【追悼】絵本作家 安野光雅さん『はじめてであうすうがくの絵本』『旅の絵本』など
世代を超えて愛され続ける安野光雅作品
安野光雅さんが2020年12月にお亡くなりになりました。94歳でした。
たくさんの素晴らしい作品を私たちに届けてくれた安野光雅さんへ感謝と追悼の意を込めて、安野光雅さんが遺した作品を振り返り、ご紹介したいと思います。
子どもたちが、算数・数学と出会える絵本
楽しく算数や数学と出会える本をたくさん出版されてきた安野光雅さん。
安野さんの絵本がきっかけで算数や数学が好きになった、という方も多いのではないでしょうか。
1982年の初版出版以来、今も人気を集めている『はじめてであうすうがくの絵本』シリーズなど、安野光雅さんの算数、数学にまつわる絵本をご紹介します。
算数、数学と素敵な出逢いとなる絵本
発見の喜び、創造の楽しさに満ちた数学の本と、すでに定評のあった作品を再編集し、新しい体裁でおとどけします。第1巻《なかまはずれ》《ふしぎなのり》《じゅんばん》《せいくらべ》
■読者の声
親子で楽しく♪
わりと最近になるまでこの絵本を知らなかったのですが
本屋さんで立ち読みしたれば、とっても楽しかったので家族で
読もう!と購入しました。
「すうがく」とは書いてありますが、「いろんなアプローチの仕方」
「いろんな考え方」を身につけさせてくれる絵本のような気がします。
すうがくなのにぶんがく、というか。
おかげで、学生時代、数学が苦手だった私もほんとに楽しく読むこと
ができます。安野さんの絵本ってそういえば、他の絵本もなんだか
ぶんがく的だけではない、すうがく的な匂いがするなあ。一体、
どういった方なのかなあ、と不思議な気持ちになります。
まだ「なかまはずれ」と「ふしぎなのり」のところしか読んでいない
のですが、結構、大人でも難しかったりもして。頭のやわらかさも
求められているような気がします。
娘はまだすうがくもぶんがくも関係ないところで生きていますが
(だからこそ?)、楽しく、多いに盛り上がって読んでいます。
小さい子どもはなぞなぞみたいなものが大好きですものね。
絵本の形や大きさ、厚みなどもすっきりとしていてなおかつ印象深くて
これもきっと安野さんが緻密に計算して作り上げたのだろうなあと
想像しています。
(ぽこさんママさん 40代・ママ 女の子5歳)
「はじめてであうすうがくの絵本」シリーズ
思わず計算したくなる、いろいろな考えが巡る絵本
この絵本は、文も絵も安野さんが書きました。三人の数学者と相談して絵本を創るのも面白く楽しいのですが、ひとりで創るのもいいもんです。いちばんいいのは、安野さん一人なら、そんなに難しくならない点です。
編者など、何もしないで寝て暮らしていました。ときどき安野さんに「どこまでできました?」と聞きます。「まだまだ」「それなら、もうひとねむり」とのんびりくり返しているうち、安野さんは、ほんとうに一人で絵本を創ってしまいました。
これが美しい数学(7)で、このシリーズ最後の作品です。こんなふうに始ります。
むかし あるところに なまけものの男が住んでいました。そこへ仙人がでてきて、「ふしぎなタネをあげよう。そのタネを一個焼いて食べれば一年間は何も 食べなくても おなかが空くことはない。また、このタネを一個、地面にうめておくと来年の秋には、かならず実って 2個になる。」と言ってふしぎな種を2 個くれました。
怠け者の男は何年かたって、ふと、2個とも地面にうめたら、と考えました。次の年に2個のタネは4個にふえ、1個を食べて3個を埋めました。
自然の摂理は順序正しく整然としています。人間の暮らしもその摂理に従っています。当たり前のことですが、その当たり前のことが、よく考えてみると、不思議ですね。
■読者の声
計算したくなる
安野光雅さんの絵本が好きで、こちらでのレビューを参考に本を探していたところ、この絵本をみつけました。
タイトルの「ふしぎなたね」とは、仙人がある男にくれた2つのタネ。
1個食べると1年間おなかが空かない、1個地面に埋めると翌年の秋には新たなタネが2個実る、というものなんです。
もらった男は、数年間は律儀に1個食べて1個埋める、、、を繰り返していたのですが、あるときふと、2個とも埋めると翌年には4つに増えることに気づきます。
さぁ、ここからが数学の世界です(笑)。
4つに増えたタネ、1個食べて3個埋める→6個実る。
6個のうち1個食べて5個埋める→いくつになる?
これがどんどん繰り返されていきます。
そのうち家族が増えて食べる数が増えたり、知人にふるまったり、貯蔵したりして計算が複雑になっていきます。
ストーリーを追いながらついつい計算したくなります。
息子もまだよく掛け算がわからないながらも、指を折りながら一生懸命数えていました。
でもこの本は、算数だけじゃないんです。
ラスト近くで、主人公にはアクシデントが待っています。
それを乗り越えて、また始まる新たな暮らし。
この社会の縮図かな、なんて思わせられました。
(あんれいさん 30代・ママ 男の子5歳)
■読者の声
かたつむりの通り道
かがくのとも絵本。
1969年初版の復刊ですが、そのクオリティは不変だと思います。
題名の通りのテーマですが、
視覚的に対応させる「かたつむりの通り道」、というのがポイントです。
これは、数学的概念の物のとらえ方に相当します。
数学的思考も育んでくれそうですね。
もちろん、難しく考えず、安野さんの絵をアートとして楽しむのもいいと思います。
幼稚園児くらいから、数学の世界を体感してほしいです。
(レイラさん 50代・ママ )
絵本を読んでいるうちに「引き算」に親しめる
絵本を開くと、左の頁に家の断面図があってこどもが10人います(あれ?裸の女の子もいますよ。)。右のページには家の外面図があって、子どもたちは左の家から右の家に引っ越しをするという仕掛けです。
■読者の声
ワクワクのなかから数を学ぶ
数を学ぶと書くと、なんだか教科書のようで硬い印象がありますが
ひっこしは子供の頃の憧れの一つではなかったでしょうか。こんなおうちに棲んでみたいな。こどもたちだけのおうち、お友達と一緒に住んだらたのしいだろうな。
最初のページには、幼稚園おなじみの木の椅子。右に10脚、左に10脚、子どもたちは1,2,・・・10人。お行儀よく座っている子も居ない子も、さあ、子どもたちが一人ずつ、お隣へお引っ越しします。文章は最初の2ページだけ。
なまえもつけてあげてください。おはじきをおいて、など、安野さんのメッセージを説明書として大人としっかり読んだら、子どもたちと一緒に次のページからはお引っ越しです。
じっくり見ていくと、実はちゃんとそれぞれの持ち物も一緒に引越ししています。一人一人が気に入っている大切な持ち物が何かを探しながら、そして、あいた窓から見える子どもと見えない子ども。あわせて10人が消えることは決してありません。入学前に是非親子で楽しんで欲しい1冊です。
(KotohaMatsuoさん 40代 ママ 広島県 男の子13歳、女の子8歳)
算数・数学の絵本、こちらも
■読者の声
「天動説」への敬意を感じる本
タイトルの通り「天動説」の絵本ですが、同時に「地動説」の絵本でもあります。
世間の考えが、天動説から地動説に変わっていく過程がとても分かりやすく描かれています。
天動説を信じていた人たちについて「昔の人はこんなおかしな考え方だったんだよ」という見方ではなく、どうして天動説を信じていたのかという背景なども含めて丁寧に説明してあり、かつての人々への敬意が感じられます。
安野光雅さんの絵は細部まで素晴らしくて、何度でも読み返したくなる絵本だと思います。
(molanさん 40代 ママ 兵庫県 男の子7歳、男の子3歳)
言葉であそぶ絵本
安野光雅さんは、言葉の面白さを味わえる絵本もたくさん出版されています。
日本語の奥深さ、ひらがなやアルファベットの不思議が感じられる絵本です。
■読者の声
いろんなお店がずらり
いろんなお店があいうえお順に並んでいます。「よくこんなお店思いついたなあ」と感心するものから、「へえ、こういうお店もあったんだあ」と、新たな発見にうれしくなるもの、それに、今はなくなってしまった昔なつかしのお店まで、本当に様々なお店が勢ぞろい。
娘が好きなお店は、あめや、おもちゃや、ほんや、ふろや、むしや、けいとや、もちや、えのぐや、きんぎょや、えほんや、ロボットや、べんとうや、ぞうにや、ピザや、それから「じぞうさま」。(お店でないものも、所々に出てきます)
最後のページには、安野さんらしい遊び心があふれていて、親子で楽しめます。
(ガーリャさん 40代 ママ その他 女の子6歳)
■読者の声
奥が深~い!!
ひらがなって、奥が深くて面白い!
そんなことを改めて感じられる絵本です^^☆
46個のひらがながつながって、言葉になっていくんだよね。
1つずつ文字を増やしながら組み合わせていったら、
一体どれくらいの言葉ができるんだろう。。?
あれ?文字をさかさまに入れ替えたら、
違う意味の言葉になったよ?!他にもあるかな。。?
この絵本を読みながら、長男の文字に対する興味が
どんどん広がっていくのがわかりました。
楽しい気分で言葉遊びを堪能できましたよ^^♪
(** for dear **さん 30代・ママ 男の子5歳、男の子2歳)
■読者の声
美しい・・・だけじゃない!
奥が深く、美しく、ため息が出ました。
2歳の息子に購入しましたが、子どもから大人まで、長く楽しめる本です。
私は子どもの頃から安野さんのファンだったのに、これまでどうしてこの本を読んだことがなかったのだろう、と悔しい思いです。
まず、精緻で美しい描写にうっとり。
そしてページをめくるたびに「なるほど!」と感心。
この一冊を完成させるのにどれほどの知恵とエネルギーが必要だったろうと想像せずにはいられません。
ただぼーっと眺めるだけでは、作者のユーモアを見逃してしまいますね。とても頭を使う本だと思いました。
息子は木で組み立てたようなひらがな文字とリアルな絵に引き込まれて、次々とページをめくっています。
確かに1976年作ですから、今の生活シーンでは見かけないもの、昭和の時代の懐かしいものや、親である自分にもわからないものも登場します。
それはそれでいいのではないでしょうか。
せっかく日本人として生まれてきたのですから、子どもたちが知らない過去の時代の物事については、大人たちが教え伝えていけばいい。
大人がわからなければ上の世代に聞いたり、調べればいい。
それも大切なことだと思うのです。
『ABCの本』もぜひ購入したいと思いました。
(chittaiさん 40代・ママ 男の子2歳)
文字を楽しむ絵本、他にこちらも
想像力を刺激する不思議な絵本
絵本デビュー作『ふしぎなえ』をはじめ、読んでいると頭にクエスチョンマークが浮かんでくるような不思議な絵本も、安野光雅さんの魅力のひとつです。
読者を不思議な世界へといざなってくれる安野光雅さんの不思議な絵本をご紹介します。
■読者の声
40年近くたってもはっきり覚えています
子どもの頃に読んだ(見た)本です。
姉達と「不思議だね~」「これ、おかしいよね~」と言いながら、何度も何度も飽きずに眺めました。
本をひっくり返したり、回したりしながら、いろいろな角度から眺めてみたことをよく覚えています。
40年近く見ていませんが、今でも、何点かの絵ははっきりと覚えているほど印象的でした。
最近、安野光雅さんの絵本をよく読みます。
この精密な絵は、大人の方により人気があるかと思っていましたが、今よりも、子どもの頃の方が、深い感動を持って見ていたような気がします。
そういえば、我が家の子どもたちにも、お話会の子どもたちにも、安野光雅さんの絵本は評判が良いのです。
こういう長い間生き残ってきた本は、やはり素晴らしいものを持っているものですね!
(金のりんごさん 40代・ママ 女の子12歳、男の子9歳、男の子7歳)
■読者の声
家のトランプもよくみてごらん
安野光雅さんの不思議ワールドの中の1冊・・これはトランプの国の不思議なお話し。
トランプのジョーカーが物語りを語ってくれるので読み聞かせにも使えるけど・・ページをめくるタイミングが難しいですね。
トランプって上下あるけど、どっちが上でどっちが下なんでしょうか??
この絵本もどっちが上でどっちが下なの?
絵本を真ん中に挟んで上と下から一緒に見てもどっちもおもしろく楽しめる不思議な絵本です。
どっちが上でもいいよ・・といいつつやっぱり『こっちが上かな』ってどこかに決めてはないものか・・じっくり見るんですが・・未だに分かりません。
あなたは分かりましたか?
