『世界の女の子の昔話』世界各地で語りつがれる、女の子が主役の昔話をあつめた読み物が刊行!
昔話の主人公は、男の子だけじゃない!
偕成社から、『世界の女の子の昔話』が2023年3月、国際女性デーに合わせて刊行されました。
世界の女の子の昔話
これまで紹介されることが少なかった
とってもおもしろい
世界各地につたわる
女の子と、おねえさんとおばあさんの昔話を
読みやすく語りやすく再話しました。
女の子はなんにでもなれるし、
なんにもならなくたっていい。
世界がひろがる18話です。
あとがきより:::::::::::::::::
わたしは、小さい女の子だったころから、日本の昔話も、外国の昔話もだいすきでした。
でも、自分と同じような女の子や女のひと、おばあさんが活躍する昔話が少ないことをふしぎに思っていました。(略)
この本では、世界各地で語りつがれてきた昔話のなかから、女の子が自分の力で人生をきりひらいていくお話ばかりを集めてみました。もちろん、女の子の将来の姿である、女のひとやおばあさんといった年長の女性のお話もふくみます。(略)
昔話のなかには、いろんな女の子たちが登場します。いわゆるいい子ばかりではありません。なまけものの女の子も、ずるい女の子もいます。ただ、どんなときもへこたれず、自分なりの幸せをつかむのは同じです。
幸せな結末も、結婚ばかりではありません。女の子だってなんにでもなれるし、もちろん、なんにもならなくっていいのです。彼女たちの昔話は、なやみながら今を生きるわたしたちを、力強くはげましてくれます。
『世界の女の子の昔話』内容
本作は、世界各地に伝わる、女の子と、おねえさん、おばあさんの昔話を集めた読み物です。大学で民俗学を学び、各地で昔話を聞きとったり語ったりしてこられた作家の中脇初枝さんが、読みやすく、語りやすく再話しています。
<本作に昔話が収録されている国(登場順)>
チリ、スペイン、エクアドル、ドイツ、ハワイ、ハイチ、タイ、カメルーン、韓国、ロシア、ラオス、中国、フランス、マダガスカル、イラン
全15か国、18話収録(スペイン、ロシア、韓国:各2話)
本作の特徴は主に3つあります。
(1)アジアや南米、アフリカの昔話もピックアップ
「外国の昔話」というと、ドイツをはじめヨーロッパのお話が知られていますが、本作ではアジアや南米、アフリカのお話も多数収録しています。
(2)できるだけ原典にもどって再話
昔話は人から人へと語りつがれてきました。語りつがれてきた形を損ねないよう、中脇さんは、可能なかぎり原典にたちもどって再話を手がけました。中脇さんが直接昔話を聞き、再話した作品もあります。(マダガスカルの昔話「太陽と雲とラビナラ」)
(3)語りつぎたい昔話を選出
現在知られていなくても、おもしろく、これからの子どもたちに語りつぎたい昔話を選んでいます。これまで研究者によって記録されてきた膨大な昔話資料を読みこみ、各地で昔話を聞き、語ってきた中脇さんならではのセレクトです。
国が離れているのに似ているお話があったり、勧善懲悪のお話でなく、なまけ者がなまけ者のままうまくいくお話や、主人公がずるいことをするお話があったり。本作を読むと、昔話が実に多様であること、お話の中で女の子がいろんな形で活躍していることが伝わってきます。
世界各地のお話を収録したからこそ、国ごとの文化の違いや、逆に国が違っても共通していることなど、見えてくるものがあります。
大好きな昔話。でも、女の人が活躍するお話が少ないのはなぜ? 中脇初枝さんの幼少期の疑問が原点
幼い頃から昔話が好きだったという中脇さんは、昔話を楽しみながらも、「自分と同じような女の子や女の人、おばあさんが活躍する昔話が少ないことをふしぎに思っていた」といいます。
しかし、研究を深めていく中で、「本として刊行される昔話に男の子や男性が主人公のものが多かっただけで、女の子が主人公のお話も、各地では語りつがれていた」ということがわかっていきました。
そのことにスポットライトを当て、日本で語りつがれてきた女の子が主人公のお話だけを集めて刊行したのが、『女の子の昔話』(2012年初版)です。
女の子の昔話 日本につたわるとっておきのおはなし
日本各地に伝わる女の子の昔話を分かりやすく再話
日本各地につたわる女の子と、おねえさん、おばあさんの昔話を、読みやすく語りやすく再話。
昔話の豊かさあふれる20話です。
「日本につたわるとっておきのおはなし」を副題に、日本各地の、女の子が主人公の昔話を20話収録しています。
▶︎『女の子の昔話』書籍詳細(偕成社HP) *中脇さんによる昔話の語りの動画も!
https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784035127109
2022年には、同じテーマで昔話の絵本シリーズを刊行(「女の子の昔話えほん」シリーズ、5巻)。ここでは日本にかぎらず、海外に伝わる、女の子が主人公の昔話が絵本化されました。
『女の子の昔話』から構想11年、絵本シリーズの刊行を経て世界へと舞台を広げたのが、本作『世界の女の子の昔話』。年々注目度が上がっている、国連が定めた「国際女性デー」(3月8日)にタイミングを合わせて刊行されました。
中脇初枝さんによる、本作あとがき(一部抜粋)
昔話のなかには、いろんな女の子が登場します。いわゆるいい子ばかりではありません。なまけものの女の子も、ずるい女の子もいます。ただ、どんなときもへこたれず、自分なりの幸せをつかむのは同じです。
幸せな結末も、結婚ばかりではありません。女の子だってなんにでもなれるし、もちろん、なんにもならなくっていいのです。彼女たちの昔話は、なやみながら今を生きるわたしたちを、力強くはげましてくれます。
どんな境遇にあっても、たくましく、時にしたたかに、自分で道を切りひらいていく、昔話の女性たち。語りつがれる彼女たちの物語は、現代の女性に、そして男性にも、勇気を与えてくれます。
★本作には、「女の子の昔話えほん」シリーズで絵本として刊行したお話も含まれています。
書籍紹介
『世界の女の子の昔話』
再話:中脇初枝
絵:うえのあお
定価:1,400円+税
対象:小学校中学年から
サイズ:20cm×14cm
ページ数:214ページ
ISBN コード:978-4-03-512720-8
発売時期:2023年3月上旬
著者プロフィール
再話:中脇初枝
徳島県に生まれ高知県で育つ。高校在学中に坊っちゃん文学賞を受賞。筑波大学で民俗学を学ぶ。創作とともに、昔話を再話し、語る。昔話集に『女の子の昔話 日本につたわるとっておきのおはなし』『ちゃあちゃんのむかしばなし』(産経児童出版文化賞JR賞)、絵本に「女の子の昔話えほん」シリーズ、「はじめての世界名作えほん」シリーズ、『つるかめつるかめ』など。小説に『きみはいい子』(坪田譲治文学賞)『わたしをみつけて』『世界の果てのこどもたち』『神の島のこどもたち』などがある。
絵:うえのあお
埼玉県生まれ。女子美術大学大学院修士修了。デザインの仕事などをおこなう。『花をさかせたがらない小さなキャベツ』で絵本デビュー。
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