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絵本ナビニュース2025

『色彩の魔術師 エリック・カールの絵本とアート』発売!『はらぺこあおむし』の作者と作品の魅力に迫る決定版

エリック・カールが、その人生、絵本や芸術への思いを語る自伝を収録

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=266831

偕成社から、『色彩の魔術師 エリック・カールの絵本とアート』(ペンギン・ランダムハウス 編/前沢明枝 訳)が2025年1月6日に発売されました。

『はらぺこあおむし』の生みの親であるエリック・カールが、その人生、絵本や芸術への思いを語る自伝を収録。さらに講演録、編集者の解説、70点以上の図版などで、絵本づくりの秘密にせまります。

色彩の魔術師 エリック・カールの絵本とアート

色彩の魔術師 エリック・カールの絵本とアート

世界中の子どもたちに愛される絵本『はらぺこあおむし』の生みの親エリック・カールが、生い立ち、影響を受けた人々、絵本づくりの秘密、作品への思いなどを余すところなく語った自伝・講演録などを収録しています。また、絵本作家カールを世に送りだした編集者アン・ベネデュースや、エリック・カール絵本美術館の関係者などの解説によって、本人と作品の魅力にせまります。絵本以外のアート作品も見どころの一つです。

前半には自伝・講演録や関係者の解説を、後半には70点以上の図版を収録

本作は、エリック・カールの魅力を存分に味わえる、決定版となる一冊です。

 

前半では、エリック・カールの自伝や講演録をはじめ、編集者アン・ベネデュース(エリック・カールがはじめて作・絵の両方を手がけた『1、2、3どうぶつえんへ』や『はらぺこあおむし』を世に送り出した)、エリック・カールと親交の深い松本猛さん、エリック・カール絵本美術館の歴代の館長などの寄稿を掲載。生い立ちや影響を受けた人々、絵本作家への道、アイディアはどこからくるのかなど、エリック・カールの生涯と絵本づくりの秘密をひもときます。

エリック・カールの幼少期の写真や、子どもの頃に描いた絵なども見ることができる。

後半では、エリック・カールの代表的な技法であるコラージュ(貼り絵)の解説と、これまでに刊行された70冊以上の絵本の中から選んだ絵の数々や、抽象作品を全部で70点以上ご紹介します。

左『1、2、3どうぶつえんへ』より/右『はらぺこあおむし』より

<目次>

はじめに……レナード・S・マーカス
エリック・カール自伝――言葉と写真でつづる人生
熟練のなせる技……アン・ベネデュース
エリック・カール――子どものためのアーティスト……ヴィクター・クリステン
エリック・カールのスタジオをたずねて……松本猛
絵本のアイディアはどこからくるのか――米国議会図書館でのエリック・カールの講演録
本をこえて……H・ニコルズ・B・クラーク
夢をつくる――エリック・カール絵本美術館の創設……アレクサンドラ・ケネディ
エリック・カールの制作技法
エリック・カールのアート――絵本のイラスト
エリック・カールの“アート・アート”――実験的な抽象作品
エリック・カールの本
自画像

エリック・カールとは

エリック・カールは、1929年アメリカのニューヨーク州に生まれました。幼い頃は、草原や森の中を父と散歩しては、石や葉の下にいる生きものたちを観察するのが好きな男の子でした。のちの創作活動にも通じる、小さな生きものへのまなざしが育ったのはこの頃です。

6歳のときに、両親の故郷であるドイツに家族で移住。折しもナチ党政権下のドイツで、抑圧されながらも、美しい芸術に魅せられた少年時代を過ごします。

 

20代はじめにアメリカに渡ったエリック・カールは、レオ・レオーニの手引きで商業デザインの道にすすみます。その後、『くまさん くまさん なにみてるの?』の作者、ビル・マーティンJr.と出会い、彼の本に絵をつけたことをきっかけに、子どもの本の世界へと足を踏み入れました。そこから70冊以上の絵本を世に送り出し、世界的に名高い絵本作家となりました。

エリック・カールの絵本の特徴

エリック・カールの絵の特徴は、コラージュ(貼り絵)です。筆やさまざまな道具をつかって絵の具で色をつけた薄紙を、切って貼ってえがかれます。

薄紙への彩色とコラージュの手順を、観音開きのページでていねいに解説。

エリック・カールは、自身の絵本を、「人生で初めて家を出て学校へ行く日をむかえる子どもたち」のためにある、といいます。

家族のそばという安全な世界からはなれて、社会生活へ入っていく子どもたちが楽しく過ごせるようにという思いが、しかけの工夫がたくさん凝らされた、半分おもちゃで、もう半分が本、という遊び心あふれた絵本として結実しているのです。

そんなエリック・カールの代表作『はらぺこあおむし』は、2026年に日本語版刊行50周年をむかえます。

とことん子どもたちの目線に立ってつくられた絵本は、刊行から何十年たっても色褪せることはなく、今なお世界中の子どもたちの心をつかんで離しません。

著者プロフィール

編:ペンギン・ランダムハウス

アメリカに本社をおく大手出版社。エリック・カールの作品を出版している。

 

訳:前沢明枝

翻訳家。アメリカのウェスタンミシガン大学で英米児童文学を、ミシガン大学大学院で言語学を学ぶ。著書に『「エルマーのぼうけん」をかいた女性ルース・S・ガネット』、訳書に『アメリカ児童文学の歴史——300年の出版文化史』(監訳)、『家出の日』『野生のロボット』『おちびさんじゃないよ』『女王さまのワードローブ』などがある。日本PENクラブ「子どもの本」委員。

 

著:エリック・カール

1929年アメリカに生まれ、西ドイツで育つ。シュツットガルト造形美術大学で学んだ後、1952年にアメリカへ戻る。グラフィック・デザイナー、アート・ディレクターとして活躍後、絵本作家に。1968年に絵本「1,2,3どうぶつえんへ」(偕成社刊)を発表、ボローニャグラフィック大賞を受賞し、以来絵本作家として活躍。世界的な人気絵本「はらぺこあおむし」「たんじょうびのふしぎなてがみ」(以上偕成社刊)などの傑作を生む。

書籍紹介

『色彩の魔術師 エリック・カールの絵本とアート』
編:ペンギン・ランダムハウス
訳:前沢明枝
定価3,850円(税込)
判型:29cm×23cm
ページ数:135ページ
対象:一般向き
発売日:2025年1月6日(月)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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