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絵本ナビニュース2020

11/27(金)公開! 絵本作家 ジュディス・カーの自伝的映画『ヒトラーに盗られたうさぎ』

世界的絵本作家ジュディス・カーの、知られざる真実の物語

昨年2019年5月に95歳で亡くなった、絵本作家ジュディス・カー。1968年に出版され、30ケ国語以上に翻訳された『おちゃのじかんにきたとら』や『わすれんぼうのねこ モグ』の「モグ」シリーズなど、ジュディス・カーの遺した絵本は世代を越えて世界中で読み継がれています。

そんなジュディス・カーの少女時代を描いた映画『ヒトラーに盗られたうさぎ』が、11月27日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国で順次公開予定です。

映画の原作となったのはジュディス・カーの自伝的小説『ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ』(評論社)。

1933年、ヒトラーの台頭によってナチスが政権を握る直前にその迫害から逃れるために家族とともに故郷ドイツを出国、スイス、フランスを経て1936 年にイギリスへと渡ったジュディス・カー自身の少女時代の過酷な逃亡生活の体験をもとに ”9歳の少女アンナ”が貧困や差別などの困難を乗り越えながら家族との絆を深めていく姿を描いています。

世界に翻弄されながらも、明るくたくましく生きるアンナの姿に、子どもも大人も誰もが勇気をもらえるストーリー。

絵を描くのが大好きで、逃亡のための限られた持ち物からも絶対に色鉛筆を手放さなさなかったところや、苦しいなかでもホッとするような家族の情景など、のちに絵本作家となるジュディス・カーの創作の原点が見えてくるように感じられます。

家族全員で逃亡先の国に向かって列⾞に乗 り込む場面
『ヒトラーに盗られたうさぎ』 ©2019SOMMERHAUS FLIMPRODAKTION GMBH/LA SIALA ENTERTAINMENT GMBH / NEXTFILM FILMPRODAKTION GMBH&CO.KG/WARNER BROS.ENTERTAINMENT GMBH
⾔葉が理解できないまま逃亡先の国で、新しいクラスメイトと教室で⼀緒に授業を受ける様⼦
『ヒトラーに盗られたうさぎ』 ©2019SOMMERHAUS FLIMPRODAKTION GMBH/LA SIALA ENTERTAINMENT GMBH / NEXTFILM FILMPRODAKTION GMBH&CO.KG/WARNER BROS.ENTERTAINMENT GMBH

主人公アンナ役をつとめるのは、1000人から見出されたという新人リーヴァ・クリマロフスキ。アンナの⽗はオリヴァー・マスッチ(『帰ってきたヒトラー』でヒトラー役)を演じるほか、⺟はカーラ・ジュリ(『ブレードランナー 2049』)、アンナとその家族を常に気に掛ける⼼優しいユリウスおじさんはユストゥス・フォン・ドホナーニ(『お名前はアドルフ?』)、アンナの兄マックス役はマリヌス・ホーマン(『はじめてのおもてなし』)が演じています。

監督は『名もなきアフリカの地で』で第75回アカデミー賞®外国語映画賞を受賞したカロリーヌ・リンク。

・作品情報

作品タイトル:『ヒトラーに盗られたうさぎ』

監督:カロリーヌ・リンク(『名もなきアフリカの地で』)
脚本:カロリーヌ・リンク/アナ・ブリュッゲマン
出演:リーヴァ・クリマロフスキ・オリヴァー・マスッチ・カーラ・ジュリ
2019 年/ドイツ/ドイツ語/カラー/スコープサイズ/5.1chステレオ/119 分/

原題:When Hitler Stole Pink Rabbit/映倫G
後援:ゲーテ・インスティトゥート東京

配給:彩プロ

絵本ナビ編集長・磯崎コメント

絵本ナビ編集長・磯崎が、映画『ヒトラーに盗られたうさぎ』にコメントを寄せています!

「亡命者に別れはつきものなの」

誰よりも逞しく、

誰よりも繊細に現実を受け止めていくアンナ。

その中で物語の種を育てていけたのは、

いつでも「我が家」があったから。

たとえうさぎが盗られたとしてもね。

磯崎園子 (絵本ナビ編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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