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2019年春、実写映画公開予定! 寺田心くんの受賞で話題の『ばあばは、だいじょうぶ』ってどんな本?

人気子役の寺田心くんがミラノ国際映画祭2018外国映画部門にて、最優秀主演男優賞を受賞したニュースはご覧になりましたか? 映画の原作は、『ばあばは、だいじょうぶ』という37ページの絵本! 公開は2019年春の予定だそうですが、いったいどんな風に心くんが演じたのか、また『ばあばは、だいじょうぶ』はどんなテーマのどんなお話なのか、ニュースを見た後とても気になっている方が多いのではないでしょうか?

 

『ばあばは、だいじょうぶ』は、2017年の課題図書低学年の部にも選ばれた絵本です。誰もが直面する避けては通れない人生の問題を温かく描いた本書について、読者のレビューとともに一緒に考え、ご紹介したいと思います。

『ばあばは、だいじょうぶ』ってどんな絵本?

『ばあばは、だいじょうぶ』が描くテーマとは?

『ばあばは、だいじょうぶ』は、認知症の家族という身近なテーマが主題となっています。老い、認知症、介護といった、とても難しい、しかし誰もが避けては通れない問題を小学生の男の子つばさの視点から描き出しています。記憶を少しずつ失っていっても、それでも変わることのない人間性、家族の繋がりを描き出す感動作です。

内容紹介

ばあばは、だいじょうぶ

つばさは、ばあばのことが大好き。学校でさかあがりができなかったときも、ママにしかられたときも、ばあばのへやにいって話をきいてもらいます。するとばあばは、「だいじょうぶだよ」といって、頭をなでてくれるのです。
 ところが、そんなばあばが「わすれてしまう病気」になり、同じことを何度も質問してきたり、あんなにとくいだった編み物ができなくなったり、「おかきだよ」といってどんぐりをわたしてきたり……しだいに様子がおかしくなり、つばさはばあばに近寄らなくなってしまいます。
 そして冬の寒い日、ばあばのすがたが見えなくなりました。

読者の声より

「だいじょうぶ」は魔法の言葉
途中のばあば(主人公のおばあちゃん)の
メモのページを見た途端
も~っ、涙がどどど~っで
本が読めなくなりました

作者の方は
認知症の方の介護を実際経験している方ですね・・・

うちの義母もこのメモと同じようなことを
手帳や、広告紙の裏に
たくさん書いていました
言葉でも
「ありがとう」を忘れない方でした

コノ絵本、主人公ぼくの気持ちは
とても素直です
きれいごとではすませられないことがいっぱいですもの
それ以上に
本当のおばあちゃんではなくなっていくようで
嫌な気持ちになるのだと思うのです
おとうさんとおかあさんがやさしくって
ホッとします

隣のおじさんも、始めは怖いな・・・って
思うけど
変化してくれるところもいいです

おばあちゃんの絵の表情の変化が
また、本当に上手で感心してしまいます

わかっているのに
またページをめくると
涙が止まりません

「だいじょうぶ」という言葉の
ありがたさ
お互いの心に通うには
おばあちゃんとぼく、家族との
大事な関係性の下地があったんですよね

一緒に生活しているからこそ
大変なこともありますが
介護は
人生の締めくくりを見せられ
人のあり方を
勉強させてくださるのだと
私は思います

いろいろ認知症や介護についての
学習の場も広がっています
この絵本は、とても素敵なメッセージを
含んでいると思います

「子供叱るな来た道だもの 年寄り笑うな行く道だもの」

お薦めです
(しいら☆さん 50代・その他の方 )

涙が出ました
認知症。
そのような言葉では書かれていませんが、
この絵本にでてくるばあばは、認知症が出始めました。
家族のとまどいと、ばあば自身のとまどいが、
普段の生活を通して描かれていて、
途中、涙がでてきました。
多くの家庭が経験していることなのかもしれません。
優しくしたいけど、そうできない時があったり・・・。
忘れたくないのに、忘れてしまったり・・・。
切ない気持ちになりましたが、とてもとても
よい絵本だと思いました。
(スケボウさん 40代・ママ 女の子6歳)

認知症理解
2017年度読書感想文コンクール小学校低学年の部課題図書。
作者の実体験を踏まえて、認知症や介護について描いた作品。
ぼくの大好きなおばあちゃん、ばあばが、忘れてしまう病気にかかってしまうのです。
その具体的な行動が切ないです。
完全に忘れてしまうのではないところが、本人にとってもつらいということが、
よくわかるエピソードです。
近所の人々も、戸惑いながらも温かいです。
そう、目をそらしたいけど、理解する事が大切なんですね。
あとがきも滋味深いです。
そう、決して大変なだけの世界ではなく、学ぶことがあり、心が満たされる世界だということ。
心の持ちようを教わった読後感でした。
(レイラさん 50代・ママ)

老いを受け止めて
自分の親が老いて、別人になっていくことって、とても辛いことだと思います。
しかも、認知症ともなれば、家族は疲れもするし、怒りも感じるし、どうにもできない無力感にさいなまれるし…。
でも、親に対する感謝と、いつかは自分も歩む道であることを理解して、親と共にいることを受け入れなければ…。
頭ではわかっているつもりでも、こういう絵本を読むと胸に突き刺さるものがあります。
(ヒラP21さん 60代・パパ)

大切な家族に、老い、認知症、介護といった問題が降りかかってきたら・・・、いったいどんな風に受け止め行動していけば良いのでしょう。それを子どもの視点から描き出しているというところに、本書の大きな魅力があるように思います。「わすれてしまう病気」にかかってしまったばあばを前にした時の、主人公つばさの素直な思いと気持ちの変化や行動は、読む人に何をもたらすのでしょうか。

本書では、おばあさんを見守る家族の優しさとおばあさんと孫の心の交流を温かく描いた、いしいつとむさんの絵もみどころです。登場人物それぞれの心の動きが伝わる表情にもご注目下さい。映画を見る前にぜひ絵本で一読されることをおすすめします。

著者の思いが伝わるインタビューもぜひ!

『ばあばは、だいじょうぶ』の出版元である童心社さんのHPに、昨年行われた著者の楠 章子さんのインタビューが掲載されています。ご自身も介護中だという楠さんの作品に込めた願いが伝わってきます。

映画情報

2019年春 全国順次ロードショー

映画『ばあばは、だいじょうぶ』
出演:冨士眞奈美/寺田 心/平泉成 他
監督:ジャッキー・ウー 原作:楠 章子/絵:いしいつとむ「ばあばは、だいじょうぶ」(童心社) 
ゼネラル・プロデューサー:伊藤なな 撮影監督:小美野昌史 音楽:田中和音 脚本:仁瀬由深
 企画・プロデューサー:新田博邦 制作:ミューズ・プランニング 製作・提供:グローバルジャパン
Ⓒ2018「ばあばは、だいじょうぶ」製作委員会【上映時間】90分

2018年12月20日刊行予定の楠章子さんの新刊もご注目下さい

『ハニーのためにできること』

ハニーのためにできること

ふたばのおばあちゃんが亡くなって、ハニーという老犬を引き取ることになりました。そうしなければ保健所などにつれていかねばならないので、ふたばがお母さんを説得したのです。しかし、やがてハニーは重い病気になってしまいました。獣医の先生に相談し、ふたばは両親とともにいっしょけんめい看護しますが、別れの時が近づいてきます。ふたばは、ハニーのために何ができるか必死に考えました……「命」を見つめる感動作。

※絵本ナビでは、他にも「老い」「認知症」「介護」について、じっくり考えたり、子どもたちと一緒に読み合える絵本を集めています。合わせてご覧下さい。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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