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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】お休み明けはユーモア絵本で元気にスタート!

お正月が終わり、3連休も過ぎていく今週は、子どもたちは新学期が本格的に始まり、大人も仕事や家のことに本格始動となりますね。でも長いお休み明けのスタートというのは、ちょっと億劫な気持ちにもなりがち……。 そんな時には、やっぱり楽しい絵本が一番! ということで、今週はユーモア絵本の特集です。気になる新刊もいろいろ出ていますので、チェックしてみてくださいね。

さて、どの絵本が一番笑いのツボと合うでしょうか。たくさん笑って、元気にスタートしていきましょう。
 

2023年1月9日から1月15日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

1月9日 気がつくと町は空前のだるまブームに!

月曜日は『だるまだ!』

だるまだ!

海の向こうから、何だか赤くて丸いものが流れ着いてきた・・・それも大量に!
勇ましい顔のついたそれは、まぎれもなく「だるま」。
なぜだるまが?こんなにたくさんどこから・・・?
なんて考える暇もなく、気がつくと町は空前のだるまブーム。
あっちにもこっちにも、こんなところにも「だるま」。
その形と色で強烈な存在感を否応なしにするだるま、お目出たいけどそんなに使い勝手がいいとは思えないだるま。
ところが不思議としっくりきている、だるまだらけの町の風景。
なぜかセンスまで感じてしまうだるまグッズの数々。
なんて心まで染まりかけていると・・・。

作者の、日本人離れした軽快でハイセンスなタッチと、こてこての和物「だるま」というキャラクターという違和感のある要素が絡み合ってとっても面白い事になっています!
特に気になるのが、ずんっ、とせり出しただるまの頭の形。どうやらこちらは、だるまの持ついい形を追求するうちに、こんな面白い形になったのだそうです。(決してリーゼントではないそうですよ、念のため)。
是非、この不思議な感覚を体感してみてくださいね。

長らく絶版になっていた作品ですが、装丁・判型が変わり、復刊版として嬉しい再登場です!
(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=108921

読者の声より

だるまがっ、だるまがっ、押し寄せてくる~!!
なんなんだ?なんなんだ??

この状況で、みなさん、順応しすぎです(笑)
娘は、思わず吹き出していました。

このまま、だるまに征服されてしまうのか…と思ったら!?
どうして、こんなコト思いつくかな~(笑)

「天晴れ!」です!
(しゅうくりぃむさん 40代・ママ 女の子9歳)

1月10日 おさらを取り戻す旅に出たカッパーノの運命は…!?

火曜日は『カッパーノ』(2022年11月の新刊より)

カッパーノ

こじゃれたカフェにブランドショップ、絵本の舞台はもしやイタリア? いえいえここは、カッパの町! 道ゆくだれもが緑色、頭にさらを乗せています。

そんな町に住んでいる、完全無欠の人気者。ひときわ目をひくイケメンカッパ、みんなのあこがれ「カッパーノ」! 涼やかな目元に、キマった髪型、巻いたスカーフはハイセンス(ちなみにキュウリ柄)。

ところがある日訪れた、人生最大の大ピンチ。
こらー! そこのカラス、ぼくのさらを返せー!

表紙のパワーをご覧あれ。なんというインパクトでしょう。こんな瞳で見つめられたら、だれもがひとめで彼に夢中! いまだかつて、こんなカッパがいたでしょうか? なんてオシャレで、スマートで、そして──悲しむ顔の、情けないこと……。

おさらを取られたせいで「もはや、カッパじゃない」「みっともない」とまで言われ、うしろ指を刺されるカッパーノ。その悲しみに暮れる表情たるや、あまりにもみじめっぽく、さらがもどるよう心から祈らずにはいられません! ……でも、ごめんよカッパーノ。その顔、すっごい笑えるんだ。

せめておさらの代わりにと、おかしなものを頭にかぶっては、トラブルに巻き込まれる迷走ぶり。そんな姿も、かわいそうだとは思いつつ、どうしてもおもしろいのです。

おさらとカラスを追って旅立ったカッパーノは、やがて、人間たちの住む町にたどり着きます。変装して町を捜索するカッパーノの行く先々で、彼を見つめる黒い影……そう、あれはおさらを盗んだあのカラス!

人間の町を描いたページでは、それぞれの場面にカラスとおさらが隠されているという絵探し要素もあります。カッパーノよく見て! きみのおさら、そこにあるってば!!

