子どもの表情はミリ単位で切り取りたい!
「子どもは、やっぱり笑った時の顔が最高に可愛い」って言うけれど、そんなことはない。
驚いた時の顔だって、困っている時の顔だって可愛い。
もちろん笑っている時の顔も可愛いけど、実は泣いた顔だって可愛いのだ。
細かく言えば、大泣きする数秒前の眉毛が八の字になって口がへの字にゆがんだ瞬間というのがまたたまらない。もちろん、本人にとっては必死の形相なのですから、親が眺めているわけにはいきませんけどね。
ちょっと大きくなれば、一生懸命何かをしようとしている顔もいいし、上手くいかなくてくやしがっている顔もいい。得意気になっている顔もいいし、ウソをついている時だってなかなか味がある。おならをしちゃって、すこし恥ずかしがっている顔もいいよね。もちろん、堂々としている子も好き。
とにかく、子どもの表情はコロコロ変わるのがいいのです。
「その表情一つ一つをミリ単位で切り取って残しておきたい!」
「いつまでも眺めていたい!」
親としては、いつもそんな気持ちを持っているものなのです。
例えば…いたずらをしようとたくらんでいるこんな顔だって、たまらない。
そろそろそろーり
女の子がちょっとたくらんだ顔をしていますよ。
嬉しそう。
「そろそろ そろーり」
車のおもちゃ遊びに夢中になっているねずみさんの後ろから近づいて…
「わ!」
びっくりちゅー!ねずみさん、これは驚いちゃいますよね。
いたずらしようとしてたんですね。
今度はねずみさんも一緒になって…
「そろそろ そろーり」「わ!」
びっくりにゃー! びっくり わおーん!
ねこさんもいぬさんもみんなびっくり。
おしまいには、みんなでゾロゾロ「イヒヒ」って顔してくまさんの背中に近づくと…!?
子どもたちはちょっとしたいたずら遊びが大好き。どうしてあんなに心から嬉しそうな顔をするのでしょうね。反応が大きければもっと喜びます。驚かした相手が「こらっ」って言っても喜びます。大好きな人たちばかりだからでしょうね。大人と言えば、笑った顔はもちろん、たくらみ顔だって可愛くて仕方がありません。
そんな日常の些細な表情や可愛いしぐさを切り取って、親子で一緒に楽しめる絵本にしてくれたのが、たんじあきこさんの「せいかつ・えほん」シリーズです。こんな何気ない瞬間にこそ、子どもたちの幸せと成長がたくさん詰まっているんでしょね。
さて、絵本を閉じたらもちろん…「そろそろ そろーり」。
(磯崎 園子 絵本ナビ編集長)
絵本って、もちろん親子の時間を楽しませてくれるものだけど、子どもの可愛い部分を大人に教えてくれるっていう役割もあるのかもしれない。可愛くて仕方のない色々な赤ちゃん絵本を見ていると、子どもがすっかり大人びてしまった今だって、やっぱり発見が尽きないのです。
表情を切り取りたくなる可愛い赤ちゃん絵本
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |