「笑い」の世界も奥深い!? 5歳の子におすすめしたいユーモア絵本
絵本を読んで笑うのが大好きなのは、大人も子どもも一緒。そして、大人は子どもたちが笑っている姿を見るのも大好きなので「ユーモア絵本」はどの世代にも人気がありますよね。
だけど、ひとくちに「笑い」と言っても、さまざまな「笑い」があります。そして、5歳の頃になってくると、その違いをちゃんと味わう感覚があると思うのです。
だからこそ、色々なタイプの絵本に出会ってもらいたい!
そこで、絵本ナビが5歳の子におすすめしたい絵本をピックアップしてご紹介します。
読んでいるだけで楽しくなってくる♪ 遊びにつながる「ユーモア絵本」
それがどんなに楽しかったかというと…
友達と遊ぼうと思っていたのに雨が降ってきてしまったので、ピートはご機嫌ななめです。
お父さんはそんなピートを見ていいことを思いつきます。
「そうだ ピートでピッツァをつくったらたのしくなるかもしれないぞ」
お父さんはピートをテーブルの上に乗せ、こねたり、ひっぱったり、のばしたり。
油や小麦粉や、トマトの輪切りやチーズ(といってもほんとうは水やベビーパウダーやボードゲームのコマなんだけど)をかけて遊びます。
なぜもっと早く、手に取らなかったのだろう!!
はじめて読んでみての感想は、なんでもっと早くに
読まなかったのだろう!
息子の反応もすごくいいし、
雨の中、外に行けずに機嫌が悪い子どもに対して
両親がしたことが、あたたかくて楽しくて。
最後の流れも最高で、こんな子育てができたら
最高だなぁ、こどもはうれしいだろうなぁ、と
しみじみしてしまった。
息子は、あたたかさだのなんだのではなく、
ひたすらストーリーの流れに爆笑。
明日からあたらしい遊びのレパートリーに
追加されること間違いなしだなぁ。また、
実際にまねして遊びやすいように、うまく
文が書かれているんです。感心しっぱなしです。
(こりこりこさん 30代・ママ 男の子5歳、女の子3歳)
このハチャメチな世界こそ、妄想男子絵本の醍醐味!
学校のかえりみち。本部での会議を終えた、ぼくたち「ほうかごスペシャル探検隊」は目的地目指して出発だ!
冒険の始まりは校門前の商店…ではなくて「ンラズスとりで」。凶暴な部族に襲われないように無事に通り抜ければ、今度は「地獄の平均台」。左に落ちれば激しい川に流され、右に落ちればジャングルに。「ひゃあーー!!」4号が落ちてしまった。慌てて駆けつける隊員たち。「チマンホいちば」では2号がオババーンぞくに囚われた。そして、みんなは逃げ出して…!
きみたち、こんな感じでちゃんと目的地「チンダ・ダラハ」に到着できるの?
突然何を言っているのか理解不能に陥っているお母さま方。
これが小学生男子の妄想ワールドなのだそう。
男子の手にかかれば、退屈な帰り道なんて存在しません。どう猛な怪獣や敵がいつ襲ってくるかわからない危険な道を進みながら、時には仲間を助け、裏切り(?)、みんなで目的地へ向かうのです。
最近読んだ本の影響?テレビ?漫画?
なんだって構いません。男子の妄想力はこんなところでたくましく育っていくのかもしれません。
真剣な顔、泣きそうになっている顔、いよいよって時の顔。男子らしく生き生きとした表情を見せてくれています。
探検が終わった後の一言「さあ かえろう」が、やけにかっこよく響いています。
こんなハチャメチな世界を、男子の頭の中に忠実に描き出しているのは、人気絵本作家山本孝さん。
実際の帰り道と、大冒険の世界を見比べれば見比べるほど笑ってしまいます。
見立て方はダイナミック、そして細かい。山本さんも男子ですからね、熱さが伝わってきます。
一体「チンダ・ダラハ」とはどこだったのでしょうか。
そういえば、毎朝「すごい夢をみた…」と呆然とした顔で起きてくる我が家の息子。
夢の中でこんな冒険を繰り返しているのか。忙しいはずです(笑)。
今度詳しく聞いてみよう!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
男の子の楽しい日常
あんまりに楽しそうに目的地にむかうから、てっきり秘密基地に向かうのかと思いきや、ハラダ団地が自分の家だとは…。
男の子の目を通してみると、世の中こんなに楽しいのか!って感動できる絵本でした。
息子は、どの道がどう描かれていたのか、何度も繰り返し比べて楽しんでいました。
それにしても、男の子っておもしろい!
(みっとーさん 30代・ママ 男の子5歳、女の子4歳)
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少しひねりのきいた「笑い」だって楽しめちゃう!
笑いの絵本
サイコー!!!
