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月別児童書ランキングBEST10

【ランキング】2021年4月の児童書売上ランキングBEST10は?


今、絵本ナビで売れている児童書は? 話題になっているのはどんな本? なかなか見えづらい児童書の売れ傾向ですが、少しでも旬の情報をお伝えできるよう、1ケ月分のランキングを発表していきます。
さて、2021年4月のランキングにはどんな本が入ったのでしょう? 新学期ならではのお話も人気があったようですが、ベスト10に入ったのはやっぱり‥‥‥!?
今月も記事の最後には、4月のおすすめ新刊情報も掲載。児童書の情報満載でお届けします。

2021年4月の児童書売上ランキングBEST10【2021/4/1~4/30】

第1位は、6ケ月連続で第1位の『ふたりはともだち』。根強い人気です。

ふたりはともだち

みどころ

仲良しのかえる、がまくんとかえるくん。ふたりの間で繰り広げられるのは、濃くて、可笑しくて、ちょっぴり切ない……様々な愛すべきエピソード。アーノルド・ローベルの「がまくんとかえるくん」シリーズは幼年童話の傑作として、子どもから大人まで、たくさんの人たちに40年以上も愛され続けています。

そのシリーズ第1作目が『ふたりはともだち』、5つのお話が収録されています。

春が来たからと大急ぎでがまくんの家に走っていき、「おきなよ!」と大きな声で呼びたてるかえるくん。お日さまがきらきらして、雪も溶け、新しい一年がはじまったかと思うと、いてもたってもいられないのです。ところが、がまくんは布団の中。もう少し寝ていたいのです。11月から眠っているがまくんは「5月半ば頃にまた起こしてくれたまえよ。」なんて言うのです。そこで、かえるくんは……?

がまくんを外に連れ出して遊ぶためなら頭の回転だって早くなるかえるくんと、カレンダーに合わせて簡単に5月だと思い込んでしまうがまくん。最初のお話「はるがきた」で、幼さと可笑しさがたっぷり詰まったふたりのキャラクターを存分に味わうことができます。

続く「おはなし」と「なくしたボタン」では、それぞれのやり方でお互いを思いやっている様子(大いに巻き込みながらね)を、「すいえい」ではちょっぴりブラックな面をのぞかせつつ、思いっきり笑えるエピソードを披露してくれます。

すっかりふたりの世界観に夢中になった頃、登場するのが最後の「おてがみ」です。

悲しそうな顔で玄関にすわっているがまくん。なんでも「もらったことのないお手紙を待つ時間」なんだと言うのです。それを聞いたかえるくんは、がまくんに内緒でお手紙を書くことにします。ところが、配達を頼んだのがかたつむりくんだったので……。

国語の教科書に採用されたことで、今では多くの子どもたちに知られているのがこのお話。いずれ届くことも、その内容までもわかっているお手紙をじっと待つがまくんとかえるくん。その幸せそうな様子に、「手紙」の持つ力を感じずにはいられませんよね。

シリーズ4冊。がまくんとかえるくんのキャラクターを知れば知るほど、どのお話も読み返したくなる珠玉のエピソードばかり。日本では三木卓さんの翻訳で楽しむことができます。

 

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

こちらも大人気のたんてい物語。ネートと一緒にナゾを解こう!

ぼくはめいたんてい(1) きえた犬のえ(新装版)

みどころ

9歳のネートは探偵です。
今日もネートの元に1本の電話が入りました。
仲良しの女の子アニーから、なくなった絵を探してほしいとの依頼です。

すぐにアニーのところへ駆けつけるネート。
まず、アニーの話をじっくり聞き、部屋の中をくまなく調べます。
次に、その絵を見た他の人たちー仲良しのロザモンド、弟のハリー、犬のファングについて丁寧に調査していきます。
はたしてネートは、アニーのなくなった絵を発見することができたのでしょうか。

一見、すぐに解けそうと思わせておきながら、意外になかなか解けないナゾの面白さと、ネートのツボを押さえた探偵ぶりに子どもも(大人も!)たちまち心を掴まれてしまいます。
また9歳という年齢でありながら、どんなナゾが来ても常に落ち着き、周りから頼りにされているネート。子どもたちは、自分と同じぐらいの年齢の子の活躍とカッコよさにたちまち憧れてしまうのではないでしょうか。一方でパンケーキが大好物で、気が付けばいつもパンケーキを食べているところには親しみを感じてしまいますね。

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こんな楽しい登場人物が出てくるよ♪

第3位は、同数の売れで4タイトルが並びました。

第3位 『番ねずみのヤカちゃん』

声の大きいヤカちゃんが大活躍!

番ねずみのヤカちゃん

みどころ

ドドさん夫婦の家の壁と壁のすき間に住む、おかあさんねずみと、四ひきの子ねずみ。そのうち四ひき目は、「やかましやのヤカちゃん」とよばれていました。
どうしてこんな名前がついたかって?

それはね…このヤカちゃん、とてつもなく声が大きかったからなんです。

たとえばこんな風。おかあさんねずみが、ドドさん夫婦に存在を気づかれないよう「けっして音をたててはいけない」と注意している時も「うん、わかったよ、おかあさん」と答える声のなんと大きいこと!他にもおかあさんねずみの注意に対して、全部うんと大きな声で答えるヤカちゃんのお返事の繰り返しが何とも愉快でたまりません。でもお返事のしかたから、ヤカちゃんがとっても素直でまっすぐで良い子だということが伝わってきて、どんどんヤカちゃんを応援したくなってしまいます。けれどもやっぱりその大きな声のせいで、ドドさん夫婦の家にねずみがいることがばれてしまって…。

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第3位 『なぞなぞのすきな女の子』

なぞなぞの楽しさがたっぷり詰まった1冊

なぞなぞのすきな女の子

みどころ

なぞなぞ遊びは好きですか? 答えるのも楽しいけれど、なぞなぞを出すのも楽しいですよね。特に答えられないような、なぞなぞが出せたら!

この本は、そんな、なぞなぞが大好きな女の子が主人公のお話です。女の子は、一緒に遊べるお友達を探しに森に出かけ、はらぺこオオカミと出会います。お母さんとなぞなぞ遊びをいつもしている女の子は、オオカミにぴったりの、何やら長いなぞなぞを出しました。オオカミは一生懸命考えるのですが、長いなぞなぞに、答えがいっぱい出て来てしまい…あらら? なぞなぞの答えは一つ、ですよね。さあ、オオカミは答えられるでしょうか? 
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第3位 『算数・数学で何ができるの? 算数と数学の基本がわかる図鑑』

算数や数学のことを分かりやすく説明してくれる本ってとってもありがたい。大人も一緒に勉強したくなりますね。

算数・数学で何ができるの? 算数と数学の基本がわかる図鑑

出版社からの内容紹介

算数や数学に対するきみの考えがすっかり変わるかもしれないよ!
きみは気づいていないかもしれないけれど、暗号を解くことからテレビ番組で賞品を当てることまで、そして、彗星の予測から犯罪事件の解決まで、世の中のあらゆることをコントロールしているのは、数学なんだ。
この本では、とっても重要な数学の考えや数学にかかわる発明が「どうやって生まれたのか」を探り出し、「どのように利用するのか」を説明して、ピラミッドの測り方から大金持ちになった方法まで、「どんなことに役立っているのか」を見つけていくよ。

算数・数学の面白さがわかる絵図鑑。

第3位 『新版ヒキガエルとんだ大冒険(1) 火曜日のごちそうはヒキガエル』

登場人物それぞれの気持ちを体験することで、心が豊かになるシリーズ

新版ヒキガエルとんだ大冒険(1) 火曜日のごちそうはヒキガエル

みどころ

一匹のヒキガエルが、ある冬の日に恐ろしいミミズクにつかまって、誕生日に食べられる!?

長い間、小学校国語の教科書にも取り上げられているこちらのお話。大人の方にはあっと懐かしく感じられた方も多いのではないでしょうか?1982年に日本で初めて刊行された後、2008年に訳を新たに装丁も大きく変わり、さらに読みやすく手にとりやすくなりました。

土の中で暮らしているヒキガエルのきょうだい、ウォートンとモートン。ある日ウォートンはモートンが作った美味しい砂糖菓子をおばさんに届けるため、寒い雪道をスキーで出かけます。しかし途中で足をケガして、たちの悪いミミズクにつかまってしまうのでした。ミミズクは6日後の自分の誕生日の特別なごちそうとして、ウォートンを食べるといいます。けれどもウォートンとミミズクは毎晩、お茶を飲んでたくさんおしゃべりをするように。もしかしたらミミズクの気が変わるかも?と淡い期待を持つウォートンとともに読者である私たちもウォートンがどうか食べられませんように、と祈らずにはいられません。そうするうちにもミミズクは、カレンダーの日付を1日1日「×」で消していき、誕生日はどんどん近づいて…。

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第7位 『エルマーのぼうけん』

初めての本格冒険物語との出会いに。50年以上も読み継がれている名作です。

エルマーのぼうけん

みどころ

さあ、リュックサックに道具をつめて、エルマーと一緒に冒険の旅に出発しよう!

これは僕の父さん、エルマーが小さかった頃のある冒険のお話です。ある雨の夜、エルマーは、年取ったのらねこから、「どうぶつ島」に捕らえられているかわいそうなりゅうの話を聞きます。りゅうは、空の低いところに浮いていた雲から落っこちてきたちっちゃな子どものりゅうで、ジャングルの猛獣たちに捕まえられて、川を渡るために働かされているというのです。

エルマーは、すぐに助けに行こうと決心します。早速ねこにどうぶつ島のことや、持っていくものを教えてもらい、旅の準備に取り掛かります。エルマーがリュックサックにつめたのは、「チューインガム、ももいろのぼうつきキャンデー二ダース、わゴム一はこ、くろいゴムながぐつ、じしゃくが一つ、はブラシとチューブいりはみがき‥‥‥」などなどたくさんの道具。そして「どうぶつ島」へと繋がる「みかん島」行きの船に忍び込んだエルマーは、六日六晩たってようやく「みかん島」へ。ここで食料のみかんをリュックいっぱいに詰め込んで、夜の間に「どうぶつ島」へと渡ります。

「どうぶつ島」へ着くと、早速りゅうがつながれている川を探しに、気味の悪いジャングルの中を歩いていくエルマー。ジャングルでは、おかしな喋り方をするねずみや、うわさ好きのいのししに出くわしたり、とら、さい、ライオンなど恐ろしい猛獣たちにつぎつぎと出くわします。猛獣たちはたいていお腹をすかせていて、食べられそうになることもしばしば。さてエルマーは、どんな風に猛獣たちの危険をくぐり抜け、どうやってりゅうを助け出すのでしょうか?
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第8位 『たんたのたんけん』

たんたのたんけん

みどころ

「きのうは まえの日
 きょうは ほんとの日
 いよいよ ぼくの
 たんじょう日」

八月二十九日は、「たんの・たんた」の五歳のお誕生日。たんたが朝飛び起きて窓を開けると、白いふうとうが飛びこんできました。開けてみると、曲がりくねった太い線と細い線や三角や丸、矢印が。どうやら、たんけんの地図のようです。

早速たんたは、たんけんに出かける準備を進めます。向かったのは、ぼうしやさんと、おかしやさんと、おもちゃやさん。たんけんに必要なものを探していきますが、あれあれ? いちいちたんたの真似をして後からついてくるのはいったい誰なのでしょう? その子に気づかないまま、準備が整ったたんたは、たんけんにいざ出発します。 向かう先は、地図に書いてあった「ライオン山」。松の木に登ったり、しっぽ川を飛び越えたり。夢中で進むたんたの後ろをちゃあんとさっきのかわいい子が真似しながらついてきていて‥‥‥。
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第9位 『はれときどきぶた』

はれときどきぶた

みどころ

三年三組。畠山則安。あだなは、十円やす。じまんは毎日、日記をつけていること。けれどもある日、大事な日記をお母さんが勝手に読んでいるところを目撃してしまった則安くんは、腹を立て、「あしたの日記」としてへんなことを書き始めます。トイレに大蛇がいた! お母さんが鉛筆を天ぷらに! 金魚が飛び回る、お母さんの首がのびた、そして空からぶたが降る!? はたして日記を書いた後に起きたこととは?

