幼児教育はいつから始めるべき?適切なタイミングや効果を高めるポイントも紹介
子育てにおいて、幼児教育は子どもの成長や発達によい影響をもたらすと考えられています。
しかし、そもそも幼児教育とは何か、具体的にどのような幼児教育をすればよいのか、いつから始めるべきかわからないという方もいるのではないでしょうか。
本記事では、幼児教育を始めるタイミングややり方、効果を高めるために意識すべきポイントなどを紹介します。幼児教育への理解を深めて、子どもの成長や発達に適したサポートをしましょう。
幼児教育とは?
幼児教育とは、小学校就学前の子どもに対し、生活するすべての場において行われる教育の総称です。具体的には幼稚園・保育所のほか、家庭や地域社会における教育が当てはまります。
幼児教育は生涯にわたる学習の基礎を作ることが目的です。幼児期、つまり人間形成の基礎が培われる重要な時期に体の感覚を伴うさまざまな活動を体験することは、「確かな学力」や「豊かな人間性」、「健康・体力」「生きる力」の基礎を育成する重要な役割を担っています。
なお、幼児教育は受験などを念頭に置いて早期に知識を得ることを目的とした「早期教育」とは本質的に異なります。混同しないように注意が必要です。
幼児教育のメリット
脳科学や医学の研究により、乳幼児期は脳や神経系、体が著しく発達する時期であることが明らかになっています。
以下の項目では、幼児教育を行うことで得られるメリットを具体的に解説します。
生きていくうえでの基礎力が身につく
幼児期は、生活や遊びの中で意欲や態度、生活習慣などの「生きる力」の土台を育む大切な時期です。そして「生きる力の基礎力」は、子どもが自発的に周りの環境と関わり体験することを通して育まれます。
幼児教育のひとつでもある幼稚園では、やり遂げる力や見通しを持って行動する力、自分の気持を調整する力、友達を尊重し協力し合える力などさまざまな力を育むことを教育のねらいとしています。
ほかにも充実感や自立心、探求心、好奇心などいわゆる「非認知能力」につながるねらいもあるなど、幼児教育は子どもが主体的となって環境と関わるために興味関心や発達の道筋を見通した環境づくりが重視されています。
就学前に学習の土台を築ける
すべての経験を学びとして吸収していく時期に幼児教育を行うことで、生涯にわたる学習意欲や学習態度の基礎となる好奇心・探究心を養います。
学習の土台を築き「後伸びする力」をつけることで、小学校就学以降の学習内容を深く理解するための「学びの芽生え」を育むことができます。
子どもの才能を伸ばせる
幼児教育を通してさまざまな体験をすることは、子どもの優れた能力を発見するきっかけにもなり得ます。
早い時期から子どもの持つ才能に気づくことができれば、伸ばすための支援やサポートもより早くから行える点がメリットです。
幼児教育はいつから始めるべき?
情動(怒り・喜び・悲しみ・憎しみのような一時的な感情の動き)は5歳ごろまでに原型が形成されると考えられており、さらに右脳の働きは3歳までの間がもっとも活発であるとされています。
実際に0歳児から対象としている幼児教室や教材も多くあり、脳への刺激を受けやすい早い時期から幼児教育を行うことでより効果が期待できます。
とはいえ、「いつから幼児教育を始めるべきか」という問題に正解はありません。年齢など子どもに合わせた幼児教育を受けさせることが大切です。
幼児教育のやり方
一般的な幼児教育のやり方をいくつか紹介します。
知育玩具で遊ばせる
知育玩具とは、考えたり表現したりしながら知能全般の発達を早めることを目的としている玩具で、学習の助けにもなります。
知育玩具には、定番のものではパズルや積み木、粘土、おままごとセットなどがあり、ほかにも多くの種類があります。
記載されている対象年齢を参考に、子どもの発達段階に応じた知育玩具を与えましょう。
知育絵本を活用する
知育絵本には、視覚だけでなく聴覚や触覚などの五感を刺激する「しかけ絵本」、ものの名前や知識が学べる「図鑑絵本」、生活のさまざまな場面で役に立つ「しつけ絵本」などさまざまな種類があります。
幼児教育の中に知育絵本を取り入れることも、幅広い知識の習得と想像力や好奇心などの能力を育む効果が期待できます。
知育絵本を活用した幼児教育は、読み聞かせを通して親子のコミュニケーションやスキンシップにもなるため特におすすめの教育方法です。
絵本の読み聞かせは0歳児から始められます。読み聞かせの絵本選びに迷った場合は、色や形を楽しめる以下のような絵本をご検討ください。
スマホアプリや通信教材を活用する
知育系のスマホアプリや通信教材には、子どもの年齢に合わせた知育要素が取り入れられています。
通信教材の中にはスマホやタブレットを使用するものがあり、音楽や画面の動きで子どもの好奇心をくすぐります。家庭でも気軽に始められるのも魅力です。
幼稚園や保育園に通わせる
