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【11/11まで】企画展「心をつなぐあたたかな色 柿本幸造の絵本の世界」@武蔵野市立吉祥寺美術館

子どもの心へ優しいメッセージを送り続けた絵本の画家が残した宝物

1981年に刊行され、100万部を超えるベストセラー『どうぞのいす』(ひさかたチャイルド)をはじめ、1971年から小学校の国語の教科書に掲載が続く『くじらぐも』(光村図書出版)の絵など、数多くの子どものための絵を手がけてきた、絵本の画家・柿本幸造さん。

 

まるで心が羽毛に包み込まれたような優しい温もりと太陽のようなポカポカした情熱を感じる柿本さんの絵に、今もなお親子で癒され、楽しく幸せな時間を過ごしているという方も多いのではないでしょうか。

 

現在、武蔵野市立吉祥寺美術館にて開催中の貴重な展覧会「心をつなぐあたたかな色 柿本幸造の絵本の世界」は、11月11日(日)まで開催中です。ぜひ、見逃していた方はこの機会に足を運んでくださいね。

展覧会「心をつなぐあたたかな色 柿本幸造の世界」とは?

絵本の画家・柿本幸造(1915-1998)さんは、戦中戦後にかけては、主に広告関係のイラストを手がけていました。子どものために絵を描き始めたのは、意外にも30代後半からなのだそうです。1954年7月号の『よいこのくに』(学研)で初めて挿絵を担当してから、月刊絵本を中心に子どもたちの絵を描く活躍の場が広がっていきました。

 

一度見たら忘れらない、柿本さんの印象的な絵の世界が持つ引力に誰しもが引き寄せられます。鮮やかな色彩と大胆な構図、優しい動物たちの表情など、見れば見るほど緻密で、その深みのある絵の魅力は、子ども時代に心をつかまれた大人が、絵を見た瞬時に幼少時代へタイムスリップしてしまうことが証明していますよね。柿本さんの絵は、時代を超えていつまでも色褪せず存在しています。

 

今回の展覧会では、1967年から約30年かけて26刷が刊行された「どんくまさん」シリーズ(至光社)、1981年刊行の『どうぞのいす』などの代表作から晩年までの作品が展示されます。柿本さんが83歳でこの世を去ってから今年で20年になります。いかなる時も子どもの心に寄り添い、納得いくまで描き続けたという、絵本の画家・柿本幸造さんの絵本の世界をお楽しみください。

『こども音楽館 どうぶつのカーニバル』 文:筒井敬介 学研 1969年
「たろうきたのうみへいく」『ひかりのくに』 文:神沢利子 ひかりのくに1968年7月号   
『どんくまさんそらをとぶ』 文:蔵冨千鶴子 案:武市八十雄 至光社 1969年
どんくまさん そらを とぶ

飛行機を作れるなんて!
私も子供達も大好きなどんくまさんのシリーズ。

雨が降らない日が続いて、草花がかわいそうに思ったどんくまさんが
じょうろをつけた飛行機で空を飛んで僕が雨を降らせてあげる!
と思いたちました。

私はこの、どんくまさんの子供の様な可愛らしい発想が大好きです。
バッタみたいな一号機は失敗。

次女はどんくまさんが乗ったバッタ方の飛行機を表紙と見比べて、飛行機作れちゃうなんてすごいなぁと関心。
でも、飛ばなかったね・・・。

二号機はちゃんと勉強してつくって成功、なようです。

どんな勉強をどのくらいしたら飛行機作れちゃうの?
なんて、私はまたもやひとりで大うけ。
子供達にはココらへんはわからないでしょうが。

時間がゆっくり流れるような、とってもほっこりする絵本です。
(うららさん 30代・栃木県小山市  女5歳、女3歳)

『どうぞのいす』 作:香山美子 ひさかたチャイルド 1981年
どうぞのいす

どうぶつ大好き  
この本は、長男の幼稚園の発表会の劇になりました。
わたしは知らなくて、子供に聞いても話はあやしいので(4歳児の説明は、断片的)、インターネットで調べました(もちろんその後本は読みましたが)。
次々と出てくる動物たち(長男は、きつね)。でも争いはひとつも起こらず、みんながいすの上にあるものを善意であるものと思い込んでいる。ものをもらっても、自分だけではいけないと変わりのものを置いていく。いま、人を傷つけたり、だましたり、争ったりという話が多い中、なんて平和な話なんだろうって思います。でもひとを思いやる、そんな子供になってほしいなと思う本でした。
(プーママさん 30代・愛知県名古屋市  男4歳、男2歳)

どんぐりとんぽろりん』作:武鹿悦子 ひさかたチャイルド 2008年
どんぐりとんぽろりん

ぱらぱら とんとん ぱらぱら とん。木がどんぐりの実を落としました。りすとくまがやってきて秋の実りを味わいます。たくさんもらって、たくさん食べてあとはみんなおやすみの準備。季節感あふれるお話を詩情豊かな絵とリズミカルな言葉でお届けします。

 

秋の吉祥寺を感じながらお出かけするにはなんてピッタリの展覧会なのでしょう。心がぽっと明るく優しくなる、そんな素敵な時間を大切なお友だち、ご家族と分かち合いながら、お過ごしくださいね。きっと思い出に残る秋の日の1日となることでしょう。

企画展概要

展覧会名:心をつなぐあたたかな色 柿本幸造の絵本の世界

会  期:2018年9月29日(土)~11月11日(日)

休 館 日:10月31日(水)

主  催:武蔵野市立吉祥寺美術館

協  力:学研プラス・至光社・チャイルド本社・ひさかたチャイルド・光村図書出版・偕成社・教育画劇・講談社・小峰書店・新日本出版社・世界文化社

ひかりのくに・フレーベル館

 

【基本情報】
開館時間:午前10時~午後7時30分
休館日:毎月最終水曜日
入館料:一般:300円 中高生:100円(小学生以下・65歳以上・障がい者は無料)
交通案内:JR、京王井の頭線「吉祥寺駅」下車、北口より徒歩3分

 

武蔵野市立吉祥寺美術館
住所:〒180-0004武蔵野市吉祥寺本町1-8-16 FFビル(コピス吉祥寺A館)7階
電話:0422-22-0385

https://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=190 絵本ナビの特集記事が読めます:柿本幸造さん 誕100周年記念特別企画 出版社・書店 座談会

富田直美(絵本ナビ編集部)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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