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【ねこの日企画!】出版社イチオシのねこ絵本をご紹介します。

いよいよ明日は、令和2年2月22日。そう、ねこの日です。
今回はたくさんのねこ絵本の中から、令和2年のねこの日に絵本出版社がオススメする「ねこ絵本」をご紹介します。 ねこを飼っている方はもちろん、ねこを飼ったことがない方にも、お楽しみいただけるラインナップです。
ぜひ、ねこの日は、絵本の中のねこにも会いに来てください。

ねこ好き&絵本好きを魅了した『なまえのないねこ』の魅力とは?

2019年の絵本賞を総なめ! グリーンアイの切ない”あの”ねこ

なまえのないねこ

第12回MOE絵本屋さん大賞2019第1位!
第3回未来屋えほん大賞・大賞!
第10回リブロ絵本大賞・大賞!
第8回静岡書店大賞〈児童書新作部門〉第2位!


八百屋や書店、パン屋、蕎麦屋、喫茶店などの飼い猫たちが、みんな持っている「名前」に憧れている、ひとりぼっちの猫。
ある日、お寺の猫に「自分で好きな名前をつければいいじゃない」と言われ、名前を探すことに。
名前のない猫が見つけた「ほんとうに欲しかったもの」とは?
愛猫家で猫が主人公の作品を多く発表している作家と、同じく愛猫家で猫の絵が人気の画家による猫愛に溢れた絵本。

自分のアイデンティティを探る、「なまえのないねこ」の物語

この絵本は、「なまえのない」一匹のねこが自分の名前を探す中で、自分が本当に求めていたものに気づくという物語です。
普段はあまり意識しない「名前」。でも、ねこはその境遇によって「名前」がもらえないという驚きと、自分だけの「名前」を呼んでもらうことの特別さを、子どもたちはねこの語りを通じて、深く感じることができます。
また、自分という存在が認められることの喜びとアイデンティティの確立は、小さい子どもたちだけでなく、思春期を迎える子どもや、大人の胸にも響きます。
「絵本=子ども向け」というイメージを飛び越え、幅広い年齢の読者に受け入れられる内容なのも、この作品が愛されているポイントと言えるでしょう。

模様、体形も多種多様なねこたちが総出演!

ストーリーの魅力はもちろん、ページごとに登場するねこがどれも個性的でユニークなのもねこ好きを魅了するポイントです。
描かれているポーズや表情、視線がとてもリアルで、まるで本当に息をしているよう!
ねこ好きの方は、ぜひ「このねこ、うちの子に似ている」「この目がそっくり!」と飼っているねこと同じところを探して楽しんでください。
ねこを飼っていない方は、「こんなねこを飼いたいな」「やっぱり飼うなら主人公と同じキジトラのねこでしょ」と、どんなねこを飼いたいか想像を膨らませてみてはいかがでしょう。
絵本の最後の見返しには、絵本に登場したねこ(と犬)たちの名前が分かるようになっています。
名前を見ているとなんとなくその名前になった由来が想像できて楽しいので、ぜひ絵本の見返しまで、堪能してみてください。

ねこ好きな作家と画家がタッグを組んだ!

竹下文子さんは、「黒ねこサンゴロウ」シリーズ(偕成社)をはじめ、ねこが主役の作品を数多く執筆し、現在も5匹のねこと暮らしている、ねこ好きの作家さんです。
絵を手がけた町田尚子さんも、2匹のねこと一緒に暮らしていて、『ネコヅメのよる』(WAVE出版)や『ねことねこ』(こぐま社)などのねこ絵本を生み出しています。
このふたりがタッグを組んで描かれた、『なまえのないねこ』。
ねこへの愛が絵本全体からあふれ出しているのも納得のねこ絵本です。

2月22日より『なまえのないねこ』特設ページオープン!

明日2月22日より、『なまえのないねこ』特設ページがオープンします!
絵本の試し読み、著者からのメッセージ、原画展情報、読者のみなさまからのご感想などなど……。
『なまえのないねこ』の情報満載のページです。ぜひ、チェックしてくださいね。

「ねこになって”ねこでんしゃ”に乗りたい!」魅力たっぷり『ねこでんしゃ』をご紹介します!

読み聞かせにピッタリ! ナンセンスな魅力あふれるねこ絵本

ねこでんしゃ

ねこの ねこによる ねこのための ねこでんしゃ。
「どんがらどんがら ねこでんしゃ。どこからくるのか ねこでんしゃ。」
ふしぎなリズムにのって、ねこでんしゃがやってきます。
ねこきちかぞくをのせて、さあ、しゅっぱつ!
山口マオがぬくもりある版画で描く、ほんわかゆる~いねこたちのでんしゃたび。
車内で魚釣りをしたり、コタツで丸くなったり。自由気ままなねこたちと、ちょっとでかけてみませんか。

 

ねこらしさがたっぷり詰まったナンセンスな展開!

「どんがらどんがら ねこでんしゃ。どこからくるのか ねこでんしゃ。」
なんともほっこりとする文章からはじまる『ねこでんしゃ』。実は、このねこでんしゃは「ねこの ねこによる ねこのための」電車なんです! 運転士もねこ。乗っているのもねこ。降りるのも乗るのもねこ、ねこ、ねこ。
絵本の最初から終わりまで、たくさんのねこが登場します。
そのねこたちが、釣りをしたり、駅弁を食べたり、トンネルに入って、目をキランと光らせたりするのです。
最後は雪がちらつく寒い車窓を見ながら、こたつですやすや……。読み終わるころには、ねこになって「ねこでんしゃ」に乗りたい!ときっと思うことでしょう。

 

乗り物絵本&旅絵本としても楽しい!

ねこの魅力もさることながら、電車絵本としてもワクワクポイントがたくさんある『ねこでんしゃ』。
まず、その車体はモスグリーンにオレンジのラインの入ったどこか懐かしさを感じる二両編成。
自然の中をゆったりと進んでいく旅路が想像できます。
電車の旅の魅力のひとつ駅弁も、ねこ印。しかもネズミクッキーなんてオシャレなものも売っています。
やがてねこでんしゃは真っ暗なトンネルの中へ。トンネルを抜けると、今までとは違った風景が目の前に広がるのも、電車の旅の醍醐味ですよね。

『ねこでんしゃ』を出版した交通新聞社は、「JR時刻表」や「旅の手帖」など鉄道や旅、交通機関専門の老舗出版社。
その鉄道愛から生み出される乗り物絵本は、乗り物好きな子どもだけでなく、大人も魅了しています。

作者は「マオ猫」で人気の山口マオさん!

『ねこでんしゃ』を描いた山口マオさんは、木版画を使った味わいのある絵が子どもたちに人気の「わにわに」シリーズ(福音館書店)や『なりました』(作/内田麟太郎 鈴木出版)などの絵を担当した絵本作家さんです。
そんな山口マオさんは、イラストレーターとして活動をはじめた20代の頃に「マオ猫」というシニカルな魅力あふれるねこのキャラクターを生み出すほどのねこ好き。
長年暮らす、千葉県南房総市の千倉町には、「海猫堂」というギャラリー&雑貨店を開いています。
もしかしたら、「ねこでんしゃ」の線路は、「海猫堂」まで続いているのかもしれませんね。

泣いて、泣いて、心が救われる作品の魅力とは……?

いずれくる「別れ」とこんな風に向き合いたい

ねこなんて いなきゃ よかった

ねこのももちゃんが死んだ。友だちがやさしくしんぱいしてくれるけれど、ついつよがり「はじめから、ねこなんていなきゃよかった」といってしまった。でも家にかえると、ももちゃんはもういない。みんながくらいかおをしていたら、かあさんがいった。「かなしいのはあたりまえ。みんな、なきましょ」すると、ももちゃんの思い出が次々よみがえってきて……かわいがっていた猫の死をきちんと受け止め、悼むことの大切さを描く絵本。

女の子の視点で語られるストレートな気持ちに共感!

生き物を飼うことは、いつかお別れをしなければいけないことでもあります。
絵本の語り手である女の子も、愛猫「ももちゃん」を亡くしたばかり。
友だちを心配させないよう「ねこなんていなきゃよかった」と言ってしまいます。

ねこなんて、めんどくさいだけ。
ふくが、けだらけに なるし、
ピアノの じゃまするし、
うんちだって、とらなきゃ いけない。

ねこと暮らすデメリットを並べる女の子。

子どもらしい飾らない語り口だからこそ、ねこを亡くした女の子の悲しさが、伝わってきます。
生き物と共に暮らしたことのある人であれば、より強く共感を覚えることでしょう。

悲しみとの向き合い方を示してくれる作品

ももちゃんを亡くして悲しみに暮れるあまり、口数が少なくなってしまった家族の食卓。
ふいにお母さんが「なこうか」とみんなに提案します。
「かなしいのは あたりまえ。くるしいのも ふつう。つらいのも みんな おんなじ。さあ みんな、なきましょ」と。
この一言で、家族はももちゃんとの思い出を語りはじめます。
そして、みんなで大声で泣きます。

 

大切な存在を亡くしたとき、喪失感や深い悲しみ、「もっと●●してあげれば良かった」という後悔の念を抱いたことがある人は多いでしょう。
この作品には、大切な存在との「別れ」の向き合い方がとても丁寧に描かれています。
「かなしいのは あたりまえ。くるしいのも ふつう。つらいのも みんな おんなじ」そう言われただけで、そのとき感じていた深い後悔がフッと軽くなるような感じがするのではないでしょうか。
そして絵本を読み終えた後にはきっと、一緒に暮らした小さな家族との時間がかけがえのない思い出になっていることでしょう。

困るけれど憎めない! 愛らしいしぐさが満載。

ささめやゆきさんの描くももちゃんと家族の日常は、とても生き生きとして愛らしく、ももちゃんが家族に愛されていたことを読者にまっすぐ伝えてくれます。
絵を見ているだけで、ももちゃんはきっと、いたずら好きで、自由気ままで、愛嬌たっぷりのねこだったんだろうなぁ……と感じられませんか?
ももちゃんのしぐさ、表情をぜひ堪能してください。

 

ねこ好きな作家と画家がタッグを組んだ!

この作品は、作者の村上しいこさんが愛猫「ミケちゃん」(21歳!)が病気になったときの体験から、命と向き合うことの大切さに気付き生まれた物語です。
絵本に登場する「ももちゃん」は「ミケちゃん」がモデルになっているそうです。
絵を描かれたささめやゆきさんも『ねこのチャッピー』(小峰書店)の中で、愛猫チャッピーと暮らした日々を絵本にされています。

(メイン写真モデル:そっとちゃん)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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