(とむままさん 40代 ママ 三重県 男の子10歳、女の子8歳)
■読者の声
影が救ったマッチ売りの女の子
安野光雅さんが紡ぐ影の国の世界です。
アンデルセンのマッチ売りの女の子とのコラボ版、でしょうか。
左がマッチ売りの女の子バージョン、右が影の国バージョン。
最初は別々に進みますが、途中で交錯して、意外な方向に物語が進みます。
確かに一見関係がなさそうですが、マッチを擦ると出てくるのが、影。
なあるほど。
さらには影の国の造形も、物語を動かします。
結末にはいろいろ解釈ができそうですが、
ともあれ、女の子が無事生き永らえたようで、嬉しいです。
アートで奥深いストーリーです。
どちらの国にも出てくる騎士の銅像、意味深です。
小学生くらいから大人まで、じっくり味わってほしいです。
(レイラさん 50代 ママ 兵庫県)
■読者の声
絵本の中の
安野さんらしい、リアルなだまし絵がたっぷり楽しめる絵本でした。
絵の中のライオンが、ふつうに飛び出してきていたり、ティカップの紅茶があふれだしたり、、、。フィクションとわかっていても、本当に見えてしまいます。
さーかす団のメンバーが、みんな楽しそうです。絵本の中から出ていきたさーかす団を見ている私たち、、、2次元、3次元のだまし絵です。
安野さんの想像力、画力に感心しました
(どくだみ茶さん 40代 ママ 秋田県 女の子11歳)
安野光雅さんが描くクリスマスの絵本
安野光雅さんの新作はクリスマスの絵本です。どんな話になるのかなと楽しみにして中を開くと・・・。
見開きいっぱいの画面に小さなおもちゃの絵や子供達の遊ぶ絵などあちらこちらに描かれています。でも何だかよく見ると描きかけみたい?そこに聞こえてくるのは画家の声、まるで安野さん御本人がつぶやいているようです。ページをめくるごとに花火が上がったり、家が建ったり、おもちゃや子供達が増えていったり、どんどん賑やかな画面になっていきます。大きな虹までかかって。
そんな時「これはサンタクロースのふくろのなかだ」という声。そうです、この字を書くスペースもなくなる程ぎっしりつまったおもちゃ箱の様なこの世界はまるごと子供達への贈り物。するとサンタクロースへのお願い事をする小さな声が聞こえてきます・・・。
最後の場面からはサンタクロース(安野さんの?)のこの世界への切なる願いが感じられる様です。
見所はもちろん細かく描かれたたくさんの絵。そこは安野さん、たくさんしかけが隠されているようです。前のページと比べてみたり、ぱらぱらめくってみたり、これはもう手にした子供達が見つけていくしかなさそうですね。素敵なクリスマスプレゼントです。
■読者の声
にぎやか
安野光雅さんらしい、ペインティングライブのような作品です。
中表紙からは、サンタクロースの袋の中をのぞく子どもたちの様子が描かれますが、
実は後付けのようですね。
描きかけの絵がだんだん仕上がっていく様子を見せ、
表題の設定を思いついたそうです。
あちこちに描かれた、てんでばらばらの絵たちが、
仕上がっていくにつれて、サブストーリーが立ち上がり、にぎやかです。
そして、謎のメッセージ、「あかちゃんが、ほしいのです」が
もとあった絵を押しのけ、意味深です。
たしかに、赤ちゃんが出現していますが。
いろいろな解釈ができそうです。
幼稚園児くらいから、絵で楽しんでほしいと思います。
(レイラさん 50代・ママ )
克明で繊細な旅と景色の絵本
安野光雅さんは、自然や街並みを描いた作品も、数多く生み出してきました。
克明で繊細な筆遣いで描かれた絵で、見るものすべてを虜にした安野光雅さんの旅と景色の絵本をご紹介します。
世界各国の自然や街並みを描いた、旅する絵本
中部ヨーロッパの自然や街並みを背景に、克明繊細な筆使いで旅の楽しさを描きだした絵ばかりの絵本。世界各国の子どもたちが喜んでいる、心おどる絵本です。
■読者の声
祖母の夢。
僕はこの絵本を 祖母の100歳の誕生日にプレゼントしました。
そうしたら、祖母は・・
「私は絵描きになりたかったんだよ」 と、
今まで一度も話してくれなかった若いころの夢を話してくれました。
「こんな風にいろんな家や沢山の人は なかなか描けませんがな」
そういって目を細める祖母の言葉が、とても嬉しかったです。
素敵な絵本は、どんな人にも心を開くチャンスを与えてくれるのだと
思いました。
どうぞ大切な人と一緒に、絵本の中の風景を眺めてくださいね。
(MZさん 40代・パパ 男の子19歳、男の子13歳)
『旅の絵本』シリーズ全作品
安野光雅さんが描く、いきいきとした生命力にあふれた森の絵本
1977年に「こどものとも」10月号として刊行されて以来、長年にわたって子どもたちによろこばれてきた隠し絵の絵本の傑作『もりのえほん』を大判にして刊行します。みんなで絵本のまわりをぐるりとかこんで、森に隠れている動物さがしをたのしむことができます。
木々の幹や枝の間に、繁った葉の中に、草むらに、ゾウやリス、ダチョウなど130あまりの動物が隠れています。「みつけた!」「これ、なんの動物?」にぎやかなやりとりをしながら、絵本の森を進んでください。
「じぶんでみつけたときが、いちばんうれしいのです」という作者の安野光雅さんの思いにそって、どこに動物たちが隠れているか、答えはのせていません。どうぞみんなでみつけてください。
美しいケースに入れてお届けします。
「こどものとも」1977年10月号の折り込みに掲載した「作者のことば」をのせたリーフレットがつきます。
■読者の声
おおきくって大変盛り上がりました!
