世界が「ぐるり」のでんぐり絵本。
最近「でんぐりがえし」をしたこと、ありますか?
あるいは鉄棒の「逆上がり」。
そういえば、大人になってからは意外にしないものです。
試しに「でんぐりがえし」や「逆上がり」、やってみてください。
…びっくりしませんか?
世界がぐるりと回ります。(それ以前に、まったく出来なくなっている自分にも驚くでしょうけど)子どもの頃って、こんな体験を日常的にしていたんでしたっけ。喜んでくるくる回っていた記憶がありますが、実は、何だかすごい景色を見ていたのかもしれません。
子どもたちは「くるくる回る」のが、本能的に好きなのでしょうか。でんぐりがえしの他にも、くるくる回るものと言えば…ボールやかざぐるま、回転ずしも回りますね!一緒にくるくるできるこんな絵本もできちゃいましたよ。
くるくる くるくる
表紙に、赤いまあるい矢印。「ほんをまわしてよんでみよう!」と書いてあり、男の子がでんぐりがえしをしているみたいです。
この本は……くるくる回して読むとあら不思議!
絵本の中が動くような感じで楽しめちゃう絵本なんです。
次から次へと出てくるのは、回るもの。
でんぐりがえしのくまさん、お寿司、サッカーボールにおじいさん……。
ん? おじいさんが回るの?
そう思ったら、ぜひ実際に回してみてください!
やさしい顔のおじいさんが、逆さにするとおこりんぼうのおじいさんになっちゃうんですよ。
バレリーナも回るし、自分のしっぽを追いかけておおかみも回る。洗濯機も回る。
がたんがたん、ぐるぐる、じゃぶじゃぶ。音のリズムも楽しいです。
洗濯機の中って、ついのぞき込みたくなりますよね。
かざぐるまを見たら「ふーっ」と息をふきかけたくなります。
くるくる絵本を回すだけで、しかけが仕込まれているわけではないのに、まるでしかけ絵本みたい。
くるくる回すとまるで逆の絵に見えたりするからおどろきです。
この身体の感覚に逆らわない、シンプルでおもしろい構成、さすが新井洋行さんの絵本ですね。
子どもたちがかざぐるまに「ふーっ」と息をふきかけたら、盛大に絵本を回してあげてくださいね。
幼いお子さんにも安心のボードブック。
お子さんとコミュニケーションしながら、思う存分「くるくる くるくる」してみてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
子どもの頃には当たり前に見ていたのに、大人になってすっかり忘れていた景色。まだまだ他にもあったかもしれませんよね。そういう時は、子どもに混ざって遊んでみるのが一番! 大人になってからの発見も、なかなか味わい深いものがありそうです。
まだまだあるある「でんぐり絵本」
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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