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『きみは、ぼうけんか』イラン発の平和をかんがえる絵本発売

難民になった幼い兄妹の物語

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=251258

ブロンズ新社から、翻訳絵本『きみは、ぼうけんか』(シャフルザード・シャフルジェルディー 文/ガザル・ファトッラヒー 絵/愛甲恵子 訳)が2024年2月16日(金)に発売されます。

 

本書は、戦争、難民をテーマにイランの作家によって2019年に描かれました。2021年ブラチスラバ世界絵本原画展金牌を受賞。これまでに、オランダやフランスなど5カ国で翻訳出版されています。

戦争によって親も家も奪われた主人公の幼い兄妹は、難民キャンプを目指し過酷な旅にでます。この旅は「ぼうけん」で、僕たちは「ぼうけんか」なのだと、お兄ちゃんは想像の物語を作って妹を励まし、苦しく厳しい道のりを歩き続けます。二人の姿は、ときに困難な状況であっても、想像力や希望を信じる力、そして遊び心をもつことで乗り越えられるのだと、勇気を与えてくれます。

戦争は遠い昔の出来事でもなく、遠い異世界の出来事でもありません。いま、ここに生きているわたしたちの延長線上に起きていることを、親子で考える一冊になればと願っています。

きみは、ぼうけんか

きみは、ぼうけんか

わたしとおにいちゃんは、戦火をのがれて「ぼうけん」の旅にでた。「本にはね、どんな風や雨のなかでも、ぼうけんかはあるきつづけます、ってかいてあるよ」ぼうしと1冊の本を手に、おさない兄妹は破壊された家から、「ぼうけんかのまち」をめざし旅立ちます。おにいちゃんの言葉にささえられ、たどりついたのは・・・。2021年ブラチスラバ世界絵本原画展金牌受賞。苦しい道を「希望」という物語に書きかえる、イラン発・平和を考える絵本。

あらすじ

わたしとおにいちゃんは、戦火をのがれて「ぼうけん」の旅にでた。

「本にはね、どんな風や雨のなかでも、ぼうけんかはあるきつづけます、ってかいてあるよ」。ぼうしと1冊の本を手に、おさない兄妹は破壊された家から、「ぼうけんかのまち」をめざし旅立ちます。

おにいちゃんの言葉にささえられ、たどりついたのは……。

書籍紹介

『きみは、ぼうけんか』

文:シャフルザード・シャフルジェルディー

絵:ガザル・ファトッラヒー

訳:愛甲恵子 

発売日:2024年2月16日(金)

定価:1,540円(税込)

判型:260×200mm 上製

頁数:32ページ

著者プロフィール

文:シャフルザード・シャフルジェルディー

1986年生まれ。作家。幼いころから文学に熱中し、テヘランのシャヒード・ベヘシュティー大学で児童文学とヤングアダルト文学を専攻し修士号を取得。大学卒業後、数多くの作品を執筆している。ガザル・ファトッラヒーとの共著の今作で、2021年ブラチスラバ世界絵本原画展で金牌を受賞。

絵:ガザル・ファトッラヒー

1989年生まれ。ビジュアル・アーティスト、イラストレーター。イラン・イラストレーターズ・ソサエティとイラン児童図書評議会の会員。テヘラン芸術大学でグラフィックデザインの学士号を取得。2013年に初の絵本を出版して以来、15冊以上の絵本を手がけ、国内外の数々のブックフェアで評価される。伝統的な技法とデジタル効果を組みあわせたイラストが特徴。イラン在住。

訳:愛甲恵子

翻訳家。東京外国語大学大学院修士課程修了後、10カ月のイラン留学を経て、2004年より美術家フジタユメカとともにサラーム・サラームというユニット名で、イランの絵本やイラストレーターを紹介する展覧会などを開催している。再話に『アリババと40人のとうぞく』(絵・ナルゲス・モハンマディ/ほるぷ出版)、訳書に『ボクサー』(作・ハサン・ムーサヴィー/トップスタジオHR)などがある。

著者より日本の読者の皆さんに向けたメッセージ動画を公開しています。ぜひご覧ください。

https://staffroom.hatenablog.com/entry/you-are-an-explorer/

ブロンズ新社の「平和をかんがえる絵本」シリーズ

ブロンズ新社からは、これまで平和、戦争を考える絵本がシリーズとして刊行されてきました。日本だけでなく、ウクライナやベルギー、台湾で出版された絵本の翻訳版も刊行しています。国や地域が違っても、平和を願う想いは同じです。今作の『きみは、ぼうけんか』は、「平和をかんがえる絵本」シリーズの第6作目となります。

戦争が町にやってくる

戦争が町にやってくる

2015年ボローニャ・ラガッツィ賞受賞、ウクライナの作家が子どもたちに向けて描いた平和と戦争の絵本。世界15言語に翻訳出版。美しい町・ロンドで、人びとは花を育て、変わった家を建て、鳥や草木に話しかけながら楽しく暮らしていました。ところがある日とつぜん「戦争」がやってきたのです。「戦争」を知らない町の人びとはおろおろするばかり。町を愛するダーンカ、ジールカ、ファビヤンの3人は、知恵と能力のすべてを使い、ロンドを暗闇から救い出そうとします。

へいわとせんそう

へいわとせんそう

くらべてみると、みえてくる。「へいわのボク」と「せんそうのボク」では、なにが変わるのだろう。同じ人や物や場所を見開きごとにくらべると、平和と戦争のちがいがみえてくる。これまでになかった平和絵本!

<本作に寄せて>

戦争が終わって平和になるんじゃない。
平和な毎日に戦争が侵入してくるんだ。  谷川 俊太郎

へいわってすてきだね

へいわってすてきだね

へいわってなにかな。ぼくは、かんがえたよ。ねこがわらう。おなかがいっぱい。やぎがのんびりあるいてる。ちょうめいそうがたくさんはえ、よなぐにうまが、ヒヒーンとなく。へいわっていいね。へいわってうれしいね。みんなのこころから、へいわがうまれるんだね。ああ、ぼくは、へいわなときにうまれてよかったよ。これからも、ずっとへいわがつづくように、ぼくも、ぼくのできることからがんばるよ。

おなじ月をみて

おなじ月をみて

少年ハンハンは、窓の外を見てずっと誰かをまっている。そこへ、けがをしたライオン、ゾウ、ツルがやってきて......少年がまちわびているのは誰? 戦争と平和、悲しみと喜び、すべては同じ空のしたでおきていることを心に刻む絵本。台湾の国民的絵本作家がおくる、いま伝えたいメッセージ。

かあさんはどこ?

かあさんはどこ?

戦争から遠いはずのまちに、突然の砲撃。恐ろしい音がどんどん大きくなって、近づいてくる。家は、めちゃくちゃに壊され、家族はだれひとりいない。「かあさんは どこ? みんなは?」守ってくれる大人はなく、知らないひとのなかにその子はひとり。はしって、はしって、はしりつづけて...... 

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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