【ランキング】2020年6月の児童書売上ランキングBEST10は?
今、絵本ナビで売れている児童書は? 話題になっているのはどんな本? なかなか見えづらい児童書の売れ傾向ですが、少しでも旬の情報をお伝えできるよう、1ケ月分のランキングを発表していきます。
さて2020年6月も、ランキングに入った作品は、昔から読み継がれているロングセラー作品や名作が多かったのですが、5月のランキングと比べてみると、順位がさまざま入れ替わりました。またベスト10入りは逃すとも、新刊で動きの良い作品もありますので、丁寧にご紹介していければと思います。今回も、記事の最後に「6月のおすすめ新刊情報」をご紹介します。そろそろ夏休みに読む本の候補としてもチェックしてみて下さいね。
2020年6月の児童書売上ランキングBEST10【2020/6/1~6/30】
5、6、7歳の子に読んで聞かせてあげたい、幼年童話の最高峰!
みどころ
さあ、リュックサックに道具をつめて、エルマーと一緒に冒険の旅に出発しよう!
これは僕の父さん、エルマーが小さかった頃のある冒険のお話です。ある雨の夜、エルマーは、年取ったのらねこから、「どうぶつ島」に捕らえられているかわいそうなりゅうの話を聞きます。りゅうは、空の低いところに浮いていた雲から落っこちてきたちっちゃな子どものりゅうで、ジャングルの猛獣たちに捕まえられて、川を渡るために働かされているというのです。
エルマーは、すぐに助けに行こうと決心します。早速ねこにどうぶつ島のことや、持っていくものを教えてもらい、旅の準備に取り掛かります。エルマーがリュックサックにつめたのは、「チューインガム、ももいろのぼうつきキャンデー二ダース、わゴム一はこ、くろいゴムながぐつ、じしゃくが一つ、はブラシとチューブいりはみがき‥‥‥」などなどたくさんの道具。そして「どうぶつ島」へと繋がる「みかん島」行きの船に忍び込んだエルマーは、六日六晩たってようやく「みかん島」へ。ここで食料のみかんをリュックいっぱいに詰め込んで、夜の間に「どうぶつ島」へと渡ります。
「どうぶつ島」へ着くと、早速りゅうがつながれている川を探しに、気味の悪いジャングルの中を歩いていくエルマー。ジャングルでは、おかしな喋り方をするねずみや、うわさ好きのいのししに出くわしたり、とら、さい、ライオンなど恐ろしい猛獣たちにつぎつぎと出くわします。猛獣たちはたいていお腹をすかせていて、食べられそうになることもしばしば。さてエルマーは、どんな風に猛獣たちの危険をくぐり抜け、どうやってりゅうを助け出すのでしょうか?
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続けて読みたい、エルマーとりゅうのとびきりの冒険と友情の物語。
はじめての探偵物語との出会いにおすすめ
みどころ
9歳のネートは探偵です。
今日もネートの元に1本の電話が入りました。
仲良しの女の子アニーから、なくなった絵を探してほしいとの依頼です。
すぐにアニーのところへ駆けつけるネート。
まず、アニーの話をじっくり聞き、部屋の中をくまなく調べます。
次に、その絵を見た他の人たちー仲良しのロザモンド、弟のハリー、犬のファングについて丁寧に調査していきます。
はたしてネートは、アニーのなくなった絵を発見することができたのでしょうか。
一見、すぐに解けそうと思わせておきながら、意外になかなか解けないナゾの面白さと、ネートのツボを押さえた探偵ぶりに子どもも(大人も!)たちまち心を掴まれてしまいます。
また9歳という年齢でありながら、どんなナゾが来ても常に落ち着き、周りから頼りにされているネート。子どもたちは、自分と同じぐらいの年齢の子の活躍とカッコよさにたちまち憧れてしまうのではないでしょうか。一方でパンケーキが大好物で、気が付けばいつもパンケーキを食べているところには親しみを感じてしまいますね。
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シリーズ全巻セットや、Aセット、Bセット、Cセットもよく動いた月でした。
第3位は、同数の売れで2作品が並びました。
声に出して読むと楽しさ倍増です。
みどころ
ドドさん夫婦の家の壁と壁のすき間に住む、おかあさんねずみと、四ひきの子ねずみ。そのうち四ひき目は、「やかましやのヤカちゃん」とよばれていました。
どうしてこんな名前がついたかって?
それはね…このヤカちゃん、とてつもなく声が大きかったからなんです。
たとえばこんな風。おかあさんねずみが、ドドさん夫婦に存在を気づかれないよう「けっして音をたててはいけない」と注意している時も「うん、わかったよ、おかあさん」と答える声のなんと大きいこと!他にもおかあさんねずみの注意に対して、全部うんと大きな声で答えるヤカちゃんのお返事の繰り返しが何とも愉快でたまりません。でもお返事のしかたから、ヤカちゃんがとっても素直でまっすぐで良い子だということが伝わってきて、どんどんヤカちゃんを応援したくなってしまいます。けれどもやっぱりその大きな声のせいで、ドドさん夫婦の家にねずみがいることがばれてしまって…。ここからドドさん夫婦のねずみ退治作戦が始まります。ドドさん夫婦とヤカちゃんの対決の結末やいかに…?
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心が和む、40年以上読み継がれる幼年童話の傑作
みどころ
仲良しのかえる、がまくんとかえるくん。ふたりの間で繰り広げられるのは、濃くて、可笑しくて、ちょっぴり切ない……様々な愛すべきエピソード。アーノルド・ローベルの「がまくんとかえるくん」シリーズは幼年童話の傑作として、子どもから大人まで、たくさんの人たちに40年以上も愛され続けています。
そのシリーズ第1作目が『ふたりはともだち』、5つのお話が収録されています。
春が来たからと大急ぎでがまくんの家に走っていき、「おきなよ!」と大きな声で呼びたてるかえるくん。お日さまがきらきらして、雪も溶け、新しい一年がはじまったかと思うと、いてもたってもいられないのです。ところが、がまくんは布団の中。もう少し寝ていたいのです。11月から眠っているがまくんは「5月半ば頃にまた起こしてくれたまえよ。」なんて言うのです。そこで、かえるくんは……?
がまくんを外に連れ出して遊ぶためなら頭の回転だって早くなるかえるくんと、カレンダーに合わせて簡単に5月だと思い込んでしまうがまくん。最初のお話「はるがきた」で、幼さと可笑しさがたっぷり詰まったふたりのキャラクターを存分に味わうことができます。
続く「おはなし」と「なくしたボタン」では、それぞれのやり方でお互いを思いやっている様子(大いに巻き込みながらね)を、「すいえい」ではちょっぴりブラックな面をのぞかせつつ、思いっきり笑えるエピソードを披露してくれます。
すっかりふたりの世界観に夢中になった頃、登場するのが最後の「おてがみ」です。
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第5位 『はれときどきぶた』
続きも楽しい。どんどん読もう!
第6位 たんたのたんけん
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第7位も、同数の売れで2タイトルが並びました。
第7位 大きい1年生と小さな2年生
みどころ
体は大きいけれど弱虫の1年生のまさやと、体は小さいけれどしっかり者でけんかも強い2年生のあきよ。このお話に出会う子どもたちは、それぞれどちらにより共感するでしょうか?
1年生になったばかりのまさやは家から学校までの「がけのあいだのみち」がこわくて仕方がありません。狭くて暗いし、木はしげっているし、時々カラスも鳴いていてこわいのです。けれどもお母さんからひとりで学校へ行くのよ、と言われ困っていると、次の日、2年生のあきよを含めた子どもたち四人が迎えにやってきて、まさやはあきよに手をつないでもらって登校するようになります。まさやはあきよがいるだけで心強い気持ちになり、だんだんあきよの強さとしっかりとした様子に憧れるようになります。その一方であきよもまた、まさやを見守ることによって、体は小さくても自分は大きいのだという自信が湧いてくるのでした。
そんなある日、事件が起こります。
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第7位 『なぞなぞのすきな女の子』
みどころ
なぞなぞ遊びは好きですか? 答えるのも楽しいけれど、なぞなぞを出すのも楽しいですよね。特に答えられないような、なぞなぞが出せたら!
この本は、そんな、なぞなぞが大好きな女の子が主人公のお話です。女の子は、一緒に遊べるお友達を探しに森に出かけ、はらぺこオオカミと出会います。お母さんとなぞなぞ遊びをいつもしている女の子は、オオカミにぴったりの、何やら長いなぞなぞを出しました。オオカミは一生懸命考えるのですが、長いなぞなぞに、答えがいっぱい出て来てしまい…あらら? なぞなぞの答えは一つ、ですよね。さあ、オオカミは答えられるでしょうか?
いい考えを出すには、手を頭にあてて目をつぶって考えるといいのよと、アドバイスする女の子。オオカミが目をつぶって考えているうちに、逃げてきてしまうなんて、何て頭がいいんでしょう! 間が抜けたオオカミとおりこうな女の子の楽しいお話が2話入っています。オオカミの表情がユーモラスで、くすくす笑ってしまいそうですね。(そうそう、女の子のお母さんのなぞなぞの出し方もとてもすてきなので、こちらにも注目下さいね。)
本の見返しにも、楽しいなぞなぞがたくさんのっているので、ぜひお子さんと挑戦してみてくださいね。このお話はもともと、作者の松岡享子さんが、人形劇のために作ったそうですよ。手袋や布でオオカミ、女の子、うさぎなどを作って演じてみても、楽しそうですね。
第9位も同数の売れで2タイトルが並びました。
第9位 はじめてのキャンプ
第9位 『ふらいぱんじいさん』
みどころ
まるくてくろくてにっこり顔のこのお方はいったいだれでしょう? みんなの家の台所にもきっとあるはず。このお話はあるお家のふらいぱんのふらいぱんじいさんが旅に出るお話です。なぜ旅に出るようになったかって!?それはこういうわけなんです。
ふらいぱんじいさんは、たまごを焼くのが大好きでした。
けれどもある日、おくさんが新しい目玉焼きなべを買ってきて、たまごを焼かせてもらえなくなってしまいます。
そこで、ふらいぱんじいさんは旅に出ることにしました。
「そうだ、ひろい よのなかに でれば、
この わしだって、なにか
やれそうなものだ。よし、でかけよう。
あたらしい せかいで、だれかが わしを
まっているかもしれない。」
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こちらも売れてます! 注目の新刊や話題作
新刊や話題作で動きの良かった作品をご紹介します。
フランスの国民的キャラクターが装いも新たに日本に再上陸!
フランスの小学生プチ・ニコラと、愉快な学校の仲間たちが織り成すエスプリの効いた「くすっと笑える話」が
たくさん詰まった全5巻シリーズが、この度、装いも新たに日本に再上陸いたします!
各巻の中に約20話を収録、一話がおよそ10分程度で読めるため、子どもの朝の10分間読書、おうちでの楽しい読書に最適です。
朝一番にプチ・ニコラのお話を読めば、その日一日が元気で明るい日になること間違いなし!
フランスの小学生の文化も身近に感じることができ、国境を越えた想像力や好奇心を育むことでしょう。
また、かつて子どもだったあなたにも、プチ・ニコラは語りかけてきます。
フランス文学ならではの様々な含意も丸ごと楽しめるのは、元少年・少女だった方かもしれません。
ぜひプチ・ニコラの世界をお楽しみください。
今年の課題図書(中学年の部)ですが、課題図書の中で、6月の1番人気作品となりました!
北極と南極、どちらが寒い? 氷の量はどちらが多いの? どんな動物がいるの? ふたつの極地をくらべると、にているようで、ちがうところがいっぱい! 北極・南極のすばらしさにふれながら、地球のことを見つめよう。
それでは最後に2020年6月の新刊の中から、おすすめの作品をご紹介します。
2020年6月のおすすめ新刊情報(小学生から中高生向けの新刊です)
秋山朋恵(絵本ナビ 児童書担当)
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