磯崎編集長出演! bayfm『田中美里 Sompo Japan presents Morning Cruisin’』 8/7放送で紹介された夏の絵本は…?
「夏休みの宿題と言えば課題図書。どれを読もうかな、どの本が感想文が書きやすいかな、なんて懐かしく思い出す方もいるんじゃないでしょうか?」
そんな素敵な声とフレーズで始まったのは、女優の田中美里さんがパーソナリティを務めるラジオSompo Japan presents MORNING CRUISIN'(bayfm)。
「大人が読んでも興味深い本があるとのこと。今日は本選びのスペシャリストとして何度もご出演いただいている絵本ナビの磯崎園子さんとお電話がつながっています。」
そう紹介されて登場したのは……編集長の磯崎!そうなのです。この番組にはクリスマス特集と夏休み特集の年2回呼んでくださっていて、今回でなんと5回目になるのです。さすがに少しリラックスしてお話できるようになってきたのではないでしょうか。ご紹介した絵本は?
bayfm『Sompo Japan presents MORNING CRUISIN'』の夏の絵本特集でイソザキ編集長が紹介したのは…?
2021年今年の課題図書から
今年も課題図書(「第67回青少年読書感想文コンクール」)が発表されています。もちろん夏休みの宿題に使われる課題図書だけれど、大人が読んでも興味をひかれる本がたくさんあります。
なかでも、今年は注目されているキーワード「SDGs」や「多様性」を意識できるような本が多く選ばれていると感じますよね。読書好きで想像力豊かな田中美里さんへ特におすすめをしたかったのがこの1冊。
ある水くみ少女の生き生きとした生活を描きながら、今起きている問題を浮かび上がらせてくれる絵本
アフリカの空のもと、私は歌い、踊り、風とかくれんぼする。
私は、プリンセスのジージー。
なんだって出来るはずの私だけど……水を呼びよせることだけは、できない。
「プリンセス・ジージー、起きる時間よ。
水をくみに行きましょう」
まだ暗い朝の時間に、お母さんが私を起こす。水が飲みたい、目をつぶったまま願ってみても、水はここには来ていない。私はくやしくて、地面をけっとばす。そして、空っぽのつぼを頭に乗せ、お母さんと一緒に水をくみに歩くのです……。
アフリカの、ある水くみ少女の一日を描いたこの絵本。スーパーモデルのジョージ―・バディエルさんの実際の体験が元になっています。彼女が子どもの頃、夏をおばあちゃんの家で過ごす中、村の女の人や女の子と一緒に、毎朝何キロも先にある川へ水くみに出かけていたのです。そして、モデルとして世界中で活躍する今、アフリカで井戸を作る運動をしています。
絵本の中の少女は、水くみから帰ってきて、飲み水をわかし、洗濯をし、ごはんの用意をし、畑仕事から帰ってくるお父さんを迎え、よくやくその瞬間を迎えます。
「さあ、水を飲んでいいわよ」
読み終われば、私たちには多くの疑問が生まれます。どうして、水がこんなに遠いのか。どうして水は、こんなににごっているのか。ピーター・H・レイノルズが描く、素敵に舞うプリンセス・ジージーの姿を眺めながら、その一つ一つの疑問に対峙し、強く願わずにはいられません。いつの日かきっと……。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
プリンセス・ジージーの姿が魅力的に描かれてるからこそ、このお話の中により入っていきやすくなると美里さん。多くの大人の方にも読んでもらいたい絵本です。
続いて紹介したのは、日常の中での発見につながっていく本を3冊。実体験として重ね合わせることのできるお話ばかりです。
そのお弁当、どこからきているの? ちょっと立ち止まって考える面白さ。
今日は野原でお絵描き、お昼になったらお弁当。
お弁当袋から出して、ふたを開けると……
「おいしそう!」
おにぎりに、アジフライ、ポテトサラダにたまごやき。なんて美味しそうなのでしょう。あれ、袋の中にお母さんが書いたメモが入っているよ。それには、お弁当の中身がどこから来て、どうやって食べられるようになった書いてある!
