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月別児童書ランキングBEST10

【ランキング】2022年4月の児童書人気ランキングBEST10は?


今、絵本ナビで売れている児童書は? 話題になっているのはどんな本? なかなか見えづらい児童書の売れ傾向ですが、毎月、旬の情報をお伝えできるよう、人気ランキングを発表していきます。さて、4月はどんな児童書が人気があったのでしょうか。ベスト10は少し入れ替わりがあり、新学期におすすめの読み物などがランクインしました。記事の最後には新刊情報もたっぷりお届けします。小学生の読書のご参考に活用下さい。

 

2022年4月の児童書人気ランキングBEST10【2022/4/1~4/30】

がまくんとかえるくんのユーモラスで温かい友情物語が4月も第1位に!

ふたりはともだち

みどころ

仲良しのかえる、がまくんとかえるくん。ふたりの間で繰り広げられるのは、濃くて、可笑しくて、ちょっぴり切ない……様々な愛すべきエピソード。アーノルド・ローベルの「がまくんとかえるくん」シリーズは幼年童話の傑作として、子どもから大人まで、たくさんの人たちに40年以上も愛され続けています。

そのシリーズ第1作目が『ふたりはともだち』、5つのお話が収録されています。

春が来たからと大急ぎでがまくんの家に走っていき、「おきなよ!」と大きな声で呼びたてるかえるくん。お日さまがきらきらして、雪も溶け、新しい一年がはじまったかと思うと、いてもたってもいられないのです。ところが、がまくんは布団の中。もう少し寝ていたいのです。11月から眠っているがまくんは「5月半ば頃にまた起こしてくれたまえよ。」なんて言うのです。そこで、かえるくんは……?
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(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

土の中での種たちとメロンあめのユーモラスなケンカ。さてその結末は!?

みどりいろのたね

みどころ

まあちゃんのクラスでは、畑に種をまくことになりました。
先生からひとり5こずつみどりいろの種をもらいます。まあちゃんはその種となめていたメロンあめを一緒に埋めてしまいました。

さて、ここは土の中。
ちっとも水をやらないなまけもののまあちゃんの種は、暑くてのどが渇いて「ぶつぶつ」「ぶーぶー」。
でもメロンあめだけは水をもらえなくったって平気です。
なんだか様子が変だと気づいた種たちは、メロンあめに向かって、
「へーんなやつ!」
けれどもメロンあめだって負けてはいません。
「ぼ、ぼくはとびきり うまい メロンあめさ!」

種たちとメロンあめは、にらみ合ってにらみ合って、そしてとうとう……!

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(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

第3位は同数の売れで、2タイトルが並びました。

女の子とオオカミの楽しいなぞなぞ対決!

なぞなぞのすきな女の子

みどころ

なぞなぞ遊びは好きですか? 答えるのも楽しいけれど、なぞなぞを出すのも楽しいですよね。特に答えられないような、なぞなぞが出せたら!

この本は、そんな、なぞなぞが大好きな女の子が主人公のお話です。女の子は、一緒に遊べるお友達を探しに森に出かけ、はらぺこオオカミと出会います。お母さんとなぞなぞ遊びをいつもしている女の子は、オオカミにぴったりの、何やら長いなぞなぞを出しました。オオカミは一生懸命考えるのですが、長いなぞなぞに、答えがいっぱい出て来てしまい…あらら? なぞなぞの答えは一つ、ですよね。さあ、オオカミは答えられるでしょうか? 
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(長安さほ  編集者・ライター)

しゅくだいを忘れた理由を考えるのって、けっこうむずかしい!

先生、しゅくだいわすれました

みどころ

ある朝、宿題を忘れてしまったゆうすけくん。
このままだと、先生に「追加の宿題」をさせられる!
とっさに、おなかが痛くて宿題ができなかったとウソをつきますが、話すうちにどんどんボロが出て、結局バレてしまいました。

「ウソつくなら、すぐばれるようなのはだめだよ。もっと、ばれないようなので、それから、聞いた相手が楽しくなるようなのじゃなくちゃ」

そう言ってニヤリと笑う、えりこ先生。
それなら、よーし、見てろよ!

「先生、しゅくだい忘れました!」

次の日、さっそくはりきってそう報告したゆうすけくん。
理由をきかれて、さあ、待ってました!
ぼくが宿題できなかったのは……

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(堀井拓馬  小説家)

第5位も同数の売れで、3タイトルが並びました。

第5位 夏に降る雪

夏に降る雪

出版社からの内容紹介

佐世保に引っ越してきた小6の大河は、不本意だが防空壕「無窮洞」についての市民劇に参加することに…。実在する戦争遺産をテーマにした、現代を生き抜く子どもたちの成長物語!

