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感性豊かに育ってほしい!幼少期から楽しめるおすすめのアート絵本

思いやりや優しさがある心。子どもの感性を伸ばしたい

感性豊かに育てたい、よく聞く言葉ですが、どんなことでしょうか。感性とは、見たものや触れたものから物事を感じ取る力のこと。頭で考えて答えを出すことももちろん大切ですが、言葉にできない感覚的な部分で、ささやかな出来事や自然なものに感動できる「感性」を持った人は素敵ですよね。人の気持ちを理解できる、感謝の気持ちを持てるようになるのも、感性が育たないとできないそうです。
子どもの頃からアート絵本の力を借りながら、さまざまな色や形、画風、ストーリーに触れる機会をたくさん作って五感をフルに使い、子どもの感性を育みたいですよね。絵本はまさに、小さいころから気軽に触れることができて、感性を育てるのにもってこいのもの。今回は、子どもの感性を養うのに役立ちそうなアート絵本をご紹介します。

知らないうちに触れているデザインアート!絵本は小さな美術館

小さな子どもたちが感性ひとつで楽しめる、デザイン性にすぐれたアート絵本は豊富にありますが、ここでは選りすぐりの5冊をご紹介していきます。
まずおすすめしたいのは「あおくんときいろちゃん」。グラフィックアート界の巨匠であり、絵本界の伝説レオ=レオニの名作です。大の仲良しあおくんときいろちゃんの切ないストーリーは、光や色の三原則をベースにしていることを想わせる見事なストーリー。色を使った抽象的な作画は深く印象に残り、子どもの素直なハートに響きます。
 

あおくんときいろちゃん

絵の具で描かれた青や黄色のまるが生き生きと動きまわり、絵本ならではの夢と感動をもたらしてくれる。作者が孫のために作ったという人間愛あふれる絵本。
この絵本の作者レオ・レオーニは長年アメリカで、もっとも活躍した芸術家の一人です。その多彩な創造力は絵画、グラフィック・アート、デザインの各分野で示されています。
 1910年アムステルダムに生れ、29才でアメリカに渡りました。アメリカでは創作のかたわらすぐれたアート・ディレクターとして多くの仕事をし、賞も受けています。
 すでに古典といわれるこの絵本はレオーニが孫たちにお話をせがまれた時、ぐうぜん生れたものです。手近の紙に色をつけて次つぎに登場人物を創りだしながら、孫たちもレオーニ自身も夢中だったといいます。アメリカでは、この絵本の、青と黄とが重なってまったく違った緑になるというテーマが、人と人の心の融和を暗示するものとして、おとなたちの間でも好評を博しています。(表紙カバーより)

次は「きりのなかのサーカス」。芸術作品そのもののような美しい絵本。イタリアの建築界やプロダクトデザイン業界で有名なアーティスト、ブルーノ・ムナーリが手がけています。トレーシングペーパーで表現した霧とカラフルな色で描かれたサーカス、そして、サーカス団の音楽さえも聞こえてきそうなユニークな型抜きページなど、子どもの感性に訴えるための工夫に満ちた作品です。

きりのなかのサーカス

ブルーノ・ムナーリ(1907~1998)は、造形、デザイン、建築、評論、子どものための造形教育など幅広い分野で独創的な仕事を残したミラノのアーティストです。近年、日本での再評価が高まり、絵本や芸術評論、プロダクト製品などの復刻が相次いでいる、今、もっとも注目の作家です。
邦訳出版では、児童の創造教育に長く尽力してきたムナーリが、一番に届けたかったであろう子どもたちに響く美しいことばをたいせつに、詩人・谷川俊太郎氏を迎え、全編ひらがなのリズミカルな新訳でお届けいたします。

「せんをたどって」は、広告デザイナーとしても有名なローラ・ユンクヴィストが手がけたアーティスティックな1冊です。線描写だけで展開していく景色は色使いも可愛らしく、町から町へ、空から海へと時空を超えて旅するように眺めることができる楽しい絵本。線1本でできることを無限に感じられるので、これからお絵描きデビューする赤ちゃんにもおすすめです。

せんをたどって

この絵本であなたは旅をします。町から村へ、空から海へ、朝から夜へ。
ひとふで描きの線をたどりながら、かんがえて、かんさつして、数をかぞえて……
本の表紙からはじまっている線の旅を、うつくしい絵とともに体験してみてください。

ワクワクを育むしかけ絵本!おすすめ3選

子どもならずとも、触れるだけでワクワクしてしまうのがしかけ絵本ですよね。子どもが視覚や手触りで楽しめるおすすめの3冊をご紹介します。

 


まずは「ナマケモノのいる森で」。森に住む動物たちを探せる、森林が立ち上がった楽しいしかけ絵本かと思いきや、森林伐採に対するメッセージが切なく浮かび上がるストーリーが待っている絵本です。自然の存在感がポップアップで見事に表現されていて、子どもの繊細な心に迫るものがあるでしょう。

ナマケモノのいる森で

ナマケモノのいる森ってどんな森?
さがしてみて、葉っぱのあいだや木の根もと。その木の上のこずえまで。森のあちこちすみずみまで。ある日ひびいたするどい音……。森でなにが起こったのでしょう?
ページをめくるたびに動物や植物の息づかいが聴こえてくる。360度広がる森の中で発見するよろこびや驚き。フランスで誕生した、こどもから大人までたのしめる絵本。世界9カ国で翻訳。ヒトは森を、守ることも、こわすことも、育てることも、できます。
この本が、一粒の種へ、一本の木の成長へ、自然とともに生きていける幸せな未来へ、つながりますように。―訳者・松田素子―

「オセアノ号、海へ!」は、1冊目で紹介したのと同じ作者による冒険物語です。船や海の生き物、そして海の表面と深層の様子が、しかけ絵本ならではの立体感で美しく描かれています。カラフルな魚たちがたくさん登場する海の旅が、子どもを夢中にさせそうな1冊です。

オセアノ号、海へ!

さあ、オセアノ号の帆をあげよう。まっ赤なぼくらのオセアノ号で、世界をまわる旅に出発するんだ!『ナマケモノのいる森で』の作者、ボワロベールとリゴーが、自然への讃歌と敬意をこめて、そして自然を守るために、再びデュオを組んで作品を作り上げました。
海のうえにも、海の中にも、ポップアップの楽しいしかけがいっぱい!
美しいイラストレーションと、しかけの素晴らしさで世界中の話題をよんだ、人気作家による新作しかけ絵本です。世界6カ国で翻訳。

「それからどうなるの?」も、忘れずにおすすめしたい作品。ト―べ・ヨハンソンの不朽の名作、ムーミンの物語のしかけ版です。ムーミンとミムラが小さなミイを探し回るというシンプルなストーリーですが、各ページに空いた穴が効果的に使われ、読み進むたびにワクワク。アート性もすぐれているので、リビングに飾っても絵になる1冊でしょう。

それからどうなるの?

ムーミンとミムラねえさんが、ゆくえ不明になったちびのミイをさがして大冒険。各ページにあけた穴をくぐって話が展開します。
親愛なる日本の子どもたちへ――
みなさんが、この本を、気に入って楽しんでくれますようにと、願っています。わたしの国フィンランドと、日本は、地理的には、とても遠いですね。でも、おはなしの世界は、たがいにそんなに離れてはいないし、ちがっていないと思います。さあ、とびこんでください。ようこそ、わたしの絵本の世界へ!   心をこめて――トーベ

想像力がフル回転!子どもの感性だけで読めるおすすめ絵本

自分自身の頭や体を使って楽しむことができる絵本は、子どもの想像力をたくましくしてくれるでしょう。感性を使わずにはいられない、知的な遊びとアートの世界に同時に浸れる絵本を3冊ご紹介します。

 

 

「まるまるまるのほん」は、子どもの好奇心を誘う1冊。フランス人アーティスト、エルビュ・テュレの作品です。出てくるのはカラフルな「まる」のみというユニークな絵本。でも、動かないはずのページの中のまるを押したり撫でたりすると、まるでまるが生きているように感じられるのが不思議。子どもがまるを何に見立てているのか、眺めている親も思わず想像してしまいそうです。

まるまるまるのほん

フランス発・ポップな色づかいがオシャレな絵本。
えほんの まる がうごきだす。
ほんを ひらいて、 まる をおして、こすって、くりっくして ごらん…!
あかちゃんからおとなまで、すべてのひとの感じる心へ
親子、ともだちどうし、おとなも こどもも みーんなで!いっしょにわいわいあそんでほしい一冊です。

次にご紹介するのもエルビュ・テュレの代表作、「いろいろいろのほん」です。今作では、子どもが自分の指を使って、色で遊べる工夫がいっぱい。まるで作者から語りかけられながら、色のマジシャンになったような気分で読み進めることができます。アート好きの大人なら、美術展の参加型展示を連想するような、非常に感性豊かな絵本です。

いろいろいろのほん

大好評『まるまるまるのほん』に続く新作がフランスから届きました! 前作同様、絵本のページをめくるわくわく感をぎゅっと詰め込んだインタラクティブなつくりに、カラフルな色づかいと描写でさらにエネルギッシュな1冊です。色のふしぎ、色の楽しさを絵本を通じて体感できます。

最後におすすめしたいのは「まるまるみっけ」。作者のアンディ・マンスフィールドは、ペーパーエンジニアとしての顔も持つグラフィックアーティスト。デザイン性の高いこの絵本は、カラフルな「まる」を探すというシンプルな構成ながら、ポップアップ絵本としての楽しさと、パズルという知的な遊びの両面を合わせ持っているので、大人も夢中になれますよ。

まるまるみっけ

押したり、引いたり、持ち上げたり…しかけを動かして、どこかに隠れている丸を見つけよう。子どもから大人まで楽しめる三次元ポップアップパズル絵本。赤い丸1個、オレンジの丸2個、ピンクの丸3個…など、10問の丸さがしに挑戦してみよう!

子どもはきっとみんなアーティスト!その感性を自由に伸ばしてあげたい!

感性豊かになってもらおうとしなくても、きっと子どもたちの感性はもともと豊かなものなのかもしれません。小さい子でも、お友達が泣いていたら心配そうにのぞき込んだり、助けてあげたりするものですよね。そのきらきらと輝くような感性が素直に育つよう、自由な感覚で思う存分楽しめる素敵な絵本にたくさん触れさせてあげてくださいね。

 

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絵本ナビ編集部
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