【今週の今日の一冊】おいしい朝からはじまる、元気な一日。あさごはん絵本特集!

あさごはん、しっかり食べてますか?
朝の時間、ちょっぴりバタバタしてしまうこともあるけれど、あさごはんをゆっくり楽しむだけで、心も体もぽかぽか元気に。そんな“朝のしあわせ”を感じられる絵本を、親子で一緒に読んでみませんか?
今週は、おいしそうなあさごはんが登場する絵本や、みんなと食べるあさごはんのしあわせが詰まった絵本をご紹介します。
2025年5月12日から5月18日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
5月12日 「さあ、あさだ、おなかがすいた あさごはん」
月曜日は『あ・さ・ご・は・ん!』
「さあ、あさだ。おなかがすいた。あさごはん!!」
お米をあらって、炊飯器でスイッチオン。その間におみそ汁。お湯を沸かして、材料切って、出汁も忘れずに、まとめてぐつぐつ。主役のしゃけにお塩をひとつまみ。フライパンでじゅーじゅーじゅー。お鍋ぐつぐつぐつ、炊飯器ごとごとごと。あちらこちらで美味しいにおいと美味しい音!
しゃけがいい感じに焼けてきたころ……ぴぴぴっぴぴぴっ。全部ほかほか、出来たて、炊きたて、おいしそう。お茶碗によそって。
「みんな! ごはんだよー!」
「武田美穂のたべもの絵本」シリーズ、待望の第4弾。『ハンバーグハンバーグ』『パパ・カレー』『オムライス ヘイ!』ときて、今度の主役は「あさごはん」。ご飯におみそ汁にしゃけがあって、なんだか今までより大変そう? いえいえ、そんなことはありません。大事なのは段取りとリズム。ぶつぶつ言いながら作っているうちに、心も体も元気になってきて、すっかり目が覚めた頃に食卓を囲んで「いただきます!」。これなら毎朝いいスタートがきれそうです。
武田美穂さんの手にかかれば、お料理だって、洗いものだって、炊飯器でさえも、全部がエンターテイメント。湯気の演出だって効果的。あとは気持ちを乗せるだけ。このおいしいおいしい絵本シリーズが、作る人のことも食べる人のことも応援してくれますよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
絵にかいたような朝ごはん。まさにこれ!このメニューが一番です。
前日にほうれんそうをゆでて絞り、冷蔵庫で冷やす。
にぼしと昆布でだしを作る。
なかなか完璧です。
起きてからお米を研いで炊く。
その間におかずを作る。
すごいですね。
1ページ1ページその場にいるような、そんな気持ちになれる絵ばかりでした。
(ジョージ大好きさん 40代・ママ 男の子14歳)
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5月13日 いいにおいにつられて、おとなりさんの家へ……
火曜日は『ながいながい あさごはん』
きもちのいい朝、森にすむ双子のうさぎが外であさごはんを作っていると、どこからかいいにおいが。おとなりのたぬきさんちも外であさごはんのようです。「それなら いっしょに たべようよ」「いこう いこう」すると、今度はたぬきさんのところにも、いいにおいがただよってきて……。おいしいにおいにつられて、「おとなりさん」の家から家へむかう動物たち。最後にたどりついた場所は……!?
読者の声より
温かみのあるイラストに惹かれ、手に取りました。
森に住む双子のうさぎが外で朝ごはんを作っていると、どこからかいいにおいが。においにつられて、動物たちが次々とおとなりさんのおうちに向かいます。
おいしさと優しさでほっこりするおはなし。
クライマックスで登場する「ながいながいあさごはん」って、このことだったんだ!とうれしくなりました。
(クッチーナママさん 50代・ママ 女の子20歳、女の子17歳、男の子15歳)
5月14日 国から国へ、12か国のあさごはんを紹介!
水曜日は『あさごはんで世界いっしゅう』
国から国へ、12か国のあさごはんを紹介。
日本の子に身近なメニューもあれば、はじめて名前を聞く食材や料理も!?
どこの国でも、あさごはんは生活に欠かせない食事で、まいにちのたのしみでもあるのです。
読者の声より
『おまつりとごちそうで世界いっしゅう』が素敵だったので、こちらも。
『PANCAKES TO PARATHAS Breakfast Around World』が原題。
様々な国の朝ごはんが紹介されているのですが、
ちゃんと日本食もあるところが興味深いです。
納豆と、生卵(醤油付き)とは。
作者の息子さんが滞日経験があるからこそのセレクトでしょうか。
その他、バラエティ豊かな国々のメニューは新鮮です。
意外に甘い味が多いのもびっくりです。
ジャマイカの黄色いメニューというのも、不思議です。
朝ごはんの多様性もしっかりと体感できそうです。
(レイラさん 50代・じいじ・ばあば 女の子1歳、女の子0歳)
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5月15日 あさごはんは元気のもと!
木曜日は『ぱん ぱん たまごのあさごはん』
みなさんのお気に入りの朝ごはんはなんですか? バターをぬったこんがりトースト、それともつやつやのごはん? じゅうじゅう焼き目のついたソーセージに、黄身がぷっくりふくらんだ目玉焼き。考えるだけでおなかがぐう~と鳴りそうです。
朝、まだうすぐらい台所でひそひそおしゃべりする声が聞こえます。元気よく飛び出してきたのは、たまごのきょうだいたち。おなべの中で朝のお風呂に入ったり、フライパンの上でじゅうじゅうおいしそうな目玉焼きに変身したり、ボールの中にすべりこんだたまごたちもいます。そこへ、小麦粉さんと牛乳さんと、お砂糖さんもやってきて、みんなでボールに入ったら……さて、何ができるでしょうか?
かわいらしいたまごきょうだいをはじめ、ふっかふかのパンやお野菜、くだものさんたちが大集合! 台所で体操したり、楽器を演奏したり、つなわたりをしたり、踊ったり、……みんなでワイワイ大さわぎ。そうしているうちに、あら不思議! すてきな朝ごはんのできあがりです。
シンクに張った水にちゃぽーんと飛び込むみずみずしいお野菜さんたちや、パンケーキさんが焼きあがるまでの「あったかいよ」と、とろんとした表情に、思わずうっとり見入ってしまいます。まるで、お料理をするときの幸せな音や湯気や、においまでが伝わってくるよう。
この絵本を読んだら、「パンケーキ!」「トースト食べたい」「ゆでたまごがいいな」など、朝ごはんのリクエストがたくさん出てきそうです。親子で一緒に台所に立って、朝ごはんを作るのも楽しそうですね。
表紙と裏表紙をひらいたところにびっしりと描かれた、かわいいマンガも見逃せません。食パンやたまごのいろいろな食べ方を教えてくれる「ぱんぱんたまごのおりょうりきょうしつ」は、すぐにでも試してみたくなりますし、食パンが教えてくれる「ぱんぱんたまごのあさごはんたいそう」も朝ごはんをしっかり食べたあとにいかがでしょうか! 読んで、作って、食べて、元気になれる1冊です。
読者の声より
図書館から借りてきて、4歳と9歳の娘たちと読みました。
朝、まだ薄暗い台所でたまごのパックから飛び出してきた早起きたまごのきょうだいたち。
3つのたまごはおなべで朝のおふろ、いい気持ち。
残りの3つは、あれあれ、割れてきて…。
割れたたまごはどうなるの?
ぱかっと割れて、あつあつフライパンに落っこちて…!
あとのたまごはボールの中に滑り込み、一体何になるのかな?!(^^)
たまごや野菜、ジャムやパンも起きだして、
食材たちがワイワイと繰り広げる朝の台所のお話です。
途中、ちょっとした小競り合いや特技自慢が始まりますが、
「ぼくたちみ~んな、あさごはんの主役だい!」と
みんなご機嫌、仲直りにホッ♪
読み終わった時には、朝ごはんが食べたくなること間違いなし!(^o^)
可愛らしいキャラクターときれいな色使いに、娘たちが喜んでいました。
朝起きて、ごはんの前に読んだら朝食をいつもよりモリモリ食べられそうな気がします(^^)。
美味しそうな朝食に、お腹がぐぅ~っとなりそうです(笑)。
表見開きには、食パンさんとたまごさんによる『おりょうりきょうしつ』が、
裏見開きには、絵本の中でみんながやっていて『あさごはんたいそう』が
どちらもオールカラーで載っています。
こういうのが描かれていると、なんだか得した気分です(^^)♪
2~3歳くらいのお子さんから楽しめそうな気がしました。
「こんなオシャレな朝ごはんが食べたい!」と我が子たちが言っていました。
私も食べたいです(笑)♪
(ゆりわんちゃんさん 30代・ママ 女の子9歳、女の子4歳)
5月16日 みそしるっておいしいね! 心も体もほっとする!
読者の声より
『みそしるをつくる』のインタビューを読んで出逢いました。
子どもが作れるように…ということなので、なるべく簡単に、でも、お出汁からとる等 少し本格的に、写真も豊富で分かりやすく書かれています。
強いて言えば、“あぶらあげ を包丁で切ることができるか”が対象年齢の一つの基準かもしれません。
でも、工夫さえすれば小さい子どもでも大丈夫です!