第5位 ぼくはめいたんてい(1) きえた犬のえ(新装版)

ぼくはめいたんてい(1) きえた犬のえ(新装版)

みどころ

1982年の発売以来、たくさんの子どもたちに愛され、読み継がれてきた「ぼくはめいたんてい」シリーズの第1巻目。マージョリー・W・シャーマットさんによる全17巻となるこちらのシリーズは、5歳ぐらいから小学校低学年の子どもたちにちょうど良いハラハラさで、子どもたちがはじめて物語の楽しさに出会えるシリーズでもあります。つぎつぎにネートに降りかかるナゾ解きの面白さはもちろんのこと、巻ごとに増えていく個性的な登場人物、ネートからママへの置き手紙の内容など、読めば読むほど多くの楽しみをも発見できるでしょう。

すべての漢字にふりがながついているので、はじめての読み物としてもぴったり。ひとり読みに移る前に、まずは読んであげながら親子で一緒にナゾ解きを楽しんでみるのもいいですね。シーモントさんの温かくユーモアたっぷりの挿絵と、訳者の小宮由さんの柔らかな語り口も、子どもたちの読書をやさしく応援してくれます。お話の最後には「めいたんていのこころえ」もついていて、もし周りでなにかナゾが起きた時の役に立つかも!? さあ、ネートとどんどんナゾを解いて、一緒に名探偵になろう!

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

楽しく個性的な登場人物がいっぱい!

第5位 ネコのタクシー

ネコのタクシー

みどころ

主人公のトムは、足の速いのが取り柄のネコ。
港の倉庫で生まれましたが、今ではタクシー運転手であるランスさんの飼いネコです。

ある朝、うっかり階段から落っこちて、ランスさんが足の骨を折ってしまいます。
とてもタクシーを運転することはできません。
そこで、トムはランスさんにこう提案します。

「ぼくにも運転できるタクシーを作ってください。小さなネコのタクシーを。そうすれば、ぼく、仕事をしますから」

ネコにタクシーができるものだろうかと疑いながらも、熱心なトムのために小さなタクシーをこしらえるランスさん。
ハンドルはついていますが、エンジンはありません。
駿足自慢のトムが、足を使って走るのです!

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(堀井拓馬  小説家)

第8位も同数の売れで3タイトルが並びました。

第8位 おはなしきょうしつ

おはなし きょうしつ

みどころ

学校に通う子どもたちが教室でふだん目にしている、たくさんの道具やものたち。
ページを開くと、なにやら楽しそうなひそひそ声が聞こえてきますよ。
ちょっと聞いてみましょう。

「ふでばこ」―ふでばこがしたじきに、もんだいを出しています。
「さて、もんだいです。きょう、ぼく ふでばこの なかには、なにが はいっているでしょうか?」
したじきはすぐに こたえます。「えんぴつと けしごむと ものさし、それから、あかえんぴつも はいってる」
「せいかいです。でも、まだ、なにか はいっています」…。
(さて何がはいっていたのでしょうか?)

「うわぐつ」―うわぐつの かたほうが いいました。「あした、おやすみだよね」「うん、そうだよ」もうかたほうが答えると、
「もうすぐだね。もうすぐしたら、いえに かえって きれいに あらって もらえるんだね」「たのしみだね」…。
(うわぐつたちは、このあと無事に洗ってもらえたのでしょうか?)

教室で使われているものたちがどんなことを考えているのか、それぞれの特徴がよく表れていて、なるほど!と思ったり、くすっと笑ってしまったり。他にも、リコーダーとピアニカ、あかしろぼう、ランドセル、給食のパン、黒板消し、通知表など、教室でおなじみのものがつぎつぎに登場してきては、楽しいお話を繰り広げていきます。

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(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

第8位 二分間の冒険

二分間の冒険

出版社からの内容紹介

子どもしかいないふしぎな世界で〈一番たしかなもの〉をさがす悟は、竜退治に出かけることになった。2分間におこる冒険の物語。

 

おすすめポイント

読み始めたらたちまちお話に惹きこまれ、つづきが気になって一気に読めてしまう迫力満点の冒険物語です。作者の岡田淳さんの作品の面白さは、子どもたちの最も身近な日常である学校という場所からあっという間に非現実(ファンタジー)の世界に繋がるところにあります。ファンタジーがちょっと苦手という子でも面白く読める1冊です。

第8位 小さなスプーンおばさん

小さなスプーンおばさん

みどころ

ある朝、突然ティースプーンくらいに小さくなってしまうおばさん。ところがおばさんはちっとも動じません。「おやまあ、なんてこった!」とぶつぶつつぶやきながら、「小さくなっちゃったんなら、それでうまくいくようにやらなきゃならないわね」と動物たちに家の掃除をさせ、フライパンやつぼをなだめすかして、ご亭主の昼食のパンケーキまで焼いてしまうのです。おばさんののびのびしてユーモラスなこと、マカロニ・スープやコケモモジャムのおいしそうなことといったら!

作者、アルフ=プリョイセンは、ノルウェー出身の作家。1914年(100年も前ですね)に片田舎の農場で働くまずしい両親のもとにうまれたため、彼自身も幼い頃から農場で働き、学校に行きませんでした。
でも彼のゆたかな才能は、自然に人々に知られるようになりました。あちこちのお祭りや踊りの場で、自作の歌をうたってよろこばれ(歌をうたうのも上手だったそうです)、やがて書いた物語が評判になり、とりわけ人気を得たのがティースプーンおばさんのお話だったそうです。本は各国語に翻訳され、世界に愛される作家になりました。

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(大和田佳世  絵本ナビ編集部)

おすすめ新刊読み物情報

最後に2022年4月の新刊から、おすすめの作品をご紹介します。

とりかえっこちちびぞう 改訂版

いろいろなどうぶつたちと、ちびぞうの、たのしいとりかえっこ物語の名作が、オールカラーで蘇りました!

