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岩崎書店 イチオシ新刊 PICK UP

3月21日は「世界ダウン症の日」。『あいちゃんのひみつ』を読んで、ダウン症のことを、親子で知ってみませんか?

「ダウン症」について、どのくらい知っていますか?
「ダウン症」という言葉を知っている方でも、
「ダウン症の人はどうして目がつっているの?」「何をするのもゆっくりなのはなぜ?」「どうして『ダウン症』という名前なの?」という質問に答えられる人は多くはないのではないでしょうか。
ダウン症の特徴や原因、ダウン症の人との接し方を小さいお子さんにも分かりやすい言葉と絵で描いた絵本が登場しました。
3月21日は国連が制定した「世界ダウン症の日」。ダウン症について、絵本を通して親子で話してみてはいかがでしょう。

「ダウン症」について親子で知る絵本

あいちゃんのひみつ ダウン症をもつあいちゃんの、ママからのおてがみ

「福祉の授業で、愛さんのもつダウン症についてお話してくれませんか?」

学校の先生からの一声で、小4生全員があいちゃんママのお話を聞き、疑似体験する授業が行われました。
あいちゃんは、なぜ特別支援学校から地元の小学校に転校してきたのか、
あいちゃんは転校してどう感じているのかが描かれた、あいちゃんママからのお手紙。

「どうしてそんなに目がつっているの?」
「何をするのもゆっくりなのはどうして?」
ダウン症の特徴やその原因、接し方が「なるほど」とわかるお話です。

『あいちゃんのひみつ』の魅力をご紹介します。

お手紙形式で、子どもにも伝わりやすい優しい言葉で書かれています。

小学校4年生のときに、特別支援学校から、地元の普通小学校に通うことになったあいちゃん。
おはなしは、あいちゃんのママが、クラスの子どもたちに宛てて書いたお手紙の形式で進んでいきます。
小学4年生にしては小柄で、「ママに似ていない」と周りから言われることの多いあいちゃん。
心臓の病気で生後1か月で手術をしたあいちゃん。
歩くのも言葉を話すのも遅いあいちゃん。
それは全てダウン症の特性。
優しく、小さい子どもにも分かりやすい言葉で、ダウン症という障がいについて、ひとつひとつ、丁寧に紹介されている絵本です。
ダウン症のことをよく知らないという大人の方にとっても、目から鱗が落ちる発見がある作品です。

明るくて頑張り屋のあいちゃんのファンになります!

生まれつき障がいを持っていると聞くと、「かわいそう」「つらそう」とネガティブな感想をもってしまう人もいると思います。
でも、絵本の中のあいちゃんは決して「かわいそう」な子ではありません。
本読みが上手で、ダンスが大好きなあいちゃん。
リレーに参加して、大喜びのあいちゃん。
普通小学校で通うことを自分で決めたあいちゃん。
ママの手紙から語られるあいちゃんの行動力、頑張りを見ていると、誰もがあいちゃんのファンになってしまうことでしょう。

ノーマライゼーション教育にも最適です。

ノーマライゼーションとは、「障がいがあっても、障がいのない子どもと同等に教育を受けることができる、適切な教育的環境条件を整えること」。
『あいちゃんのひみつ』は、ダウン症のことを知りながら、障がいについて、障がいを持つ人との接し方について、親子で話し合うきっかけとなる作品です。
絵本の中には、ノーマライゼーションについて具体的な方法や指針が描かれているわけではありません。しかし、あいちゃんのクラスの子どもたちを見ていると、とても自然にあいちゃんのことを考え、あいちゃんと一緒に学校生活を送る方法をみんなで実践しています。
柔軟な子どもたちの発想と行動に、大人も気づくことが多いでしょう。

巻末の付録には、各ページに描かれているダウン症の特徴の解説が載っています。

【監修 玉井 邦夫先生からのメッセージ】
ダウン症のある人に出会うと、子どもたちならきっと誰もが不思議に思います。
どうしてこんな喋り方をするの? どうしてみんな似た顔をしているの?
どうして? どうして? ……それは、どれもみんな当たり前の疑問。
そんな疑問を毎日のやりとりの中で解決しながら、友だちになっていってほしいと思います。
この本には、そんな願いがいっぱい詰まっています。
この本をきっかけに、一人でも多くの人に、ダウン症についての理解とダウン症のある人たちのへの親しみを深めていただけたらと思っています。

2人のママの思いから、この絵本は生まれました。

『あいちゃんのひみつ』の作者である竹山美奈子さんは、自閉症スペクトラムを持つ自身の娘「すずちゃん」を主人公に、『すずちゃんののうみそ』を出版しました。
あいちゃんは、すずちゃんと同じ、療育保育園と特別支援学校に通っていた1歳年上の女の子。
『あいちゃんのひみつ』は、あいちゃんのママが、竹山美奈子さんに「『すずちゃんののうみそ』のように、ダウン症のことが子どもにも分かるような絵本を作って愛の学校で読みたい」と、相談したことから生まれました。
絵本の「あとがき」には、竹山美奈子さんとあいちゃんのママそれぞれのメッセージが掲載されています。
絵本を作るきっかけや、ダウン症のこと、あいちゃんと周りの子どもたちのこと……。絵本を読み終わった後に、ぜひ読んでいただきたいページです。

自閉症スペクトラムについて知ることができる絵本

すずちゃんののうみそ 自閉症スペクトラム(ASD)のすずちゃんの、ママからのおてがみ

「ねえ、すずちゃんママ、すずちゃんは、
どうして年長さんなのに、くつを一人ではけないの?」

すずちゃんは、年長さんになっても、おしゃべりができません。
どうしてかな?

そんな保育園のお友だちの疑問に、
すずちゃんママがお手紙で答えました。

自閉症のことがすーっとわかって、ちょっと身近に感じるお話です。
巻末には自閉症の特徴紹介、医学監修の先生からのメッセージも。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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