学校生活が楽しみになる、新1年生におすすめしたいお話
はじめての小学校。小学校ってどんなところ? 先生は優しいといいな。学校に行ったら何をするんだろう? 勉強って難しいのかな。これまで保育園や幼稚園に通っていたとはいえ、子どもたちにとって小学校は全く別の世界。はやく行ってみたいなとワクワクした気持ちがあるのと同じぐらい、不安もいっぱいなのではないでしょうか。
そんな子どもたちの心の準備に役立つのが、学校を舞台にした絵本やお話です。実際の小学校の様子をリアルに伝えてくれるものから、動物やおばけが出てくる不思議なお話までさまざまありますが、どの本も、読んでいるうちに実際に学校に行ったようなちょっとした疑似体験ができるところがおすすめです。小学校に早く行ってみたい子も、ちょっぴり不安な子も、本で小学校を体験してみませんか?
読めばたちまち学校生活が楽しみに! 新一年生におすすめの読み物
おはなしきょうしつ
教室にある身近な物たちが愉快な会話を繰り広げる、くすっとおもしろい一口童話集。
みどころ
学校に通う子どもたちが教室でふだん目にしている、たくさんの道具やものたち。
ページを開くと、なにやら楽しそうなひそひそ声が聞こえてきますよ。
ちょっと聞いてみましょう。
「ふでばこ」―ふでばこがしたじきに、もんだいを出しています。
「さて、もんだいです。きょう、ぼく ふでばこの なかには、なにが はいっているでしょうか?」
したじきはすぐに こたえます。「えんぴつと けしごむと ものさし、それから、あかえんぴつも はいってる」
「せいかいです。でも、まだ、なにか はいっています」…。
(さて何がはいっていたのでしょうか?)
「うわぐつ」―うわぐつの かたほうが いいました。「あした、おやすみだよね」「うん、そうだよ」もうかたほうが答えると、
「もうすぐだね。もうすぐしたら、いえに かえって きれいに あらって もらえるんだね」「たのしみだね」…。
(うわぐつたちは、このあと無事に洗ってもらえたのでしょうか?)
教室で使われているものたちがどんなことを考えているのか、それぞれの特徴がよく表れていて、なるほど!と思ったり、くすっと笑ってしまったり。他にも、リコーダーとピアニカ、あかしろぼう、ランドセル、給食のパン、黒板消し、通知表など、教室でおなじみのものがつぎつぎに登場してきては、楽しいお話を繰り広げていきます。
1話の長さは見開き1ページ。親子での読み聞かせタイムや、学校でのちょっとした時間の読み聞かせにもちょうどいいボリューム。読み終わった後には「どのお話が好きだった?」と気に入ったお話を交流してみたり、お話のオチをクイズにして出し合ってみるのも面白そう。さらに何かお話を作ってみようかなと、子どもたちの想像力や創作意欲もかきたててくれそうです。
見ているだけで楽しくなるような明るい色使いで、愛らしい教室の仲間たちの様子をユーモラスに描いているのは、ことばあそび絵本『あっちゃんあがつく』でおなじみのさいとうしのぶさん。次は何が出てくるのかな?どんなお話なんだろう?と気になってどんどんページをめくってしまいます。あっという間に読み終わってしまったら、次は台所にある道具や食べものたちが活躍する第1弾『おはなしだいどころ』も合わせて、どうぞ。
(秋山朋恵 絵本ナビ児童書担当)
読者の声より
小学校1年生の読みきかせでオオウケ
学校に関連する様々なモノが、おもしろいお話を聞かせてくれます。今年小学校に入学した娘は大喜び。1年生のクラスで読み聞かせをしたところ、みんな大笑いでした。(1話1~2分で読めるので、ちょっとした読み聞かせにぴったりです)
特に、子どもたちは「ふでばこ」「クレヨン」がお気に入り。私は「こくばん」おじいさんの優しさが好きです。
(やじみさん 30代・ママ 男の子8歳、女の子6歳)
まさに!