とりかえっこ ちびぞう 改訂版

名作幼年童話『とりかえっこちちびぞう』
全画描き下ろし&オールカラーの改訂版!

子ぞうのちびぞうは、いつも < なにか > をするのが大すきです。きょうも < なにか > をさがしに、おさんぽをすることに。ライオン、しまうま、わに――いろいろなどうぶつたちと、ちびぞうの、たのしいとりかえっこ物語です。


≪この本の、おすすめポイント≫
1、工藤直子の、ユーモアと楽しさにあふれた世界!
動物と動物がパーツをとりかえっこ。リズムカルで心地よい言葉で物語の世界が広がります。

2、広瀬弦による、オールカラーの描き下ろしイラスト
改訂版にあたって、オールカラーで全てのイラストを描き下ろし。ちびぞうや動物たちの仕草、表情がカラフルに展開され、ページをめくるのも楽しい内容に。

3、絵本から童話への橋わたしに
読者対象の目安は、一緒に読むなら4・5歳~自分で読むなら小1・2年生以上~です。読書する楽しさを味わえます。

草のふえを ならしたら

8種類の草笛の音に誘われてやってきたのは、野原にくらすゆかいな友だち!

草のふえを ならしたら

出版社からの内容紹介

植物の葉や花びら、実でつくる8つの草笛を題材にした、短編童話集です。子どもたちが草笛をならすと、音色にさそわれるように、動物があらわれます。カラスノエンドウの笛の音をききつけたのは、豆ごはんの豆を集める、野ねずみの家族。ささ笛であらわれたのは、たぬきのしょうゆ屋さん。スズメノテッポウの笛から、音楽隊がうまれます。植物の音色がとりもつ、子どもたちと野のいきものとの、愉快で、あたたかな、交流の物語。

あっちもこっちもこの世はもれなく

だれかと自分をくらべて、不公平だ! と思うことは、それぞれにみんなある。でも別の視点に気づけたなら……。

あっちもこっちもこの世はもれなく

みどころ

背が高い、低い、視力がいい、悪いなど体のこと、または外見的な容姿のこと‥‥‥自分にはどうすることもできない、努力だけではなかなか変えるのが難しいような悩みはありますか?

四年生の公太は背が低いのが大きな悩み。並ぶ時にはいつも一番前。「前ならえ」では両手をこしにあてるポーズしかしたことがありません。仲良しの希来良(きらり)は背が高く、手も足も長くて、公太にとってうらやましい存在です。一緒に入会申し込みへ行ったジュニアのバレーボールクラブでも、監督は希来良にばかり注目して、公太は嫉妬してしまいます。一方、同じクラスの筑井(ちい)さんは、視力が悪いのが悩み。メガネをかけたくなくて目に良いことをいろいろしているのに、視力が下がってしまい悩んでいます。そしてゲームやスマホなどし放題なのに視力のいいお兄ちゃんのことを考えて「不公平だよ」とつぶやきます。そんな筑井さんに、視力の悩みなんて背の悩みと比べたらたいしたことじゃない、視力と背では不公平のレベルが違う! と思ってしまう公太。その後、筑井さんがどれほど悩んでいるかを聞いたり、保健室の先生や、バレーボールのコーチ、お母さんの話を聞いて、人それぞれに違った悩みや劣等感があることを知っていきます。さらに、劣等感なんて持ったことがないと思っていた希来良から「公平がうらやましい」なんて言葉が飛び出して。いったいどういうこと!?
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(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

ソノリティ はじまりのうた

中学生たちのチームワーク、友情、恋愛を生き生きと描いた、音楽×青春物語

ソノリティ はじまりのうた

出版社からの内容紹介

「俺たちにも才能、あるんじゃね?」
「自分よりすごいやつがそばにいても、差を見せつけられても、それでも絶対めげない才能」

吹奏楽部というだけで、合唱コンクールの指揮者を任されてしまった中学1年生の早紀(さき)。
内気な彼女が、天才ピアニストの幼なじみ、合唱練習に来ないバスケ部のエースなど、個性的なクラスメイトたちとの関わりを通じて自分を解き放っていく。
しかし本番直前、思わぬアクシデントが起こり ……

仲間とともに何かをつくりあげる達成感、悩みもがきながらも「自分らしさ」を模索する中学生たちの内面、みずみずしい人間ドラマをまっすぐに描いた、珠玉の成長物語。

秋山朋恵(あきやま ともえ) 

絵本ナビ 副編集長・児童書主担当

書店の本部児童書仕入れ担当を経て、私立和光小学校の図書室で8年間勤務。現在は絵本ナビ児童書主担当として、ロングセラーから新刊までさまざまな切り口で児童書を紹介。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、まず本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線で本を選ぶことを1番大切にしている。著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。

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絵本ナビ編集部
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