【今週の今日の一冊】お正月には何食べる? 絵本でもごちそうを堪能しよう♪
新年あけましておめでとうございます。
2023年最初の「今週の今日の一冊」は、お正月のごちそう絵本からスタートしたいと思います。
年越しそばにおせちにお雑煮、そしてお餅にお寿司など……美味しいごちそうの数々はお正月の大きな楽しみでもありますよね。
ついつい食べ過ぎてしまう傾向もありますが、年始めに、絵本でもごちそうを堪能して幸せな気分に浸ってみてくださいね。
2023年1月2日から1月8日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
1月2日 お正月におせち料理を食べるのはなぜ?
月曜日は『新装版 おせちのおしょうがつ』
おせち料理のキャラクターが大活躍
お正月におせち料理を食べる意味がわかる
日本の伝統食の由来を親子で学ぶ食育絵本!
こぶ巻、だて巻、れんこん、くりきんとんなど、
お正月のおせち料理たちがキャラクターとなり、
重箱の車にのって、鏡餅さんの家に向かいます。
「こぶは喜ぶのこぶ」など、おせち料理を食べる意味がちりばめられ、
自然におせち料理を身近に感じられるようになります。
親子で読んで、食育にも役立ちます。
おせちの由来の監修は料理家・栗原心平さん。
押し絵風の半立体の絵もお楽しみください。
1月3日 お雑煮はじめ日本のお正月文化が楽しく分かる!
火曜日は『十二支のお雑煮』
夜の雪もやみ、元旦の朝をむかえます。
ねずみたちが、年のいちばんはじめに汲む水「若水(わかみず)」を汲み、この水でお雑煮をつくります。
ねずみ、うし、とら、うさぎ、たつ、へび……みんなきちんと着物を着込み、膝の上に手を置いて。
十二支そろって……あけましておめでとうございます。
さあ、新年です。
きらびやかな何段ものお重に詰められたお節料理。
鏡餅にやってくる年神さまにご挨拶をし、初詣へ。
十二支の動物たちは、羽根つき、凧揚げ、すごろく。百人一首に、書き初めと思い思いに楽しみます。
そして、神さまに供えるのと同じお餅を、鍋で煮込んだお雑煮をいただきます。
作者・川端誠さんによると、お雑煮は、神さまにお供えする同じお餅を食べることで、一年の力を授かろうとしたものだとか。
お雑煮をつくる火を大切にするため、他の煮炊きをしないように年末に重詰めにしたのがお節料理。
年末につくるのがお節で、年始につくるのがお雑煮。
だから正月の祝いの膳の主役はお雑煮なのだそうです!
絵本からは、ぴんとはりつめた年始の空気、清冽な水、お正月のとくべつな気配が伝わってきます。
川端誠さんと言えば多くの絵本の本文を、彫刻刀で彫っています。
本書も彫った文字がとても素朴で味わい深いです。
最後は白い雪の中、しめ飾りを外し、朱塗りのお膳をきれいにしまい、赤く燃え上がるどんど焼きで締めくくられます。
白と赤色のコントラストといい、十二支の動物たちの生き生きとしてユーモラスなにぎわいといい、作者が愛する日本のお正月文化を、ページのすみずみまで余すところなく描こうとする姿勢が貫かれた素敵な絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
読者の声より
同じ川端誠さんのシリーズ本『十二支のお節料理』が大好きなので、こちらを見つけてとても嬉しくなりました。
十二支それぞれのお正月の過ごし方。すごろくや羽つきやたこ上げなどなど、いろいろ楽しんでいます。そして、いのししが餅を焼き、さるが雑煮を作ります。
いろんなお雑煮が並びます。いくら雑煮やブリ雑煮、あんこの入った雑煮もあります。友だちと「家の雑煮ってどんなの?」なんてこの本を見ながら、聞いてみたりしました。みんなそれぞれ違って、楽しかったです。
お正月に読むのにぴったりの絵本です。
(クッチーナママさん 40代・ママ 女の子17歳、女の子14歳、男の子12歳)
こちらも合わせておすすめ
1月4日 もう焼けたかな? まあだまだ、もう少し……
読者の声より
木版画の作品が素敵な、彦坂有紀 さん・もりと いずみさんコンビの作品。
やはり、焼き物は相性がいいですね。
今回は、なるほど、おもち!
昔ながらの火鉢で焼くというのも風流です。
角餅、丸餅、両方あるのも、いい塩梅です。
そうそう、ひっくり返して。
まあ、素敵な焼き加減。
そして、何と言っても、クライマックスは膨らむ様子。
オノマトペも楽しく、これが焼き餅の醍醐味です。
磯辺焼き、きなこもち、あんこもち、からみもち(大根おろし)まで完備のバリエーションに、満足、満足。
おお、裏表紙のおぜんざいも見逃せません。
もちろん、伸び~る様子も登場。
小さい子から楽しめそうです。
(レイラさん 50代・ママ)
1月5日 2023年もたくさん食べたいのは、こんな朝ごはん!
木曜日は『あ・さ・ご・は・ん!』
「さあ、あさだ。おなかがすいた。あさごはん!!」
お米をあらって、炊飯器でスイッチオン。その間におみそ汁。お湯を沸かして、材料切って、出汁も忘れずに、まとめてぐつぐつ。主役のしゃけにお塩をひとつまみ。フライパンでじゅーじゅーじゅー。お鍋ぐつぐつぐつ、炊飯器ごとごとごと。あちらこちらで美味しいにおいと美味しい音!
しゃけがいい感じに焼けてきたころ……ぴぴぴっぴぴぴっ。全部ほかほか、出来たて、炊きたて、おいしそう。お茶碗によそって。
「みんな! ごはんだよー!」
「武田美穂のたべもの絵本」シリーズ、待望の第4弾。『ハンバーグハンバーグ』『パパ・カレー』『オムライス ヘイ!』ときて、今度の主役は「あさごはん」。ご飯におみそ汁にしゃけがあって、なんだか今までより大変そう? いえいえ、そんなことはありません。大事なのは段取りとリズム。ぶつぶつ言いながら作っているうちに、心も体も元気になってきて、すっかり目が覚めた頃に食卓を囲んで「いただきます!」。これなら毎朝いいスタートがきれそうです。
武田美穂さんの手にかかれば、お料理だって、洗いものだって、炊飯器でさえも、全部がエンターテイメント。湯気の演出だって効果的。あとは気持ちを乗せるだけ。このおいしいおいしい絵本シリーズが、作る人のことも食べる人のことも応援してくれますよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
武田美穂さんの素敵なライブ調理、今度はあさごはんです。
朝の光景と、お腹がすいた、というシチュエーションが実に健康的で嬉しいです。
まずは、お米を研ぐところからスタート。
オノマトペも楽しく、段取りもリズミカルに。
お味噌汁は「豪華に豚肉入り」ですって。
「おいしくなあれ」の呼びかけもいいですね。
合間には手順を考えて(炊飯器の炊き上がり時間も考慮して)、
洗い物まで。
うーん、素晴らしい。
主役の鮭の塩焼きも、ライブ感満載です。
見返しには、前夜の準備、茹でホウレンソウや出汁取りなど、
丁寧な作業が心地よいです。
やはり、題名のように、あ・さ・ご・は・ん!のクオリティです。
(レイラさん 50代・ママ)
1月6日 オモチくんが開いたそばやさん、大奮闘!
金曜日は『からすのそばやさん』
からすのまち、いずみがもりには、からすのパンやさんがあります。
パンやさんの四羽の子どもたちは皆大きくなって、リンゴさんとレモンさんという娘と、チョコくんとオモチくんという若者になっていました。
オモチくんはてんぷらやさんであげものの作り方を教えてもらった後、次は何をしようかと考えていたところ、いずみがもりのはずれの白い畑にたどりつきました。それは、そばの白い花でした。オモチくんは、友達のイソちゃんのおとうさんから、そばの作り方を習います。
習って作った手打ちそばの美味しいこと!こんなに美味しいそばならお店を作って売ればいいのに・・・。
そこでオモチくんは、庭の隅を借りておそばやさんを開くことにしました。
お店に来てくれたお客さんからは、変わったそばの注文が相次ぎ、それに応えていくとどんどん美味しいメニューが増えました。
美味しいそばが評判になると、うどんも食べたい、というお客さんが。さらに、あんなメニューからこんなメニューまで・・・。
さあ、からすのそばやさんの繁盛ストーリーのはじまりです!
1973年に発売され、以来ずっと子どもたちに愛され続けた『からすのパンやさん』。
本作は、その40年ぶりの続編4部作の第4弾です。
子どもの頃大好きだった、自分の子どもと一緒に楽しんだ、そんな大勢の方々の想いと期待に堂々と応える、続きのおはなし。
『からすのパンやさん』では、たくさんの変わり種パンが登場しましたが、本作では子どもも大人も大好きな麺類が70種類以上も登場します。
美味しそう!を一緒に楽しむ幸せな時間を、どうぞ楽しんでください。
(金柿秀幸 絵本ナビ事務局長)
読者の声より
からすのパンやさんの子どもが成長したお話です。
オモチくんが、そばやさんを開くことになりますが、うどんにラーメン、スパゲティとどんどんメニューが増えていきます。
定番の物から聞いたことのないような変わり種まで。
いったい何が入ってるの!?と聞きたくなるようなユニークなネーミングのメニューもいっぱい!
作る人は大変だろうけど、お客さんは何を食べようか楽しいだろうなぁと思いました。
からすの子どもたちのお話はみんな読みましたが、ワクワクするような展開で、新しい家族が出来たり、みんか素敵なお店を開いていて、読み終わるととても幸せな気持ちになれます。
こちらも合わせておすすめ
1月7日 美味しそうだけどなんだか不思議な?すし仕掛け絵本
土曜日は『みんなのおすし』
おもしろくて、ちょっとこわい? おなかを空かせたお客が集まる、すし屋のお話
ここはすし屋さん。きょうもすし職人ははりきってすしをにぎります。お客さんはお仕事帰りのおじさんに、なかよし親子。不思議なお客さんもやってきて、最後はすし職人の秘密が明かされます。
この作品を手掛けたのは、食と人をテーマに創作活動を続ける、はらぺこめがね。リアルでおいしそうなイラストと、色彩豊かなキャラクターが人気のユニットです。本作では、大胆な絵変わりがおこる仕掛けが、さらにふたりの魅力を高めています。想像をかきたてるようなオチも印象的です。大人も子どももたのしめる、すし仕掛け絵本です。
読者の声より
美味しそうなおすしの絵にひかれて、読んでみました。ページをめくるしかけがおもしろいなあ、とよみすすめていくと、どんどん、不思議な展開に。どんなおきゃくさんか気になって、ページをめくる手がとまりません!こんなおもしろいお寿司さん、行ってみたいなと思いました。
1月8日 寒い冬に食べたいあったか料理がいっぱい♪
日曜日は『しかけえほん おなべさん』
お料理がテーマの低年齢児向けしかけえほん第2弾!
「ぐつぐつ ぐつぐつ パカッ」「じゅじゅじゅ じゅー」リズミカルな言葉にあわせ、しかけ扉をめくると、お鍋の中においしそうな料理が現れるしかけ絵本です。
お料理をして「はい、◯◯(料理名)」のやりとりで、読み聞かせ・はじめてのおままごと遊びにもおすすめです。
おなべさん おなべさん なにつくる?
読者の声より
仕掛け仕立てで、鍋料理を体感できる作品です。
カレー、おでん、寄せ鍋、唐揚げ、インスタントラーメン、すき焼き。
なるほど、揚げ物もあるのですね。
インスタントラーメン(いわゆる袋乾麺)も目新しいです。
メニュー的には幼稚園児くらいからでしょうか。
リアルな絵がとても美味しそうです。
多彩なオノマトペも楽しみたいです。
注目は、後片付けまできちんと描かれていること。
ちょっとしたおままごと気分も味わえそうです。
(レイラさん 50代・ママ)
いかがでしたか?
2023年も、さまざまな絵本との出会いをお届けしていきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
秋山朋恵(絵本ナビ 副編集長)
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |