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YouTube発の絵本!?『BabyBusの親子で学べる知育えほん タッチ!タッチ!』 発売記念連載

発売記念連載第2回 絵本を通して、選択する力を身につけよう! わだことみさん(監修者) 河村康平さん(BabyBus) 堤由惟さん(KADOKAWA)インタビュー

世界11カ国語に配信され、日本では360万人ものYoutube登録者数を持つ人気の教育コンテンツ「BabyBus」。
4月に発売となったBabyBus初の絵本『BabyBusの親子で学べる知育えほん タッチ!タッチ!』(KADOKAWA刊行)は、すでにご覧になりましたか?
前回の記事では、『BabyBusの親子で学べる知育えほん タッチ!タッチ!』の魅力と、子どもとYouTubeとの関わり方についてお話を伺いました。
今回は、絵本作りのこだわりについて、監修者のわだことみさん、BabyBusの河村康平さん、編集者の堤由惟さんにお話を伺います。

BabyBusの親子で学べる知育えほん タッチ!タッチ!

《1~3才のお子さまにオススメ》
知育にいちばん大切なのは、楽しい! ワクワクする! やってみたい! とお子さま自身が感じることです。
この絵本は「アニメ動画のドーナツと同じだね! 絵本を見ながら数をかぞえてみようか」といったように動画と絵本を連動させながらお子さまの色・形・数の理解を深めることができる内容となっています。
お子さまの楽しいと思う気持ちが、自主的に取り組むきっかけとなり、能力もぐんぐん伸びていくはずでしょう。
WEBやSNSで話題の知育動画チャンネル「BabyBus」が待望の初絵本化!

<幼児教育研究家>わだことみ氏絶賛
「この絵本は、YouTube動画と絵本を連動させた新時代の絵本。動画と絵本がリンクしていることで子どもは興味を持ち、内容の理解も一層深まります。さらに絵本に直接タッチしてお子さまの能動性、主体性も育てられるはずです。親子で見て、聞いて、歌って、触って話して、たくさん笑って楽しんでください!」

BabyBus(ベビーバス)とは?

世界中の子どもたちのために、映像やアプリを用いた早期知育コンテンツを0~6歳の未就学児を対象に11か国の言語で展開しています。
Youtube公式チャンネルでは、幼児や子どもが喜ぶ歌とアニメーションで、新しく楽しい学習体験を提供しています。 
https://www.babybus.co.jp/

 

子育て中のパパとして、絵本もBabyBusコンテンツも活用しています!

――『BabyBusの親子で学べる知育えほん タッチ!タッチ!』(以下、『タッチ!タッチ!』)が発売されて、1か月が経ちました。発売後の反応はいかがでしょうか?

堤:「この絵本が欲しい!」と子どもにせがまれたといったお声をお聞きしています。 やはり、お子さま自身が興味を持てる動画やキャラクターをもとにしているからこそのパワーだと感じています。

――絵本ナビでも、前回のインタビュー後、「BabyBusが大好きな我が子と、一緒に絵本も楽しんでいます」「YouTubeを見せることに、今まで抵抗があったのですが、『タッチ!タッチ!』を読んで、YouTubeも一緒に見るようになりました」といった感想が多く寄せられています。あと、「わだ先生のおはなしを聞いて、良質なコンテンツを選択することを親子で一緒に実践していきたいと思いました」という声も聞こえてきました。

わだ:それはすごく嬉しいですね。子育ては親御さんにとっても新しい技術や価値観を身に付ける素敵な機会だと思います。私も娘たちと一緒に、ビデオにはじまり、DVD、YouTubeといろいろな技術の進歩を体験しています。ぜひ、お子さんと楽しみながら、一緒に興味を持って成長していっていただきたいですね。

――今回は『タッチ!タッチ!』の内容について、さらに詳しくお話を伺えたらと思います。絵本を見ますと、形や数、物の大小を比べるなど知育要素がたくさん詰まっていますが、どれもかわいくてカラフルな食べ物たちが出てきます。食べ物が多く登場するのも制作の上でのこだわりだと感じました。

堤:そうですね。食べ物が出てくるのは、BabyBusさんの動画の特徴でして、絵本はそこを踏襲させています。

河村: BabyBusは日本語をはじめ、英語、中国語、アラビア語、韓国語、スペイン語、インドネシア語、ヒンディー語、ポルトガル語、タイ語、ベトナム語、など11カ国の言語でコンテンツを配信していて、その言語の子どもたちに親しまれていますが、日本では、ほかの言語に比べて、食べ物のキャラクターが断トツで見られているというデータがあります。

――食べ物のキャラクターの人気が日本特有だなんて、とても興味深いですね。

河村:個人的には、「アンパンマン」など、食べ物のキャラクター人気が関連しているのでは……と考えています。食べ物も目鼻がついていて動いたり歌ったりするキャラクターも、子どもたちは好きですね。

堤:うちの子も、BabyBusさんのコンテンツの中でも、食べ物が出てくる物をよく見ています。

――堤さんも、お子さんとBabyBusのコンテンツを楽しまれているんですね。

堤:ぼくは元々、YouTubeのヘビーユーザーなんです。BabyBusは子どもが生まれてから知ったのですが、いろいろなコンテンツを親子で楽しんでいます。今回の絵本も、子育ての中でBabyBusの絵本がほしいと思ったので、企画しました。

――河村さんは、ジャパンベビーバスとして、絵本の話を聞いたとき、どう思われましたか?

河村:それまで、絵本の企画をいただくことがなかったので、とてもビックリしました。ただ、弊社としても、良質なコンテンツを制作していきたいという思いが強くありましたので、ぜひ、やりましょうとお答えしました。

堤:絵本化に向けて、河村さんとお話をさせていただく中で、河村さん自身も子育ての先輩だということが分かり、お互いのパパ目線を交えながら、絵本の企画を進めていきました。

河村:うちの子は今、3歳になります。BabyBusが大好きで、最近は、英語のBabyBusチャンネルを見て、突然、英語を話しはじめました。イントネーションとか本格的で、あれには、ビックリしました(笑)。

BabyBusの河村康平さん。(WeWorkメトロポリタンプラザビルにて撮影)

――外国語のBabyBusを見ると、色々な言語と自然と接することができるんですね。堤さんや河村さんのように、リアルタイムで子育てをしている方達が絵本作りに携わっているというのは、読者のパパママにとっても安心度が高いと思います。おふたりはお子さんと動画の関わり方をどのように決めていらっしゃいますか?

河村:うちは3歳になって、少しずつですがYouTubeとの付き合い方を学んできてるなと思っています。「歯みがきするときだけ見ようね」とか「この3本見たら、後片付けをしようね」と声をかけるようにしています。

わだ:ずっと動画を見せっぱなしにするのではなく、河村さんのように、適度に声をかけるのはとても大切だと思います。あとは、止めるタイミングを子どもに決めさせるのもオススメです。

――そうなんですか? 子どもに決めさせると、いつまでも見続けるのでは……と思ってしまいます。

わだ:子どもを信頼して、主導権を子どもに渡すと意外と大丈夫です。我が家は2歳くらいのときにすでに自分のやりたいことを自分で決めたいという主張の強い子だったので、早々に親が決めることをやめて、「どれにしますか?」って決めさせていたんです。大きくなると、自分で選択して、行動するようになりました。それからは、親が決めたり教えたりすることは極力しないようにして、子どもに教わるくらいの気持ちで接するようにしました。

河村:うちの子も、英語のフレーズを話しはじめたとき、「すごいね!」と連発したら、気分が良かったらしく、誇らしげな顔をしていましたね。

わだ:親が教える立場ではなく、むしろこちらが子どもに教わる立場になることは、ある程度成長したら、オススメの方法です。子どものモチベーションもぐんとあがるんですよ。

河村:今の話を聞いて、BabyBusのコンテンツを考えるとき、「キキ」や「ミュウミュウ」をあえて教える立場として登場させなかったこと思い出しました。それよりも、あえて失敗させるんです。失敗させることで、動画を見た子どもたちが、自分に置き換えてどう感じてくれるのか。そこを重要視しています。

――たしかに「キキ」は優等生というよりも、おっちょこちょいな人気者キャラ。だから、失敗しても自然ですし、キキの失敗から子どもたちは学んでいるんですね。

河村:キキたちも失敗するから、失敗しても大丈夫なんだよという肯定的なメッセージも伝えたいと思っています。

わだ:失敗は「次へのステップへのチャンス!」と肯定することは、現代の子どもと子育てにとても必要なメッセージだと思います。失敗しないように、失敗しないようにという風潮は、失敗することを恐れるあまり「実は失敗はチャンス! いつでもやり直しできる」という大切なことを見失ってしまいます。むしろ、たくさん失敗していいんだよ、失敗する方が学ぶことが多いよと伝えていきたいですね。