息子が選んだ、こちらは大きな本です。とうとう安野さんの絵本を選ぶように抜いてなってくれたんだなぁと、息子の成長をうれしく感じていました。
どこまでも森が広がっている絵本かなぁと思っていたら、動物がたくさん隠れていて、気づけば家族みんなで盛り上がりました!親のわたしよりも、子どもの方が見つけるのがはやく、こんなに盛り上がる本だとおもいませんでした。
小さいタイプもあって読んでみましたが私は断然大きい方が好きです。こちらはタイトルに、みんなでたのしむ とある方で、大きな本です。そのために森がダイナミックで、どうぶつもうまく隠れているように思います。
絵本の中に、もりのえほんについて、安野さんのエピソードがかかれた薄い紙が入っています。これを読むと、安野さんがまた好きになりました。こちらもあわせて読んでほしいです。
(イヨイヨさん 30代・ママ 男の子4歳、女の子2歳)
幼いお子さんのための絵本
思考力が鍛えられる絵本のイメージが強い安野光雅さんですが、「赤ちゃん絵本」も出版されています。安野光雅さんならではの「赤ちゃん絵本」は、何度もページをめくりたくなる楽しさが詰まっています。
安野光雅さんが描く、「お面」の絵本
安野光雅さんに3人目のお孫さんができました。おじいちゃんからの贈物は、やはり絵本です。
お祭りの夜店で売っているお面が絵本にならないか、と安野さんと編者は知恵をしぼりました。そして生まれたのがこの「おめんのえほん」です。
表紙はパンダの絵。目の玉のあたりがスポンと抜けて裏表紙を突き抜けています。裏表紙の目のところは、かぼちゃ。
はじめに出てくるのは、熊です。次は、うさぎ。犬、チーター、狐、ライオン、猫、狼、猿、虎、コアラとつづきます。本体価格1200円ですから、1ヶのお面は100円足らず。
安野さんのお孫さんの家では、みんなでとり合いで遊んだので、お孫さんたちの鼻のあとが、絵本にくっきりついてしまいました。
■読者の声
楽しいお面の絵本
安野光雅さんの絵本だったので選びました。絵本自体に穴が開けてあるところにとても遊び心のユーモアを感じました。絵は簡略化して描いてあるからか娘も怖がらずに見る事が出来ました。絵本のサイズがとても気に入りました。娘の顔の大きさにぴったりだったのです。さすが安野さんだなと感心しました。子供の顔の大きさに合わせて考えられて作られている絵本だと思いました。何度も楽しめる楽しい絵本です。
(なびころさん 20代 ママ 愛知県 女の子0歳)
「いないいないばあ」も、ひと味違う!
いないいないばあの絵本はたくさんでていますが、安野さんが考えたのは、びっくりするほどアイディアフルです。
表紙から、いないいないばあが始まります。両方の手の平を顔にあてて片方の目をのぞかせている女の人がいます。
始めに、両方の手の平が切り抜きになっていて、下の頁をかくしています。いないいない、ばあと言いながら切り抜きの手の平のページをめくると、うさぎが現れます。
次は、左頁に犬、右頁に猫。真ん中に両方の手の平の切抜き。はじめに右頁で、いないいないばあ。次に左頁で、いないいないばあ。
ライオンも虎も豚も狐も熊もピエロも出てきます。もちろん、お母さん(表紙の女の人)も赤ちゃんも、お父さんも出てきます(赤ちゃんは安野さんの一人目のお孫さんで、お父さんは息子の雅一郎さん)。
そうして最後に、サンタクロース。赤ちゃんへの贈り物にぴったりの絵本です。
■読者の声
読み始めると終わりがありません・・・。
文字は一切なく、イラストのみで描かれた絵本です。
「いないいないばあ」という言葉は一切ありませんが、顔を隠した手のイラストから小さい子どもでも、「いないいないばあ」とすぐに認識できるでしょう。この絵本には、始まりと終わりがありません。右から読んでも左から読んでもいいのです。1ページには、2つの顔のイラストが描かれ、真ん中に顔を隠すための手しかけがあります。その手を右に動かしたり、左に動かしたりしながら、「いないいないばあ」を楽しむことができます。
娘が、この絵本を一旦、読み始めると終わりがありません。ひととおり、全部ページをめくって、「いないいないばあ」をやり終えると、また、そこから新しい「いないいないばあ」が始まります。この連続性が娘には、面白いようです。1冊で「いないいないばあ」が2倍楽しめる絵本です。
