メガネをかければ見えてくる…? 2017年11月15日
どうもメガネとの相性が良くない(顔の構造上的にも)私にとって、学生時代からメガネとのエピソードは尽きない。
だんだん目が悪くなってきたから、仕方なくメガネをかけ始めたのが高校時代。学生は見えにくいものがあると困りますからね。でも、顔に何かをつけることになかなか慣れなくて、ちょこちょこはずします。耳や鼻が痛くなるのです。そうすると何が起こるかというと、「なくす」。そして、上から踏んで「こわす」。
よって、私にとっての高校生活は、
メガネが無事な時…調子がいい。
メガネが見つからない時、あるいは壊れているのに親に言えない時…情緒不安定。
となる。大袈裟でなく、思い返せば大体この二つの時期にあてはまったものです。そりゃ、セロテープで応急処置したメガネをしている女子高生の心中が堂々としているわけないですよね。今思えば、あまりにもメガネに対し消極的な自分が見えてきます。
どんなメガネが自分に似合うのか。
どんなものが見えにくいと困るのか。
今、目の前でオシャレにメガネを使いこなしている女性スタッフたちを見ていると、もっと積極的にメガネと付き合ってこれば良かったと思い直したりします。聞けば、そんなに視力が悪くなくてもメガネを上手く利用しているのです。
だって、こんな万能に見える神様たちだって、時にはメガネが必要みたい。
見えにくいものって思ったより沢山あるんですね、きっと。
人間たちと神様で大にぎわいなのは、出雲大社。
屋台がたくさん! お好み焼きや綿菓子、おめんやさんもあります。
今は10月。日本の古い言葉で神無月。
でも、出雲の国(島根県)でだけは、神在月と呼ばれます。
なぜなら、10月は日本中の神様が出雲に集まってくるから。
そこで、一年の出来事を話し合うんですって。
さてさてそんな中、トランク下げてやって来たのはめがねやさん。
早速一番乗りのお客さんが来ます。
「今年もたのむぞ めがねやさんよ
わしも すっかり としを とってのう
ちいさいものが みにくくていかん……」
そう言っているのは、虫の神様。
「ではこちらを」
めがねやさんが差し出しためがねをかけたかみさまは、驚きます。
どうやら見なくてはいけなかったものが、隅々まで見えるみたい!
そうして、風の神様、においの神様、おばけの神様、次々にやってきては、「そんなものまで見えちゃうなんて」っていう、ぴったりなめがねを売っていくのです。ハートの神様なんていう方もいますよ。ハートの神様が買ったメガネをかけると、どうやら恋人ふたりの相性が!?…そんなの欲しいです。
神様たちのお悩みを解決していっためがねやさん。
まさか、全国の神様が「めがね頼み」だったなんて、知らなかった事実ですよね。
大切な一日も終わり、みせじまい。おもむろにめがねをはずすと……。
嘘みたいな、でも本当にありそうなお話。
雲の上の存在だった神様が、ちょっと身近に感じられる(?)楽しいお話です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
今やコンタクトレンズも気軽に装着できるから、よく見えて便利。
でも、見えすぎるってこともあるのかな。だとしたら、好きな時にはずせるメガネの方が便利ってことも?
この絵本に登場する神さまたちは、今でもメガネ派なのかちょっと気になるところです。
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
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