――親御さんたちも子育てに失敗してはいけないという強迫感を持たずにいてほしいということですね。

わだ:そうです。はじめてのことは失敗することがほとんどです。そんなときは「大丈夫、大丈夫。チャレンジしてすごいね!」と褒めてあげてください。お母さんは子どもの先生ではなく、安心して帰ることができる港みたいなものなんです。普段、子どもは外に向かって自由に挑戦しているけれど、何かあったときに、お母さんのところに身を寄せる。そうしたら「そうだよね、大変だった、頑張ったよね」と共感してください。「頑張りなさい」ではなく、「よく頑張ってるよね」と。
子どもへの肯定感を親が常に待っていれば、子どもは、エネルギーを外に向けることができます。でも、親が、否定的な発言ばかりを子どもに向けると、子どもは親の反応を見るようになって、エネルギーを親の顔色をうかがうために使ってしまうんです。そうすると、外へ挑戦できなくなっちゃうんですよね。

河村康平さん(左)と、監修者のわだことみさん。(WeWorkメトロポリタンプラザビルにて撮影)

――親は港になって、子どもたちを受け止める……難しいけれど、実践していきたいですね。

●今後のシリーズ展開は……?

――『タッチ!タッチ!』は、各ページに知育に合わせたBabyBusの動画へのQRコードが付いていますね。絵本を触って楽しんだ後、QRコードでキャラクターが歌って踊る動画が見られるのは、画期的な試みだと思いました。

わだ:ビデオの時代から、映像と本が連携する企画を続けてきた者としては、YouTubeを使った、この絵本の連携は、本当にすごいと思います。しかも、外出先でも、日本にいなくても、同じように楽しむことができるんですから、親御さんも嬉しいですよね。

堤:BabyBusさんのコンテンツは、今回の絵本に使われていないものもまだまだたくさんありますし、これからどんどん新しいコンテンツも生まれていくことと思います。今後の展開によっては、数や形の知育だけでなく、英語など言語学習の知育絵本も作っていけるのでは……と思っています。

――2020年度の小学校の学校指導要領の改訂で、英語教育が必須となりましたから、英語は力を入れなければと考えている親御さんは多いと思います。でも、子どもに発音を教えるのが、とてもハードルが高いんですよね……。

河村:BabyBusには英語コンテンツも充実しています。英語だけでなく11カ国の言語の動画があるので、歌って、踊っているうちに、自然と外国語に触れていただけると思います。

―― 最後になりますが、絵本ナビユーザーに向けて、『タッチ!タッチ!』の魅力を一言ずついただけますでしょうか。

わだ:『タッチ!タッチ!』が出版されたことは、普通に絵本で教育をさせたいという方、YouTubeをすでに子育てに使っている方、どちらにとっても良いことだと思います。「YouTubeをずっと見続けさせるのはどうなの?」っていう人に対しても、「いやいや『タッチ!タッチ!』の絵本があります」と言えますし、子どもが絵本に飽きちゃったときにYouTubeという新しい流れを提案して、動画と絵本の間を自由に行ったり来たりしてより楽しむことができる。どちらもハッピーになれる作品だと思います。

堤:ぼくとしては、子どもと楽しんでいたBabyBusのコンテンツを絵本という形で、さらに多くの方に伝えていけたらと思って企画した作品です。ぜひ子育て中の皆さんに、動画も絵本も両方楽しんでいただいて、親子でコミュニケーションをさらに深めていただけたら嬉しいです。

河村:今回、BabyBusとして日本初となる絵本の出版に携わらせていただきました。これからもBabyBusではお子さんに向けて良質なコンテンツを提供していきたいと思います。これまでYouTubeに対してネガティブな感情を抱いていらした方たちにも、『タッチ!タッチ!』を読んで、BabyBusのコンテンツに足を運んでいただけたら嬉しいです。わだ先生がおっしゃったように、選択する力をお子さんに身に付けていただくきっかけになればいいですね。

わだ:技術は進んでいくのみで後退することはまずありえません。YouTubeはたしかに玉石混合で、不安な媒体かもしれません。でも、私たち親は、YouTubeを見せないと禁止するのではなく、BabyBusのような良質なコンテンツを子どもと一緒に見て、それをベースに、良いものと良くないものを判断する力と新しい技術を使いこなせる力を子どもに伝えるべきだと思います。『タッチ!タッチ!』からその思いが伝わることを願ってやみません。

――ありがとうございました。

BabyBusの河村さん(左)とわだことみさん。(WeWorkメトロポリタンプラザビルにて撮影)

 


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掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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