【ランキング】2021年5月の児童書売上ランキングBEST10は?
今、絵本ナビで売れている児童書は? 話題になっているのはどんな本? なかなか見えづらい児童書の売れ傾向ですが、少しでも旬の情報をお伝えできるよう、1ケ月分のランキングを発表していきます。さて、2021年5月のランキングにはどんな本が入ったのでしょう? いつも通り、ロングセラーが多めではあるものの、ラインナップの入れ替えが結構あったようです。ランキングと合わせて5月のおすすめ新刊情報もありますので、最後までご覧ください。
2021年5月の児童書売上ランキングBEST10【2021/5/1~5/31】
第1位は、7ケ月連続1位の『ふたりはともだち』。根強い人気です。
みどころ
仲良しのかえる、がまくんとかえるくん。ふたりの間で繰り広げられるのは、濃くて、可笑しくて、ちょっぴり切ない……様々な愛すべきエピソード。アーノルド・ローベルの「がまくんとかえるくん」シリーズは幼年童話の傑作として、子どもから大人まで、たくさんの人たちに40年以上も愛され続けています。
そのシリーズ第1作目が『ふたりはともだち』、5つのお話が収録されています。
春が来たからと大急ぎでがまくんの家に走っていき、「おきなよ!」と大きな声で呼びたてるかえるくん。お日さまがきらきらして、雪も溶け、新しい一年がはじまったかと思うと、いてもたってもいられないのです。ところが、がまくんは布団の中。もう少し寝ていたいのです。11月から眠っているがまくんは「5月半ば頃にまた起こしてくれたまえよ。」なんて言うのです。そこで、かえるくんは……?
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手元に置いておくなら箱入り4冊セットで♪ 嬉しいクリアファイル付き
はたしてウォートンは食べられてしまうのでしょうか? ハラハラドキドキが止まりません!
みどころ
一匹のヒキガエルが、ある冬の日に恐ろしいミミズクにつかまって、誕生日に食べられる!?
長い間、小学校国語の教科書にも取り上げられているこちらのお話。大人の方にはあっと懐かしく感じられた方も多いのではないでしょうか?1982年に日本で初めて刊行された後、2008年に訳を新たに装丁も大きく変わり、さらに読みやすく手にとりやすくなりました。
土の中で暮らしているヒキガエルのきょうだい、ウォートンとモートン。ある日ウォートンはモートンが作った美味しい砂糖菓子をおばさんに届けるため、寒い雪道をスキーで出かけます。しかし途中で足をケガして、たちの悪いミミズクにつかまってしまうのでした。ミミズクは6日後の自分の誕生日の特別なごちそうとして、ウォートンを食べるといいます。けれどもウォートンとミミズクは毎晩、お茶を飲んでたくさんおしゃべりをするように。もしかしたらミミズクの気が変わるかも?と淡い期待を持つウォートンとともに読者である私たちもウォートンがどうか食べられませんように、と祈らずにはいられません。そうするうちにもミミズクは、カレンダーの日付を1日1日「×」で消していき、誕生日はどんどん近づいて…。果たしてウォートンは食べられてしまうのでしょうか?
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夏の読書にもおすすめ。意外に難しいナゾ解きが楽しいシリーズ!
みどころ
9歳のネートは探偵です。
今日もネートの元に1本の電話が入りました。
仲良しの女の子アニーから、なくなった絵を探してほしいとの依頼です。
すぐにアニーのところへ駆けつけるネート。
まず、アニーの話をじっくり聞き、部屋の中をくまなく調べます。
次に、その絵を見た他の人たちー仲良しのロザモンド、弟のハリー、犬のファングについて丁寧に調査していきます。
はたしてネートは、アニーのなくなった絵を発見することができたのでしょうか。
一見、すぐに解けそうと思わせておきながら、意外になかなか解けないナゾの面白さと、ネートのツボを押さえた探偵ぶりに子どもも(大人も!)たちまち心を掴まれてしまいます。
また9歳という年齢でありながら、どんなナゾが来ても常に落ち着き、周りから頼りにされているネート。子どもたちは、自分と同じぐらいの年齢の子の活躍とカッコよさにたちまち憧れてしまうのではないでしょうか。一方でパンケーキが大好物で、気が付けばいつもパンケーキを食べているところには親しみを感じてしまいますね。
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全17巻のセットも人気です。
第4位 『たんたのたんけん』
誕生日に舞い込んだ「たんけんの地図」。たんたと一緒にたんけんに出かけよう!
みどころ
「きのうは まえの日
きょうは ほんとの日
いよいよ ぼくの
たんじょう日」
八月二十九日は、「たんの・たんた」の五歳のお誕生日。たんたが朝飛び起きて窓を開けると、白いふうとうが飛びこんできました。開けてみると、曲がりくねった太い線と細い線や三角や丸、矢印が。どうやら、たんけんの地図のようです。
早速たんたは、たんけんに出かける準備を進めます。向かったのは、ぼうしやさんと、おかしやさんと、おもちゃやさん。たんけんに必要なものを探していきますが、あれあれ? いちいちたんたの真似をして後からついてくるのはいったい誰なのでしょう? その子に気づかないまま、準備が整ったたんたは、たんけんにいざ出発します。 向かう先は、地図に書いてあった「ライオン山」。松の木に登ったり、しっぽ川を飛び越えたり。夢中で進むたんたの後ろをちゃあんとさっきのかわいい子が真似しながらついてきていて‥‥‥。
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第5位 『新・名作の愛蔵版 チョコレート戦争』
子どもたちの名誉をかけた戦い。結果はいかに‥‥‥!?
みどころ
すずらん通りにある町いちばんの洋菓子屋さん、金泉堂。
特に、ショートケーキ、シュー・ア・ラ・クレーム、エクレールなどは舌もとろけそうなうまさで、金泉堂の洋菓子をいくつたべたかが、子どもたちのじまんの種にもなっているという憧れのお店です。その金泉堂と子どもたちの間で何やらトラブルが?!
それは、光一と明が学校の帰り道に金泉堂に立ち寄った時のこと。2人がショーウインドーに飾ってあるチョコレートのお城をのぞいていると、いきなり目の前のガラスが割れて、出てきたお店の人に犯人扱いされてしまうのです。支配人、そして社長の谷川金兵衛氏の前に連れていかれる2人。「やっていない」といくら言っても信じてもらえず、ただひとり信じてくれたのは、桜井先生という若い女の先生だけでした。
くやしくて気がおさまらない光一は、金泉堂の大事な看板であるチョコレートのお城を盗む計画を立てます。そう、これは子どもたちの名誉をかけた戦いなのです。
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第6位は、同数の売れで2タイトルが並びました。
第6位 『先生、しゅくだいわすれました』
「宿題をできなかった理由」を考えるのってむずかしい‥‥‥。読書感想文向けにも大人気の1冊!
みどころ
ある朝、宿題を忘れてしまったゆうすけくん。
このままだと、先生に「追加の宿題」をさせられる!
とっさに、おなかが痛くて宿題ができなかったとウソをつきますが、話すうちにどんどんボロが出て、結局バレてしまいました。
「ウソつくなら、すぐばれるようなのはだめだよ。もっと、ばれないようなので、それから、聞いた相手が楽しくなるようなのじゃなくちゃ」
そう言ってニヤリと笑う、えりこ先生。
それなら、よーし、見てろよ!
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第6位 『なぞなぞのすきな女の子』
なぞなぞの楽しさがたっぷり詰まったお話
みどころ
なぞなぞ遊びは好きですか? 答えるのも楽しいけれど、なぞなぞを出すのも楽しいですよね。特に答えられないような、なぞなぞが出せたら!
この本は、そんな、なぞなぞが大好きな女の子が主人公のお話です。女の子は、一緒に遊べるお友達を探しに森に出かけ、はらぺこオオカミと出会います。お母さんとなぞなぞ遊びをいつもしている女の子は、オオカミにぴったりの、何やら長いなぞなぞを出しました。オオカミは一生懸命考えるのですが、長いなぞなぞに、答えがいっぱい出て来てしまい…あらら? なぞなぞの答えは一つ、ですよね。さあ、オオカミは答えられるでしょうか?
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こちらも合わせておすすめ
第8位は、同数の売れで3タイトルが並びました。
第8位 『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂(2)』
毎回どんな駄菓子が登場するのかワクワクするシリーズ。現在15巻まで刊行中です!
出版社からの内容紹介
駄菓子屋を舞台にした不思議なお話 全6話
紅子のふしぎな駄菓子を買った人々は、その運命を大きく翻弄される。はたしてその結末は、天国か、地獄か? 六話収録。
第8位 『番ねずみのヤカちゃん』
声の大きいヤカちゃん、大活躍!?
みどころ
ドドさん夫婦の家の壁と壁のすき間に住む、おかあさんねずみと、四ひきの子ねずみ。そのうち四ひき目は、「やかましやのヤカちゃん」とよばれていました。
どうしてこんな名前がついたかって?
それはね…このヤカちゃん、とてつもなく声が大きかったからなんです。
たとえばこんな風。おかあさんねずみが、ドドさん夫婦に存在を気づかれないよう「けっして音をたててはいけない」と注意している時も「うん、わかったよ、おかあさん」と答える声のなんと大きいこと!他にもおかあさんねずみの注意に対して、全部うんと大きな声で答えるヤカちゃんのお返事の繰り返しが何とも愉快でたまりません。でもお返事のしかたから、ヤカちゃんがとっても素直でまっすぐで良い子だということが伝わってきて、どんどんヤカちゃんを応援したくなってしまいます。けれどもやっぱりその大きな声のせいで、ドドさん夫婦の家にねずみがいることがばれてしまって…。
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第8位 『まほうのじどうはんばいき』
もし、なんでも欲しいものが、じどうはんばいきから出てきたら…!?
読売童話コンテスト優秀賞受賞!
魔法のような自動販売機に出会った少年の成長ストーリー
こうへいが見つけた変わった自動販売機。ボタンを押すと、そのとき必要なものが何でも出てくる。しだいに販売機に頼っていくこうへいを心配したお母さんが、ボタンを押したことで、突然販売機が姿を消してしまった!
続編もおすすめ!
惜しくもベスト10入りは逃したものの、人気急上昇中の新刊をご紹介します。
2012年度の課題図書で話題となった『ココロ屋』の第2弾。読書感想文向けにもおすすめです。
クラスのちかこに意地悪された。負けたくない。ココロを入れかえたい! すると、ひろきくんが話していた「ココロ屋」がやってきた。わたしは、自分のココロを「意地悪なココロ」に入れかえてもらった。さっそく、ちかこに意地悪をした。とても気持ちいい。いくらでも意地悪できそうだ。クラスの子、お母さん、妹にまで意地悪してしまった。もういやだ。
ココロ屋で「ダメなココロ」に入れかえてもらった。何にもすることができないので、ダメな「ダメなココロ」みたいだ。何にも考えたくない。
つぎにココロ屋で「空っぽなココロ」に入れかえてもらった。何にも考えなくてもいい。
でも、ココロは空っぽではいられない。小さなタネが「空っぽなココロ」で育ってきた。ナヤミノタネという種類だった。
ココロ屋に元の自分のココロと入れかえてもらい、考えた。ちかこから意地悪されたように感じただけかもしれない。人によって感じ方は違うんだ。でも、意地悪されるのはいやだ。なやみは解決できない。しかし、そうやってココロは成長していくのかもしれない。
2012年度青少年読書感想文全国コンクール課題図書「ココロ屋」の第2弾。
最後に2021年5月の新刊の中から、おすすめの作品をご紹介します。
2021年5月のおすすめ新刊情報(小学生から中高生向けの新刊です)
秋山朋恵(絵本ナビ 児童書担当)
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