【結果発表】出版社イチオシの絵本・児童書を読んでみよう!2021年2月レビューコンテスト
337件のレビューから選ばれた5名の入賞レビューをご紹介
2021年2月に開催されたレビューコンテスト「出版社イチオシの絵本・児童書を読んでみよう!」。
レビューを募集した開催期間は、2021年2月18日から2021年3月17日までの1ヵ月という短期間にも関わらず、なんと337件のレビューが集まりました。たくさんのご応募、ありがとうございました。どのレビューも読みごたえのあるものばかりで、スタッフが選定するのもとても大変でした。
絵本ナビでは、常日頃、絵本ナビをご利用しているみなさんに、「実際に読んでみてから絵本を選ぶ」の他に「ちょっと気になった絵本のレビューを読んで、決める」選び方もおすすめしたく、今回このようなレビューコンテストを開催いたしました。
実際の体験から書かれたみなさんのレビューには、本の感想を通してみなさんの気持ちや思い出がたくさんつまっていました。
それでは、入賞した5名の方の素晴らしいレビューをご紹介いたします。
是非とも、レビューを読んで、絵本選びの参考にしてくださいね。
『うまれてきてくれてありがとう』受賞レビュー
出産祝いにもピッタリ
うさぎのタンタンさん 30代 ママ 東京都 男の子3歳
妊娠がわかってから赤ちゃんが産まれるまで、ずっと切迫流産・切迫早産で不安だった頃、読みました。
私をお母さんに選んでくれた赤ちゃんのために頑張ろうと、読んでいて涙が出たのを覚えています。
無事に出産し、その赤ちゃんだった子どもが3歳になった今、改めて手に取り、読み聞かせました。
すっかり会話が上手になった子どもに、顔を見つめて、「うまれてきてくれて ありがとう」と言ってぎゅーっと抱き締めたところ、とても嬉しそうに、
「ママがよかったんだもん」と言ってくれました。
妊娠中も、子育て中も、いつだってこの絵本を読むと、我が子が愛しい気持ちでいっぱいになります。
すべてのお母さんと、すべての子どもたちへ贈りたい絵本です。
出版社からの内容紹介
「ぼくは、ママをさがしているの。かみさまが、 『うまれていいよ』っていってくれたから・・」 クマくんやぶたくん、ほかの動物たちはみんなママと一緒です。 ぼくのママは、どこにいるの? 「あなたは、世界でたった一人のかけがえのない存在。 うまれてきてくれて、ありがとう。」絵本を通じて、親から子へメッセージを伝えることで、子どもの自己肯定感を育み、かけがえのない命の誕生を親子で喜びあう絵本。
〈著者メッセージ〉
難産だった息子の誕生をきっかけに 生まれた物語です。わが子がうまれてきてくれた喜びを、 たくさんのパパ、ママ、子どもたちに届けられたら嬉しいです。
『おたすけこびと とおべんとう』受賞レビュー
緻密に描かれているのに可愛らしい重機
カオリンゴカモシレナイさん 40代 ママ 大阪府 男の子8歳、男の子2歳
エプロン姿でお弁当を作ったと思しきパパの姿に私は釘付けでしたが笑、寝ても覚めても「はたらくくるまラブ」の2歳児は、先を読み進めたくて「はやく!つぎ!」と、大興奮の絵本でした。
遠足にお弁当を忘れるなんて、一大事!
でも、こんなふうに、こびとさんたちに、こっそり(?)お届けしてもらえたら、クラスのスターになれそうな気もします。
草ぼうぼうの道を切り開きながら進む重機に息子は釘付け。草むらを旋回するトンボも、息子には「へりぽくたー!(ヘリコプター)」に見えていたようで、そうか、そのトンボサイズの重機が懸命に働いているのか、と私も妙に感動してしまいました。
ロードローラーや、ショベルカーなど、名前の分かる車に混ざって、先がハサミのようになっている謎の重機がちょいちょい現れて、「おかあしゃん!これはなに!!!」と指さし詰問してくる息子に私もたじたじ(調べました)。
徹底的に緻密に描かれている重機と、その一方で愛らしく働くこびとさんのキュートな姿とのギャップがすごい。なるほど重機好きキッズのハートをこのように射貫くのね、とその専門性に圧倒されながら、楽しく読みました。
おたすけこびとシリーズ、息子の愛読書になる予感です。
出版社からの内容紹介
人気の定番ロングセラー
「おたすけこびと」シリーズの最新刊、第7巻!
こびとたちが、働く車をつかって、
人間にたのまれた仕事をみごとにはたします。
累計32万部、ヨーロッパやアジアでも、
人気のシリーズです。
あさ、お父さんがおたすけこびとに
電話をかけました。
「たんぽぽ島」にピクニックにいった子どもに、
おべんとうをとどけてほしい、というのです。
こびとたちは、おべんとうと、働く車を
フェリーにつみこんで、
島をめざして、船出しました。
ところが……?
『おねぼうさんはだあれ?』受賞レビュー
優しい
ピーホーさん 30代 ママ 埼玉県 女の子4歳、女の子2歳
うさぎのミミナちゃんが、冬眠中のお友達を起こしに回ります。
おねぼうさんはだあれ?と声をかける様子が、可愛らしくて、なんとも優しくて。早く起きて一緒に遊びたい気持ちを胸にしまって、春の訪れを知らせる花束を置いて行く様子が、優しさに溢れています。
素敵な花束の香りに誘われて、目覚めたらお友達が、いい香りに誘われて行くと。。そこには、野原でウトウトと眠っているミミナちゃんが!
みんな揃って、春を喜ぶ姿に、春の訪れが待ち遠しくなりました。
あずみ虫さんの独特の技法で描く絵が素敵で、細かなとこまで見入ってしまいました。
とっても優しさに溢れた心地の良い絵本です。
出版社からの内容紹介
「おきておきて、もうはるよ」うさぎのミミナちゃんが、冬ごもりから起きてこない友だちを起こしに出かけます。でも誰もなかなか目を覚ましません。そこで、いいにおいの花束を枕元へおいていくと、やがて友だちも花のにおいに気づいて…。春の訪れを温かい筆致で描いた絵本です。
読んであげるなら3歳から、ひとりで読むなら小学低学年から。
<編集部よりひとこと>
友だちを起こしに行ったはずのミミナちゃんが、ぽかぽか陽気でお昼寝してしまうところがユーモラス。物語のおしまいには、みんなで遊んでいる様子が描かれ、喜びがあふれているのも魅力的です。
「おねぼうさんはだあれ? 」と我が子に優しく語りかけてあげたい、そんな気持ちにも寄り添ってくれる作品です。
<著者について>
◆片山令子
1949年群馬県生まれ。詩人、絵本作家。夫・片山健さんとの絵本に『たのしいふゆごもり』(福音館書店)がある。ほかに『ゆきのひのアイスクリーム』(柳生まち子・絵 福音館書店)など。2018年、病気のため他界。
◆あずみ虫
1975年神奈川県生まれ。絵本作家、イラストレーター。安西水丸氏に師事。アルミ板をカッティングする技法が独特。絵本『わたしのこねこ』(澤口たまみ・文 福音館書店)で産経児童出版文化賞美術賞を受賞。
『クジラが歩いていたころ―動物たちのおどろくべき進化の旅』受賞レビュー
太古の世界へタイムスリップ
MYHOUSEさん 40代 ママ 富山県
これはもう絵本というより図鑑と言った方がいいと思います。
動物図鑑、恐竜図鑑などはよく見かけますが、進化の図鑑というのは珍しいのではないでしょうか。
しかも単なる子ども向けではなく、大人でも唸る詳しい解説付き。ダーウィンの進化論から、突然変異、自然選択等の説明もあります。
タイトルにあるように、クジラが哺乳類であることは誰でも知っていますが、それがどのような進化をたどってあの姿になったのか知りませんでした。そう、クジラは昔、歩いていたのです!
それ以外にも、驚くような進化を遂げていった沢山の動物たち。
まるでタイムマシンに乗って太古の昔へタイムスリップし、そこからものすごいスピードで進化の旅をしてきたような充足感。
これ1冊あれば、進化に関する沢山の疑問に答えられますし、そこから派生して様々な好奇心が湧いてきます。進化についてはまだ分かっていないことが沢山あり、これからの研究でどんな発見があるか、また人類はこの先どんな進化を遂げるのか。読みながらワクワクした気持ちになりました。
挿絵もとても丁寧で詳しく描かれていて、特に自然な温かみのある色彩が良かったです。
大人も子どもも楽しめる、進化の面白さが分かる1冊です。
出版社からの内容紹介
みなさんは、地球の本当のすがたを知っているでしょうか?
さあ、太古の世界にタイムスリップして、
恒温動物だったワニをさがしに出かけ、
足のあるヘビが穴掘りをしているところを見に行きましょう。
島にくらす恐ろしい巨鳥や、
小さなゾウに会いに行きましょう。
生命が海から陸にはい上がった瞬間、
わたしたち霊長類の祖先が木から地上におりた瞬間――
この地球の歴史は、すばらしい物語にあふれています。
『どんなきもち?』受賞レビュー
想像力、コミュニケーション力が育つ
もけこさん 40代 ママ 福岡県 男の子15歳、男の子11歳、男の子1歳
わたしは絵本を通じてこどもと話をするのが苦手でした。
読み聞かせも、文字通り読むだけになっちゃって、、、。
でも、この本ははじめから問いかける形なので、一緒に考えながら読めていいなあと思いました。
それから、気持ちってなかなか言葉にして伝えてないなあ。と気付きました。
「こんなときどんなきもち?」の問いに「え?と」と改めて考えないとすらっとは言葉が出てこないのです。
こどもにももちろんいいですが、おとなにとってもコミュニケーションを見直すいいツールになりそうです!
その他今回のレビューコンテストの対象作品
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