(はんぶん×ずっこさん -・絵本紹介サイト )
安野光雅さんの赤ちゃん絵本、こちらも
安野光雅さんが新たに命を吹き込んだ名作たち
誰もが知っている名作も、安野光雅さんが描くとまた違う魅力が見えてくるから不思議です。
長く読み継がれる名作に新たな命が吹きこまれ、改めてじっくりと味わいたい作品ばかりです。
ドラマ『大草原の小さな家』の原作を、絵本に描きおろし
世界 40カ国以上で翻訳、全米4100万部超のベストセラー
不朽の名作ドラマ『大草原の小さな家』の原作を、
安野光雅が絵本に描きおろし。
日本でも大ヒットしたアメリカのテレビドラマ・シリーズ『大草原の小さな家』の原作「大きな森の小さな家」を、安野光雅の絵と訳 で描きおろし。緻密な描写と遊び心あふれる美しい絵と、わかりやすく親しみやすい日本語訳で、アメリカの西部開拓時代を生きた家族の、温かく力強い暮らしを忠実に描く。
「文化が違っても、暮らしの本質は変わらない。いろんな場所で、いろんな人が生活している。そこには人間のドラマがある。そういう人の暮らしを描き、絵からなにかを感じ、考えてほしい。(安野光雅)」
──愛と思いやりと道徳心、不屈の開拓者精神が満ちあふれ、自然との共存、理想的な家族像は、世界のどの地域の、どの時代にも通ずる普遍的なものであることを優しく物語る。
■読者の声
あの名作が安野光雅さんのイラストでより素晴らしい
小さな頃にテレビで欠かさず見ていた大草原の小さな家ですが、とても可愛くて元気なローラとその家族の心温まるストーリーが大好きでした。
別の本で、かつて読んだことがあったので、それと同じ感じかな?とパラパラ・・とめくってびっくり。
すべて挿絵がカラーです。
しかもイラストは安野光雅さん。優しくて繊細なイラストがパッと目に飛び込んできて、もう一度あの大草原の小さな家を読み直したい!と思いました。
小さな頃に、親しんだあの名作を大人になってからもう一度読み返すというのも素敵ですね。
なかなか読書の時間がとれませんが、これならあっという間に読めますし、何より挿絵がカラーだとより読みやすくなると感じるのは私だけではないかと。
大人も子どももおすすめです。
(Pocketさん 40代 ママ 大阪府 女の子14歳、男の子11歳)
■インタビューもぜひご覧ください
小学1年生から読める名作
「すてきなことがおこりました。あててみる? でもあたりっこない! 」
100年以上にわたって世界中で読みつがれてきた名作が、詩人・谷川俊太郎氏の訳と
安野光雅氏の絵によって新たな感動とともに誕生しました。
孤児院でけなげに暮らすジュディは、ある日顔の知らない裕福な紳士の目に止まり、奨学金をもらって大学進学を果たします。
ジュディに課された条件は、かならず毎月おじさまへの手紙を書くこと――。
孤独だった少女が持ち前の明るさと想像力をもって、たくましく才能を開花させていく様子は、時代をとわず読む人のこころを掴んで離しません。
読んだことのある方も、読んだ気になっていた! という方も。
ふてくされたり、調子に乗ったり、落ち込んだり、大喜びしたりと表情豊かなジュディの手紙を、ぜひ受け取ってみてください。
◎総ルビになっていますので、小学1年生から読むことができます。
◎本シリーズの見どころであるカラーイラストを多数収録。
■読者の声
名作を安野光雅さんのイラストで!
「あしながおじさん」、子供に読んでほしい名作の1つに思っています。
我が家の子供は女の子なので、特に。
でもある年齢になったら、子供の好みも出てくるだろうし、この名作を選んでくれるかな?
小学校2年生の我が家の娘に、今寝る前に安野光雅さんの「小さな家のローラ」を読み聞かせています。安野さんのイラストに思った以上に惹かれて気に入っている娘。
引き続き、安野さんイラストの「あしながおじさん」もいいかも!と思っている次第です。
読み聞かせ、この親子の時間も貴重ですものね!
(まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子8歳)
安野光雅さんが描いたェイクスピア
笑って、悩んで、恋をして、シェイクスピア名作劇のすべて!
