「バムとケロ」の絵を飾りたい…そんなファンの想いに応えてくれるプレミア複製版画
読めば読むほど虜になる絵本、それが「バムとケロ」シリーズ。しっかり者でおおらかなバム、散らかし方は天下一品(!?)子どもそのもののケロちゃん。何でもない日常の一コマなのに、それはそれは魅力的な出来事ばかり起こるのです。更に小さな生き物や雑貨など隅々まで丁寧に描かれた画面は、どれだけ見ていても飽きることがありません。
もし、そんな「バムとケロ」の世界の一場面がお部屋に飾ることができたら…。
ファンの方なら一度は思い描いたことがあるのではないでしょうか。
そんな想いに応えるかたちで登場したのが、このプレミア複製版画なのです!!
「世界でたった350名しか飾ることのできない複製版画」
いつもの部屋を特別な空間に演出してみてはいかがでしょうか。
制作秘話 ※[えほんあーとどっとこむ]から転載
【絵本からアートが生まれた】制作秘話などのちょっと長い話ですが、読んで参考にしていただけるようなことを書きました。ぜひ最後までお読みください。
絵本やファンタジー物が巷ではブームですね。色々な絵本が本屋に並び、私たちを楽しませてくれます。また、子どもの世界だけでなく、大人にも充分おもしろく、考えさせる絵本が数多くあります。映画化された話もありましたね。でも、今まで、絵本の一場面がそのまま絵画になっているものってあまり無いことに気がつきました。みなさんは、絵本の好きなページを開いて立てかけたりしていませんか?
店主はバムケロファンの1人として、最初は自分がこの絵本の中の絵が欲しーいー!と思ったのですが、叶うわけもなく。。。じゃあ、版画を作ろうと決意しました。それは、今から5年も前でした・・・。
なぜ5年もかかったのかというと、めざした目標が高かった。その目標は、『原画と全く同じもの』。これは、島田ゆかさんの《自分の描いたままの絵》が皆さんに届けば嬉しいなーという思いから出発した目標です。 これを再現するために時間がかかったのは、原画の色が出ない!の一言です。原画と違う版画作品として成立させるなら、全く問題はないことです。しかーし、デジタルプリントの技術は原画とほとんど変わらずに再現することが可能です。でも、あと一歩のところのレベルで色が違う!となってしまうのです。昨今の機器は性能アップのおかげで、元々色むらに描いているところまで再現してくれちゃいます(泣)。そのような色ムラは人間の眼では均一に見えてしまいます。デジタル上ではムラなのでそれが増幅されて再現されてしまうわけです。
皆さんは、【絶対音感】という言葉を聞いたことがあるでしょう。色でいえば【絶対色感】というのはありえません!(と断言しましたが、店主は専門化じゃないので、異論がある方はメールくださいね)というのは、一つの色を変えると、変えていない周りの色まで違って見えてしまうのです。人間の眼は環境に合わせて、瞬時に記憶と比較して色を補正して認識しているようです(だと思う)。そのように、眼はいい加減さを持ちながら、わずかな違いにも気づくという二面があるようです。ですから、その面でも、満足のいく発色には時間がかかりました。
さて、この『原画と全く同じもの』レベルのものを仕上げるためにはためにはどれほどの校正(簡単にいえばやり直し)をやったかといえば、20数回(×1回当たり3ヴァージョン作った時もあり)、コスト度外視です。また、色調整用の蛍光灯を版画工房とチェックする場所に用意しました。ただ、それぞれの壁の色が違う、それだけで反射によって違う色に見えてしまうので、版画工房の職人には、こう見えるであろう、と想像で色を出してもらってトライしました。結局、最後は職人技ですねー。
と、偉そうにいっても、じゃあ原画とじかに比較したらどうなのよ!?と思われる方もいるでしょう。でも店主は自信をもっていいます。ここまでやったら原画と見分けがつきません!もう一つ言えば、今回の「おもちゃでいっぱい」はシート(額装していない版画の状態)を島田ゆかさんのカナダのアトリエに《色見本》として原画の代わりに置いてきましたからっ。
そして、出力はエプソン社製大型プリンタで7色の顔料インクを使用します。普通の版画と違って、デジタルプリントは版と紙が接触しないので、紙の自由度が高く、原画で使用している紙と似た質感の用紙を選択できるメリットがあります。ただ、正確にいえば、完成した結果として同じ質感に見えるような用紙を選択するのですが。エプソンの顔料インクは耐光性(エプソンによると75年)に大変すぐれたインクを使っています。 この複製版画には、いわゆるアミ点が見えないのです。実際にはプリンタヘッドから吹き出したインクのドットを重ねて色にしていくので、点々の重なりが存在しますが、きわめて小さな点なのでもう見えません。 『原画と全く同じ』に関しては大きさも原画と同じサイズにできており、絵本の約1,2倍の大きさです。また、絵本ではカットされている端の部分をちょこっとですがギリギリまで生かしました。絵本と比較してみてください。
次は、額縁です。通常、版画作品は購入した人の好みで額装します。しかし、この「おもちゃでいっぱい」は額も含めてすべてが島田ゆか作品なのです。(もちろんこの作品名もゆかさんが考えました)この額の紺色は、もはや島田ゆか定番カラーというべき色を、ゆかさん自身がリキテックスにてぬりぬりした見本をもとに額屋の職人さんに色調合してもらって塗っています。アクリル板は太陽の有害なUVをカットするアクリルを使っています。また、額裏のシールに使ったイラストは、この作品シリーズのためだけに描きおこしたものです。このイラストの原画もいずれ皆さんにお見せしたいですね。
版画は作家の取りおき用として売りに出さないAP版と呼ばれる、エディションナンバー(=限定番号)のところがAP(=アーティストプルーフの略)と書いてあるのもが何部か存在するのが通例ですが、この作品ではAP版は一部もなく350部のみです。
<サイン入れの写真>にあるように、店主が、350部の作品を機内持込みで抱えて、サインを入れてもらうために、カナダの島田ゆかさんのアトリエまで行きました。2作目の「おかいものびより」については東京で一部分のみサイン入れをしました。
さて、そんなに歳月とコストをかけて制作したら、みなさん、すごーく高価な作品になってしまったのじゃ、と思われませんか?しかし、安心してください。島田ゆかさんの希望もあり、多くの方に楽しんでもらうような値段にしました、また、第一弾ということで、版画工房、額屋さんにも無理にお願いし値段を抑えました。
このようにして、全ての面で、自信をもってお勧めできる作品ができ上がりました。皆様のもとで長く楽しんでいただけたら幸いです。
えほんあーとどっとこむ
店主 大島義之
関連作品
大人気「バムとケロ」シリーズの3作目です。このシリーズは、細かいところに楽しいしかけがあり、読むたびに発見があって楽しめます。(他の作品に出てきたものがちょいと出てきたり...子供はこういうしかけが大好きです。もちろん大人も!)
この作品では、あひるの「かいちゃん」が家にやってきて、嬉しくてはしゃいでいるケロちゃんがなんとも愛らしく、わかるわかるその気持ち...と感情移入してしまいます。(知らない間に帰ってしまったのがわかって悲しくて泣いたり しますよね!) 一度読み終わったら改めて表紙を眺めてみてください。きっと笑えますよ。
「バムとケロのおかいもの」
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