あれも!これも!それも!小学生には、毎日目にして、手にするモノばかり!!娘は「そうおもってた!」とか、「ぎぇ~っ」とか、いちいち反応が大きかったです(笑)うわぐつのところで、偶然にも “明日、参観日”が一致したのには、思わず顔を見合わせて、「今頃、うちのうわぐつも同じこと言ってるかもしれないね」って、笑ってしまいました。
このお話読むと、モノ達が愛しくてたまらなくなります!授業中、教室のどこを見ても、ニヤニヤしてしまいそうです。(あれ?マズイ??)でも、楽しいからいいのです!
モノを大切にしたくなる一冊です!
(しゅうくりぃむさん 40代・ママ 女の子8歳)
ハキちゃんの「はっぴょうします」
教室でのみんなの発表が楽しい1冊。わたしはなにを発表しようかな。
朝の発表で何を話すか悩んでいたハキちゃんは、クラスメイトのよねだ君から「カナヘノサウルス」という生き物を見せてもらいます。その正体やいかに!? 豊かで自由な子どもの発想を描いた、おかしさ満点の傑作童話!
読者の声より
1年生になった長女に
1年生になった長女に借りてみました。小学校でも発表があると思うので、ちょっとした準備になればいいかなと思い。「小学校ってこんなこともあるんだな」と感じてほしくて借りました。長女は自分ひとりで読んでしまって、「よかったよー」と言っていました。私も読んでみましたが、自分で探したり見つけたことを発表するハキちゃんがとてもよかったです。こういう風に自分で動いて人前で発表できるこになってくれたらなーと思いました。
(きーちゃんママさん 30代・ママ 女の子6歳、女の子4歳)
こんな発表 いいね!
小学校低学年の心をググッと惹きこむ作品です!
まず、舞台は学校1年1組。「あさのはっぴょう」と題して、みんなにおしえてあげたいことを一人ずつ話すのです。この時点で、「あるある・・・」な気分でしょう☆他の子の発表をきいて、尻込みしちゃったり、もっとすごい発表をしたいと闘争心が芽生えたり、悪ふざけする子、される子。随所に小学生らしさが溢れています。小1の娘も、教室に居るかのように、発表に聞き入ったり、笑ったり!
また、主人公のハキちゃんが、いいです!名前のとおりハキハキしてて、行動力も説得力もあります。発表の内容も、身近だけど「おおっ!」ってなることで、素晴らしかったです。これは、クラスメイト達も読者も、きっと試してみたくなる!すごくウキウキわくわくしたし、スカッと爽快な気分にもなりました。全63ページ、漢字には かなが振られています。小学校低学年にオススメです!
(しゅうくりぃむさん 40代・ママ 女の子7歳)
こぎつねいちねんせい
こぎつねの初めての小学校体験は、ハラハラドキドキ。でもこんな風に優しく見守ってくれる先生がいてくれたら、安心ですね。
みどころ
「ぼくも しょうがっこうに いきたいな」
人間の子どもたちの様子を見て、小学校に行きたくなったこぎつね。呪文でいちねんせいに化けて学校へ行ってみることに。出発前にきつねのパパがお守りとして、くびかざりのようなものを首にかけてくれました。
校門で会った男の人は、いちねんせいから「せんせい」と呼ばれています。こぎつねが「せんせいってなんですか?」とたずねると、「せんせいっていうのはわからないことをおしえるひとだよ」と教えてくれました。その先生に連れられて転校生としていちねんせいの仲間入りができたこぎつね。さっそく授業がはじまります。はじめは「こくご」に「さんすう」。途中で先生に当てられたこぎつねは、うまく答えられるでしょうか? つづく「おんがく」「ずこう」では、楽器に化けたり、家族の絵できつねを書いてしまったり、「きゅうしょく」の時には「あぶらあげ」が出た嬉しさにとうとうしっぽが!?
こぎつねの初めての小学校体験は、あやうくきつねだとバレてしまいそうな危ない場面もあってハラハラドキドキ。でも先生がさりげなくフォローしてくれているような感じがするのはなぜなのでしょう。その理由が明かされる場面は読んでのお楽しみなのですが、きつねのパパからもらったお守りになにか秘密があるようですよ。
「おばけとしょかん」シリーズや、「ルドルフ」シリーズ、「白狐魔記」シリーズなど、小学生に大人気の児童文学作家、斉藤洋さんによるユーモラスながらも心に残るお話。小学校での体験のひとつひとつにドキドキするこぎつねと一緒に、小学校の一日を楽しんでみませんか。お話に夢中になっているうちに、まだ小学校のことをよく知らない子どもたちが自然に小学校を知り、親しめるのが嬉しいところ。もうすぐ小学生になるお子さんや新一年生に。字が大きくて全部ひらがなで書かれているので、ひとりで読める子もいるかもしれませんが、はじめはぜひ親御さんの声で読んであげてくださいね。
(秋山朋恵 絵本ナビ児童書担当)
読者の声より
わくわくいちねんせい
いちねんせいになるのって、やっぱりこぎつねでも憧れちゃうのかな?
娘もこの春から一年生になって小学校に通っています。娘や、同じクラスの子ども達をみていると「わくわく」もあるけれど
「どきどき」もしているよなあっていうのがわかるのですが、この物語の中のこぎつねは、「どきどき」はあまりなさそうで「わくわく」ばっかりで楽しそうだなあって思いました。でもきっとそれは、やさしいせんせいのおかげなのだろうな。学校って・・特に入学したばかりの一年生などは、先生によってずいぶん居心地が変わるのだろうなあ。あったかさも感じられて、娘も私も、安心して読むことができました。
(ぽこさんママさん 40代・ママ 女の子6歳)
あったかい
タイトルどおり1年生くらいの子に丁度いいような文字量の児童書です。
人間の通う小学校に通いたくなった子狐は父さん狐の準備も待たずに、人間の子に姿を変え、小学校に行きます。先生の配慮で無事クラスに入れた子狐。この先生が実は、ものすごく懐の深い先生でその暖かさは、ラストに明かされます。父さん狐の過去とともに・・。
学校の生活が描かれているので入学前に読んでみるのがいいかもしれません。
(やこちんさん 40代・ママ 女の子8歳)
おばけのソッチ1年生のまき
「いつになったら、あたし、一年生になれるの。」学校へ行きたいアッチは、一緒に住んでいるおばあさんと一緒に、学校の先生たちにお願いへ行くのですが……。
読者の声より
小学生になるのが待ち遠しくなる
昔、この小さなおばけシリーズはまっていた私。旦那もそうだったらしく、今は年長の息子がこのシリーズにはまっております。
今回は、小学校に行きたいソッチのお話。4月から小学校に通う息子には、ちょうど自分のワクワク感とソッチの気持ちがダブるらしく、とってもお話に惹かれていました♪早く小学生になりたいなあ~という気持ちが倍増したようです。
そして、こんなふうな楽しみがあったならば・・・と、実はかなりのおばけ嫌いなのに、
(暗いからついてきて~というくらい暗いところが苦手な息子です)こんな楽しい小学校いきたいと思ったようです(笑)
(Sayaka♪さん 20代・ママ 男の子6歳)
おばけはたいへんだなとおもいました
おばけがいたのでびっくりしました。
とてもびっくりしたのは、なんかできないと、おばけのねんれいが一つさがっちゃうところです。おばけはたいへんだなとおもいました。
びっくりしたところは、あめやのおばあさんといぬとねこが一年生になっちゃったからです。おばあさんが、がっこうにいくのって、おどろきました。
おばけのソッチががっこうにいたら、たのしそうです。
ぼくも、ソッチにあってみたいなっておもいました。
(はなびや2号さん 10代以下)
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いかがでしたか?
楽しい学校のお話を読みながら、子どもたちが楽しく学校生活のスタートを切れますように。
秋山朋恵(絵本ナビ 副編集長・児童書主担当)
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