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【みんなの声より】 絵本ナビユーザーがおすすめする絵本は?

自分への絵本。子どもにもいつか読んであげたいです -『100万回生きたねこ』

絵本ナビに日々寄せられてくるのは、ユーザーからのたくさんの生の声。実際に絵本を読んだ時の子どもたちの反応やエピソードからは、ストーリーを超えた魅力まで伝えてくれます。
「どんな絵本を選んだらいいのかわからない」「購入するかどうか迷ってしまう」
そんな方のために、絵本ナビユーザーがおすすめする絵本をレビューとともにご紹介します!

 

1977年の初版以来、多くの読者を得て、いまも売れつづける『100万回生きたねこ』。大人からの支持も大きいこの絵本ですが、実際には大人の声、子どもの声、それぞれのエピソードが寄せられています。

自分への絵本です。

妊娠中に書店で何気なく手にして立ち読みしたところ、涙があふれそうになりました。絵本で泣くなんて考えられなかったので妊娠中のホルモンバランスのせいで涙もろくなっているのかと思い、また生まれてくる子にはまだ早いと言うこともあってそのときは購入しませんでした。 
けれどその後もずっときになる絵本で、出産後とうとう購入しました。
自分への絵本です。

 

読むたびにじわじわとそのすばらしさを感じています。ねこは最後に生き返ることなく死んでしまう。悲しい結末のはずなのに、よかった、、と言う思いもわいてきます。自分以外のものを愛するということの幸せと、失ったときの悲しみを経験したら何度も生きる価値などなくなってしまうのかもしれません。
また、前半の誰のねこでもないことを望む自己の確立したねこも好きです。飼い主のことがきらいなねこだけど、そのねこが大好きな飼い主たちもなんだかかわいらしく思えます。独りよがりの愛だけど。
白いねこはねこのことをどう思っていたのだろう、「そう」「ええ」ぐらいしか言わない白いねこはこちらの想像力を働かせたくなる女性です。

 

子どもにもいつか読んであげたいです。どんな反応を示してくれるか楽しみです。
(み~ゆさん 30代・ママ 女の子0歳)

100万回も、生きた意味は?

子どもの頃に読んだ絵本で、親になったときから
いつか、子どもたちに読み聞かせようと思っていました。

 

なぜ、100万回も死んで
なぜ、100万回も生き返るのか

 

この猫は幸せだったのか
不幸だったのか。

 

子どもたちに、絵本を読み聞かせた後は
必ず、絵本についてお話するのですが

 

みんなは、何回生きるのかなぁ?って聞くと
娘は1回だけで、十分だよと答え
長男は、1回で、ちゃんとわかるよ。
と答えました。

 

「ちゃんとわかる」という答えが返ってくるとは思いもしなかったので
びっくりしましたが、この絵本が伝えたいことを
ちゃんとわかってくれたんだと思うと
読み聞かせてよかったと思うのです。
(*momo*さん 30代・ママ 女の子9歳、男の子7歳、男の子3歳)

人を好きになること、愛することはとても大切なこと。子どもたちに教えることができる絵本

100万回も生き返るねこ。タイトルのままですが、
生き返るたびに状況が変わり立場も変わる。
愛することを知らずに。

 

そしてついに最後は、やっと愛ということに気づいたとき、
生涯を全うする。

 

前も何回も読んだはずですが、最近改めて読んでみると、
とても重たく感じます。
周囲のことは無関心な、今の時代を物語るようで。
人を好きになること、愛することはとても大切なこと。
そのことを、子どもたちに教えることができる、
いい絵本だと思います。

 

子どもは「なぜ何回も生き返えることができるんだから、
 最後も生き返る?」
「・・・愛する人(猫)を追っかけて行ったから、
 たぶん帰ってこないと思うよ。」

 

子どもたちは、読むたびに泣いています・・・。
(あんぱんはなこさん 40代・ママ 男の子10歳、男の子7歳、女の子5歳)

100万回生きたねこ

内容紹介 
これはひょっとすると大人のための絵本かもしれないが、真に大人のための絵本ならば、子どももまた楽しむことができよう。それが絵本というものの本質であるはずだ。そして『100万回生きたねこ』は、絵本の本質をとらえている。――週刊朝日書評より 
このとらねこ一代記が、何を風刺しているかなどと考えなくても、すごいバイタリティーをもって生き、かつ死んだ話をおもしろいと思ってみればよいと思う。上級から大人まで開いてみて、それぞれに受けとめられるふしぎなストーリーでもある。飼い主へのつながりが無視され、前半と後半が途切れているようで、みていくとつながってくるふしぎな構成である。――日本経済新聞「こどもの本」書評より

 

著者紹介 
■佐野洋子(さのようこ) 
北京に生まれる。武蔵野美術大学デザイン科卒。’67年から’68年にかけて、ベルリン造形大学においてリトグラフを学ぶ。主な作品に『だってだってのおばあさん』(フレーベル館)、『わたしのぼうし』(ポプラ社)、『おじさんのかさ』(講談社)などの絵本や、『アカシア・からたち・麦畑』(文化出版局)などのエッセー集がある。『おじさんのかさ』でサンケイ児童出版文化賞推薦賞を、『わたしのぼうし』で講談社出版文化賞絵本部門賞を受賞。 

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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