第1回 絵本と一緒にYouTubeと上手に関わろう! わだことみさん(監修者) 河村康平さん(BabyBus) 堤由惟さん(KADOKAWA)インタビュー
皆さんは「BabyBus」という知育動画をご存じでしょうか?
それは、0~6歳の未就学児を対象に映像やアプリを用いた早期知育の機会を提供している教育コンテンツです。
世界11カ国語で展開しており、日本では360万人ものYoutubeチャンネル登録者がいる人気ぶりです。(世界全体では登録者4500万人)子育て中のパパママの中には、YouTubeで目にしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この度、日本で初となる「BabyBus」のキャラクターと知育コンテンツを活用した絵本、『BabyBusの親子で学べる知育えほん タッチ!タッチ!』(KADOKAWA刊行)が発売されました。
絵本ナビでは発売を記念して、『BabyBus の親子で学べる知育えほん タッチ!タッチ!』の魅力をご紹介いたします。
「子どもにYouTubeを観せて良いのか、悩んでいます……」「紙の絵本と動画のコンテンツとの違いは?」「YouTubeと我が子との良い付き合い方は……?」など、パパママの抱える悩みを、幼児教育研究家として、本作品の監修に関られた、わだことみさん。そしてBabyBusの河村康平さん、編集者の堤由惟さんにお話を伺いました。
《1~3才のお子さまにオススメ》
知育にいちばん大切なのは、楽しい! ワクワクする! やってみたい! とお子さま自身が感じることです。
この絵本は「アニメ動画のドーナツと同じだね! 絵本を見ながら数をかぞえてみようか」といったように動画と絵本を連動させながらお子さまの色・形・数の理解を深めることができる内容となっています。
お子さまの楽しいと思う気持ちが、自主的に取り組むきっかけとなり、能力もぐんぐん伸びていくはずでしょう。
WEBやSNSで話題の知育動画チャンネル「BabyBus」が待望の初絵本化!
<幼児教育研究家>わだことみ氏絶賛
「この絵本は、YouTube動画と絵本を連動させた新時代の絵本。動画と絵本がリンクしていることで子どもは興味を持ち、内容の理解も一層深まります。さらに絵本に直接タッチしてお子さまの能動性、主体性も育てられるはずです。親子で見て、聞いて、歌って、触って話して、たくさん笑って楽しんでください!」
BabyBus(ベビーバス)とは?
世界中の子どもたちのために、映像やアプリを用いた早期知育コンテンツを0~6歳の未就学児を対象に11か国の言語で展開しています。
Youtube公式チャンネルでは、幼児や子どもが喜ぶ歌とアニメーションで、新しく楽しい学習体験を提供しています。
https://www.babybus.co.jp/
絵本と動画。それぞれのメリットを取り入れ、絵本と動画を行ったり来たりできる新しい絵本。
――『BabyBusの親子で遊べる知育えほん タッチ!タッチ!』(以下、『タッチ!タッチ!』)は、日本で初となる「BabyBus」のコンテンツを活用した絵本。
今まで、テレビの人気キャラクターが登場する絵本は出版されていましたが、YouTubeのコンテンツを絵本にするというのは、とても新しい試みだと思いました。
わだ:そうですね。私自身、今まで知育関係のDVDの構成や、監修に携わらせていただいたことは多かったのですが、お子さんが動画と同じキャラクター・コンテンツを絵本で再確認できるという試みにワクワクします。
この『タッチ!タッチ!』は、YouTubeのコンテンツと関連を深めながら、両方楽しむことができる。すごく画期的な絵本だと思います。
――YouTubeコンテンツと絵本を両方楽しめるというところを、作品を見ながら、もう少し詳しく教えていただきたいと思います。まず、絵本に登場するキャラクターが、YouTubeと同じですよね。
堤:はい。メインキャラクターの「キキ」と「ミュウミュウ」をはじめ、『タッチ!タッチ!』には、YouTubeのコンテンツに登場するキャラクターがたくさん出てきます。
このイラストは、動画の素材をベースにしながら、「BabyBus」のデザイン担当の方に、絵本用に細かな調整をしていただいたものを使っています。
――絵本の内容は、BabyBusのコンテンツにあるものを使用しているのですか?
堤:YouTubeのコンテンツをベースとしながら、より絵本として、楽しめるように考え構成しています。特にわだ先生には、企画がスタートした当初からいろいろご意見をいただいて、そのアイディアを絵本に生かしています。
――具体的にどのようなところで、わだ先生の意見を参考にされたのですか?
堤:一番大きいところで言いますと、『タッチ!タッチ!』というタイトルにもある、絵本を触って楽しむというコンセプトを提案いただいたことです。
わだ:YouTubeの画面では、物理的に触ることはできないじゃないですか。触れるというのが紙の絵本の良さだと思うので、すべてのページに、絵本をタッチするアクションを入れた方が、子どもたちは楽しく絵本を遊ぶと提案しました。
子どもはタッチする動作が大好きですからね。どんどんタッチして、タッチする中で、色や数、形の学習につながる内容を入れていくのが良いと思いました。
――「キキ」と「ミュウミュウ」が持っているキャンディーと同じ形のものをタッチしたり、お皿に乗っているハンバーガーの数の多いものをタッチしたり、タッチすることを楽しみながら、自然と、形や数の知識が身に付く内容ですね。
わだ:小さいお子さんの多くは、「じっとして、おはなしを聞く」ということにまだ慣れていません。でも、『タッチ!タッチ!』は、おはなしを聞くというより、親が「黄色はどれ?」と言ったら、黄色にタッチ! 「●●ちゃんの好きな色は?」と言ったら、好きな色にタッチ! このやり取りが楽しいですし、親子のコミュニケーションとしてもとても大事です。楽しみながら親子関係をどんどん深められる内容にすることが重要でした。
それと、ページそれぞれにQRコードを付けて、ページで紹介している内容と関連したYouTubeコンテンツに飛べるようにすることも、私から提案しました。
堤:企画段階では、絵本はあくまでも紙のコンテンツとしておはなしを完結させる予定で、YouTubeにリンクする予定はなかったんです。
わだ:私は、それはすごくもったいない! せっかくYouTubeのコンテンツがあるのだったら、絵本だけで完結させるのではなく、映像も観ることができるようにした方が絶対良い! って言ったんです。
――それはどうしてですか?
わだ:絵本だけでも、もちろんコミュニケーションは成立します。でも、2歳くらいのお子さんの中には、途中で飽きてしまう子もいると思うんです。
そのときに、リンク先のYouTubeに飛べば、絵本に出てきたキャラクターたちが楽しく数を数えたり、歌を歌ったり、ダンスしている。「ほら、絵本と同じだね! キキたちと一緒に、ダンスしよう」と声をかければ、子どもたちもノリノリです。
その行き来や、動画との直接連動がこの絵本はとても自然にできる。それが画期的なんです。
河村:その通りですね。『タッチ!タッチ!』を使うと、動画で伝えていることを、絵本で再確認することができるので、数や形の学習がよりお子さんの中に定着すると思います。
わだ:絵本は何度も確認ができること、親御さんがお子さんを見て、何をしているか分かるというメリットがあります。動画は歌やダンス、かわいいキャラクターが動くことで、子どもたちをひきつけるメリットがある。絵本と動画を自由に行ったり来たりして両方楽しめることが今の子育てには大切で、この作品はその一助になると思います。
子育ては長期戦。2040年を生きる子どもたちに「選択する力」をつけてほしい。
――親御さんの中には、子どもが小さいうちからYouTubeなど動画を見せることをネガティブに捉えていらっしゃる方も多いと思います。
わださんは、長く知育関連の絵本やテレビ、アプリの制作に関わられていますが、専門家から見て、YouTubeを見せることについてどのようにお考えですか?
