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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】秋を届けてくれる主人公はだれ? 読み聞かせにもおすすめの絵本たち

まだ夏のような暑さが続きますが、絵本ナビでは早くも「秋の絵本」が注目を集めています。
そこで今週は、秋を運んでくれる主人公が登場する、楽しい絵本をご紹介!  二学期の教室での読み聞かせにもぴったりです。これから迎える9月、10月の時間に、ぜひご活用ください。

2025年9月1日から9月7日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

9月1日 ひとつの椅子をきっかけに優しさがつながって…

月曜日は『どうぞのいす』

どうぞのいす

うさぎさんが作っているのは、小さな椅子。しっぽもつけて完成です。

「さて、どこに置こうかな」

うさぎさんは、野原の木の下に、「どうぞのいす」と書いた立て札と一緒に置いていきます。うさぎさんのひらめいた「いい考え」とは、どんなことだったのでしょうね。やがて、動物たちが通り過ぎるたびに、色々な出来事が起こるのです。

最初に通りかかったろばさんは、「どうぞのいす」を見ると、なんて親切な椅子だろう、せっかくだから……と、自分は木の下にすわりこみ、持っていたかごを椅子の上に置いたまま、お昼寝をしてしまいます。

次に通りかかったのは、くまさん。椅子の上にはかごいっぱいのどんぐり。隣に書いてあるのは「どうぞのいす」。そこでくまさんは「どうぞならば」と食べてしまいます。だけど思うのです。

「からっぽにしてしまっては、あとの人におきのどく」

そこでくまさんがとった行動とは…? さらにきつねさん、りすさんが通りかかり、それぞれが「どうぞ」の言葉に反応し、考えて、行動し、それはやがてユニークな結末へとつながっていきます。

愛らしい動物たちが次々に登場し、ページをめくるたびに、食べ物がテンポ良くとりかえっこされていく様子は、何度読んでも愉快です。面白いのは、本人たち同士が誰も直接会っていないということ。つながっているのは「どうぞのいす」の言葉のみ。子どもたちは、目の前で繰り返されるその様子を見ながら、どんなことを考えるのでしょうね。

柿本幸造さんの描く、どこまでも温かく優しい絵と共に、きっと長く心に残る絵本となることでしょう。年齢を経ても、繰り返し読んであげてくださいね。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)
 

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=8
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読者の声より

もうすぐ3歳の女の子へのプレゼントのために書店へ。
真っ先に、この絵本を第一候補に。
うさぎさんの「優しさいっぱいのイス」が、可愛い勘違いから、優しさのリレーへ。
何度読んでも、心がフワッとしてきます。
お子さんは、動物たちの勘違いの繰り返しに笑いながら、「あとのひとにおきのどく」のフレーズに“おもいやり”というこを感じ取ってくれるでしょう。
登場する動物たちも可愛らしく、柔らかい色遣いが素敵です。
息子も好きな一冊でした。
昨年も引っ越しをして行った小さいお友だちに、この絵本をお別れにプレゼントしました。
(アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子11歳)

どうぞのいす ぬいぐるみセットが今年初登場!!好評発売中です♪

どうぞのいす ぬいぐるみセット

世代を超えて愛されている絵本『どうぞのいす』のキャラクターたちが、表情ゆたかな愛らしいぬいぐるみになりました。
いすや看板も全て布製。大きなかごには、全てのぬいぐるみが収納可能です。

手触りはふかふかで柔らかく、絵本に忠実なフォルムや色味も魅力的なポイント。

【材質】ポリエステル
【寸法】かご(大)=73×50×高さ25cm うさぎ=身長37cm
【重さ】2.7kg(セット) 
【内容】うさぎ、きつね、ろば、くま、いす、看板、とり、りす×2、パン、蜂蜜、かご(小)、かご(大)、どんぐり×5、くり×5

世代を超えて愛されている絵本『どうぞのいす』のキャラクターたちが、表情ゆたかな愛らしいぬいぐるみになりました。
いすや看板も全て布製。大きなかごには、全てのぬいぐるみが収納可能です。

手触りはふかふかで柔らかく、絵本に忠実なフォルムや色味も魅力的なポイント。

【材質】ポリエステル
【寸法】かご(大)=73×50×高さ25cm うさぎ=身長37cm
【重さ】2.7kg(セット) 
【内容】うさぎ、きつね、ろば、くま、いす、看板、とり、りす×2、パン、蜂蜜、かご(小)、かご(大)、どんぐり×5、くり×5

9月2日 おいもちゃんは、子どもたちの元気なおともだち

火曜日は『おいもちゃん』

おいもちゃん

「こんにちは おいもちゃんです」

前作『チキカングー』でわんちゃん、ねこちゃん、メルちゃんと一緒にご機嫌にリズムに乗っていたおいもちゃんが、今作では主人公として明るく登場です。足元の白い靴下がお似合いです。

でも今日のおいもちゃんはちょっとワイルド。大胆に靴下を脱ぎ捨て、やっほーと駆け出し、思いっきりざぶーんと水の中。気ままに泳いでいると、「はっくしょん」! なんだかちょっと寒くなってきて……?

