【news】”宮沢賢治”と”元素”の関係は…?『宮沢賢治の元素図鑑 ―作品を彩る元素と鉱物―』
「どんぐりと山猫」「注文の多い料理店」「風の又三郎」」「やまなし」「雨ニモマケズ」…
小学生から大人まで、その童話や詩は、誰もが一度は触れたことがあることでしょう。
第158回の直木賞・芥川賞でも話題になった、宮沢賢治。
そんな賢治の作品を新たな視点でひも解く本が登場しました。
『宮沢賢治の元素図鑑 ‐作品を彩る元素と鉱物‐』
『宮沢賢治の元素図鑑 ‐作品を彩る元素と鉱物‐』
幼いころ「石っこ賢さん」とよばれたほど石に熱中した宮沢賢治が残した作品から,「元素」や元素の塊である「鉱物」に触れた文章を写真とともに紹介.
賢治の作品は国語教材として親しまれているものが多く,その文章中には多くの元素や鉱物が登場する.
たとえば,『やまなし』では,「水銀」「銀」「黄金」「金剛石」「水晶」.
これらを賢治の描く心象にふれる手がかりとして,文章とともに元素を解説.
作品以外にも,現在知られている118の元素すべてを取りあげた.科学者としての賢治の生涯をたどる.
<目次>
序章 宮沢賢治はどんな人?――石っこ賢さんの横顔
1章 石っこ賢さんと元素の世界――石から元素へ、そして元素周期表へ
2章 宮沢賢治の元素図鑑――元素と賢治の作品
水素/リチウム/炭素/窒素/酸素/フッ素/ネオン/ナトリウム/マグネシウム/アルミニウム/ケイ素/ほか
3章 元素と鉱物――鉱物から見いだされる元素
ヘリウム/ベリリウム/ホウ素/スカンジウム/ガリウム/ゲルマニウム/臭素/ルビジウム/ストロンチウム/ほか
4章 元素いろいろ――元素にまつわる豆知識
クリプトン/キセノン/ネオジム/プロメチウム/サマリウム/ユウロピウム/テルビウム/ジスプロシウム/ほか
◎コラム 元素発見の歴史と周期表/ゴッホと賢治
◎宮沢賢治年表/参考文献/元素別さくいん/鉱物別さくいん/作品別さくいん
■著者プロフィール
<著者>
桜井弘(さくらい ひろむ)
1942年京都市生まれ。1971年京都大学大学院薬学研究科博士課程修了。薬学博士。京都薬科大学名誉教授。専門は生命錯体化学、生命元素学、代謝分析学。『元素 118 の新知識』<講談社(2017)>、『元素検定』<化学同人(2011)>、『金属なしでは生きられない』<岩波書店(2006)>など、元素にまつわる数多くの編著書がある。
<写真協力>
豊遙秋(ぶんの みちあき)
1942年東京都生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程中退。理学博士。産業技術総合研究所 地質標本館 元館長。地質標本館をはじめ、東京大学、京都大学、秋田大学等の博物館所蔵の鉱物標本のデータベース化をすすめる。専門は鉱物学、鉱床学。多数の貴重な鉱物コレクションをもつ。著書に豊遙秋・青木正博、『検索入門 鉱物・岩石』<保育社(1996)>など。
ブーム再び!宮沢賢治作品
第158回の直木賞受賞作『銀河鉄道の父』(門井慶喜、講談社刊)と、芥川賞受賞作『おらおらでひとりいぐも』(若竹千佐子、河出書房新社刊)。
どちらも賢治にまつわる書名であることで、話題になりました。
『宮沢賢治の元素図鑑』のフィルターを通して作品を読み解くことで、今、再び脚光を浴びている賢治の描いた世界は、さらに広がりを見せるのではないでしょうか。
科学者としての顔も持つ賢治。
その作品のなかには、驚くほど多くの元素や鉱物が登場しています。
元素や鉱物を、賢治の描いた心象風景をひも解く手がかりに、
また賢治作品を通して、元素という科学の分野にもアプローチできる一冊。
すでに読んだことのある賢治の世界を、
この本を通して、もう一度のぞいてみませんか。
「宮沢賢治童話の世界」特集
元素・鉱物の図鑑
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