わだ:新しく出た技術をネガティブに捉える風潮が子どもの周りに強くあるというのは、今にはじまったことではありません。時代と共に、ビデオからDVDになり、ダウンロードっていう流れがあって、今、YouTubeなんです。子どもたちは、親の思いに関係なく、発展していく技術と共に育っていく。それを無理に止めることを、私自身はあまりオススメしていません。だって、これから先、20年30年後には、全く新しい技術をどんどん使う世代に子どもたちは成長していくじゃないですか。ならば、最初からダメダメと禁止するよりも、いっぱい与えて、その中から良いものを選択する力をつける方が重要だと思います。
――確かに、私たち親世代も、技術の発展を体で感じながら、新しいものを次々取り入れていますね。
わだ:もちろん、子どもですから最初のうちは「YouTubeばかり見て!」と思うことも多いと思います。でもそこは、強制したり間違わないように管理するのではなく、信頼して子どもとよく話していくことが大事だと思います。そうすると、最終的には、その方が子どもは自分で判断して、ちゃんと選択します。
――信頼していても、失敗することも多くあると思います。そんなとき親はどうしたら良いのでしょうか?
わだ:親は子どもの失敗をある程度予見できるから、失敗しないように先回りして声をかけますよね。でも、失敗から学ぶことって、とても多いんです。だから、ちっちゃい失敗、まあ大きい失敗もあるんですけど(笑)、それを全部受け入れるという気持ちでいてほしいんです。
子どもを育てることは、今日明日や、2~3年後の話ではなくて、10年、20年という長いスパンで子どもがどう育っていくかを見据えることが大切です。
我が子は失敗もいっぱいするけれど、その中で、自分で気づいて、選択する力をつけていく、そういう気持ちで子どもを心から信頼する気持ちを持ってほしいと思います。その気持ちは、必ずお子さんに伝わります。
――わださんご自身も、お子さんの失敗を見守ってこられたのですか?
わだ:もちろん。うちは娘が2人いるのですが、3歳のときにパソコンが発売されたので、まずそれを与えました。自分で選択して、情報社会に振り回されるのではなく、使いこなす力をつけてほしいと思ったからです。もちろんゲームばかりやっているという時期もありましたし、ジュースをこぼして、パソコンを壊されたこともありました(笑)。でも、今はITが得意な社会人になりました。「BabyBus」のYouTubeチャンネルのことも、最初、娘から教えてもらったんです。「今、こんなのが流行っているんだよ」って。
――新しいものに関しては、子どもの方がアンテナを張っていて、探求心がありますよね。
わだ:そうなんです。親は子どもの探求心を否定するのではなく、一緒に見て、一緒に楽しむようにしてほしいと思います。その方が、子どもが何に興味を持ち何を選択しているのかもよく分かるし、親子のコミュニケーションも深まります。それから、新しい技術はこれからどんどん進化していきます。技術が昔に戻ることはありません。
今、1~3歳のお子さんが二十歳になるころには2040年。どんな技術が社会の中心になっているか、誰も想像もできませんよね。これからを担っていくお子さんだからこそ、親が一緒に関われる小さい時期から、新しい技術にどんどん触れさせてそれを使いこなせるようにしていくのが良いと、私は思っています。
――その導入のひとつとしても、『タッチ!タッチ!』はとても親子の助けになる絵本ですね。
堤:そうですね。今まで絵本に多く触れてきて、YouTubeなどにちょっとネガティブな印象をお持ちの親御さんに手に取っていただき、絵本とYouTubeを同時に楽しむ新しい感覚を味わっていただきたいと思います。
河村:それと、BabyBusの思いとしては、すでにBabyBusをYouTubeで観ている方には、この絵本を手に取っていただき、「キキ」や「ミュウミュウ」たちと一緒にタッチして遊べるので、キャラクターをより身近に感じていただけるのではと思います。 さらに今までBabyBusを知らなかった方にも手に取って頂ければ、ネットにも良質な教育コンテンツがあることを知って頂くきっかけになってくれると思っております。
わだ:難しいこともたくさんおはなししましたが、『タッチ!タッチ!』はとても楽しい絵本ですので、お子さんといっぱい読んで、遊んで、YouTubeも観て、親子が仲良くなってほしいですね。
――ありがとうございました。
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