自己受容とは?できない原因や子どもの自己肯定感を高める方法を解説
子どもの自己肯定感を高めるために、自己受容は欠かすことができない大切なステップです。また、自己受容に関する理解を深めることで、子どもへの接し方や教育で大切なポイントがわかります。
本記事では、自己受容の意味や影響、できない原因を解説したうえで、子どもの自己受容をサポートし、自己肯定感を高める方法について解説します。
自己受容とは?
一般的に、自己受容は「ありのままの自己を受け入れること」と定義されています。「ありのままの自己」には、自分の長所だけでなく、短所も含みます。
外見や内面、取り巻く環境など、自分という人間を見つめ直すと、よいところだけでなく悪いところも認識するでしょう。できないことや認めたくない部分も含めて、現在の自分を丸ごと受け入れるのが「自己受容」です。
そして、自己受容は、自己肯定感の土台となる重要な要素のひとつです。自己肯定感とは、ありのままの姿を認め、自分の体の特徴や性格、能力などに関して肯定的に考える感情を指します。
自己肯定感は、人間関係の構築や社会活動など、さまざまな場面で影響を与えます。そのため、子育てにおいても、幼少期から自己肯定感を育むことが大切です。
なお、年齢や成長によって、自己受容できる内容は異なります。子どもの頃だけでなく、大人になっても自己と向き合い、ポジティブな面もネガティブな面も受け入れていく必要があります。
自己受容することによって起きる影響
自己受容ができると、以下のような影響が生じます。
・自尊心をもつ
・自己肯定感につながる
・心に余裕ができて他人に対して優しくなる(他者受容)
・自己コントロールができる
・自主性・自発性が生まれる
「自己受容ができた」とは、こうありたい「自己」と現実の「自我」が一致している状態です。ありのままの自分を認めることで、「このままでいいんだ」という自信が生まれ、自分自身を尊重しようとする自己肯定感につながります。
心に余裕ができるため、他人に対して優しく寛容でいられるようになり、良好な対人関係を築きやすくなります。さらに、「自分でやってみよう」という自主性・自発性も生まれます。
自己受容できない原因
「自分には無理」や「自分には価値がない」など自己否定感が強いのは、自己受容ができていない人の特徴です。
親から虐待を受けたり、強く否定されたりした経験がある人や、いじめ体験などで心が傷ついたことのある人は、ありのままの自分を受け入れられない傾向にあります。
たとえば、次の項目に当てはまる場合、自己受容ができていない状態だといえます。
・他人の目を気にしすぎている
・周囲の言動に同調しようとする
・見栄を張っている
・他人から注意されると落ち込んでしまう
・自分のペースを乱されると苛立ってしまう
自己肯定感を高めるためには、自己受容ができた状態でなければなりません。まず、自己否定のループから脱却し、ありのままの自分を認め、自己肯定の基礎を固める必要があります。
子どもの自己受容を育む方法
子どもの自己受容をサポートするうえで、知っておきたい4つのポイントを紹介します。
子どもの言動を頭ごなしに否定しない
子どもの行動や言動に対して、否定的な言葉をかけないように気をつけましょう。
たとえば、兄が弟のおもちゃを取ってしまったとき、「貸してあげたらいいのに、意地悪ね!」という声かけをしたことはないでしょうか。親としては悪意なく選んだ言葉でも、人格や能力を否定する言葉は、子どもの心を傷つけてしまう可能性があります。
「仲良く遊ぶためには、どうしたらいい?」、「弟はどうして泣いているのかな?」など、前向きな言葉で言い換えるように心がけましょう。
いいこってどんなこ?
子ウサギのバニーは、いろいろなことが心配になって、次々にお母さんに質問します。
でも、お母さんはいつも子どもをまるごと受け入れて、「いまのまんまのバニーが大好き」といってくれます。お母さんたちに大人気の絵本。
たいせつなこと
1949年にアメリカで出版されて以来、読みつがれてきた絵本です。「たいせつなこと」とはなにかを、やさしく詩的な文章で語りかけます。
兄弟姉妹や他人と比較しないようにする
どんな人でも、自分のコンプレックスや劣等感を感じる部分はあるでしょう。
「〇〇ちゃんは勉強ができるのに、どうしてあなたはできないの?」、「お兄ちゃんみたいに、ちゃんとしなさい!」など、子どもを兄弟姉妹や他人と比べて評価してはいけません。
できないことや劣っている点は、誰よりも本人がよくわかっています。長所も短所も含めて「自分」であることを伝え、自分と向き合っていけるようにサポートしてあげましょう。
わたしとなかよし
世界中で大人気!ナンシー・カールソンの翻訳絵本 第二弾の登場です。
人づきあいの第一歩は、まず、自分を好きになること。親友はわたし自身。
わたしには、すてきなともだちがいるの。それはね・・・わ、た、し、!
自分を大事にすることの大切さを教えてくれる絵本です。
子どもに対する愛情を伝える
子どもの自己受容を高め、自己肯定感を育てるためには、親からの愛情をしっかり伝えることが重要です。「愛されている」という安心感があると、子どもはありのままの自分を受け入れられるようになります。
普段のコミュニケーションはもちろん、誕生日など特別な日にはしっかりとお祝いをし、「愛している」ことを直接伝えるようにしましょう。
あなたがとってもかわいい
子を思う親の普遍的な愛を描いた絵本
いつもとってもかわいい赤ちゃんの顔。泣いた顔、笑った顔、あくびしたりくしゃみした顔、うんちの時の真っ赤な顔。大きくなった今も、少しも変わらない。“あなたがとってもかわいい”母親の大きな愛を描いた心あたたまる絵本。
子どもを信頼・応援する
親子間の信頼関係は、子どもの心理的健康に影響を与えます。一方的に叱るばかりではなく、時には見守り、必要な場合は手を差し伸べられる親を目指しましょう。
ルールや決め事で縛るより、子どもを信頼し、ある程度の自由を与えることが大切です。
親に限らず身近な友人など、重要な他者と信頼関係を形成できている子どもは、精神的に安定し、何事にも前向きに向き合えるようになります。
びんから だしてごらん
きもちに振り回されるのがいやなルウェリンは、わき起こるきもちをびんに入れてしまい込み、ついに何も感じなくなります。ところがある日、親友マックスの一言を引き金に、再びきもちがあふれ出し、しまっていたびんが割れて…。前作『びんに いれてごらん』と対になる本作のテーマは、自己受容。ありのままの自分を受け入れることの大切さ、感情や感覚が動くことで、人生がより彩り豊かになるということを伝えるストーリー。
子どもの自己受容をサポートして自己肯定感を高めてあげよう
子どもが健やかに成長するうえで、自己受容は重要なポイントです。
自己受容とは、自己肯定感を高めるための土台であり、自分のよい点も悪い点もすべて受け入れることをいいます。
親が子どもに対して無条件の愛を与え、信頼することで、子どもは自然と自分自身を受け入れるようになるでしょう。
ただし、自己受容をサポートするための受け入れと甘やかしは異なります。子どもがいけないことをした場合には叱り、繰り返さないように導く必要があります。甘やかすばかりにならないように注意しつつ、叱り方も意識して子どもをサポートしていきましょう。
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