寝るのって、むずかしい…? 2018年10月11日
一日の終わりの最大の楽しみといえば、やっぱり「寝ること」。
色々あるけど、まあとにかく一旦全てを忘れて目をつぶって。
明日のことは、明日の私に任せればいいや。
ナマケモノで、めんどくさがりの私にとって、それは素敵な逃避行。
だけど、もちろん人生には様々な事が起こるので、
目をつぶるだけでは、逃避行に出発できない日だってある。
さらに輪をかけて眠れないのは…「寝なくてはいけない日」。
明日早いから、明日大事な日だから、しっかり休まないといけないから。
理由があればあるほど、必要に迫られれば迫られるほど、目が冴えてくる。
…そういう時は、「あの頃」を思い出す。
あかちゃんだった頃の息子の寝かしつけ。
いかにスムーズに素早く深い眠りに入ってもらえるか。
毎日毎日が勝負だったあの頃。
そこで学んだ大事なことはふたつ。
あかちゃんは「ねむいのにねむれない」時に泣くってこと。
早く寝てほしかったら急いじゃいけないってこと。
「急がば回れ」です。
そうだった、そうだった。
寝る方も、寝かせる方も、焦ったり、緊張してたらダメなのです。
なるほど、だからこの絵本に妙に惹かれるのかもしれない…
ねむたい ねむたい
ねむたくて、ねむたくて、びーびー泣いていたなすびのこですが…
“ねーたーよー”
いつの間にかこってんと横になって寝てしまいましたよ。
続いてねむたい、ねむたいばななのこも、かぼちゃのこも…
“ねーたーよー”
あー、可愛い。なんて可愛いのでしょう。
ねむたいのかな、寝るのかな、という表情からの…
“ねーたーよー”
これがいいのです。
…え、絵が大らか過ぎて違いがわからないって?
いえいえ、わかるんですよ。見守っているママには。パパには。
その瞬間のなんともいえない愛らしさと安堵感。
幸せな時間です。
“ねーたーかーなー”“ねーたーかーなー”
寝そうで寝ないそらまめの兄弟たちだって、ほら。
いつの間にか、いいお顔で「おやすみなさい」。
声に出して読んでいるだけで、あかちゃんも、小さな子どもたちも、読んでいる大人だってねむたくなってきてしまうこの絵本。そのひみつはやっぱり、愛らしくて大らかで、それでいてクスっと吹き出しちゃうようなやぎゅうげんいちろうさんの絵とことば。語尾をのばしたその言い方に、なんだか全身の力が抜けちゃうんですよね。
息子はすっかり大きくなりましたが、今さらクセになってしまいそうなあかちゃん絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
大人になったって、意識してリラックスするのは案外難しいもの。
そういう時は自分に言ってみればいいのかも。
「ねーれーばーーー…?」
その気の抜けた響きは、今自分が起きている意味を忘れるほど。
効果絶大です。よし、今度夜更かしを覚えはじめた息子にも使ってみよ。
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磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
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