幼稚園や保育園に通い、家庭では経験できない集団生活の中でさまざまな体験をすることは、生活や学習の基盤を培う学校教育の始まりとしての役割も担っています。
なお、2019年10月からは、少子化対策、子育て世帯への経済的援助、幼児教育の重要性を背景 として幼児教育や保育の無償化がスタートしました。
具体的には、3歳から5歳までのすべての子どもたちが無料で幼稚園・保育所・認定こども園などを利用できるように、さらに住民税非課税世帯では0歳から2歳までの子どもたちも無料で利用できるようになりました。
経済的負担の減少により、幼児教育を受ける機会の拡充がねらいのひとつです。
幼児教室に通わせる
幼児教室とは、小学校に入学する前の未就園児を対象とする学習教室です。各教室によって特徴が異なるため、子どもの性格や幼児教室に通わせる目的、教室の雰囲気などを考慮して選択することができます。
学習教室と言っても、塾や習い事とは異なり勉強がメインではなく、遊びやコミュニケーションを大切にしながら表現力や聞く力・考える力などを養うことを重視しています。
幼稚園や保育園などと同様に集団生活を経験することができますが、幼児教室は英語やスポーツ、音楽、さらには小学校受験対策などある特定の要素に特化した教室があるのも特徴です。
幼児教育の効果を高めるポイント
幼児教育の効果を高めるには、パパやママが「幼児教育に大切なこと」を理解し、日々意識して子どもと接することが大切です。
以下の項目では、幼児教育の効果を高めるポイントを5つ具体的に説明します。
子どもの成長や発達に合わせる
成長や発達には個人差があることを念頭に、子どもに合わせた幼児教育を行うことが大切です。
子どもの性格や得意・不得意はひとりひとり異なるため、特性をよく理解し子どものペースに合わせてあげるようにしましょう。
絵本にも対象年齢があり、年齢ごとにストーリーや色使い、文字の量などが大きく異なります。ストーリー性のある絵本が楽しめるようになった子どもや文字の読み方が分かるようになってきた子どもには以下のような絵本もおすすめです。
ノラネコぐんだん あいうえお
人気シリーズ初の知育絵本。緻密に描かれたにぎやかな絵を指さしながら、たくさんの言葉が覚えられます。「つまみぐい」「ほっかむり」など本シリーズならではの言葉も満載。ひらがな&カタカナ表付き。
楽しんで取り組めるようにする
幼児教育は継続的に取り組むことが重要であり、そのためには子ども自身が楽しんで取り組めているかどうかも大切なポイントです。
子どもが集中して取り組めるように、興味があることや好きなこと、やりたいことをさせてあげるようにしましょう。
時には好きなことでも飽きてしまう場面もありますが、継続するためにはいつまでも楽しんで取り組めるような工夫を凝らすことも重要です。
絵本の読み聞かせで楽しませたい場合は、以下のような絵本がおすすめです。
子どもの成功体験や達成感を大切にする
何かをやり遂げたときの達成感や成功体験は、子どもの自信や意欲の向上につながります。
幼児教育の場においても子どもが達成感を感じられるような工夫をし、どんどん次のことに挑戦したくなるような環境づくりが大切です。
また、子どもが何か物事に挑戦し達成した際にはたくさん褒めてあげましょう。喜びや達成感を共有することで、絆が深まるだけでなく、よりよい幼児教育へとつながります。
休息や子ども同士で遊べる時間を作る
子どもは友達と一緒に遊んだり活動したりする経験から、徐々にともに過ごす楽しさを味わいます。
子ども同士での遊びの中で創造力を発揮しながら遊びを展開していくことは、社会性の発達を促し、今後の豊かな人間関係の構築にもつながっていきます。
パパやママは幼児期に子ども同士で遊べる時間を積極的に設け、遊ぶ様子を見守ったり、必要なときには援助をしたりと成長過程をサポートすることが大切です。
親子のコミュニケーションを大切にする
子どもが楽しみながら幼児教育を受け、達成感や成功体験を積んでいくためには、親子間のコミュニケーションやスキンシップを大切にしながらパパやママも一緒に取り組むことがポイントです。
子どもと過ごす時間を大切にし、パズルや絵本、知育玩具などを使って遊びの中で取り組むことも立派な幼児教育です。
早期に幼児教育を始めて子どもの成長や発達を促そう
人が成長していくために必要な心と体の基礎を育むにあたり、幼児教育は重要な役割を担っています。
幼児教育を始めるべき時期に決まりはないものの、情動の原型が形成される時期や右脳の働きが活発な時期などを考慮すると、3歳や5歳ごろまでがよいタイミングです。
なお、3歳や5歳を過ぎてからでは幼児教育に意味がないわけではありません。子どもに合った適切な時期から始めてみましょう。
本記事で紹介した幼児教育のやり方や効果を高めるポイントなどもぜひ参考に、パパやママ、そして子どもが楽しんで取り組めるような幼児教育を行いましょう。
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