お水を入れたお鍋は重いし、火を使うので、お父さんやお母さんと一緒が、小さい子はベストですね。
具材も、包丁を使わなくてもいい乾燥ワカメやお麩にすれば、“できた!”が増えて嬉しくなります。
もうすぐ3歳になる料理好きな子どもと、この本を見ながら一緒に作る予定です!
(うさぎのタンタンさん 30代・ママ 男の子2歳)
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5月17日 みんなでつくったあさごはんで一日がはじまる。
土曜日は『14ひきのあさごはん』
森の朝、一番の早起きはおじいさん。おかあさん、おばあさん、子どもたちも次々に目を覚まし、起きてきます。なにしろこの家にはみんなで14ひき、野ねずみの大家族が住んでいるのです。
冷たい水で顔を洗い、さて朝ごはんのしたくです。野いちごつみに出かけるのは、兄弟一番上のいっくん。ついていくのは誰? あれ、くんちゃん。まだ小さいのに大丈夫かな? 広い森の中で、無事に野いちごを見つけられるかな?
おとうさんたちは火を起こし、作っているのは特製スープ。台所でくるくる粉を丸めてつくっているのは何でしょう? 焼きあがったのは、ふっくら美味しそうなどんぐりパン!いっくんたちが森から帰ってくる頃、もうお腹はぺこぺこです。大きなテーブルにお皿とスプーンとみんなで作ったあさごはんを並べて……さあ今日も、14ひきの一日のはじまりです。
大家族で囲む朝の食卓、なんてうらやましい! 思わずそんな感想が口からこぼれてしまうのは、いわむらかずおさんの代表作「14ひき」シリーズの記念すべき最初の作品『14ひきのひっこし』と同時に発売された『14ひきのあさごはん』です。
画面いっぱいに広がるのは、豊かで美しい自然の風景。小さな14ひきたちと同じ視点になってのぞきこめば、そこには沢山の草花や虫や動物たちが見えてきます。生き生きと動き回っているのは、個性的な兄弟たち。「おや、まだ ねむそうなのは だれ?」優しい問いかけに、子どもたちは夢中になって観察したり、考えたりしながら、絵本の世界にしっかり入りこんでいけるのです。
今や絵本の中の14ひきの家族の姿は、私たちにとっては理想のイメージとなりつつあります。それでも繰り返し読んでいる間に目にする景色やその感覚は、子どもたちの体の中にしっかりと経験として刻み込まれていくのでしょう。ぜひシリーズを通して、親子で一緒に季節の移り変わりまで体験してみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
細かい描写と大家族の微笑ましい様子が楽しい「14ひきシリーズ」は、我が家のお気に入りシリーズ。中でもこの「あさごはん」が一番好きです。
家族みんなで協力しあいながら、朝ごはんの用意。子どもたちが野いちごつみにいくなか、お母さんやおばあちゃんたちがどんぐりパンを焼き、おとうさんは大きな鍋でスープをつくっています。
14ひきで丸いテーブルを囲んで食べる朝ご飯はとってもおいしそうです。あっちではジャムを取り合って、コッチではジュースをこぼしてと、賑やかそうですが、こんな朝ごはんで一日が始まったら素敵だなと思いました。
カバーを外すと、14ひきの体操のポーズが変わっています。やっぱりろっくんだけちょっとずれてて、可愛いです。
(クッチーナママさん 30代・ママ 女の子8歳、女の子5歳、男の子3歳)
5月18日 どんどんふえる、はらぺこさん…。
日曜日は『おおきな おおきな あさごはん』(2025年3月刊)
ぱりぱりぱり、むぐむぐむぐ。どんどんふえる、はらぺこさん。どうぶつたちをかぞえよう!
あるひ、ことりがやってきて、ぼくの手からごはんをたべた。「ことりさん、また あした」 するとつぎの日、2ひきのネズミがなかまいり。さらにつぎの日、4ひきのリスもなかまいり。みんな、あさごはんをまってるよ。どんどんなかまがやってきて、255ひきがあつまった! みんなおなかいっぱいになるのかな?
ページをめくって、どうぶつたちをかぞえよう。おりたたみの長ーいページをひらくと、たくさんのどうぶつたちが出てくるしかけ。
がりがりがり、むしゃむしゃむしゃ・・・オノマトペがいっぱいで、読み聞かせも盛り上がる!
読者の声より
リチャード・ジョーンズさんの絵本が好きなので、新刊楽しみにしていました。ページをめくるたび、ふえる動物たち。食べる音も楽しい。そして、クライマックスの大きく開くページは圧巻でした。やっぱり、この作者さんの絵は大好きだなあと。ほっこりするラストも良かったです。
(あんじゅじゅさん 50代・その他の方)
今週も1週間、おいしいあさごはんを食べて、子どもも大人も元気にいきましょう!
選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
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