おもしろくない、しんどい一日の夜に、ブブブッと笑わせていただきました。
「だいたい、これ何なん」
娘が黒ヒョウ?を指差して突っ込んでいました。やっぱり生粋の大阪人母から生まれた娘やなぁ。
へっこんだ所の使用法が妙に気に入った。無駄も謎も使ってしまう我々人間。世相を表しているいる感じ。
トイレ、サイコー。扉あっても上から丸見えやん、母子でツッコミ。
後でボッコリ、せっかく埋めたコンクリが盛り上がってる。無駄ーーー。またしても親子でツッコミ。
きょだいじんがこけたところで一息。
どうなると思う? とアイコンタクト。
娘が即座に予測し、笑いました。
こういうナンセンス大好き。
(てぃんくてぃんくさん 30代・ママ 女の子8歳)
あなたの知らないパンダの世界!
あなたは、パンダ専用の銭湯があるのを知っていますか。
実は...あるのです。
え~っ、まさか、そうだったのか...。
あなたの知らないパンダの世界がここにあります。
ポップな色の魔術師
tupera tuperaが描くパンダ!!
「ぱくっと くわれたけど、 べつに どうってこと ないし」
この絵本のはじまりは、なかなか衝撃的です。
ねずみが、おおかみにぱくっと食べられてしまうのです。
主人公なのに!
でも実は、面白いのはここから。
真っ暗なお腹の中でおうおう泣いていると、誰かいる。
見ると、パジャマを着てベッドに入って寝ていたらしい、あひるです。
驚くねずみをよそに、あひるはあっという間に朝食の支度を整えます。
(お腹の中で、ですよ)
「ようこそ わがやへ。
ぱくっと くわれたけど、
べつに どうってこと ないし」
なんでしょう、このカラッとした感じ。
そしてあひるの言う通り、おおかみのおなかの暮らしは意外と悪くないのです!
必要なものはおおかみに飲み込んでもらえばいいし、何よりおおかみは森では無敵。
安全なのです。
ふたりいれば、退屈だってしない。
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大笑いだけが「笑い」じゃない!?
失敗だってユーモアに変えてしまえば…!
のんびり、おっとりのかば君がいろんなお仕事に挑戦します。消防士、船乗り、そして飛行機のパイロット。やる気を出してバレリーナやピアニスト、カウボーイやサーカスの綱渡りにも挑むけれど、結果はいつもずっこけて残念ながら失敗ばかり。でも、そんなことでへこたれるかば君ではありません。一休みして考えて、ぼちぼちやっていこうよと、かば君らしさで乗り切ります。
ドキドキ、ハラハラ。でも笑える!
「とざい とうざい。かるわざしの そうべえ。
いっせいいちだいの かるわざでござあい。」
扇を手にもって軽業師そうべえが「そうれ。ぺペン ペンペン ペーン」と綱渡りを披露していたそのとき、「おっとっとっとっと。あーーーーっ。」落ちて死んでしまったからさあたいへん。
気がつくとどうやらそこは地獄への道。そうべえは衣をはぎとられ、さんずの川をわたり、鏡の前でえんま大王に地獄行きを命じられます。しかし途中で出会った山伏ふっかい、歯ぬき師しかい、医者ちくあんと、4人そろって地獄のなかを大暴れ。糞尿地獄も、熱湯釜ゆでも、針の山も、それぞれの特技をいかして平気のへっちゃらです。人呑鬼(じんどんき。人を食べてしまう鬼)の腹のなかで4人がいっせいにいたずらをする絵は最高!
笑えて、ハラハラ、ワクワク!!
子どもたちはこのお話が大好きで、何度読んであげてもげらげら笑います♪さすが落語!!そして軽快な関西弁!!読んでいる大人も笑えます(笑)
じごくってこわい…はずが、そうべえたちは、えん魔さまや鬼たちのたくらみをことごとくくぐり抜けてしまい、とうとう最後には「うへえ~」と逆に鬼たちをお手あげにさせてしまい、見ていてスッキリします(^^)
子どもたちが一番好きなシーンが、そうべえたちが大きな鬼の“じんどん鬼”のお腹の中に入って、お腹の中のいろいろなものをいじると、“じんどん鬼”が「ぶうー!!」とへをこいたり、「いたたたたっ!!」と腹痛をおこしたり、「はっ、はっ、はっくしょーーん!!」とくしゃみしたり、「あひゃはははっ!!」と笑い転げたりするシーンで、もう子どもたちは窒息寸前です!!(笑)
子どもと一緒に笑って楽しめる一冊です☆
(フラスープとパイナッぷり♪さん 20代・せんせい )
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大笑いしたい!
「おなら」と言っただけで笑っちゃう。それが正しい姿!
さぁ、子ども達の大好きな「おなら」の絵本です。まるごと一冊「おなら」の絵本です。
谷川俊太郎「わらべうた」(集英社)に収録されている「おならうた」という詩に飯野和好さんが新作の絵を添えて出来上がったのがこの絵本です。
「いもくって ぶ」 「くりくって ぼ」…期待を裏切らない内容でしょ?(おなら好きの子どもに。)
それからずっと続いて…「りっぱに べ」あたりになると想像を超えてきています。
そこになんだか妙に迫力があり何か言いたげな飯野さんの絵が迫ってくるわけですから、大人はちょっと後ずさっちゃうかもね。
で、結論は何とも元気で健康的な清々しい絵本です!
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いかがでしたでしょうか?
あんまり面白いからって、読むほうが爆笑しないように気を付けてくださいね!
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
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