『カピバラがやってきた』他者との共生を描いたウルグアイの作家の絵本発売
世界14か国以上で出版されているウルグアイの作家の絵本
岩崎書店から、『カピバラがやってきた』(アルフレド・ソデルギット さく/あみのまきこ やく)が、2022年8月17日に発売されました。
ニワトリたちは、のんびりとくらしていました
ある日、カピバラがやってくるまでは
カピバラのとぼけた表情がかわいいこの絵本は、これまでにスペイン語、カタロニア語、英語、フランス語、オランダ語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ギリシャ語、トルコ語、中国語簡体字、韓国語で刊行され、日本語版が14番目の言語となります。なぜここまで多くの国、言語で出版されているのでしょうか。もしかしたら「よそ者を受け入れる」という、普遍的なテーマを描いているからかもしれません。難民や移民の受け入れが大きな問題になっているヨーロッパを中心に刊行されていることからも、この絵本の描く「共生」というテーマが、各地で切実だということが推し量れます。翻って、日本は難民の認定率が低い国と言われています。それでも、コンビニや飲食店、介護施設や農家など、多くの場所で外国人の方が働き、日本で暮らしています。しかし、社会の一員として認めあい、意思の疎通をはかることが、果たしてできているでしょうか。
『カピバラがやってきた』は、文字の量が少ないからこそ、読者が読み取る部分が大きい絵本です。カピバラとニワトリに何が起こっているのか想像する。話の結末のつづきに思いを巡らせる。そのように絵やお話を楽しみながら、身近なさまざまな問題を考えるきっかけにもなるような「余白」の多い絵本です。どうぞお楽しみください。
カピバラがやってきた
もともとその場所に暮らしていたニワトリと、よそからやってそこへきたカピバラ。
違う種類の動物どうし、一緒に暮していけるの?
移民と移民を受け入れる側の話などにも解釈できる、他者との共生を描いたお話。
スペインの出版社から刊行されたウルグアイの作家の絵本。世界14か国以上で翻訳出版。
内容紹介
こざっぱりした鳥小屋でくらしていたニワトリたち。
食べものはたっぷり、のんびりした毎日。
そこへ、とつぜんカピバラがやってきました。
毛ぶかくて、びしょぬれで、ずうたいの大きいカピバラたち。
「こまります!かえってください」とニワトリたち。
でも、カピバラたちは、うちへ帰れない事情があったのです。
狩猟の季節になり、カピバラたちはハンターに狙われていました。
カピバラとニワトリ、これからどうなるのでしょう?
PR動画
書籍紹介
『カピバラがやってきた』
さく:アルフレド・ソデルギット
やく:あみのまきこ
出版社:株式会社岩崎書店
ISBN:978-4-265-85198-0
体裁:A4変型判
定価:1650円(本体1500円+税)
発売日:2022年8月17日
著者プロフィール
作:アルフレド・ソデルギット
1973年ウルグアイのロチャに生まれる。ウルグアイ共和国大学で美術を、ウルグアイ映画学校でアートディレクションを学ぶ。監督として手がけたアニメーション映画「アニーナ」は世界20か国で上映された。イラストレーターとして数多くの児童文学作品に携わる。ブラチスラバ世界絵本原画展入選、ボローニャ国際絵本原画展入選。本作は世界8か国以上に翻訳され、ニューヨーク公共図書館子どもの本2020年ベストブック選出など、数々の賞を受賞。
訳:あみのまきこ
スペインとの出会いは幼い頃の愛読書『はなのすきなうし』。上智大学、東京外国語大学大学院でスペイン語を学び、現在は語学教師をしながら、スペインやラテンアメリカの児童書・昔話の紹介につとめている。
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