『こども六法』子供の日常に関わる法律を解説した本。いじめや虐待は犯罪です
こども向けの法律書『こども六法』
『こども六法』が2019年8月20日に弘文堂から刊行され話題になっています。本書は、子どもの日常生活に関わる法律を、小学生でも読めるよう、イラストを交えながらわかりやすく解説しています。
人を殴ったり蹴ったり、お金や持ち物を奪ったり、SNSにひどい悪口を書き込んだりすれば、大人であれば警察に捕まって罰を受けます。それは法律という社会のルールによって決められていることです。
けれど、子どもは法律を知りません。誰か大人が気づいて助けてくれるまで、たった一人で犯罪被害に苦しんでいます。もし法律という強い味方がいることを知っていたら、もっと多くの子どもが勇気を出して助けを求めることができ、救われるかもしれません。
そのためには子ども、友だち、保護者、先生、誰でも読めて、法律とはどんなものかを知ることができる本が必要、そう考えて本書は作られました。
子どもたちはいじめ、児童虐待、性的搾取など、理不尽な危険に晒されています。子どもには守られる権利があり、大人には子どもを守る義務が法律で決められています。子どもが自分の権利を知って、助けてくれる大人にSOSを発信できるよう、また大人が積極的にこれらの問題を解決できるよう、手助けをする1冊です。
『こども六法』誕生のきっかけは、著者のいじめ体験
本書誕生のきっかけは、著者自身が小学生時代に受けた「いじめ」でした。その後中学生となり、六法全書を偶然目にした著者は「当時の自分に法律の知識があれば、自分で自分の身を守れたかもしれない」という衝撃を受けました。そんな後悔に突き動かされ、慶應義塾大学在学中に本書の原型となる『こども六法』を制作しました。
出版化して「全ての教室にこども六法を」という目標を掲げて立ち上げた「こども六法」プロジェクトは、2018年9月にクラウドファンディングで募集し、わずか2か月で出版資金を集めたそうです。
小学校高学年以上が読めるように漢字にはすべてルビをふり、法律のむずかしい用語もできるだけわかりやすくして、イラスト付きで解説していますので、親子で楽しく法律を知ることができます。
大人でも知らないことがたくさんある法律の世界、ぜひ子どもと一緒に読んで、社会のルールについて話し合ってみてください。
著者プロフィール
山崎 聡一郎(やまさきそういちろう)
2013年より「法教育といじめ問題解決」をテーマに研究活動と情報発信を行う。
劇団四季「ノートルダムの鐘」に出演するなど、ミュージカル俳優としての顔も持つ。
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