【news】舘野鴻絵本原画展「ぼくの昆虫記 ー見つめた先にあったものー」@東京・町田市民文学館 開催中!
昆虫の細密画で知られる舘野鴻さんの初めての大規模原画展
絵本作家・舘野鴻さんの絵本『しでむし』『ぎふちょう』『つちはんみょう』(出版社:偕成社)の原画展が東京・町田市文学館 ことばらんどで開催されています!夏休みに精巧に細部を描かれた美しい昆虫の原画を見るチャンスです!是非、親子で足を運んでみてはいかがでしょうか。
絵本作家・舘野鴻さんの描いた絵本とは?
絵本作家・舘野鴻は、幼少期より日本のファーブルと呼ばれる熊田千佳慕に師事し、昆虫を始めとする生物の観察を続けてきました。
2009年に自身初の絵本『しでむし』が刊行されると、埋葬虫とも呼ばれ、これまであまり知られてこなかったしでむしの一生を描ききり、その圧倒的な画力と観察眼で注目を浴びます。
2013年には、一年のほとんどを地面の下で過ごし、早春の短い期間だけ姿を見せるぎふちょうの生態を追った『ぎふちょう』で細密画昆虫絵本のジャンルを確立させました。
2016年に刊行された『つちはんみょう』では、わずか4日という寿命の中、種の存続のために決死の旅をするつちはんみょうの道程を、8年にもわたる生態調査を行い1冊の絵本に仕上げました。この本は、2017年に第66回小学館児童出版文化賞を受賞しています。
ツチハンミョウは、「道教え」として知られる美麗な「ハンミョウ」と異なり、地味で目立たない控えめな虫です。その繁殖方法は独特で、4000個の卵から生まれる体長1ミリにも満たない小さな幼虫は、寄生先となるハチの巣にたどりつくため、いろいろな虫にとりついていきます。わずか4日という寿命の中、種の存続のために決死の旅をする幼虫たちの道程を、緻密かつ力強いタッチで描きます。
物語の最後では、ようやくたどり着いた巣の中で対峙する、2匹の幼虫たちが描かれます。そのすがたは、わたしたちにいのちのあり方について考えさせます。
ツチハンミョウについては『ファーブル昆虫記』にも記述がありますが、この本の主人公で日本固有種のヒメツチハンミョウについては、あまり知られていませんでした。著者の舘野さんは、その生態を解明すべく、8年にも及ぶ生態調査を行ない、その一部を明らかにしました。巻末の解説では、その調査のようすや、生態のくわしいようすを、臨場感のある写真を交えながら紹介します。
衝撃のデビュー作『しでむし』や『ぎふちょう』などのうつくしい細密画で知られる、著者渾身の新作絵本。
今回の展覧会は、長い年月をかけて描き上げられた美しい原画の数々を直接鑑賞できる貴重な機会です。舘野鴻さんご本人に会えるイベントもありますので、夏休みを利用してぜひ足を運んでみてください。
【著者紹介】
舘野鴻(たての・ひろし)
1968年 神奈川県横浜市生まれ。
母親の影響で小さな頃から絵本画家の熊田千佳慕のアトリエに出入りし、中学校で生物部に入部。大学に進学すると、昆虫採集をしながら、演劇や舞踏、音楽活動を行なった。大学中退後は、舞台美術、生花店など様々な仕事をしながら音楽活動、生物観察を続け、1996年秦野市への転居をきっかけに本格的に生物画の仕事を始め、2009年に初の絵本『しでむし』(偕成社)を出版。類まれなる観察力と精密で写実的な絵で大きな反響を得る。2017年『つちはんみょう』(偕成社)で第66回小学館児童出版文化賞を受賞。
原画展情報
舘野鴻絵本原画展 ぼくの昆虫記 ー見つめた先にあったものー
|会場|町田市民文学館ことばらんど
|会期|2018年7月14日(土)〜9月24日(月)
|観覧時間|10:00〜17:00
|入場料|無料
|休館日|毎週月曜日、第2木曜日 ※ただし7月16日、9月17日、9月24日は開館
|協力|偕成社
|関連イベント|
■舘野鴻公開制作
7月28日、8月18日、25日、9月1日 いずれも土曜日 13:00〜17:00
■記念対談
①舘野鴻「いとしき黄泉の番人たちー虫と妖怪のあやしい世界」
聞き手:原口尚子(水木しげる長女)
9月9日(日)14:00~16:00
定員:80名(申込順)
イベントコード:180807A-A
②舘野鴻×奥本大三郎(フランス文学者)「ぼくの昆虫記」
9月15日(土)14:00~16:00
定員:80名(申込順)
申込は8月7日(火)12:00から
電話で町田市イベントダイヤル(042-724-5656)
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |