える絵本です。
12月最後の時間をしっかりうけとめる絵本
さて、12月という月を感じる、考える絵本もありますよ。
今年もあと少し。来年の新しい年に思いをはせながら、12月の最後の時間をかみしめるのも悪くありませんよね。
秩父夜祭、アエノコト、羽子板市、歳暮、正月事はじめ、なまはげ、大みそかなど、たくさんの絵で行事の由来を紹介する行事絵本の決定版! 大雪、冬至などの二十四節気、冬の星、クリスマス飾りの工作なども紹介。
ゆうべから ふりつづいていた ゆきが
もう こんなに つもっています。
ねぇ せんせい。ゆきであそびたい…
あなたにとって「おたんじょう月」は特別な月♪
とっておきの冬の物語にくわえて、12月の誕生石、誕生花、行事などうれしいプチ情報もついています。
プレゼントにピッタリなシリーズです。
ゴーン、ゴーン、ゴーン。鐘が鳴り始めました。今年も頑張ったなぁ。ゆっくりと眠りについて、起きたら新しい年のはじまりです!おやすみなさい。
富田直美(絵本ナビ編集部)
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |