出会い頭でこんにちは。 2017年8月30日
「…おっと、あぶない! ごめんなさい!」
うちのオフィスがあるビルのトイレ。びっくりするくらい、経験のないくらい、毎回誰かとぶつかりそうになる。手を洗って、姿見でチェックして、トイレから出ようとする人と、トイレにこれから入ろうとする人が、まさに出会い頭で「あ!」となる。
気をつけて遠回りして入ってみたりするのだけど、油断するとすぐに「おっ!」となる。私だけなのかと思って聞いてみると、みんなが「ぶつかりそうになる」と言っている。動線の問題なのか、うちの会社の人はみんな上の空なのか。
ところが隣の会社の方も利用するので、割合的にはほぼ知らない方と「ひゃっ!」となり、気まずい挨拶を交わすことになるのです。
…あれ、これってもしかしてわざと?
だって、正面衝突のたびに顔を合わせるわけだし、そのたびに会釈をしたりして、時間帯があってくると、なんだか出会い頭馴染みができたりして。
「そんなコミュニケーション方法もあったのかー」
そんなわけないですよね。あぶないですから。
ついに正面衝突をしてしまった日には、勢いがつきすぎて相手の方とこんなことになってしまうことも…!?
どっしーん!
「いそげ いそげ、いそがなくっちゃ!」
うさぎくんが大きな木の角を曲がろうとしたら、鹿くんに「どっしーん!」とぶつかって…
あれれ、「うさしか」になっちゃった!?
ツノが生えたうさぎくん、なんだか頭が重いけど
「とにかく いそげ、いそがなくっちゃ!」
こんどはわにくんがやってきて「どっしーん!」
えーっ、こんどは「うさしかわに」!?
みんなは元にもどれるの?
ぶつかった動物の特徴が加わって、うさぎの姿がどんどん変化していくので「つぎどうなっちゃうの?」という期待感たっぷり。
だってぶつかるたびにツノがはえ、わにのウロコができ、しま模様になり羽根がついて…何だかおかしな姿になってしまうんですから。
「なにこれ、へんなの!」と子どもが大喜びする様子、目に浮かぶようです。
「どっしーん!」と激しい衝撃に、涙目になった動物たちがおかしくてかわいそうで、思わず大笑い。
ほら、よーく見るとシマウマなんか、歯が欠けちゃってますよ。
リズミカルな繰り返しは、幅広い年齢の子が好きになるポイント。
寝る前の「ひと笑い」にも、帰宅後に気分を変えるのにもおすすめです。
短い時間で、親子をあっという間に笑顔にしてくれる「お役立ち」になりそうなユーモラスな絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
それにしても。ひとの「どっしーん」を見るのはかなり面白い。
もとに戻る方法がまた最高に面白い。
いそげ、いそげもいいけれど。皆さんは、曲がり角と「トイレの入り口」は慎重に!
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磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
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