樋勝朋巳さんが贈るゆかいな赤ちゃん絵本のシリーズ。おいもちゃんは人でも動物でもなくお野菜だけれど、小さな子どもたちにとっては、親しみのわく元気なおともだち。やっほー!な気分だって、はしゃぎすぎちゃうところだって、共感しちゃうはず。風邪をひいて困っている時にやってきてくれるのは、いつも優しいメルちゃん。おいしいおやつを食べる時にはわんちゃん、ねこちゃんも一緒。

いいな、いいな。私も友達になりたいな。メルちゃんに優しくされたいな。大丈夫。絵本を開けばいつだって、おいもちゃんたちがそこにいますよ。そんな楽しくて優しい世界が待っています。さあ、みんなで一緒に遊ぼうね。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

読者の声より

前作『チキカングー』から、「え、おいもも仲間なの!?」と気になっていたおいもちゃんの絵本。クリスマスに運良くサイン本をゲットできました。
自由奔放なおいもちゃんは見ていて楽しいです。そんな性格だったのね。相変わらず優しいメルちゃんにほっこり。たこさんもかわいい。ラストもみんなで仲良く幸せです。
子どもはさつまいものことを「おいもちゃーん」と呼ぶようになりました。
他のおともだちのお話も読みたいです。
(ごじゃっぺだぬきさん 30代・ママ 女の子2歳)

9月3日 どん!どん!どこ!どん! どんぐり どん!

水曜日は『どんぐりたいこ』

どんぐりたいこ

どんぐりたちが太鼓を叩いていると、動物たちが次々加わり、楽しい和太鼓演奏が始まります。最後は月明かりに照らされて、森の仲間が大集合。子どもたちが大好きなどんぐりを主人公に、楽しいリズムがあふれる読み聞かせにぴったりな一冊です。

9月4日 きのこ暦123年生まれ。みんなに慕われる長老きのこ

木曜日は『ほしじいたけ ほしばあたけ』

ほしじいたけ ほしばあたけ

きのこむらのほだぎのさとに住む、ほしじいたけとほしばあたけ。
きのこ暦123年生まれのふたりは、きのこむらのきのこたちに慕われる長老きのこです。
ある日のこと、ほしじいたけが裏山にたきぎひろいをしていると、
むらのこどもたちのひとり、タマゴタケが
崖下に落っこちてしまったというのです。
「こりゃ たいへんじゃ!」
からからに乾いた体を使って、ふうわりと崖を飛び下りるほしじいさま。
無事にタマゴタケの元に到着です。
でも、ほしじいさまの軽さでは、タマゴタケと一緒に崖を上がることはできません。
「いたしかたあるまい。」そうつぶやいたほしじいさまが、
崖のわきに流れる湧水にそろりとつかると……。

実は意外と多い「きのこの絵本」の中でも、
世にも珍しい「ほししいたけ」が主人公の本作。
生のしいたけにはない、特性を十二分に発揮して、
ほのぼのしているのに、どこか脱力してしまう、
何とも不思議な“味のある”ほししいたけ絵本です。

作者の石川基子さんは、第36回講談社絵本新人賞を受賞した、
期待の新人作家さん。
講談社絵本新人賞のHPでは、受賞から絵本出版までの
制作秘話が連載されています。
http://ehon.kodansha.co.jp/award/journal/ishikawa/1.html

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=109612
https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=109612

読者の声より

表紙の絵に惹かれて読みました。
ほしじいたけとほしばあたけは、ひなたぼっこで体を乾かすことが大好き。
反対に、水にぬれてみずみずしくなることは嫌いです。
けれども、仲間のきのこたちがピンチの時は、水に濡れるのも厭わないのです。
ほしじいたけとほしばあたけが、皆から好かれているのに納得です。
仲間のためなら自分が犠牲になってもかまわないという精神が、皆を惹き付けるのですね。
とても魅力的な絵本でした。

https://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=2713 石川基子さん『ほしじいたけ ほしばあたけ』インタビュー 「老いも悪くないな」「乾物はいいな」さまざまに感じてほしい<from好書好日>

9月5日 スープは ぜったいに のまないように……

金曜日は『かぼちゃスープのおふろ』

かぼちゃスープのおふろ

森の中で次々見つけた看板。どれも最後に、「~はしないように」と書かれています。でも、そう書かれているとしたくなってしまうものですよね。ということで、ついついしたくなっちゃった三人組に起こったのは、「なんだ これ?」。さあ、どんな光景が待ち受けているのでしょう。

ある寒い日。真っ白いふかふかの冬毛がおそろいの、くまさん、アルパカさん、ねこさんの仲良し三人組は、たくさん遊んでおなかがペコペコ。近道しようと森の中を進むと、いいにおい! 看板には「かぼちゃスープのおふろ」とあります。
「ごじゆうに おはいりください。ただし、なかの スープは ぜったいに のまないように。」と書かれてあるので、早速入ったのですが、いいにおいに連れられてつい……。
「パンどろぼう」シリーズや「しろくま絵本」シリーズなどのはじけるユーモア作品が魅力の柴田ケイコさんが、ついついしたくなっちゃう心理を愉快に描いています。寒い日にほっこりと笑いが生まれますよ。

(中村康子  子どもの本コーディネーター)

読者の声より
柴田ケイコさんのユーモラスなイラストに惹かれ、手に取りました。
くまとアルパカとねこが、大きなかぼちゃスープのおふろを見つけます。そこには「ご自由にお入りください。ただしスープは絶対飲まないように」との看板が。
そう言われても、我慢できないよなぁと苦笑いしてしまいました。
温かくてほっこりする、楽しいお話でした。
(クッチーナママさん 40代・ママ 女の子19歳、女の子16歳、男の子13歳)

9月6日 どんぐりとコウくんの心の交流

土曜日は『まいごのどんぐり』

まいごのどんぐり

 ぼくはどんぐり。コウくんのどんぐりです。ぼくのおしりには「ケーキ」とかいてあります。コウくんがつけてくれたぼくのなまえです。
コウくんはだいすきなどんぐりのぼくといっしょに「よーい、どん」とかけっこをしたり、あめのひもげんきにさんぽをしたり、いっしょに泳いだり。でも秋のある日、「ケーキ」はまいごになってしまいます。次の日もその次の日もコウくんは探しにきます。枯れ葉をはらいのけ、おしりをうえにしてがんばってコウくんに見つけてもらおうとしても、見つけてもらうことができません。やがて「ケーキ」のうえには、白いふわふわがまいおり、ぬくぬくの落ち葉のふとんのなかで眠りこんでしまい・・・。
太陽のひかりがまぶしくて目をさました「ケーキ」が見たものはなんだったでしょう。季節がうつり、時がうつり、風景が変わるなかで立ち続ける木。木の子ども、どんぐりとコウくんの絆(きずな)。そこには子どもの頃かわした約束を一生覚えているように、心のどこかをつかんではなさない感触があります。胸にせまる絵本です。

(大和田佳世  絵本ナビライター)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=4435

読者の声より

「秋だからどんぐりの本ないかな??」と思って探し偶然目にしました。
その頃幼稚園だった娘に読んでやろうと思って読み始めたのですが、読めなくなるほど感動してしまって声がでませんでした。
偶然とはいえなんてすばらしい本なんだろうと思いました。
子どもも「いい話やね~~」と反応も良かったです。
昨年から小学校で読み聞かせを始め、この機会にと思い購入しました。
今でも読んでいるうちに涙が出そうです。
最後の「うれしいことです」「うれしいことです」はいつも声が変になってしまいます。
「コウくん」とどんぐりの「ケーキ」のとっても心温まるお話です。
子どもに読んで欲しいな。と思う本です。
私の一番のお気に入りの本です!
(ラムネ色の風さん 40代・ママ 女の子12歳、女の子9歳)

(西の魔女さん 40代・ママ 女の子15、男の子11歳)

9月7日 しゃっくりを止めるとっておきの方法とは?

日曜日は『しゃっくりガイコツ』

しゃっくりガイコツ

ユーモア絵本のベストセラーが、新訳・新装で待望の再刊!
しゃっくりで目がさめたガイコツ君。シャワーをあびて、ひゃっくりぴゃっくり。歯をみがいて、ひゃっくりぴゃっくり。逆立ちして水を飲んでも、ひゃっくりぴゃっくり。しゃっくりは止まりません。
そこで友だちのオバケ君が思いついたのは、ガイコツ君ならではの、しゃっくりを止めるとっておきの方法。それは……。 

 

読者の声より(※旧版のレビューより引用)

5年生に読んできました。
鼻をつまんで水を飲む、がいこつさんの表紙を見せると、興味津々!
最初から身を乗り出して聞いてくれるので、導入にピッタリですよ♪
何をやっても、しゃっくりが止まらないがいこつさん。
特に、入れ歯が飛び出したり、砂糖を食べたり、逆立ちして水を飲むシーンは大爆笑。
「ありえね~!」と、口々に言う子も。
それにしても、こんなにしゃっくりを止める方法があるなんて、この絵本読むまで、知りませんでした~!!
今度、自分がそうなったら、片っぱしから試してみたくなりますね。
さて、親友のおかげで、無事しゃっくりが止まったがいこつさん。
その方法は・・・???
読んでからのお楽しみ~ってことで・・・。
ハロウィーンのかぼちゃちょうちんや、落ち葉かきも登場するので、今の季節にぴったりですよ~!
(ぼのさん 40代・ママ 男の子16歳、女の子14歳、女の子9歳)

いかがでしたか。

夏の絵本とはがらりと雰囲気の変わる秋の絵本! ぜひ楽しんでみてくださいね。

選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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