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月別児童書ランキングBEST10

【ランキング】2020年8月の児童書売上ランキングBEST10は?


今、絵本ナビで売れている児童書は? 話題になっているのはどんな本? なかなか見えづらい児童書の売れ傾向ですが、少しでも旬の情報をお伝えできるよう、1ケ月分のランキングを発表していきます。
さて2020年8月は、読書感想文におすすめの作品や、課題図書作品が多くランクインしたようです。またベスト10入りは逃したものの、反響のあった新刊の売れ筋についてもご紹介します。また、記事の最後に「8月のおすすめ新刊情報」をご紹介しますので、秋の読書の参考にしてみて下さいね。

2020年8月の児童書売上ランキングBEST10【2020/8/1~8/31】

心が和む、40年以上読み継がれる幼年童話の傑作

ふたりはともだち

みどころ

仲良しのかえる、がまくんとかえるくん。ふたりの間で繰り広げられるのは、濃くて、可笑しくて、ちょっぴり切ない……様々な愛すべきエピソード。アーノルド・ローベルの「がまくんとかえるくん」シリーズは幼年童話の傑作として、子どもから大人まで、たくさんの人たちに40年以上も愛され続けています。

そのシリーズ第1作目が『ふたりはともだち』、5つのお話が収録されています。

春が来たからと大急ぎでがまくんの家に走っていき、「おきなよ!」と大きな声で呼びたてるかえるくん。お日さまがきらきらして、雪も溶け、新しい一年がはじまったかと思うと、いてもたってもいられないのです。ところが、がまくんは布団の中。もう少し寝ていたいのです。11月から眠っているがまくんは「5月半ば頃にまた起こしてくれたまえよ。」なんて言うのです。そこで、かえるくんは……?

がまくんを外に連れ出して遊ぶためなら頭の回転だって早くなるかえるくんと、カレンダーに合わせて簡単に5月だと思い込んでしまうがまくん。最初のお話「はるがきた」で、幼さと可笑しさがたっぷり詰まったふたりのキャラクターを存分に味わうことができます。

続く「おはなし」と「なくしたボタン」では、それぞれのやり方でお互いを思いやっている様子(大いに巻き込みながらね)を、「すいえい」ではちょっぴりブラックな面をのぞかせつつ、思いっきり笑えるエピソードを披露してくれます。

すっかりふたりの世界観に夢中になった頃、登場するのが最後の「おてがみ」です。
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読書感想文の季節にとくに大人気の1冊! まずタイトルに惹かれて読んでみたくなりますね

先生、しゅくだいわすれました

みどころ

ある朝、宿題を忘れてしまったゆうすけくん。
このままだと、先生に「追加の宿題」をさせられる!
とっさに、おなかが痛くて宿題ができなかったとウソをつきますが、話すうちにどんどんボロが出て、結局バレてしまいました。

「ウソつくなら、すぐばれるようなのはだめだよ。もっと、ばれないようなので、それから、聞いた相手が楽しくなるようなのじゃなくちゃ」

そう言ってニヤリと笑う、えりこ先生。
それなら、よーし、見てろよ!

「先生、しゅくだい忘れました!」

次の日、さっそくはりきってそう報告したゆうすけくん。
理由をきかれて、さあ、待ってました!
ぼくが宿題できなかったのは・・・

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第3位は、同数の売れで3タイトルが並びました。

子どもたちを温かく応援してくれる頼もしいシリーズ。読書感想文の本としても定着しています

しっぱいにかんぱい!

みどころ

表紙には、リレーのバトンを持って走る女の子。運動会でしょうか。タイトルが『しっぱいにかんぱい!』ですから、何か嫌な予感が…?

「おねえちゃんは、けさも牛乳をのんだだけでした。そのまんま口もきかずに自分の部屋へ、ひっこんでいってしまいました」という始まりの文から、予想通り?何かショックな出来事がおねえちゃんの身に起こったことがうかがえます。ゆうべから何も食べていない、というおねえちゃん、このおねえちゃんこと6年生の加奈は、前日の運動会のリレーで失敗をしてしまったのです。落ち込んだ加奈には、おとうさんやおかあさんの慰めの言葉も全く届きません。弟の達也は心配でおろおろするばかりです。そこに、おじいちゃんから1本の電話が入ります。

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初めての本格冒険物語との出会いに

エルマーのぼうけん

みどころ

さあ、リュックサックに道具をつめて、エルマーと一緒に冒険の旅に出発しよう!

これは僕の父さん、エルマーが小さかった頃のある冒険のお話です。ある雨の夜、エルマーは、年取ったのらねこから、「どうぶつ島」に捕らえられているかわいそうなりゅうの話を聞きます。りゅうは、空の低いところに浮いていた雲から落っこちてきたちっちゃな子どものりゅうで、ジャングルの猛獣たちに捕まえられて、川を渡るために働かされているというのです。

エルマーは、すぐに助けに行こうと決心します。早速ねこにどうぶつ島のことや、持っていくものを教えてもらい、旅の準備に取り掛かります。エルマーがリュックサックにつめたのは、「チューインガム、ももいろのぼうつきキャンデー二ダース、わゴム一はこ、くろいゴムながぐつ、じしゃくが一つ、はブラシとチューブいりはみがき‥‥‥」などなどたくさんの道具。そして「どうぶつ島」へと繋がる「みかん島」行きの船に忍び込んだエルマーは、六日六晩たってようやく「みかん島」へ。ここで食料のみかんをリュックいっぱいに詰め込んで、夜の間に「どうぶつ島」へと渡ります。

「どうぶつ島」へ着くと、早速りゅうがつながれている川を探しに、気味の悪いジャングルの中を歩いていくエルマー。ジャングルでは、おかしな喋り方をするねずみや、うわさ好きのいのししに出くわしたり、とら、さい、ライオンなど恐ろしい猛獣たちにつぎつぎと出くわします。猛獣たちはたいていお腹をすかせていて、食べられそうになることもしばしば。さてエルマーは、どんな風に猛獣たちの危険をくぐり抜け、どうやってりゅうを助け出すのでしょうか?
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課題図書(低学年の部)よりランクイン。タヌキだって勉強したい?

タヌキのきょうしつ

昔、広島の小学校で夜になるとタヌキが勉強をしているという新聞記事が載ったことがありました(本当のことです)。タヌキだって勉強したい!学ぶ楽しさはタヌキだって同じなのです。教頭先生の手助けもあってタヌキの小学校は大盛りあがり。けれど時は流れ、世の中は戦の色が強くなっていきます。学校ですら安全な場所ではなくなりました。タヌキの学校はどうなってしまったのでしょう… たくましく生きる人々とタヌキたちの物語。
 

第6位も同数の売れで2タイトルが並びました。

第6位 かあちゃん取扱説明書

かあちゃん取扱説明書

出版社からの内容紹介

ぼくんちで、一番いばっているのはかあちゃんです。今朝も朝からガミガミうるさくって、ぼくはハラがたちました。かあちゃんにいいたいのは、何日も同じごはんをつくらないでほしいです。さいごに、かあちゃんはすぐ「早く」っていうけれど、ぼくが「早く」っていうとおこるのは、やめてほしいと思います。
……ぼくの作文を読んだ父ちゃんは大笑いして「かあちゃんはほめるときげんがよくなるんだ。とにかくほめること。パソコンもビデオも扱い方をまちがえると動かないだろ、それと同じさ」
扱い方! そうか、扱い方さえまちがえなければ、かあちゃんなんてちょちょいのちょいだ!
哲哉はこうして、かあちゃん取扱説明書を書きはじめたのだが…。

第6位 『はれときどきぶた』

はれときどきぶた

みどころ

とにかく面白く、笑えるお話です。自分の日記をお母さんに読まれていることを知り、「あしたの日記」としてウソの日記を書きはじめた主人公の則安。けれども日記に書いたウソが本当に起こりはじめたから、さあ大変! 本が苦手な子でも無理なく読め、笑える1冊でありながらも、大人になってからも楽しいエピソードが心に残り続ける名作です。

第8位も同数の売れで2タイトルが並びました。

第8位 青いあいつがやってきた!?

課題図書(中学年の部)よりランクイン!

青いあいつがやってきた!?

出版社からの内容紹介

「よおっ!」とつぜんぼくの目の前にあらわれた、全身青いへんなやつ。今日1日ぼくといっしょにすごす、だって!?な、な、なんで!?

第8位 ぼくはめいたんてい(1) きえた犬のえ(新装版)

みどころ

9歳のネートは探偵です。
今日もネートの元に1本の電話が入りました。
仲良しの女の子アニーから、なくなった絵を探してほしいとの依頼です。

すぐにアニーのところへ駆けつけるネート。
まず、アニーの話をじっくり聞き、部屋の中をくまなく調べます。
次に、その絵を見た他の人たちー仲良しのロザモンド、弟のハリー、犬のファングについて丁寧に調査していきます。
はたしてネートは、アニーのなくなった絵を発見することができたのでしょうか。

一見、すぐに解けそうと思わせておきながら、意外になかなか解けないナゾの面白さと、ネートのツボを押さえた探偵ぶりに子どもも(大人も!)たちまち心を掴まれてしまいます。
また9歳という年齢でありながら、どんなナゾが来ても常に落ち着き、周りから頼りにされているネート。子どもたちは、自分と同じぐらいの年齢の子の活躍とカッコよさにたちまち憧れてしまうのではないでしょうか。一方でパンケーキが大好物で、気が付けばいつもパンケーキを食べているところには親しみを感じてしまいますね。
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第10位 まほうのじどうはんばいき

まほうのじどうはんばいき

読売童話コンテスト優秀賞受賞!
魔法のような自動販売機に出会った少年の成長ストーリー

こうへいが見つけた変わった自動販売機。ボタンを押すと、そのとき必要なものが何でも出てくる。しだいに販売機に頼っていくこうへいを心配したお母さんが、ボタンを押したことで、突然販売機が姿を消してしまった!

こちらも売れてます! 注目の新刊や話題作

新刊の中で、8月によく売れた作品は・・・・・・!?

7月に引き続き、ムーミン全集シリーズ新版の第7巻が売れています。

ムーミン全集 新版(7) ムーミンパパ海へいく

出版社からの内容紹介

この島は、なにかがおかしい……。
ムーミンパパは、灯台守になると言い出し、一家は小さな島へと移り住みます。ですが、島は生きているし、灯台はつかないし、なにひとつ、パパの思い通りにはいかなくて。

1964年に翻訳出版されてから、55年もの間愛され続けてきた「ムーミン」の物語。大人気のキャラクター「ムーミン」は、この全集が原典となっており、今なおその魅力は増すばかりです。
この度、今の時代により読みやすくするべく、改訂を行いました。
初めての方も、ムーミンのことなら何でもご存じの方も、楽しんでいただける[新版]として、順次刊行して参ります。
1現代的表現、言い回しに整え、読みやすくなりました
2さしえがクリアな美しい線で再現されます
3原語最終版に基づき、より細部にこだわった表現に
4フィンランド最新刊と共通のカバーデザイン
5四六判ソフトカバーでコンパクトに
こどもから大人も楽しめる、大注目のシリーズ、決定版です!

『ちいちゃんのかげおくり』のあまんきみこさんによる戦時下の物語。各種新聞等でも取り上げられ、話題となっている作品です

あるひ あるとき

出版社からの内容紹介

今、次の世代へ伝えたい・・・
『車のいろは空のいろ』『ちいちゃんのかげおくり』の作者あまんきみこが初めて語る戦時下・大連でのものがたり 

第二次世界大戦中、旧満州の大連に住んでいた「わたし」には、大切な友だちがいました。こけしのハッコちゃんです。片目の墨がながれたような泣き顔でよごれていたけれど、わたしたちはいつもいっしょでした。でも、戦争が終わり日本へ引き上げることになり、わたしとハッコちゃんは・・・

子どもも大人もびっくり!なからだの驚きが満載。楽しく読めるのに勉強になるところに人気の秘密がありそうです

もっと!! ざんねん? はんぱない! からだのなかのびっくり事典

出版社からの内容紹介

大好評の『ざんねん? はんぱない! からだのなかのびっくり事典』に待望の続編が登場!
「早起きは体にも心にも悪い」「チョコレートを食べすぎても鼻血はでない」「脳のしわをのばして広げると新聞紙1枚分の面積」など、今回も衝撃の雑学をたっぷり掲載! コラムでは、体のしくみを利用した「今日からおすすめ勉強法」を紹介するなど、すぐにためせる内容が満載です。

●もくじ●
1章 ざんねんなからだ
・早起きは体にも心にも悪い・体が弱るとあばれるお調子者の細菌がいる・おしっこの色は毎日ちがう・白髪を抜いたらふえるというのはうそ・チョコレートを食べすぎても鼻血はでない など

2章 びっくりなからだ
・人体でいちばん強い筋肉は顔にある・心臓が止まっても、5分は意識がある可能性がある!・脳のしわをのばして広げると新聞紙1枚分の面積・街灯の光を青にしたら犯罪が減った・人は気配を感じる! など

3章 なぞだらけのからだ
・ねごとをいう理由ははっきりしていない・耳を自由に動かせなくなったなぞ・コーヒーを飲むと30パーセントの人はうんこをしたくなるなぞ・雑音のなかでも聞きたい音を聞きわけられるなぞ など
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それでは最後に2020年8月の新刊の中から、おすすめの作品をご紹介します。

秋山朋恵(絵本ナビ 児童書担当)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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