1980年に刊行され、40年近くにわたり読み継がれてきた『はれときどきぶた』。子どもの頃に読んだという大人の方もたくさんいらっしゃることでしょう。大人になって『はれときどきぶた』を思い出した時に頭をよぎったのは、本の中のエピソードの記憶。特に、鉛筆の天ぷらの記憶は五感とともに残っていて、食べたことはないのに口の中で鉛筆の味がしたり、ガリガリと固い感触がしたり、則安くんのお父さんと同じようにお腹が痛い気までしてくるようで、子どもの頃にお話を読んで感じた感覚がそのまま蘇ってくるようでした。さらに、空からぶたが降るのか、降らないのか、という場面では、心配そうに空を眺める則安くんと同じく、この後どうなるのだろうと不安とワクワクが混ざったような気持ちになったことを思い出したりも。そんな風に、子どもの頃に読んだ記憶が心の深いところに残り続けることがこの作品の持つすごい力ではないかと思います。

子どもたちは、とにかく一度手にとってページをめくったら、あとはもうどんどん読めてしまうでしょう。
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第10位 『おおきなおおきなおいも』

おおきなおおきな おいも

みどころ

いよいよ明日はいもほり遠足。あおぞらようちえんの子ども達は、それはそれは楽しみにしています。ところが…当日は雨。いもほり遠足は一週間延期です。先生は仕方ありませんねって言うけれど。

「つまんない つまんない」

でも大丈夫。おいもは7つ寝ると、いっぱい大きくなって土の中で待っててくれるんですって! そのおいも、どのくらい大きくなっていると思う? 子ども達は想像しているうちに紙に描いてみたくなりましたよ。大きな大きな紙を用意して、それでも足りないからのりで貼り合わせてもっと大きくして。絵具を筆で「ごし ごし しゅっ しゅっ」「ぴちゃ ぴちゃ しゃっしゃっ」…もっと紙を足して。もっともっと。

ああーーーすごい!!
絵の具で描いたおいもの大きいこと、大きいこと。
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ベスト10は、ロングセラーや定番が多かったのですが、新刊や季節のテーマ、話題の本などの中から人気のあった作品をご紹介します。

昨今、ニュースで取り上げられることも多くなった「ヤングケアラー」の存在を物語を通して知ることのできる1冊。2021年の課題図書(中学校の部)にも選ばれている話題作です。

with you

中学三年生の悠人は、高校受験を控えている。優秀な兄・直人や、家族を置いて家を出ていった父親、悠人でなく直人に大きな期待をかける母親、といった家族のなかで、自分の存在意義を見出せない悠人は、日課にしていたランニングの途中、公園のブランコに座る少女・朱音と出会う。どこか影のある表情の朱音に、次第に惹かれていく悠人。朱音が、病気の母親の介護や幼い妹の世話、家事をひとりで背負う“ヤングケアラー”であることを知った悠人は、彼女の力になりたいと考えるようになるが……

 母親の介護に携わる“ヤングケアラー”の少女・朱音に恋をした中学生・悠人の物語を通して、「誰かを大切に思うこと、社会へ目をむける機会」を読者に提供する児童文学です。

スタジオジブリで映画化決定。恐ろしい魔女に立ち向かう元気いっぱいの魔女アーヤのお話、公開が待たれます。

アーヤと魔女

身よりのない子どもたちの家で育った女の子アーヤは、
ある日、魔女の家にひきとられた。
でも、毎日こきつかわれてばかり!
頭にきたアーヤは、魔女の黒ネコに助けてもらい、
魔女に立ちむかう呪文を作り…? 

「ファンタジーの女王」と呼ばれた著者の遺作を、
著者が生前「世界中の挿絵画家の中で一番好き」
と語った佐竹美保のカラー挿絵で贈ります。

★宮崎駿監督おすすめ!

なんという愛らしい本でしょう。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんのさいごの本は、
佐竹さんのさし絵と編集の人の努力で
なんともいえない魅力のあるものになっています。
ぼくは5回位スミからスミまで読みました。
宮崎駿

また新学期らしいタイトルも人気がありました。

森絵都さんによる24人の中学生のリアルな日常。クラスメイトに似た誰かが見つかるかも?