町のほうぼうを探し回ったカッパーノ、ついにはおさらを見つけ出し、おおよろこびで飛びつくのですが……次の瞬間、カッパーノはさらなる絶望につきおとされてしまいます。

果たして、カッパーノは頭のおさらを取り戻すことができるのか? そして、カッパたちの憧れの的に返り咲くことはできるのか!?

インパクトばつぐん、イケてるカッパの大冒険! ……それにしても、なぜ、イタリア風の街並みで、カッパ?

(堀井拓馬  小説家)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=178210
http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=178210

読者の声より

イタリアンテイストの伊達男のカッパ!?
まず、その時点で仰天です。
表紙絵でじっくり眺めてみると、気品あふれる佇まいにキラリと光る皿。
「カッパーノ」の響きとともに、ほら、もう、カッパーノの世界。
首に巻いたスカーフも、キュウリ柄でしょうが、ブランド物の柄に見えてしまいます。
颯爽と登場したものの、自慢の皿をカラスにひったくられての騒動。
ここからは、皿探しの様子が愉快です。
おやおや、カラスと一緒に、あそこにも、ここにも。
「怪盗カラスマン」の「盗」の漢字にある皿にも反応してしまいます。
図書館に、何気に並んだパロディー本に突っ込みも多数。
そしてついに!からの悲劇。
でも、そこからの逆転劇は、やはり、カッパーノの日頃の行いの賜物でしょうね。
「みどりの おわかいの」というおじさんの声掛けが滋味深いです。
(レイラさん 50代・ママ 男の子29歳、男の子26歳)

1月11日 「かがみもち」が床の間から逃げ出した!?

水曜日は『おもちのきもち』

おもちのきもち

お正月になれば、床の間に鎮座まします「かがみもち」。
二段になった、真っ白で大きなおもち。頭にはみかんとおめでたい扇子。
堂々として立派なものです。

でも、なんだか浮かない顔をしているみたい。
「かがみもち」にも悩みがあるのでしょうか。
いや、そもそもおもちに「きもち」なんてあるの?

…それが、あるみたいですよ!?
興味深いですよね。聞いてみることにしましょうか。

「もう たいへんなんです。」

何かといえば。
おもちつきでは頭をペッタンペッタンたたかれ、のしぼうでのばされ、プッチンとちぎられ。あんこやきなこや挙句にねばねば納豆に混ざられて。確かに散々です。「かがみもち」と呼ばれるようになった私は、今のところ大事にされておるようです。でも…

「いつ なんどき たべられる ことやら。ああ おそろしや。」

なるほど、ちょうどそんな気持ちが表情に表れていた訳ですね、納得です。
でも、ここで話は終わりませんよ。なんと「かがみもち」、床の間から逃げ出すことにするのです! 一体どこに? どうやって? なんのために…? もうここからは、想像の範囲を超えていく話です。驚きの展開が待っていますよ、お楽しみに。

年末年始の時期になると、おはなし会でも引っ張りだこになるこの絵本。子どもたちは大爆笑、スカッとした気持ちで新年を迎えられそうです。でも、食卓に出てくるおもちや飾られている「かがみもち」を見る目はガラっと変わってしまうかもしれませんね。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=8679

読者の声より

気が付いた時からがおもちだったのか、気が付くと頭を叩かれているんだから
たまらないですね。

おもちにどれだけの表情がつけられるの?っていうぐらい、目とまゆで
ププッと笑えちゃう表情を描いてあるのが、おもしろい!
でも、本当に面白いのは、口が描かれてからです。
デロンデロンで全力疾走のおもちくんには、大笑いしました。
「こんだけ走ってるのに、なんでみかんが落ちへんねん!」と娘は
妙に冷静にツッコミながらも大笑い。

あんまり面白くてあっという間に読み終えたので、今回の絵本、いつもより
短いんじゃない!?と思ったぐらい。
ホントにかわいくて、楽しい絵本でした。
お正月に鏡餅を目の前にして、また読みたいです♪
(ねがいさん 30代・ママ 女の子7歳、男の子3歳)

1月12日 「スキーのことなら、わしにまかせなさい」

木曜日は『こぶたのブルトン ふゆはスキー』

こぶたのブルトン ふゆはスキー

こぶたのブルトン、いたちのアンドレ、ダルマのタカサキさん、ゆかいな仲間たちが、スキーへ行きます。リズミカルな会話、キャラクターのおもしろさが際立つ元気の出る絵本。

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=8774

読者の声より

お話はスキーのお話なだけにかなりのスピード感がある!
やっぱり、ブルトンのお話しははずせないですよね~って
感じますね。
ブルトン第1作のお話しなだけに、あの方との
出会いについて描かれてます。そう!タカサキさんですよ~

なぜにこたつを持って、電車に乗るんだい??
しかも、電車の通路のこたつを広げてるし~。何するんだい???
ね、タカサキさんって、予測不可能でしょう?
そんなタカサキさんの様子が、子どもたちの心をくすぐるんでしょうね~

ラストもやっぱり、笑わせて頂きました!
何と!!タカサキさんが……!!
これはもう、わたしから名脇役賞を捧げたいくらいです♪
(かおりせんせいさん 30代・ママ 女の子8歳、男の子5歳)

1月13日 右向け右、左向け左! どうしたら揃うのでしょう?

金曜日は『おうさまのまえで みぎむけーみぎ!』(2022年12月の新刊より)

おうさまのまえで みぎむけーみぎ!

『おうさまがかえってくる100びょうまえ!』のけらいたちがかえってきた!

『おうさまがかえってくる100びょうまえ!』で大慌てをしていたちょっとポンコツの家来たちが、今度はおうさまの前で集団行動を披露することになりました。けれど何度やっても向きがそろわないので、リーダーが目印を示して練習することに。日が暮れるまで練習してマスターしたけれど…!? 

子どもと笑って読みながら「みぎ、ひだりってどっち?」と考えるヒントにもなる絵本。
読み聞かせにもぴったりです!

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=178014
http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=178014

1月14日 うえきばちから出てくるのは、いったい何?

土曜日は『うえきばちです』

うえきばちです

うえきばちがありました。土を入れて、好きなものを植えてみました。さて、いったい何が出てくるでしょうか?ゆっくりと、そしておおまじめに、みんなで、この絵本を開き読んでみてください。笑いがこみ上げてくる絵本です。

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=15422
http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=15422

読者の声より

まったく想像をしていなかった内容に、驚きつつも大爆笑させてもらいました。言葉遊びを使ったとてもおもしろい絵本でした。こんな植木鉢があるのなら、お目にかかってみたいような、でも、恐いような…
何度読んでも笑える楽しい絵本でした。
(さくらっこママさん 30代・ママ 女の子6歳、男の子3歳)

1月15日 はたして今日は誰の何のお祝いだったか…?

日曜日は『うろおぼえ一家のパーティー』

うろおぼえ一家のパーティー

おとうさん、おかあさん、おにいさん、おとうと、いもうと。「うろおぼえ一家」の特徴は全員同じ。それは「うろおぼえ気質」だということ。そう、何もかもがうろおぼえ、もう見ていられないくらい! でも不思議と楽しい気持ちになってくるのです。前作『うろおぼえ一家のおかいもの』を読んだことある方ならわかりますよね。

さて、今回はそんなうろおぼえ一家がパーティを開くことになりました。誰かのなにかをお祝いする大切な日です。ええーっ、そこも忘れちゃうの?

けれどもとにかく支度をはじめていると、次から次へとお客さんが訪れます。ねこの親子は歯が抜けたと報告に、100ぽぴったりで家に着いたといういぬに、拾ったタネから芽が出た!と2ひきのはりねずみも。なんだかみんなおめでたい。そこに、大変な姿で帰ってきたのは……?

結局うろおぼえのまま開かれるパーティー。
「おめでとう!」
あちらこちらに気になる答えの片りんは転がっているのだけれど、思い出せないのだから仕方がない。お祝いしたい気持ちは本物ですからね。ありえないけれど、一緒にいたくなる。愛すべき一家のお話です。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=175854
http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=175854

読者の声より
うろおぼえ一家。とにかく何も覚えていません。
今日は何かのお祝いだけど、誰も何のお祝いなのか覚えていません。
だけどお客さんは次々やってきて、とってもにぎやかなパーティになっていきます。
おうちの中の貼り紙や、部屋の端っこにおいやられた飾り付け等々、よく見ると色んな要素があってつい笑ってしまいます。
誰のための、何のパーティなのか皆分かっていませんが、とっても楽しそうなのがいいですね。癒されます。
(バーバショコラさん 40代・ママ 男の子14歳、男の子11歳)

いかがでしたか?

なかなか強烈で、気になるキャラクターがたくさん登場しましたね。

他にもいろいろ読んでみたい! と思ったら、「笑いがとまらない! ユーモアえほん」のテーマページをのぞいてみてくださいね。

秋山朋恵(絵本ナビ 副編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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