今年のグッドデザイン賞を受賞したのは、1982年から読み継がれるあのロングセラー絵本!
毎年デザインが優れた物事に贈られる「グッドデザイン賞」。製品やシステム、サービスなど、私たちをとりまく様々なものに贈られる賞として知られています。
そんなグッドデザイン賞を、今年新たに絵本作品が受賞しました!
1982年に出版された戸田デザイン研究室の『あいうえおえほん』は、発売以来たくさんの子どもたち、またその子どもたちへと読み継がれているロングセラー絵本。戸田デザイン研究室の代表作と言える1冊です。
【2019年度グッドデザイン賞】 審査員評価
ひらがなの美しさを伝える絵本として1982年に出版されたベストセラー。使われているひらがなはオリジナル書体で、シンプルなイラストとともにあたたかみを感じられるデザインである。
細部まできっちりと作られている製本は、二次元の絵本としての製品というよりひとつのプロダクトとして考えられ完成されている。初めてのひらがなを学ぶ子どもたちにぜひ届けたい一冊である。
子どもたちの分かりやすさを助けるデザイン
『あいうえおえほん』は、広告、店舗デザインなどを手がけてきた フリーデザイナー戸田幸四郎さんの、「ひらがなの美しさを伝える絵本を作りたい。」という思いから生まれた絵本。ひらがなのもつ美しさを手にした子どもたちが、楽しく・わかりやすく感じることができるように、デザイン・編集には、たくさんのこだわりと考えが詰まっています。
・本のために制作されたオリジナルの書体
この絵本で使われているすべてのひらがなは、50音を一文字ずつ丹念にデザインされた、作者のオリジナル・フォントです。時が経っても色褪せない美しい文字デザイン(タイポグラフィ)は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)をはじめ、海外でも高く評価されています。
・確かなひらがなの基本を身につけられる
書き順をわかりやすく表示した文字も、この本のために制作されたオリジナルの書体。子どもたちが鉛筆などの硬筆でひらがなを書いた場合に迷ってしまいがちな「トメ・ハネ」がはっきりわかるように、デザインされています。
・シンプルな絵とデザイン
対象をわかりやすく・美しく表現するシンプルな絵。色彩も鮮やかで美しいけれど、刺激的ではない、子どもたちが穏やかな気持ちで見ることができる色、配色が追求されています。紙質や版型、装丁……、すみずみまでこだわりが詰まった美しい絵本です。
絵本がグッドデザイン賞を受賞すること自体が喜ばしいですが、ロングセラー絵本の中からの受賞は快挙ですよね。ギフトにも喜ばれる一冊。ぜひこの機会に皆さんも手にとってみてくださいね。
戸田デザイン研究室の絵本
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