クラスメイツ (前期)

みどころ

ページを開いて読みだした途端、一気に心が中学時代に飛ばされ、懐かしいあの頃が蘇ります。『リズム』でデビュー以来、『宇宙のみなしご』『カラフル』『DIVE!』など、数々のYA作品を生み出しながら、大人向けの小説で直木賞も受賞された森絵都さんの、12年ぶりとなるファン待望のYA作品が届きました。お話の中心となる中学生たちと同じ世代の中学生の読者にも、中学時代が遠い思い出となっている大人の読者にも共感を呼ぶ場面がたくさんあり、あらゆる世代におすすめしたい作品です。

舞台は、中学生の24人が在籍する1年A組。中学校生活スタートの四月、緊張のクラス発表の場面からはじまります。親友とクラスが離れ離れになってしまった千鶴は、勇気を出して後ろの席の女の子しほりんに話しかけます。次第に仲良くなった千鶴としほりんは部活選びに悩み…。つづいて次の編では、千鶴からしほりんに語り手が移り、ここでは女子の三人組問題が浮上します。多くの女子には身に覚えがあるだろう三人組問題。しほりんは、小学生の時の三人組で仲間はずれにされた苦い経験から、今度もまたいつ仲間はずれにされるのかと悩みます…。
女子の語りが続いた後は、クラスの盛り上げ役お笑い担当の男子、蒼太の登場です。さて、一見明るく元気な男子がひそかに考えている悩みとは?
こんな風に、1編ごとにクラスメイトたちの一人一人にスポットがあてられ、それぞれの目にうつる日常の事件やクラスメイトたちとの関係が12編描かれていきます。
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クラスメイツ (後期)

みどころ

中学生24人が在籍する1年A組の1年間を描いた『クラスメイツ』。<前期>にひきつづき、<後期>も1編ごとに語り手が変わり、クラスメイト一人一人にスポットがあてられていきます。<後期>では、<前期>で未解決のまま終わっていたいくつかの問題がつぎつぎに解き明かされていきます。
(中略)
24人の中学生がいたら、24通りの見方や思いがある。自分の視点を通して見ていたのでは知り得なかった現実、全く予期していなかった真実が見えてきた時、登場人物と同様、読みながらショックを受けることもしばしば。そこには身にしみるリアルさがあります。けれども違うからこそぶつかったり、自分にないものを友人のふるまいや言葉にみるからこそ、たがいに影響し合える「クラスメイツ」の存在の尊さにあらためて気づかされます。

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友だち関係に困ったり悩んだりした時には、こんな本も助けになるはず。

学校では教えてくれない大切なこと(6) 友だち関係(気持ちの伝え方)

出版社からの内容紹介

本書は「友だち関係」の2 冊目です。1 冊目で自分が人とは違っていても大丈夫だと学びました。この本では相手が自分の気持ちと違ったときのことも学びます。人は工場で次々に作られる人形ではありません。顔も身体だも考えるこ
とも違っています。だからこそ惹かれ合い、学び合えるのです。自分の気持ちを上手に伝え、相手の気持ちもよく聞いてください。わからないからこそわかりあおうと努力するのが友だちです。

教室にある身近な物たちのゆかいなおしゃべりを聞いてみよう♪

おはなし きょうしつ

みどころ

学校に通う子どもたちが教室でふだん目にしている、たくさんの道具やものたち。
ページを開くと、なにやら楽しそうなひそひそ声が聞こえてきますよ。
ちょっと聞いてみましょう。

「ふでばこ」―ふでばこがしたじきに、もんだいを出しています。
「さて、もんだいです。きょう、ぼく ふでばこの なかには、なにが はいっているでしょうか?」
したじきはすぐに こたえます。「えんぴつと けしごむと ものさし、それから、あかえんぴつも はいってる」
「せいかいです。でも、まだ、なにか はいっています」…。
(さて何がはいっていたのでしょうか?)

「うわぐつ」―うわぐつの かたほうが いいました。「あした、おやすみだよね」「うん、そうだよ」もうかたほうが答えると、
「もうすぐだね。もうすぐしたら、いえに かえって きれいに あらって もらえるんだね」「たのしみだね」…。
(うわぐつたちは、このあと無事に洗ってもらえたのでしょうか?)

教室で使われているものたちがどんなことを考えているのか、それぞれの特徴がよく表れていて、なるほど!と思ったり、くすっと笑ってしまったり。

(続きはコチラ>>>

最後に2021年4月の新刊の中から、おすすめの作品をご紹介します。

2021年4月のおすすめ新刊情報(小学生から中高生向けの新刊です)

秋山朋恵(絵本ナビ 児童書担当)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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