『ワニのガルド』さびしい気持ちに寄り添ってくれる、おかしくてあたたかな物語発売!
おーなり由子さんが作・絵を手がけたやさしい童話『ワニのガルド』
偕成社から、2022年7月6日に『ワニのガルド』(おーなり由子 作・絵)が刊行されました。全見開きにカラーのイラスト入りで、さびしい気持ちに寄り添ってくれる、おかしくてあたたかな物語です。
ワニのガルド
引っ越したばかりのヒナちゃんは小学三年生。まだクラスに、仲のいい子がいません。
「……学校に、いきたくないな」
ねむい目をこすりながら、歯ブラシをぱくんと口にくわえたその時、いきなり歯ブラシがぐにゃぐにゃと動き出した。思わずほうりなげると、そこにいたのは小さなワニ! しかも人間のように話しはじめたのです。名前はガルド。さびしい人にだけ見える「おばけ」だというのです。
この日から、ガルドとひなちゃんのおかしな日々がはじまります。学校に行けば、ガルドもかまわずついてきて、教室の中にまで入ってくる。ガルドが川に行きたいというから、つれていってあげると気持ちよさそうに泳ぎながら魚を美味しいといって食べている。おばけだから、教室のみんなには見えないはずのガルド。けれど、こちらをじっと見ている子がいます。大勢の子に囲まれて人気者に見えるアヤカちゃんです。どうしてガルドが見えるのでしょう。そんなある朝、教室に入るなりアヤカちゃんが走ってきて……。
絵本作家・漫画家のおーなり由子さんによる、ワニのガルドとヒナちゃんの、ちょっとおかしくてあたたかな物語。さびしい気持ちというのは、いつどんな時もふとやってくるものです。それは、友だちができたって同じこと。けれどヒナちゃんは、そんな時にどうしたらいいのか知っています。それは、ガルドとの出会いのおかげ。何だかうまく友だちができないな、なんて思っている子がいたら。愛らしいガルドとヒナちゃんが迎えてくれるこの本を、いつでも読んでみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
『ワニのガルド』あらすじ
ひっこしたばかりで、まだクラスに、仲のいい子がいないヒナちゃん。ある朝、学校に行きたくないなと思いながら、みどり色の歯ブラシをぱくんとくわえると、いきなり口の中で、その歯ブラシが動きだしたからびっくり! 思わずほうりなげた歯ブラシは、なんと小さなワニだったのです。ワニは「ひどいなあ!」というと、ぽんと音をたてて大きくなりました。
ガルドという名前のそのワニは、さびしい人にだけ見えるおばけだというのですが……?
作者・おーなり由子さんについて
絵本作家・漫画家として、数多くの作品を世に送り出してきたおーなり由子さん。絵本作家でパートナーでもあるはたこうしろうさんとは、2018年MOE絵本屋さん大賞8位『どしゃぶり』(講談社)など、共作も数多く手がけてきました。はたさんは本作のデザインも担当されています。
10代で漫画家としてデビューし、雑誌「りぼん」で活躍していましたが、その後、ベストセラーになった『幸福な質問』(新潮社)など、感性豊かな文章とイラストによる「絵のある本」の作家として若い女性を中心に人気を集めました。お子さんが生まれてからは、詩集『だんだんおかあさんになっていく』(PHP研究所)、絵本『あかちゃんがわらうから』(ブロンズ新社)などのヒットで、お母さん世代にも支持されています。
おーなり由子さん ホームページ
http://www10.plala.or.jp/Blanco/
おーなり由子さんの作品
『ワニのガルド』の魅力
本作『ワニのガルド』では、漫画家として活躍していたおーなりさんの、子どもの心をつかむストーリーテラーぶりが遺憾なく発揮されています。冒頭からいきなり引き込まれる展開や、楽しい会話のやりとりの中に、思わずぐっとくる繊細な台詞がはさまれており、読み終わったときには、しみじみとうれしい気持ちになります。親子で読んでも、楽しんでもらえる作品です。
また、なんといっても魅力的なのは、全ページに入っているカラーの挿絵です。赤、緑、焦げ茶の3色で描かれたイラストは、とぼけたガルドのおかしさや、いきいきした子どもたちの様子がかわいらしく表現されていて、読者の小学生にも強くアピールするにちがいありません。読み物へのハードルが高い子も、楽しくお話の世界に入っていけるでしょう。
事前に作品を読んだ方からも、以下のようなコメントが届いています。
「久しぶりに本を読んで号泣しました。読みやすく、 ユニークな中にも凄く大事な言葉が見つかるお話でした。 」
「一気読み。なんだか最後は切なくなりましたがとても良かった!!」
書籍紹介
『ワニのガルド』
作・絵:おーなり由子
定価1,430円(税込)
対象:小学校中学年から
判型:21cm×16cm
ページ数:96ページ
ISBN コード:978-4-03-530970-3
発売日:2022年7月6日
著者プロフィール
作・絵:おーなり由子
1965年大阪生まれ。絵本作家、漫画家。漫画に『あこがれくじら』『ともだちパズル』『グリーン・ブックス』、絵本に『ラブレター』『ことばのかたち』『あかちゃんがわらうから』、文章を手がけた絵本に『どしゃぶり』、絵本の翻訳に『たいせつなあなたへ あなたがうまれるまでのこと』『おかあさん どこいったの?』『おにいちゃんといもうと』、エッセイに『きれいな色とことば』『ひらがな暦 三六六日の絵ことば歳時記』、詩集に『だんだんおかあさんになっていく』などがある。
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