プログラミング教育がスタート!家庭でできることは?(前編)
2020年度から全国の小学校で開始されたプログラミング教育。
「プログラミングって何をするの?」「うちの子にできるかしら…」などなど、心配に思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は株式会社しくみデザイン代表の中村俊介さんに、プログラミング教育について教えていただきました。
プログラミングと深く関わりのある子どもの「創造力」につながる絵本もご紹介します!
中村 俊介
芸術工学博士、(株)しくみデザイン代表
九州芸術工科大学大学院(現・九州大学芸術工学研究院)にてメディアアートを制作しながら研究を続け、博士(芸術工学)を取得。 パソコンのカメラで手や体の動きを検知し、楽器を演奏する電子楽器「KAGURA」が米Intel社主催の世界コンテストでグランプリを獲得。その後、創造的ビジュアルプログラミングツール「Springin'」を開発するとともに、世界中の子どもたちがクリエイティブになれる方法と環境を研究・実践する「クリエイティブ教育ラボ」を立ち上げ、研究所長に就任。
プログラミング教育って??
今年度から全国の小学校でプログラミング教育が始まりました。
「プログラミング教育ってどんなことするの?」
「親は何をしたらいいの?」
「うちの子、ついていけるかな?」
……新しいことが始まるのって、親としては不安ですよね。
そこで今回は「プログラミング教育とは何か」や「家庭でどんな支援ができるのか」についてお伝えしていきます。
プログラミング教育って何のため?
そもそもプログラミング教育って何のためにするのでしょうか?
現在、文部科学省は、プログラミング教育の目標について「プログラミング的思考を育む」「よりよい社会を築く態度の育成」などの言葉を使って説明していますが、一言で言えば「コンピューターを活用して子どもたちの創造する力を育む」ということ。
なぜ、創造する力が必要なのか考えてみましょう。
特に「創造する力」の必要性を実感したのが、今回のコロナウイルスの感染拡大ではないでしょうか。この影響で、世の中の様子がガラリと変わりました。
たくさんの人たちが一気に仕事を失い、子どもたちも学校に行けなくなる。
こんなことは去年の今頃では考えられなかったことです。
政府が提唱する新しい生活様式でも「外食をしても、あまり会話はしないように」「人との会話は正面を避けて」など、今までの「当たり前」は当たり前でなくなり、世の中は突然変わることを思い知らされました。
今回のウイルスに限らず、子どもたちが生きていく未来は、これからも変化を繰り返していくことが考えられます。
そんな中で「創造する力」が重要になってきます。
今どんなことが社会に求められ、そして自分に何ができるのかを考え出す。
まさに「社会に適応する人材」ではなく「社会をつくり出していける人材」が求められるのです。
なぜプログラミングなの?
「社会の変化や創造する力については分かったけど、なぜそれをコンピューターの活用を通して(プログラミングで)養うの?」そう思った方もいるかもしれません。
そうなんです。そこが今回とても大切なところ。
理由は大きく分けて2つあります。
(1)プログラミングは試行錯誤がしやすく、創造する力を身に付けるのに適している
(2)何かを創造する上でコンピューターの力は欠かせない
順にお話します。
(1)プログラミングは試行錯誤がしやすく、創造する力を身に付けるのに適している
プログラミングでは「こうしたい!」と思うゴールに向かって、必要なプログラムを組み合わせていきます。プログラミングしたことはその場で試すことができ、正しかったか間違いだったかがすぐにわかります。
考えて試す、違ったらまた考える……これが何度もできる。試行錯誤は創造するためには欠かせない過程です。その点から創造する力を身に付けるのに適しているといえます。
また「プログラムの組み方が1つではない」というのも良さです。
方法が1つしかなければ、友達に聞いてそれで終わり。考える場面が減ってしまうかもしれません。「他のやり方もある」それを知ると子どもの創造する力はもっと高められます。
② 何かを創造する上でコンピューターの力は欠かせない
変化する世の中を生きていく上で必要になってくるのが、コンピューターを活用する知識や技能です。今やコンピューターが身近にあふれ「何をコンピューターに任せればいいのか」を判断して、使いこなしていくことで生産性は大きくアップします。
それでは具体的にどんな学習をするのか…ですが、今回はここまで。次回、学校での学習や家庭での支援の仕方についてご紹介します。
その際に取り上げるのがSpringin’(スプリンギン)というプログラミングアプリ。
興味のある方は以下のボタンからダウンロードしてください。
子どもの創造力につながるオススメの絵本は?
最後に、子どもの創造力につながる絵本を紹介します。
実際のプログラミングに取り組む前に、絵本でお子さんと一緒に肩慣らしをしてみてください。
パソコンやタブレットが手元になくても、創造力を身に付けることはできますよ!
1冊目は『せんろはつづく まだつづく』です。
線路をどんどんつなげて、列車を走らせる!工事中だ。どうする?高いがけだ。どうする?お客さんが来たよ。どうする?さまざまな困難に「こんなものがあったらいいのに…。よしつくっちゃおう」と、必要なものをどんどんつくってお話を進めていきます。子どもに読みながら「どうすると思う?」「あなたならどうする?」と一緒に考えながら読むと楽しい時間になること間違いなし!
2冊目は「がったいガッチーン!」です。
この絵本のテーマは「合体遊び」。身の周りにあるものも合体させるとまったく違うものになる。つまり創造とは「何もないところから新しいものを生み出す」だけではなく、「既存のものも少し変えたり組み合わせれば新しいものが生まれる」ことも含まれます。読み終わったら家にあるものを組み合わせて「合体遊び」をしてみるのも良いですね。
何をつくるにしても、自分のイメージする動きになるように試行錯誤を重ねる中で「創造する力」を育くんでいく、それがプログラミング教育です。
先ほどご紹介したアプリSpringin’(スプリンギン)は文部科学省主催の「みらプロ2020」にも採択されており、全国の学校でも使われています。iOS対応のためiPhoneやiPadでご利用いただけます。
詳しく知りたい方は、Springin’公式HPをご覧ください。
https://www.springin.org/jp/
次回をお楽しみに。
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