ふむふむ、なるほど、こうやって世界はつがっているのか。ぎゅっと詰まったお弁当。食べてしまえば、あっという間になくなってしまうけれど、そこには農家さん、漁師さん、配達員さん、スーパーの店員さん、お母さん…みんなの愛情、いっぱい詰まっている。
楽しみながら、とても分かりやすく伝えてくれるこの絵本。鈴木まもるさんの描く解説は、どうしていつもこんなに惹きこまれてしまうのでしょう。それはきっと、一つのことを調べて考えて追及する面白さを知っているからなのでしょうね。
そのお弁当、どこからきているの? 私も、ちょっと立ち止まって考えてみようかな。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
カラスのいいぶん 人と生きることをえらんだ鳥
みぢかな鳥、そしてきらわれものの、カラス。ごみをちらかす、黒くて不吉、大きくてこわい……など、わるいイメージばかりだけれど、本当はどんな鳥なのでしょう?
わたしたちのカメムシずかん やっかいものが宝ものになった話
「カメムシ」と聞くと、どんなことを思い浮かべますか? 「あの臭い虫?」と、おそらくあまり良いイメージはもっていないのではないでしょうか。でも、じつはカメムシには、美しいものや、かわったかたちのものなど、いろんな種類がいて、よく見ると、なかなかおもしろい生きものなのです。
その他にも、自分のこと、自分の近くにいる人のこと、世界の人のことを、もっと考えたり、調べたりしながら「より深く知っていく」きっかけになるような本がたくさん揃っています。「宿題」や「感想文」というキーワードに捉われず、手に取ってみてはいかがでしょうか?
その他の課題図書も合わせてチェックしてみてくださいね!
今年の夏、おすすめしたい絵本は?
この夏、お気に入りの絵本は?と聞かれてご紹介したのがこの1冊。暑い夏を乗り切る力になってくれるような、元気な絵本です。
べりべり、ぺりぺり、べろーん…!『とうもろこしぬぐぞう』
その手足は健康的に日焼けをし、青々とした身体にふさふさのひげ。あぐらをかいて、まっすぐにこちらを見る彼の名前は「とうもろこしぬぐぞう」。なんて堂々した名前なのでしょう。今から彼がすることといえば、もちろん。
「いくぞ!」
さあ、はじまりました。ばりばり、べりべり、ぺりぺりときて、べろーん。それは見事なぬぎっぷり。黄色に輝くつやつやの粒も見えてきましたよ。ついでにふわふわのひげも……。
そうなのです。この絵本は、とうもろこしが自ら、ただひたすらにその葉っぱをぬいでいくお話。どうでしょう、この気持ちよさ。ぬぐぞうさんにつられて、みんなが嬉しくなってしまいます。力強い墨の線と、愛嬌のある表情。そして、どこか懐かしい雰囲気を漂わせながら、きっと彼は、あっという間に子どもたちの人気者になってしまうのでしょうね。
ああ、とうもろこしにかぶりつきたくなってきましたよ。作者はらしままみさんの絵本デビュー作です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
この爽快感、迫力に美里さんも大喜び! 歌舞伎役者のようなぬぐぞうさんのかっこ良さに夢中になってくれている様子が嬉しかったですね。
夏休みを楽しもう!絵本ナビ「夏の特集2021」
いかがでしたでしょうか?
今年も色々と思うところのある夏となってしまいましたが、子どもたちにとっては一度しかこない大切な「夏休み」。どんな形でも夏を楽しむ方法はあるはず! そんな皆さんの夏を応援すべく、絵本ナビでは今年も特集ページが公開されています。
読み物や図鑑、グッズもたくさんご紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね!
【番組情報】
bayfm78MHz
Sompo Japan Nipponkoa presents MORNING CRUISIN'
出演者 :田中美里
8月7日(土) 09:00-10:00
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