【今週の今日の1冊】2022年が始まりました! 笑顔いっぱいの1年でありますように。
2022年1月3日から1月9日までの絵本「今日の1冊」をご紹介
2022年のはじめの「今日の1冊」は、とびきり明るいテーマにしたくて笑顔があふれる絵本を集めてみました。「笑う」と一気に心が軽やかになり、だれかが「笑っている」姿を見るとそれだけで、幸せな気持ちになりますね。さあ、笑顔いっぱいの絵本で気持ちのいい新年のスタートを♪
1月3日 だるまさんで、初笑い
月曜日は『だるまさんが』
みどころ
赤くて、ぷくーっと膨らんだように丸くて、小さな手足がちょこんとついていて、なんだかびっくりしたような顔をしてこちらを見ているのは…だれでしょう?
「だ る ま さ ん が」
ページをめくれば、そのまあるい体が、かけ声と共にゆらゆら揺れ出して……
「どてっ」
あ、ころんじゃった!!
「だ る ま さ ん が」
今度は……
「ぷしゅーっ」
あれ!? なんかぺっちゃんこになってる!!
0歳の赤ちゃんから大人まで笑ってしまうと、発売以来ずっと多くの読者を喜ばせ続けているこの絵本。柔らかそうな丸くて赤いかたまりが、伸びたり縮んだり、転んだり。目をつぶったり、開いたり、笑ったり。おまけに「ぷっ」とする。だるまさんっていう名前なんて知らない小さな子でも惹きつけられてしまっているのが、その反応を見ているだけでわかります。呼びかけるような言葉のリズムも声に出してみれば独特な「間」をつくってくれて、誰が読んだって笑っちゃうのです。
作者のかがくいひろしさんが絵本を作る時にこだわっていたのが「もの」「音」「うごき」「見立て」なのだそう。理屈がわからなくたって、見て、聞いているだけで楽しくなってくる。それがこの絵本の人気の秘密になっているのだということは、多くの読者からの感想を読んでいてもよくわかりますよね。
さらに、ユーモラスだけれど、どこまでも優しさを感じる表情。動きの愛らしさ。だるまさんが転ぶだけじゃない、という意外性。自然とスキンシップを取りながら読んでしまうこと。読んであげる大人の方が先に笑ってしまうこと。
…それらが全部、この絵本が愛される要素になっていることは言うまでもないですよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
1月4日 福々しい神さまの笑顔があふれます
火曜日は『どんぶらどんぶら七福神』
出版社からの内容紹介
子どもの頃から七福神に親しみ、寿老人(じゅろうじん)の人形で遊んでいたという柳原先生に、このたび七福神の絵本を描いていただきました。コピーライターのみきつきみさんの言葉も調子よく、子どもは呪文のように覚えてしまうかも? 福々しい神さまの笑顔にこちらの頬もゆるみ、思わず周りの人にもすすめたくなってしまう絵本です。
1月5日 「わらうかどには、ふくきたる!」
水曜日は『おふくさん』
みどころ
お習字得意な「むつき」さん、お料理得意な「きさらぎ」さん、お絵描き大好き「やよい」さん・・・。
旧暦の月の名前がついた、ふくふく、にこにこ顔の、おふくさんたち。
山の奥深くにある家で、仲よく暮らしています。
ある日、金棒を持ったおにが、「いまから おまえたちを こわがらせてやるぞ!」とやってきました。
けれども、おふくさんたちは、へっちゃらです。
「こわい かおは、つまらない!おにさん、いっしょに わらいましょ!」
いろんな手をつかって笑わせようとしますが、おにはなかなか笑ってくれません。
失敗したっておふくさんたちはへいきのへっちゃら。
「おにさん どうすりゃ わらうかな?」
また考えて、どうにかおにさん笑わせよう!
はてさて、強面のおにの笑顔は見れるんでしょうか?
おにを笑わせたものとはいったい何だったのでしょう?
表情豊かなおふくさんといっしょに笑っているうちに、子どもも大人も笑顔になってしまうはず。
画面いっぱい、ずらっと並んだおふくさんたちの顔ったら!
そして、おにの笑いをこらえる表情も必見です。
この場面は特に、子どもたちの、とびっきりのふくふく笑顔が見られそうですね!
奥付にある、作者服部美法さんのことばをご紹介します。
「つらいとき、かなしいときは、みえない おにが やってきて
『おまえを こわがらせてやるぞ』って にらんでいる。
でも、そんなときこそ、おもいっきり わらおう。
わらって、わらって、おにも、わらわせてしまえ。
いっしょになって わらいとばせば きっと・・・
わらうかどには ふくきたる!」
1年をみんな笑顔で過ごせますように。
そんな願いをこめて読みたい一冊です。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
1月6日 ページをめくれば「あははあはは」の笑顔がいっぱい
木曜日は『おひさま あはは』
みどころ
例えばママがね。
ちょっとだけ疲れていたり、何だか泣きたい気分になった時。
この絵本を親子で一緒に読んでみたらどうかな。
「おひさまが あはは」
「おおきな きが あはは」
「ことりが あはは」
みんな、それはそれは大きな口を開けて思いっきり笑っています。
さあ、一緒に声に出して笑ってみよう。
「おはなが あはは」
「こいぬが あはは」
なんだか元気が出てきたな。
でも…あれ?
今度は、ぼくだけしかめっつら?
どうしたの?
そうしたら、ほらママの出番!
黄色い表紙に元気いっぱいなおひさまの顔。
この絵本には、理屈抜きの笑顔とパワーがあふれています。
やっぱり思いっきり声を出すのって、気持ちがいいんです。
みんなで一緒に笑っちゃおう。
「あははあはは」!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
1月7日 宇宙人がやってきても、この笑顔!
1月8日 たのしくて わらう わらうから たのしい
土曜日は『わらう』
みどころ
みんなはどんな時に笑うのかな。
色紙チョキチョキ、お顔に“ヒゲ”をつければへーんな顔!
「わっはっは」「いっひっひ」
面白くて笑っているのかな、楽しくて笑っているのかな。
なんだかこっちまで可笑しくなってきたよ。
ポチもミケも、きんぎょだって、かたつむりだって。
嬉しい時は笑ってるみたい。
だけどやっぱりあかちゃんの笑顔はとびっきり!
誰だって、つられて笑顔になっちゃうね。
「わらう」が連れてきてくれる幸せな時間。
子どもたちに、そしてこれから生まれてくる子を迎える家族のみんなに。
この絵本を贈りたくなっちゃいますね。
さこももみさんの新作絵本は、ギフトにぴったりな「かわいくて幸せ」な1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
1月9日 「光り輝く(らんらん)日々(にちにち)」を!
日曜日は『にちにち らんらん』
みどころ
覚えてはいないけれど、いつかの過去に、ぼくらは生まれた。
うきうき、ワクワクするような日もあれば、なんだか浮かない日もあって――
そうして愛を受け、おおきく育ったぼくらはやがて、受け取ったものをつぎの命へ。
ファーストブックにもぴったりの赤ちゃんも夢中になれる作品から、はたまた大人もびっくりのゾゾッと怖~い絵本まで——
強烈な個性をはなつ作風を、様々なジャンルで惜しみなく発揮する大人気絵本ユニット、tupera tuperaの新作です!
カラフルで、コントラストもはっきりしたイラスト。
使われている言葉もシンプルで、歌うようにリズミカル。
そう、一見しては赤ちゃん向けの絵本です。
ところがそのテーマは——ひかりかがやく人生賛歌!?
タイトルの「にちにちらんらん」は造語で、「光り輝く(らんらん)日々(にちにち)」という意味だそう。
さんさんと照る太陽のおだやかな笑顔が表紙の本作は、ページの中央には穴が空いていて、ページをめくっても、その表情だけが変わらずすべての場面でほほえんでいます。
(続きを読む>>>)
2022年、子どもも大人も赤ちゃんも、みんな「笑顔」がいっぱいの1年でありますように。
選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
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