あたまの中が「にゃん」でいっぱいになる絵本
ねこの絵本を数冊手に取ってみれば、どうやら「ねこの世界の奥は深すぎる」っていうことが、すぐにわかります。
とにかく可愛らしいねこ、キャラクターの強いねこ、なぜかこちらをにらんでくるねこ。一匹オオカミなねこ、か弱いねこ、自由きままなねこ。絵本に登場するねこを説明していくだけでも時間はどんどん過ぎていってしまいそうです。それだけ「ねこ」というのは作家さんたちにも深く愛されている存在なのでしょう。他のテーマに比べても、表現の振り幅が極端に広いようにも感じます。名作と言われる絵本が多いのもうなずけます。
なぜ、少しよそよそしく語るのかと言えば、それは私がねこを飼っていないからです。ねこに対する愛の深さに全く自信がないからです。そんな私が、どれだけその魅力について語っても、本当にねこを愛する方々に「もどかしい!」と言われてしまうと思うからです。
ところが、最近出会ってしまったのです。
こんな私でも、読んだ後、頭の中がすっかり「にゃん」でいっぱいになってしまった絵本に。
ぼくのにゃんた
台所にいるのは「にゃべ」「まにゃいた」「バニャニャ」。
おひるごはんの時は「キャッツカレー」、「にゃん粉」を使って出来上がったのは「ニャッフル」「ドーニャツ」「ビスキャット」。
…なにを言っているのかといえば、これみんな「ぼく」のにゃんた。
にゃんたはちょっと変わったねこなのです。
外に出れば「にゃんバランス」のスニーカーになるし、ニャンキースというチームで大活躍だってしている。もちろん得意なのは「ニャックルボール」。おかあさんの「ネッコレス」になっておでかけしたり、「ネコタイ」になっておとうさんの会社にいって「ニャイホン」として人気者になったり。驚くほど行動範囲の広いにゃんた。夏になれば、一緒に海におでかけだってします。
ぼくとにゃんたは、こんな風にいつも仲良し。でもある日、ともだちが突然ぼくに言った言葉に、にゃんたは驚いていなくなってしまったんだ……。
人気現代アーティストとして活躍されている鈴木康広さん初の絵本は、ページをめくるたびに全身の力が抜けていく、ゆるくてかわいくて、ちょっぴり切ない「ぼくとにゃんた」のお話。
いつも当たり前に「ぼく」の目の周りにいたにゃんたが、当たり前じゃなかったって気づいたその瞬間。ふたりの世界はどうなっていくのでしょう。わたしもにゃんたにまた会えるかにゃ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
にゃんた、かわいい! にゃんたに会いたい!「ニャイホン」とか持って、「ニャンバランス」とかはいて、私もにゃんたとずっと一緒にいたい!!
もし私が青春時代を送るうら若き女の子だったら、好きな人に贈りたい!
…なんて、思わず誰かに「猫かぶり」をしたくなるほど、衝撃的に愛らしくておもしろいこの絵本。
「今日のランチはキャッツカレーだな。」
しばらくは「にゃん」な生活がつづきそうです。
色々あるある「ねこの絵本」
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