安野光雅のシェイクスピア全戯曲名場面
安野流に描き下ろしたシェイクスピア全戯曲37作品のハイライト場面に粗筋と名セリフを添えた画文集。名作芝居の要点が美しく楽しい1冊に。贈り物にも最適です。
この世はすべてひとつの舞台、人間は男も女も役者にすぎない
■あなたはいくつ知っていますか?
●ジョン王●リチャード二世●ヘンリー四世●タイタス・アンドロニカス●ロミオとジュリエット●ジュリアス・シーザー●ハムレット●トロイラスとクレシダ●オセロー●リア王●マクベス●アントニーとクレオパトラ ほか
安野光雅さんが描く名作、こちらも
作家との共作絵本
安野光雅さんは、まどみちおさん、谷川俊太郎さん、そして美智子上皇后など、さまざまな方と共作した作品も多く遺されています。
その素晴らしいハーモニーを、ぜひご堪能ください。
まどみちおさん、美智子上皇后との共著
日本の子どもたちの大好きな童謡『ぞうさん』の作者、まど・みちおさんの詩が英語に訳されて日本とアメリカで絵本になりました。まど・みちおさんの楽しい動物たちの詩20篇と、美智子さまによる英訳を収録。
ことり
スワン
クジャク
ヒバリ
いいけしき
ああどこかから
ぞうさん
シマウマ
キリン
トンボ
チョウチョウ
チョウチョウ
イヌが歩く
なみとかいがら
ねむり
イナゴ
ナマコ
アリ
ヤマバト
どうぶつたち
まど・みちおさんの作品の中から、皇后・美智子さまが厳選して英訳した詩集が二冊同時に刊行されます。ひとつが「けしゴム」(英語のタイトルは「Eraser」)。21篇の詩は、短いものはたった一行、長いものでも五行しかありません。
「オウム」「ノミ」「しろうさぎ」などの生き物や、「カボチャ、「トウモロコシ」といった野菜、さらに「みみ」「はな」「ねごと」「かいだん」などなど。
最小限の言葉から、イメージがどんどん膨らんでいきます。
たとえば「ケムシ」は、一行。
さんぱつは きらい
さあ、これを美智子さまはどう訳したでしょう。
まどさんの日本語と、美智子さまの英訳を読むことで、詩がの世界は、さらに豊かに、思いがけない方向に広がっていくのです。
これは、外国の方が読む訳詩集ではありません。二つの言葉の間で、そしてそこに付けられた安野さんの絵が、あなたの想像はどんどんひろがり、思いもかけない新たな発見があるに違いありません。
■読者の声
「あけるな」と言われても…
のはらなずなさん 40代 ママ 東京都 男の子10歳、男の子5歳
「あけるな」…表紙からもう物語は始まっています。そして
「あけるとたいへん」「あけてはいけない」という警告!
「とびらってのはね あけるために あるんだよ」ということばがありますが、
絵本も「あけるために ある」ので、ついページをめくってしまいます(笑)。
で、扉の向こうは、どうなっているかというと、どきっとして、うっとりして、
…とここまでにして、後は是非ご自分で「あけて」みて下さいね。
谷川俊太郎さんの文、安野光雅さんの絵。なんと贅沢な絵本なんでしょう!
2人の創り出す不思議世界にひきこまれ、読み終えた後、
子ども達からはふぅっとため息がもれていました…。
エリック・カールさんなど、世界8か国8人の絵本作家と制作した絵本
この絵本は安野光雅さんが、世界の8カ国8人の絵本作家に呼びかけて、作った絵本です。
アメリカは、エリック・カール。ロシアはニコライ・エフゲニエヴィチ・ポポフ。ブラジルは、ジャン・カルビ。中国は朱成梁。イギリスはレイモンド・ブ リッグス。日本は林明子。ケニアはレオ&ダイアン・ディロン。オーストラリアは、ロン・ブルックス。いずれも現代を代表する一流の顔ぶれです。
■読者の声
まるい地球の上で手を繋ぐ
世界の8人の絵本作家と安野光雅さんの絵本です。こんな素敵なコラボレーションは絵本を愛する心が繋がっているからこそ。
1冊で“ちいさな世界の絵画展”が楽しめます。
世界8ヶ国、8人の絵本作家と安野光雅さん(無人島のタスケ)で描かれる、まるいちきゅうに住んでいるおともだちのまるいちにち。
安野光雅さんからのメッセージは、ちがうでしょうが、そっくりなのですよ。ちがいの、なぜには答えはかいてありません。おとなになって自分でみつけて欲しい。
この本は、小さい頃からひとつしかないもののなかにも様々な世界があること,お互いの感性の違いがあることについて、幼少期から自然に受け入れる心の器を育てていくことで “違いの素晴らしさを認め合う” ということを感覚的に育て上げる1冊とも言えるでしょう。
(KotohaMatsuoさん 40代 ママ 広島県 男の子13歳、女の子8歳)
『王さまシリーズ』の寺村輝夫さんとコラボしたナンセンスが光る童話
人気作家同士たった一度のコラボレーション作品がついに読める!
「ことばあそび」のおもしろさが満載の名作童話『6月31日6時30分』が、
刊行40年目の2014年にいよいよ復刊!
6月に“31日”は存在しないのになぜ…? その理由は、本書を手にとってお楽しみください!
この本は、ごご6時30分よりまえに、よんでください。
なぜ?
そうすると、6月31日に、きっと、あなたはてがみをうけとるでしょう。
えっ?
こんな不思議な出だしではじまる、「王さまシリーズ」でもおなじみの寺村輝夫のナンセンス童話がよみがえります!
普段当たり前に使っている“日本語”ということばを駆使し、本文のいたるところにちりばめられた「ことばあそび」がこの本の魅力のひとつ。どこか屁理屈にも感じられる会話、同音異義語の多さ、日本語独特の言い回しなどによって進んでいく、リズム感あふれる文章の魅力をご堪能ください。
もうひとつの魅力は、人気作家・安野光雅氏による挿絵。ほぼ最初から最後まで、安野氏の絵がふんだんに使われています。カラフルな表紙から版画や切り絵を思わせる挿絵まで。その絵を見ているだけでも十二分に楽しむことができる一冊です!
刊行から40年目によみがえる『6月31日6時30分』を、この機会にぜひご家族でお楽しみください。
■読者の声
ナンセンス
寺村さんらしいナンセンスが爆発する童話でした。
絵も作品に合っているなーと思いながら読みました。
6月31日って存在しないはずなんですが…。
『学校へいくのは、なんのため?学校へいくため。べんきょうするのはなんのため?学校へいくため。…』そんな答えあり?って思ってしまいます(笑)。
子供のロコちゃんでも???となる世界。大人の私だとパニック間違いなしだろうなー。
(みちんさんさん 30代・ママ 女の子3歳、女の子1歳)
■読者の声
俵万智さんの情愛を絵で包み込んだ安野さん
俵万智さんの燃えるような恋短歌を、安野光雅さんの絵がみごとに受け止めて、融合している本です。
直情的な歌と安野さんのどちらかといえば知的な絵は合わないと思って本を開いた私は、驚きの一言。
若い女性にピッタリの短歌絵本だと思います。
(ヒラP21さん 60代・パパ )
エッセイと画集で、その軌跡をたどる
新しい絵本の出版や安野光雅美術館での企画展の準備など、亡くなる直前の2020年の秋ごろまで仕事を続けられていた安野光雅さん。
その軌跡をたどるエッセイや画集をご紹介します。
安野光雅さんの頭の中を映し出す珠玉のエッセイ3冊
絵本作家・画家として国内だけでなく世界的に人気を博す著者が、今だから語る、「出生の秘密」や戦争体験など92年の来し方、独自の絵画論、死について想うこと、心境の変化。
「考えることは、生きること!」 痛快エッセイ
子どもと向き合う大人たちに大切にしてほしいこととは? 「子どもは大人をよく見ている」「子どもにとっては今が大事」「自然から学ぶこと」「図画工作で伝えたかったこと」など、小さなノーベル賞といわれる、国際アンデルセン賞受賞の世界的画家・安野光雅が、ユーモアたっぷりに語ります。あふれる情報や人の意見に惑わされずに生きるにはどうすればよいかを自由な発想で綴る、「考えるヒント」がつまった痛快なエッセイです。
安野光雅の思い出絵話
画家、絵本作家として国際的に活躍している安野光雅の最新絵本です。30年前の自分と今の自分との対談形式で自作の絵を語ります。
安野光雅さんの画の魅力がぎっしり詰まった画集
数々の賞にかがやく安野光雅の画の世界!
ふしぎな絵、ユーモラスな絵……。絵と文章が絶妙のハーモニーを奏でる安野ワールド!
熱烈な数多くのファンをもつ著者の魅力がこめられた一冊。
世代を超え、子どもたちをひきつけ続ける安野さんの絵本。何度も何度もすみずみまで眺めて読んだという方も多いと思います。
この世界をもっと面白くする素晴らしいその作品たちを、これからも長く長く読み継いでいきます。
編集協力:洪愛舜(ほんえすん/ライター・編集者・絵本作家)
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